パンフレット

何故、コズミック・ダイアリーなのか?

柳 瀬 宏 秀


次の満月はいつか、知っていますか?

今、ほとんどの人が、次の満月がいつだか、知らない。月の影響など、まったく気にとめもせずに生活している。127年前の日本人は、つまり、月の暦(太陰暦)で生きていた日本人は、満月がいつか、知っていた。
ほんの100年か少し前の日本人から見て、いつ満月かを知らない日本人は、信じられない存在に違いありません。宇宙のリズムを、星をみることによって感じてみる。そんな生き方が素敵だと感じませんか。
 この地球上に生きていて、月の影響を受けているということを少し「感じて」みませんか?あなたの細胞は、月の引力を感じている。その事実を、探してみませんか?アメリカ大陸は、満月の夜、16センチメートル浮上するという。地球は、生きている。あなたも生きている。朝日、夕日を一度も見たことがない子供ち。そんな子供たちが23%いることを知っていましたか?(2000年2月5日、朝日新聞 朝刊一面トップ記事)夕日を見て感動するのが人間だと思っていました。朝日、夕日を一度も見たことがない、と答える中学2年生は(アンケート調査の対象)、生まれてから14年間、夕日を見たことがないわけですから、当然、夕日を見て感動したことがない。つまり、太陽を(そのエネルギー、熱や光を)感動とともに受けとめたことがない。そんな太陽さえ「感じなくなった」子供たちだから「どうして人を殺してはいけないのか?」(NHKのドキュメンタリー番組他)と、問いかけ始めたのだと思いませんか?「人をどうして殺してはいけないのか」は、それは、理由ではなく、「感じる」ことだと思いませんか?個人が、家族が、そして、集合意識としての社会が、「感じる」べきことだと思います。想像してみてください。望遠鏡もない時代に、人は、星を見て暦をつくったことを。暦をつくれるぐらい、あなたは星を見つめたことがありますか。1時間、そして2時間、あなたは星を見続けたことがありますか。カレンダーは本来、月の動き、星の動き、宇宙の動きから、生まれたもの。もし、そうなら、カレンダーにしたがって生きていれば、宇宙の動きがわかり、生体のリズムが戻り、自然と一体になってくるのが本当のカレンダーなのでは?「コズミック・ダイアリー」とは、そんな宇宙のリズムを取り戻すためのダイアリーです。月の影響を受け、太陽の光と熱エネルギーを受け、宇宙の影響を受けて、この大地があり、空気があり、そして、植物が、動物が生き、人間が生きている。感じられるすべてのものが繋がって生きている。それを感じること。それが、この地球上で生き、自然のリズムを感じることだと
思います。「感じる」ことを取り戻すこと。月や太陽や宇宙や生体のリズムを「感じなく」させているものから解き放ち、一人一人が、宇宙のリズムと生体のリズムから、自分の手で、カレンダーがつくれるぐらい、宇宙を、そして草木の心を「感じる」ようになること。それが、「コズミック・ダイアリー」を多くの人ととに、使っていきたいと考える最大の理由です。

 28日周期のダイアリーをつけることによって、頭の方でも、28日周期を感じ始める。月の満ち欠けがわかり、月を楽しむようになる。さらに、自然のリズムや宇宙のリズムと一体感を感じ始め、草や木や虫と生きているリズムを共有しはじめれば、細胞レベルで生体のリズムがよみがえり、活性化する。ダイアリーを使うことで、生理不順が治るという、一見唐突な現象も、一方で、生体のリズムを狂わす社会からのイメージレーニングを受けている状態をはっきりと思い浮かべれば、生体のリズムを取り戻してゆく、ひとつの証として、生理不順が治る女性が出てくるのも、当然の結果だと思っていただけると思います。生体のリズムを取り戻した一つの証拠だと考えると、社会全体が自然のリズムを取り戻すという、次のステップへの想像力をかきた
てる、素敵な報告だと思います。
 自然のリズムを取り戻す。農業をして、作物を育てていた人は、草や虫から、様々なことを知り、学び、叡智を身につけ、長老になっていった。「虫の知らせ」という言葉が生まれるためには、人は、虫から、様々な情報を得ることが、普通にできていた。それだけ、虫を見、虫の変化を知り、虫のこころを感じていた。つまり、人は叡智を失っただけでなく、この地球上で生きる上での、自然のリズムを失ったのだと言っていいのかもしれない。そして、そのことが、環境破壊を生んだと。月を感じた人間が、木や、森や、大地を感じた人間が、お金のために森を潰したりできるでしょうか?宇宙のリズムに即して生きていくことによって、そのリズムが身につくことによって、たとえば植物の語りかけることがわかってくる。木の「こころ」がわかってくる。

1492年 新大陸の発見、と教えていませんか?

 1452年、教皇ニコラス5世が「発見の教義」を発布する。「キリスト教徒が、非キリスト教徒の土地を発見したら、キリスト教徒の土地とする。」その教義と1582年制定の「グレゴリオ暦」をもって、植民地政策は進行する。「発見の教義」を、知っていましたか?「キリスト教徒が、非キリスト教徒の土地を発見したら、キリスト教徒の土地とする。」こんな教義、人間として、納得できるだろうか。しかし、日本人の歴史観も、新大陸は「発見」。未開の人々への文明開化。キリスト教とグレゴリオ暦の普及。つまり、「発見の教義」によるグレゴリオ暦普及の歴史を、そのまま受け入れている。今、アメリカでは、新大陸の「発見」という言い方は、決してしなくなった。でも、日本ではまだ、1492年、新大陸の発見。私たちの歴史観は、その教
義を認めてしまった歴史観。つまり、新大陸の発見という角度でしか、子供たちに教えてこなかった。想像力の欠如。その同じ想像力の欠如がグレゴリオ暦という機械的な基準、人工的なリズムに、あなた自身が、組み込まれてしまっていることに、今でも気づかせない。

 21世紀に、人類は、「時間」と「自然」のリズムを取り戻すべき時が来たのだと思う。『モモ』何かのきっかけで「宇宙の時間」を知った芸術家もいます。ミヒャエル・エンデ(1929〜1995年)の「モモ」から、星の時間を感じとってみませんか?「これは星の時間をあらわす時計だ。」と、マイスター・ホラは言いました。「めったにあ
らわれないような星の時間を、確実におしえてくれる時計なんだが、ちょうどいまそういう一時間がはじまったところなのだよ。」「星の時間て、なんなの?」とモモはききました。「いいか、宇宙には、あるとくべつな瞬間というものがときどきあるのだ。」と、マイスター・ホラは説明しました。「それはね、あらゆる物体も生物も、はるか天空のかなたの星々にいたるまで、まったく一回きりしか起こりえないようなやり方で、たがいに働き合うような瞬間のことだ。そういうときには、あとにもさきにもありえないような事態が起こることにな るんだよ。だがざんねんながら、人間はたいていその瞬間を利用することを知らない。だから星の時間は気がつかれないままに過ぎさってしまうことが多いのだ。」(『モモ』ミヒャエル・エンデ著  大島
かおり訳 岩波書店刊より)一人一人が、星の時間を感じ取れるようになれたら……コズミック・ダイアリーが、気づかれないまま過ぎさっていた星の時間に気づく、そのきっかけになればと願います。

 『沖縄文化論−忘れられた日本』「太陽の塔」を制作した岡本太郎(1911〜1996年)。沖縄を旅した時、岡本太郎が受けとめた、時間の流れ、生命のリズムとは?ここにはまるで別な天体であるかのような透明な空間の広がりと、キラキラした時間の流れがある。私はすでに直観しているのだが、それはこの旅行の結論として発見したというよりも、のっぴきならない実体として、からだの幅全体で受けとめたもの。私の予想しなかった、人間の生き方の肌理(きめ)。現代生活のカレンダーによって画一化され、コマ切れにされた時間とその連続。自然に対する畏怖と歓喜をうしなって無感動に測られる空間。そのような生の条件とはまさに異質だ。そして、それがかえってわれわれ日本人の根源的な生き方にふれてくる。現代日本は己れの実体を見失っている。こういう根源的な時間と空間をどのように現代と対決せしめるか、ということが実は日本文化の最も本質的であり、緊急な課題なのではないだろうか。この目まぐるしさはどうしたものだろう。文明開化以来、西欧から入ってきて頭からすっぽりはめ込まれた近代、その時計の針に一生けんめい追いつこうとし
た後進国意識、その焦りが身についてしまったのではないか、どうも本当の生き方ではない。生命のリズムと時計の針との違和感。というよりも生命自体が画一化しているということだ。ただ空しく一方的時間にのまれてしまっては、生きてる甲斐がない。(『沖縄文化論−忘れられた日本』岡本太郎著)この岡本太郎の感じたキラキラした時間の流れを、日本中の子供たちに感じて欲しいと思う。そして、そのためにも大人たちは、
「根源的な時間と空間をどのように現代と対決せしめるか」を考え、日本文化の緊急な課題だという岡本太郎の提言を受けとめてほしい。そして、そのままコズミック・ダイアリーの提言として繰り返したい。"A Japan that has Forgotten Okinawan Culture."
 
 ホゼ・アグエイアスが語ってくれた。生物圏における人類の権利は、他の生物がもっている権利と基本的には変わらない。

すなわち、free water  無償(ただ)の水
     free land   無償(ただ)の大地
     free time   無償(ただ)の時間・自由な時間
     free life   無償(ただ)の生命・自由な生命
     free will   無償(ただ)の意志・自由意志

 現在の文明制度は、さまざまな第二次的なつくりもの、国家、税金、金融制度、物質主義の生活が、最も重要であると主張することで、これらのすべての権利を、事実上無効にしている。コズミック・ダイアリーの精神は、一言でいえば、すべてがつながっているという感覚を身につけること。そして、そこから生まれる価値観を育てていくことです。それが、環境意識の出発点だと思うからです。1582年、グレゴリオ暦が制定され、そして機械時計が導入されるのと時を同じくして、ヨーロッパでは産業革命が起こり、人類の人口が急増し始めた。(5億人から、今や60億人に急増。)「草の裏にひそむもの、木の中に見るべきもの、目に見えないものを、宇宙を、人が見なくなった。」それでも、アーチスト達は、意識しているか、無意識かは別に
して、「祭り」の魂をもっている。そのことを信じることから、「時間をはずした日の祭り」は動きはじめた。もし、本来の「祭り」が、村全体の精神を高揚させ、人々の意識を変容させるものであり、そのために、芸能が育まれ、芸術が生まれたのなら。今、祭りの魂をもったアーチスト達がそんな空間を、「祭り」として、創り出し本気で、仲間の精神が高揚したり、人々の意識を変えることを考えてみる。それが、コズミック・ダイアリーの「思い」から生まれた「時間をはずした日の祭り」の魂です。Why did festivals turn
into mere sightseeing attractions?

日出づる場所マヤのアポカプリス(黙示録)

 マヤは、惑星地球にとっての正しい時間を知っていたし、いまでも知っている。日本に行くにあたって、私たちはさらに深い天啓に従っています。ケツァルコアトルは、地上での任務を成し遂げたあと、夜明けの(日出づる)場所から立ち去り、東の太陽の方向へ船出しました。・・・・日本は日出づる国であり、夜明けの人々の起源の場所、52年前に広島と長崎に原爆が投下された、アポカリプス(黙示録)的な場所です。−−−−人類の銀河文化の再生は、日本でその最初の根を張ることが運命づけられているのです。私たちは、新しい時間におけるアポカリプス的なあがない、その預言的なヴィジョンを提供するために日本に行きます。

               惑星の月の3日(1997年4月6日) ホゼ&ロイディーン

 今、環境問題を前にして、子供の半分近くがアトピーになったり、オゾン層が破壊されたりしている時、家内安全の祈願は、地球への「祈り」と、もう、紙一重だと思います。2005年、日本で「環境」をテーマに、全世界に情報を発信する国家的なイベントが計画されています。 もし、このイベントが、自分のための願いごとから地球のための「祈り」に、そのクオリティーが変質したものになったなら、今までの地域の産業振興のための万博ではなく、新しい地球のための「祈り」のセレモニーに生まれかわったなら。地球規模の環境汚染が加速度的に進んでいるこの時代に、そのセレモニーに大きな意味を感じずにはいられません。あらゆる分野で宇宙のリズムと生体のリズムを取り戻すための情報を、全世界から受信し、そして、日本から全世界に発信できたなら、人類史上かってなかった地球レベルでの交信が日本から生まれるかもしれない。そのために、2005年までに、人工的な「お金」という価値観の支配、「売り上げ」と「視聴率」の前でひざまづく価値観の支配から解き放たれ、宇宙のリズム、生体のリズムを取り戻すことが前提として必要なのだと思います。心の底から、そうしたパラダイムシフトが日本人の多くの人々の心の中に生じることを祈り、この Cosmic Daiary をその祈りに捧げたいと思います。
 



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