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● リコーダー・アンサンブル・ワークショップ ●
今に生きる音 〜ルネサンス音楽の世界に浮遊する〜 リコーダーアンサンブル・ワークショップ リコーダーは、中世からバロック時代にかけて、西欧で盛んに演奏され続けてきた
古い楽器です。19世紀に完全にすたれてしまった時代もありますが、20世紀に入って
手軽さが注目され、教育用楽器として一躍もてはやされるようになりました。しか
し、実はリコーダーは、手軽なだけの楽器ではなく、ルネサンス時代のマニエリスム
漂うポリフォニック音楽において、とても霊的な音と深くかかわっていました。この
“リコーダーアンサンブル”のワークショップでは、その特質を充分に味わっていた
だくために、中世からルネサンス音楽の世界を、様々にご紹介したいと思っていま
す。中でも特にスピリチュアルだと私(近藤)が感じているイギリス後期ルネサンス
時代や北イタリア初期ルネサンスなどの音楽に重点を置く予定です。しかし、ご希望
によって、現代曲や民謡なども取り上げ、フレキシブルに進めさせていただきます。
遠い時代の、遠い国の音楽の“復元”を目指しているわけではありません。音楽は
骨董品ではありません。近代以降、使い古されて習慣化してしまった狭い枠組みを手
離し、音を“今、ここ”に生かす喜びを分かち合いませんか。沈黙や音そのものに可
能性を感じる方、音楽の多様性に触れてみたい方、“義務教育の音楽”に不満を感じ
ている方、音楽を通して意識の学習をしてみたい方、ただただ音と遊んでみたい方、
年齢・経験を問わず、歓迎しております。また、ご希望の方には、中世・ルネサンス
時代の貴重な楽譜をお貸しいたします。
音そのものに深く関わる個人レッスンも承ります。いかに音をあるがままにさせる
か。ただ自然の摂理に任せることの気持ちよさ。リコーダーの真髄は、そのシンプル
さにあるのです。アンサンブル及び個人レッスンは、メンバーの都合により、月に1,2回開催しま
す。週末の一日を、おしゃべりをはさみつつ、のんびり過ごすというのがよくあるパ
ターン。遠方への出張レッスンも行っています。レッスン料などの詳細は、直接Rupa
の近藤までお気軽にお問い合せください。◆ワークショップ参加者の感想から ☆‥‥‥音がハモッた瞬間の気持ちよさは何ともいえないもので、病みつきになりそ
うです。特にホルボーン(可愛らしく飾ってある絵みたいな音楽)は比較的易しいわ
りには楽しめるし、何より素朴でほのぼのした雰囲気が気に入ってしまいまし
た。‥‥バードの曲(出だしが、薄暗い部屋で怪談とかおとぎ話が始まるような緊張
感があって、ぞくぞくきます)は、何とも言えない雰囲気が漂っていて(漂うという
表現がぴったり)素敵です。この半年間で色々な曲をやらせてもらいましたが、古楽
の作曲家にそれぞれものすごい個性があることに驚きました。ほのぼのな人・おちゃ
めな人・クールな人・繊細な人・たくましい人と、様々なタイプの人達に出会ったよ
うで楽しかったです。古楽の持つ“なんでもあり”な魅力に触れると気分が脱力モー
ドになって気持ちいいです。これからもいい人を紹介してくださいね。☆‥‥‥思えばこの2000年くらいで、音楽は著しく“進化”してますよね。そして生
命力のある力強い音楽だけが生き残って、現代にも影響を及ぼしていることを考える
と、音楽も私達と同じような生き物みたいに感じられます。‥‥‥レッスンの合間の
話はおもしろいです。ただ単に演奏するより、その曲が面白く感じられたり、以前、
演奏した曲と比べてみたりできたり。もっとも、曲を純粋に面白がって演奏すること
が一番重要とは思いますが。ただ、古楽を演奏して一番強く感じられることは、“身
近でたくましい”。500〜600年前の西洋の人と現代の日本人って、基本的に考えてい
ることが一緒なんだなと思うのです。中世というと坊さんが修道院で小難しい宗教曲
を歌っているというイメージがあると思うのですが、どうしてどうして、私達と同じ
ように一般庶民も喜んだり、悩んだり、恋をしたり、失恋したりして(古今東西問わ
ずなぜ歌は失恋とか悲しみの曲が多いのだろうか)、生き生きと暮らしていたんです
ね。むしろ現在より音楽はもちろん人生をもっと純粋に楽しんでいたような気がする
のです。素直なキモチで音楽と向き合っていくと自然と素敵なものが見えてくるよう
でわくわくします。☆‥‥‥古楽を和楽器で演奏したら、深い味わいがでるような気がするのですが。ト
ラヴェルソって横笛みたいな音がするし、リュートと琵琶って親戚みたいなものだ
し、チェンバロの響きって琴や箏に似ているし。わび・さびの素朴な味わいが日本の
文化と古楽とに共通しているということが大きいのでは。日本人のDNAには“笛”と
いうものが入っていると思うので、バイオリンとかピアノより、絶対、体に馴染むよ
うな気がします。日本人、もっと笛を吹け!☆‥‥‥ジョスカン・デ・プレの音楽は“永遠”を感じさせます。世界中の時間や動
きが完全に止まってしまったよな錯覚に陥ります。もし天界というものが存在するとし
たならば、きっとこんな音楽ではないでしょうか。彼は実はあっちの世界の人で、ちょっとの間だけこっちの世界に来てみたのかもしれないと考えてしまうのでした。