ホクレアとは、牛飼い座の主星(全天でシリウスに次ぐ明るさを持つ)の名前で、何でもハワイの真上を東西に動いている星だそうだ。この星の名を乗り込むカヌーの名に頂き、星と海流と風だけで航海して、この度、ハワイからヤポネシアへ来ようというカヌーの名前だ。ナイノア・トンプソン率いる10名余りのクルー達によって、この航海は実行されようとしている。(ホクレアとはハワイ語で喜びの星という意味)
50年余り前から、西欧米諸国の核実験の場のひとつ、ミクロネシア、ビキニ、マーシャルの島々と人々の海を航海し、パラオ、沖縄、長崎、福岡、山口、四国宇和島、横浜、ヤポネシアを巡る予定だ。この予定は未だ予定のままだが、とにかくハワイ・ヤポネシアの航海のロープは解かれるのだ。その航海をするカヌーの名前がホクレアと言うわけだ。広島を第1回めの核実験と呼ぶ人もいる。考えてみれば、戦後60年は核と核被爆の時代と同時に経済成長の時代とも言える。経済成長とは、言い換えれば戦争と自然破壊ビジネスとも言える。非核平和環太平洋の希望の風に吹かれて、カヌーはやって来るのだ。朝の方向に旅立ち、昼の方向を通り、カヌーはやって来る。ヤポネシアへ。
太平洋の核実験、核被爆の話題は50年余りの間、ほとんど封印されてきた。広島・長崎の平和セレモニーの影とされてきた。今その封印は解かれるのだ、そのように願いたい。六ヶ所再処理ビジネス・ストップということは、どういうことか、6000kmとも7000kmともいわれる命がけのホクレアの航海を期に、各々の心に今一度おもいあらためてもらいたい。
僕らはもう一度、タロイモとヤムイモの道を生きていることを思い出す。太平洋に繰り返された核実験、そしてそこに住む人たちは実験動物であったと、人々は気づき出したのだ。日本国においては核だけでなく、経済成長の実験動物なのだ。そして闘いは今も世界中で毎日続いている。ホクレアはそのような風に吹かれてやってくるのだと思う。しかし何よりもホクレアを旅させるのは、太平洋の愛だ。
ホクレアを前に、六ヶ所再処理工場ビジネス、憲法改悪を前にLOVE&PEACEをぼく等の心の中にはっきりと決意を以って問われなくてはならない。上関原発を作らせてはならない。焼津からの平和の願いをしっかりと太平洋非核の輪の内へ届けなくてはならない。プルサーマルを許してはならない。世界で最も危険な場所に立つ浜岡原発を一日も一刻も早く止めなくてはならない。
つながろう 虹のヤポネシア
祓いたまえ 清めたまえ
わだつみのかむながら
まもりたまえ みたま
さちはえましませ
内田ボブ →全文を読む