表紙

イベント

金子亘の作品

近藤直子のページ

リンク

リコーダー


● 2001.7.2●
全国巡礼 天竺座 ライヴコンサート

 パカワジ奏者のトゥーンさんは、自分が食べるためのカレーをかなり多めに
作って、残りをみんなに出してくれました。演奏が始まる数時間前のことです。
少し早めにRupaに到着した人達は、トゥーンさんの音楽よりも先に、トゥー
ンさんの料理を味わうことになりました。

やがて、シタール奏者のもっちゃんの招待で京都から来て下さったバーン
スリー(インドの笛)奏者のG夫妻に加えて、もっちゃんの師匠である、M氏
までもが聴衆として到着。多様な人間関係が交錯する濃厚な空気の中、
響きわたる古のインドの響き。12拍を1サイクルとして押し寄せるピークに、
演奏者達の前に座して聴く3人の演奏家達が反応し、その余波が部屋
全体に伝わっていきます。

 トゥーンさんが弟子達を見守る温かな眼差し。聴衆と交わすアイコンタク
ト。次第に、居合わせた全員が一つのリズムを共有し始め、ピークが押し寄せ
る度に、演奏者と聴衆から感嘆の声とため息が聴こえてくるようになりました。

 ピークを上り行くもっちゃんが、演奏の最後につぶやいた言葉。はっきりと
聞こえた、その言葉は、同じ時間と場所を共有した全員の思いだったかも
しれない…。「師匠達を前にして、演奏に熱が入りすぎ、思わず言ってしまっ
た。日本で行われる通常のコンサートだったら考えられないことだけど…」。
もっちゃんの率直さ、トゥーンさんのやさしさ、てっさん&ゆきちゃんの意欲、
聴衆からのエール。一人一人の存在が成せる、その場限りの音楽。
なんと、贅沢なライヴ。

 演奏が終わってから約1時間後。トゥーンさんは、自分が食べるためのカレ
ーを、もう一度多めに作って、残りをみんなに出してくれました。Rupaに来
てくださった人全員が、トゥーンさんの音楽と料理だけではなく、音楽の後の
すばらしい余韻を味わうことになりました。本当に、ご馳走様でした。

 なんとなく続いてきたRupaの集い。規模的・内容的に盛り上がる一方で、
どこか組織的になったり、内輪に特有な決まり切ったノリや、自分以外の誰か
のカリスマ性に依存しているのではないか、つまり、閉ざされた「特別な」場
になっているのではないか、という思いが湧き起こり始めていたのも事実です。
予定調和的なキレイごとの集いになっているのであれば、ない方がいい。Rupa
は、名前のある「普通の」家なのだから…。そんな複雑な思いで迎えた今回の
コンサートでしたが、予想外の希望を感じる結果となりました。

 まずは、来てくださった皆様に対する感謝です。
 本当にありがとうございました。
 自分の好きなことを自分のペースでやっていく。このシンプルな過程の中に
こそ、王道があるということを教えてくれる、一人一人の主体性と輝き。自分の
内なる力を信じる時に生まれる創造性。そして、言葉を介さぬ静けさ。

 今は、Rupaを続けようとも、止めようとも、思っていません。ただ、あせらず、
あるがままに見ていこうと思います。そして、このような私達をあるがままに
見てくださる、ご縁ある皆様に、心から御礼を申し上げます。誠にありがとう
ございます。
 私も、自分の道を歩いていこうと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     〓〓〓全国巡礼 天竺座 ライヴコンサート〓〓〓
         7月2日(月) 夜7時頃〜 於Rupa
          入場料:投げ銭・おこころざし
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*
       祈りの踊り‥‥Ami、 おんがく‥‥Kem、 
 ÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*÷*

 言葉だけが祈りではありません。昨夏、Rupaでの公演で、「ガンガーの光景
が目に浮かんだ」という感想が多く寄せられた、天竺座のスピリチュアルな踊
りと音楽。祈りの多様さを感じさせてくれた、すばらしいライヴでした。イン
ド、ベナレス、ガンジス河、四国88カ所、ヒッチハイク、旅仲間…、この1年間
に起こった様々な出来事。インドと日本を往来する、根っからの旅人、
天竺座は、今年も新たな風を、奈良に吹き込んでくれることでしょう。そして、
私達自身の祈りも…。(夏ということで、インド関係続きですが、非常におす
すめです)

☆フード&ドリンクは「わたる庵」などで。
☆当日、宿泊や出店を希望される方は事前にご連絡ください。
☆お問合せ
 〒632-0061奈良県天理市永原町437 Rupa 0743-67-0467(FAX兼)
・近鉄・JR「天理」駅からタクシー約10分
・JR桜井線「長柄(ながら)」駅下車、徒歩約15分
・西名阪道「郡山」・「天理」ICから車で約10分
(関西国際空港・伊丹空港から最寄り駅まで直通バス有)
☆詳しい地図(電車用・車用)をご希望の方はご連絡ください。


★3月より、『なまえのない新聞』に、連載エッセイ「なまえのある家 Rupa」を
執筆中です(第一回「Rupaの意味」、第二回「Rupaの看板アーティスト」)。講読
ご希望の方は、アマナクニ(浜田)までお問い合せください。