2002年12月19日 カリフォルニア レッドウッドバレ




久しぶりのカリフォルニア。カリフォルニアの空気を色濃く感じたのは、仕入れに
行ったシスコのビーズ屋さんで。いつもなら成田空港で様々な国籍の人々に交じる
時、人が発する想念のベクトルが様々なので開放感を感じ始める。住みなじんだ日本
もいいけれど個人の感性とあり方がなんでもありのカ リフォルニアは、温泉に浸
かったときのように、のびのびと細胞の隙間が気持ちよく広がる。
 
シスコのミンナストリートの寂れた感じの路地にあるビーズ屋さんは、壁中に様々な
ビーズのサンプルが展示されている。あまりにサンプルが多いし、たくさん買うと安
くなるが、買いすぎても仕方がない。勘を働かせて限られた時間で即断し注文用紙を
埋めていく。この日一日でビーズ屋さんを4軒まわり、仕入れたビーズとヘンプは合
わせて500ドル。これをこれから販売用手作りアクセサリーに仕上げていくんだな
あ。いつも購入したビーズは数ヶ月で使ってしまう。今回はもっとゆっくり楽しんで
作ろう。機内で一睡もしてなくて、その足で店に来たので、さすがに眠くて疲れた
が、こどもたちと連れ合いは別の友人が空港から彼女の家まで運んでくれていて、わ
たしはシスコの友人、千枝子さんの車で店をまわることができて集中できて、幸せ
だった。
 
ジェネラルビーズというシスコのビーズ屋のカウンターで店内に流れる歌と一緒に
シャウトし踊りながらわたしの注文したビーズを棚から探し、真剣な面持ちで電卓を
打つ女性を素敵だなと思った。彼女の電卓は溢れんばかりにビーズがデコレーション
してあって、あれでよく数字が見えるなあと感心する。腕も胸元もジャラジャラと
ビーズを綴ったアクセサリーが揺れる。ここは魔女のお店だったかしら?という感
じ。自分の好きな世界に楽しく働いてる人はなんだかパワフルで見てて楽しい。
 食料品を買出しに行った大きなマーケットのレジでは、店員さんたちがレジを打ち
ながらお客さんと仲良さそうに会話を楽しんでる。多少、待たされても、会話を楽し
み、生き生きした眼差しで働いてる人たちを眺めてると自分の中で忘れそうになって
たことを思い出す。生きてることをいつだって楽しんでていいんだなあ。アジアの食
品を購入すると、店員さんに”どうやって食べるの?”とよく聞かれるし、また町を
歩いていると”その服、どこで手に
入れたの?素敵ね。”などと見知らぬ人から声をかけられる。そういうリラックスし
たオープンなカリフォルニアの空気、今を生きてる人たちが、わたしは好きなんだな
あ。
 
わたしたちの家は、シスコから北へ4時間走らせたエルクマウンテンにある 。いく
つかの大きな町を過ぎてしまうと、山々の間を荒涼と広がる使われていない土の広が
りが続く。いつかの小さな町を通過する時、カフェでコーヒ ーをテイクアウト。わ
たしは車の中から風景に目を走らせるのも 好き。隅々まで開発されている日本から
来ると、人が利用しない土地がたくさん残されていることが、わたしの気持をしっく
りと落ち着かせる。

さて、きょうは標高の高いエルクマウンテンは積雪。低地に走るフリーウェイですら
雪が降り始めたので、山へあがることを断念してレッドウッドバレーに住むかつては
エルクマウンテンの隣人だった親しい家族の家に泊めてもらうことに。彼ら坂根家は
カリフォルニアでは見かけたこともないお好み焼きやさんをukiahという小さな
町に開店させるため内装工事の大詰めに入っている。八星もアマチも幼馴染のルナ
ちゃん、裕太と久しぶりに遊べて生き生き。八星は日本で何度か”ルナに会いたいな
あ。”とこぼしていた。”やっと会えたと思ったら夢だった。”と言われた時は、会
わせてあげたいなと心から思ったんだ。会いたい人がこの世界に存在してるなんて、
それだけで貴重なことだと思う。会いたい人とは必ず会えるよ、距離は関係ない、そ
ういうことを子どもにも信じられるように運んであげたい。
 わたしも信頼してる友人の直ちゃんと、いろんな話ができて自分の心が整理されて
いくことに驚き、感謝している。彼女の瞑想の部屋で早朝、一緒に瞑想もして、今回
のカリフォルニア滞在の目的を再認識した。わたしは、これからの自分の新しい人生
の門出のために、今までの自分を培ったエルクバレーの家を整理する。また、訪ねる
ことはあるだろうが、今度は違った形で。”手放すとスペースができ、新たなものが
やってくるよ”と直ちゃん。自分をずっと知っていて、見守り、深く理解してくれて
いる友人の存在に感謝。
 
もうすぐクリスマス。せっかく町に滞在してるならそれなりに、楽しく過ごそう。2
1日は直ちゃん、ルナちゃん、八星と4人で”くるみ割人形”のバレエ公演を見に行
く。22日は、ロウアーレイクのユニティチャーチで歌う。この教会とは8年以上の
お付き合いで、久しぶりに帰ってきたのに、すぐ日本へ行くことになっていることを
深く惜しんでくれて、日曜礼拝を全てわたしたちのために用意した、と連絡があった。
午前中の礼拝はわたしと和生の歌と話。午後はわたしたちの歌とパーティー&セレモ
ニー。英語なので、自分の伝えたいことがどこまで伝わるかと不安もあるけれど、自
分の流れをしっかりと伝え、これからも繋がっていきたい。