2002年6月5日   山梨県 小淵沢市〜東京 池袋



 
スケジュールが空いたので6月1日からここへ来た。和生と子どもたちが友人の使ってない町営住宅を一ヶ月お借りして久しぶりに定住生活をしている。
1日、駅に車で迎えにきた和生と八星、なんだかのんびりとして健康そうだった。このところ長期にわたってわたしたち家族は家を離れて旅をしてるから、同じところにマイペースでいられる時間がエネルギーを与えてくれているんだと思う。
一週間振りで逢う八星が、車に乗り込んだわたしを見て嬉しそうに、”ママ、裸んぼだ!”という。このところ暑くて、ノースリーブのTシャツだったんだ、わたし。
”ママに、かわいいって言われたくないって八星は、言ってたんだよね。”、とやはり嬉しそうに八星の反応をうかがう和生は、どこか若々しいと思ったら、前歯がきれいに入っている。彼がこの地域に、一ヶ月定住することにした理由は歯医者の藤森さんがいるからだ。コンサートに来ていただいて知り合った藤森さんは旅人の和生のために毎日、数時間予約を入れてくれて、歯のねっこを生かした状態で素晴らしい治療をしてくれている。
あまちは近所に友達ができて遊んでいるらしく迎えにはこなかった。助手席に坐ってる八星をだっこしたくて後部座席から手を伸ばすと、八星はふにゃふにゃとした笑顔でわたしにもたれかかってきた。かわいいなあ。でも、もう本人もしっかりしたい気持もあるんだな、かわいいってまだ言っていたいけど。
この夜は温泉に。八星はこのところ女風呂に入るのを嫌がり和生と男湯にはいるのだけれど、この日は迷わずわたしと女湯へ。

きょうまでの5日間、わたしはこの家で仕事ばかりしていた。hempとbeadの新作をつくり、ワークショップの材料を仕分けし、コンサートの散らしを発送し、歌を歌っていた。もうすぐ、大阪のギャラリー、ブリコラージュで友人達と展示会とワークショップ、コンサートをする。それと、きょう今から東京は池袋のハーモニーというお店に納品に行く。ギリギリセーフ。手作りのものは時間がかかる。慣れてきても、時間はある線からは、短縮できない。
そんなわけで、こどもたちのそばにいても仕事ばかりしていたけれど、同じ仕事をしていてもこどもたちと一緒にいられるのは幸せだ。そして今、新宿ゆきの特急にのっている今、これからこどもたちを引き回すことなく動ける身軽さに幸せを感じている。