2001年6月7日     


みなさん、お久しぶりです。1月25日から5月10日まで、3ヶ月日本をコンサー
トツアーしていました。この間にいただいたメールには返事ができずごめんなさい。
40回以上のライブを日本の各地でさせていただき、ほんとにたくさんの人や場と出
会いました。あまりに濃厚な日々で、まだなかなか言葉になりません。

 沖縄はよかったですね。ハードなスケジュールの中でわたしは風邪をひき声がでな
くなったばかりか、体調が思わしくなかったのですが、本島のげさしという海岸で3
泊キャンプしている間に、自分の具合の悪かったことを忘れてました。
 浜に打ち寄せられたきれいな貝殻を夢中で拾い、島の人からいただいた古布を裂い
て貝殻を編み込んで首飾りをいくつも作りました。肩が凝ると、珊瑚礁のところまで
泳ぎ、ウニが自分の体に海草や珊瑚をまとってカモフラージュして歩くユニークな姿
にひとりで笑ったり、こどもと手をつないで熱帯魚を見て泳いだり....。そして、西
表島まで足をのばしたら、野生のままの森や川にも会えました。そして美しい珊瑚礁
!野生のままの森や川、海はわたしたちの心を広々とさせてくれる。夜の暗さと静け
さ、そういったものがどんなに貴重なものであることか!
 
そう、沖縄の美しい自然は、わたし達は旅の疲れをすっかり癒してくれたのです。

そして、今回の旅では、人の心の中にある自然にも、癒された気がしたんです。いく
つもいくつものコンサートのシーンで。わたしはあくまでわたしの体験を通して訪れ
た静けさを歌っているんですが、聞いてるみんながわたしの歌う自然のもたらす安ら
ぎに憩っている、そのみんなの安らいだ心によって癒されていったわたしがいたんで
す。なんていったらいいのかな、不思議な空間ですね。わたしは、わたしの森を歌う
。その森に安らぐみんなの安らぎがわたしを満たす。そして、わたしは思いました。
人の心にも自然があるんだなあって。

ゆく先々で、こども達がみなさんのお世話になり可愛がっていただきました。本当に
ありがとう。わたし達を親に選んでやってきてくれた彼らの学校は、今のところ基本
的にはわたし達の暮らしと旅の中にあります。最初のころ、5才の八星が、コンサー
トの間もわたしから離れられずに足下で転がっていたり、しがみついたりしていまし
た。でも、旅の終わる頃になると、コンサートの終わるのを待てるようになった。8
才のあまちは、3週間、わたしの大学時代の友だちの家にお世話になり日本の学校を
体験しました。

そして、今わたし達は、カリフォルニアの山の日常に戻っています。

週末には、山を降りて、教会や結婚式、イベントで歌っています。山の広大な景色と
静けさがひとしお味わい深いです。八星やあまちまで、”暮らすのはここがいいよね
”なんて言っている。そして、あまちは、また週1日のチャータースクール(シュタ
イナースクール)のホームスクーリングのクラスへ復帰しました。3ヶ月のブランク
を気にすることなく、もといた場所へ歓迎してくれるあまちのクラスも、わたし達を
Welcom homeと迎えてくれたくれた人々やいくつもの場所も、改めて感じさせてくれ
た。この国、この山は既にわたしたちの第2のふるさとだなあと。

そしてまた一方では、これから、アメリカと日本を行き来しながら歌ってゆくであろ
う私達の心は日本へも向いています。

わたし達家族は、7月30日、再び日本に飛びます。福島、仙台、花巻、鳥取、松江
、岡山、広島、兵庫、大阪、静岡、東京
などでコンサートが決まりつつあります。今でしたらまだスケジュールが流動的なの
で、私達(今回は、かずきとのデユエットとが基本です)の歌が必要とされる場があ
ればお早めに連絡してくださいね。今回は祭りなどにも参加するつもりです。

わたしたちは日本でも田舎に家を借りようかなと考えています。できれば、泳げる海
の近く。次回の旅のあいだに巡り合えるかな?耳寄りな情報があれば教えて下さいね

また、次ぎの旅からわたしは”麻ひもでビーズを編みこむアクセサリー”のhempクラ
フトのワークショップを始めます。今まで自分で作り販売してきたものの枠をもう少
し広げて、手作りの楽しみをみなさんと分かち合えるようにと考えはじめたんです。
麻ひもやビーズはある程度こちらで用意し作り方の基本を教えます。あとは、それぞ
れの感性に任せてご自身のためのアクセサリーを作ります。ひとつのクラスの定員は
10人から20人くらいまで。コンサートとあわせて各地で企画中です。興味のある
方は問い合わせて下さいね。

また、前回初めての試みとして”祈りとうたのワークショップ”を大阪のももの家で
行い好評でした。また次回も同じももの家でワークショップが計画されつつあります
。わたしのイメージするワークショップは、参加者主体のワークで、参加されたそれ
ぞれの方の参加目的にフォーカスし、参加者の直感と手法をとりいれ組み合わせて、
非日常の日常を作り上げてゆく。そんな中で新しい自分や可能性を発見できたらいい
なと思っています。これは、基本的にはわたしの他者に対するむかい方なのです。で
すけれど、やはりワークショップの場合、自分として提供できるものが大切ですね。
わたしの場合は歌、そしてみなさんと共に冥想して祈ることが好きです。そんなこと
が当たり前に日常的に分かちあえるようになるといいなと、と思っています。

それでは、今回の旅の間にできた新曲をどうぞ。実は、アメリカに帰ってから、さら
に3曲できています。


  君のひとみ  詩曲 有里

夜空の星のまたたきに 君の光りみつけよう
目を閉じて 胸に宿る 愛の温もりに まだ見ぬ君のひとみを感じてる

愛して 愛されているよ 胸に広がる安らかな気持ち
目を閉じて 胸に宿る 愛の確かさに 君を運ぶ君自身の愛

君は愛されているよ どこで何をしても
そして 君が君らしく君の歌うたう時 君は世界をまるごと愛してる
そして 君が君らしく君の暮らし始める時 君は世界をまるごと愛してる

                  (2001、3月、仙台の石森くんの家で)

ところで、次回日本にはパソコンは持っていきません。それから、旅のあいだ、メー
ルを人のパソコンを借りて出すのは、わたしには難しかった。そもそも、ほとんどそ
ういう時間がなかったし。そんなわけで、メールをくださるなら7月中にお願いしま
す。ありがとう。