ウォーク途中報告 (8.2)
松本の神宮寺にともされている原爆の灯が29日鉢伏山のカマ場に運ばれ、アリゾナのビッグマウンテンから運ばれた灯と共にウォークインあずみ野の灯がともされた。
30日朝より5日間に渡るロングウォークがスタートした。
リーダーである春野うららさんが灯をともし、歩き、参加者約20名が続いた。
最年少参加は3才の女の子ミトちゃん。時折、ご両親に背負われ、むじゃきに動き回る姿は、参加者にとって心なごむ存在でずいぶんはげまされた。
29日に断食に入った内田ボブさん。ただでさえ細かい身体の彼は、日に日にしぼれていはいたが、りんとした歩く姿からも、ひびき渡る歌声からも力強いエネルギーがみなぎっていた。
彼に断食のゆえんをたずねると「祈りの形」だとさらりと答えてくれた。
その祈りにはまつりの成功ばかりでなく、平和とか愛とかいった深い意味があるのだろう。彼の歌声を聞いていると自然とそう感じさせてくれた。
朝は5時前起き、日の出を待ち、朝日に向かい、個々に祈りをささげ、早ければ6時にウォークをスタートする。
これでもかという照りつける夏の太陽による体力の消耗をふせぐため、歩くペースはゆっくりで休憩もたっぷりとっている。
川辺で遊んだり、神社にまつりの成功を皆で祈ったりもした。
3度の食事を全て引き受けてくれたマサさん。ウォークを全面的にサポートしてくれたスワさん。この頼もしい2人がいてくれた為、参加者は何の心配もなく、歩く事だけに専念できた。
2日は松川町にあるりんごていから美麻の遊学舎まで約13km。
大町の町中を、ハタを持ち、歌い、楽器を持ち、まつりのビラを配りながら歩いた。道行く人の視線をあび、大いに楽しんだ。
5時過ぎに遊学舎に着いた。
持ってきた灯をたき火にして、サークル状に囲み、到着をよろこんだ。
31日の夕方、私が初めて歩く一行を見た時、どの顔も陽に焼け汗にまみれ、かがやいていた。いてもたってもいられず、私もその列に加わった。
当初、皆がどんな想いでこのウォークに参加しているのか知りたかったが、日を追うごとにそんなことはどうでもいいおうな気になってきた。
参加者がそれぞれの想いを持ち歩き、楽しむ。その姿からは、まつりに対する神聖な祈りは確かに感じられた。
(宮下節子)