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● 2000.9 ●
パーティ「新生」&北インド古典音楽チャリティーコンサート 2000年9月9日(案内/報告)

     

         Newborn ―新生―

 4月のパーティのテーマは「いのち」、7月のパーティでは「死」。そして今回の
テーマは「新生」。前回のパーティで参加者の中から、自然に湧き起こった言葉で
す。今回も、50年前に途絶えた熊野の仮設住居「河原屋」を再現して先人の知恵を新

に継承する試みにとり組まれている鈴木学さんや、ヒーリング&リーディングで各地
を巡るヒーラー 幸紫さん、長野風の森のリュウさん&レイラさん 他、様々な方々が
各地から来られます。また、8月に長野県大町市で開催された「いのちの祭り」が終
了して1カ月。祭り参加者も多く出席されます。今は不思議な縁で人々が集う時期な
のでしょうか。とにかく、その一人一人は貴重な「合わせ鏡」。新世紀を迎えるに
は、まず新しい自分を開くことから。「鏡開き」で、何が見えるのでしょう。そし
て、日常生活の中でできることは何なのか、共に感じてみましょう。夕方からはネ
パールの新進気鋭の音楽家をお招きしてのお茶の間ライヴ。プレーヤーやオーディエ
ンス同士の交流がのんびりできるような企画も考案中(飛び入り企画歓迎)。当日、
出展や宿泊を希望される方は事前のご連絡ください。貴重な「その時」に遭遇できる
よう、お友達やご家族をお誘い合わせの上、是非お早めにお越し下さい。自由にエネ
ルギーを交換して見事な万華鏡を作りましょう。



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           *Open⇒正午頃* 
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     PM18:00頃〜 チャリティーコンサート
 北インド古典音楽の夕べ 〜聖なるヒマラヤの調べ〜
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 個人宅で開く小規模なパーティでは、演奏する人・聴く人は同じ空気を共有でき、
やがて両者は「ひとつ」となります。今回の演奏会場は民家Rupaの和室。ホームパー
ティならではの生きた音楽を、共に体験しましょう。

ナバラジ・グルン(タブラ) 
師である父親も、ネパール国内では古くから名高い音楽家。アジアやヨーロッパな
ど、海外でも意欲的に演奏活動を行う若きタブラ奏者。ラジオネパール45周年記念金
賞受賞。現在までに3つのアルバムをリリース。
スレシュ・ラジュ・バジョラチャルヤ(サロード)
主弦6本に加えリズムとドローンのための弦が2本と共鳴弦が10数本、ボディに山羊
の皮、ココナッツ皮のピック…。日本では馴染みが薄いサロードを奏でるのは、ラジ
オネパール開局記念コンサート第一位受賞、新進気鋭のプレーヤー。
北沢ますみ(タンブーラ)
長野県下伊那郡豊丘村出身。1995年からチャリティーコンサートに参加。

              ★★★

 2000年9月9日、「新生・再生」をテーマにしたパーティと北インド古典音楽の
チャリティーコンサート。当日は、長崎、広島、岡山、関西各府県、愛知、岐阜、長
野、富山、静岡、東京などから、60人以上の方々にお越し頂き、誠にありがとうござ
いました。さすがのRupaも、これほど大勢の人が一度に集うのは初めての経験。また
しても暑い集いとなりましたが、皆様のご協力のお陰で、本当に貴重な時を共有する
ことができ、心より感謝しています。本当にありがとうございました。当日のご報告
とお礼を、、、と考えていたのですが、なかなか言葉にすることが難しく、詳細は断
念してしまいました。
 思い起こしても、意識の中での何とも不思議なレベルでの感慨ばかり。例えば、北
インド古典音楽にしても、耳からではなく、自分の内側から音が響いてくるような、
不思議な聴こえ方なのです。だから、さほど大きな音でもないのに、演奏者と同じ1
階の和室にいなくても聴こえる。隣室の玄関の間で大の字に寝転がって聴く人、2階
で休みながら聴く人、庭で煙草をふかしながら聴く人、庭石のてっぺんに腰掛けて聴
く人、中には家の敷地の外で聴く人もいました。虫の声と共に響く音の広がり。「意
識」が音響設備の役割を果たしていたのでしょうか。
 音楽を聴いて詩を寄せてくださった詩人の野口さんの作品をご紹介しましょう。

 俺はひとりで月にむかって歩いているんだ
 そう思ってまりさんあんた言うけど
 おいらとっくにもう月に着いたよ

 柊の下で深夜 永遠の眠りに就く
 次の朝 遙かな惑星の巌で目を醒ます
 そのたんび世界は確かに美しい

 夏は夏 海の底から引き揚げられた
 庭の苔石に座って NAOKOが
 隠れる月を見凝める 降り注ぐ星の生理に
 少し涙 拭いながら
 世界中の かぐや姫達のまなざし

 9日からその後数日間にわたって滞在してくださり、濃密な日々を共に過ごした
方々が徐々に帰られ、空港行きのバス停で最後のお一人をロンドンへと見送った時。
ふいに、この何日間で何かが変わったのを実感しました。とにかく、来られた方々の
「生まれ変わろう」という意識がよほど強かったのか、Rupaそのものがまったく異な
る次元に突入したかのように、今までとは違って感じられるのです。人は確かに、一
瞬一瞬に生まれ変わることができます。死と生の間の産道は狭いのか、広いのか…。
 Rupaの周辺の田圃は、今、黄金色。刈り取り間近の、頭を垂れた稲穂。その一粒一
粒が、ささやくように風に揺れています。大地につながるすべての変化の、なんと美
しいこと。