ホクレア号、ヤポネシアへ 呼びかけ文
(「ホクレア号焼津寄港実現にむけて!」の主旨)



ナイノア トンプソンさんへ

はじめまして

この度、私達は「ホクレア号焼津寄港を喜ぶ実行委員会」を立ち上げ、あなた方の寄港を強く望むところであります。

私達はあなたとあなたの仲間達によって行われる、ヤポネシア(日本列島)来訪の航海のことを親しい友人達から聞きました。あなた方の航海の意義においても、私達なりに理解しているつもりです。まだお会いしたこともないあなたに突然お手紙差し上げることをお許し下さい。

焼津という漁港ー日本では、カツオ、マグロの水揚げで有名な漁港の一つですーの名前をお聞ききになったことはないでしょうか。焼津市は1954年ビキニ島付近で漁をしていた際にアメリカ合衆国の水爆実験に遭遇し、被曝した第五福龍丸の母港のある所です。これは広島、長崎に次ぐ核爆弾による被曝死を出した事件でした。

太平洋にはまだまだたくさんの被爆の歴史があり、それはいまでも続いていると聞いています。第五福龍丸の事件もこれだけではなく、同じような被爆に遭った船がたくさんあったのだと聞きました。マスコミや社会はその事実をひたすら隠し葬り去ろうとしてきました。したがって日本人と日本社会はそのことに関して無知、または無関心のままです。

同じ海に生きるものとしてそのようなことでいいのでしょうか。

焼津市はまた古くからの漁港で、その伝統も守ろうと意欲的な市でもあります。あなた方の興味あることもたくさんあるのではないかと思います。

この焼津市のある静岡県は有名な富士山のあることでも知られています。富士山は古くから火の山を意味しているといわれています。太平洋を横切る火山の道によって、あなた方が尊敬するマザー・ペレとも一つにつながっています。

焼津市民をはじめ、たくさんの人々があなた方の航海とホクレアの焼津寄港に関心と友情を示しています。

是非、ホクレア焼津寄港をご一考下さいますようお願いいたします。

            
ホクレア号焼津寄港を喜ぶ実行委員会
内田ボブ 拝

*内田ボブHPに載せたメッセージ  


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ホクレア(喜びの星)という名の復元された太古の双胴カヌーが、いまハワイを船出して、ミクロネシアの島々を巡り、そしてここ日本列島ヤポネシア目指し航海を続けています。

予定では今年4月から5月にかけて沖縄を皮切りに長崎、熊本、福岡、山口、広島、愛媛そして最終、横浜にむけて寄港するようです。

昨年の秋、このホクレア来航の話を聞き私達は静岡県焼津にて「ホクレア号焼津寄港を喜ぶ実行委員会」を立ち上げ、ホクレア号の寄港実現のため、上記の手紙をホクレア号の中心人物であり伝統的な航海士であるナイノア・トンプソンさんに送りました。

しばらくしてナイノアさんから返事が来ましたが、正式寄港地(原則として4日間滞在する)としてはスケジュール的には無理ではあるが、焼津からの想いは理解してくれた内容が書かれていました。

私自身、マグロ船に13年間乗ってきた経験からも、船による航海というものは陸での移動のように計画通り事が運ぶというものではない、という事を身をもって知っています。ましてや、風以外の何の動力源も持ちえない古代のカヌーであれば尚のこと、まさに”天”まかせの航海であるでしょう。

荒れた天候になれば船は避難のため近くの港に入ります。またそんな悪天候でなくとも、必然の”風”が吹けば、船はその風に乗って港近くにやってくるでしょう!

私達は、江戸時代のカツオ漁船を復元した木造帆船でもある八丁櫓(はっちょうろ)という船で、駿河湾を横切るホクレアを出迎えに漕ぎだそうとも思っています。その伝統航海技法を継承する若者も焼津には大勢いるのです。

ホクレア号がここ焼津に寄港する意義は、わたしたち日本人にも大きな意味を含んでいると信じています。

ハワイ〜ミクロネシア〜ヤポネシアそして環太平洋に、非核、非戦、平和の願いが実現していくよう、未来の子どもたちに、母なる地球、母なる海を残していこうではありませんか。

ぜひともホクレア号日本航海において母なる富士の懐である、ここ焼津の港に「喜びの星」を迎え、第五福龍丸の魂との大いなる出会いを実現させたいと願い、そのために一人でも多くの人の関心とご協力をお願いする次第です。
            
ホクレア号焼津寄港を喜ぶ実行委員会                     
実行委員長 岩川 透                         runrundavidjr@hotmail.com

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