ここ3年ほど、なぜか四国へばかり歌いに行ってます。それも阿波の国、徳島に集中していて、前回も、そして今回も1週間に県内で5カ所づつライブが成立しています。全国的な比率からすると、超越的に縁が深いです。
今回は自然出産の勉強会をしている助産婦さん達の企画や、鳴門の小学校や人権問題に関わる地域の人々の輪による企画のライブでしたので、多面的な出会いとなりました。鳴門西小学校6年生が午前中の授業2時間を僕のライブに当ててくれて、鳴門公民館にて歌や話を聞いてくれました。演題に「人権問題」が上がっていたので、おなかに宿っている赤ちゃんには人権があるでしょうかという質問から始めましたが、意外に産まれるまではまだ人権がないと答えた子の方が多くて、「おい!おい!ちょっと待てヨ」ってことからトークが始まり、約2時間、とてもお互いに響き合えるライブとなりました。後日、6年生の全員から一人づつ各々にメッセージレターを送ってくれたので、このコーナーの終わりに2〜3紹介したいと思います。いずれも心温まるうれしい反応でした。
これらのライブの仕掛け人は麻植(おえ)さんという阿波忌部(いんべ)族の末裔の方でした。その後も麻植郡の鴨島町や神山など忌部にゆかりの深い地でライブが進み、NHKも取材に来たりしました。その後、高知の四万十川河口にて、ヘンプギャザリング「平和な村のつどい」に参加して、忌部楽団を結成して歌って来ました。(この楽団、ちょっと不思議な御縁で、自然発生的に結成されました)
(大麻比古神社 たまゆら) ライブ途上、秋分の日に訪れ、カズ自身で撮影
おりしもヘンプギャザリング開催の日、鳴門で発掘された日本最古とわかった3世紀の古墳が大麻比古の墓とわかりました。鳴門には忌部系の大麻比古神社がありますが、大麻比古は広く麻を植えることを命じて神世と人の世を統合した神人です。
ギャザリングに講師として参加した、鳴門工業高校の林先生は、忌部研究の専門家で、今回は運命的な出会いをしました。彼は環境問題から入り、忌部のシャーマニックな文化の中に地球との共存のカギを見出したことから、麻と共に阿波から全国各地に広がって行った忌部族の流れを研究している。6月に徳島で開かれたインベサミット(全国から600人参加)の仕掛け人でもある。実は彼の命名で僕らの忌部楽団は結成されました。
忌部一族は麻の加工や製鉄などの超技術集団であると共に、神降しなどのまつりごとを司った民族であり、そのルーツはムーなどの超古代文明にさかのぼるという説もあるほど古い民族で、古事記などの日本の神話にも関わりの深い民族です。他民族国家だった古代の日本が、6世紀頃、大和朝廷などにより統一されようかという時代に、忌部の超古代の高度な文明が封印されたという説もあります。その話はアメノトリフネという天空船の話のロマンへと遡ります。
(神山ライブ たまゆら) 2005年9月26日 神山の奥の院で暮らす宮城ファミリーの庭先ライブ。この夜はたまゆらが多数現れた。
そして僕は忌部の神降しの音楽や踊りにとても興味をひかれます。天と地と自分を統合した三位一体のエネルギーとなることに強いあこがれを感じますし、これから僕らのやっていく方向性だと理解しています。人としてこの世の現実的なことも、また目に見えない世界との深いつながりも両方バランス良く統合していくことが、これからの人類の方向性ではないでしょうか。今までの社会は物質的な世界にばかり偏ったバランスの悪い状態でしたから、精霊の存在を感じられず、平気で自然を破壊したりしていたわけです。ここがポイントで、人と自然がどう関わって行くのかということは、概念で理解するにとどまらず、ハートでつながって行かないと真の理解にはとどきにくいと思います。忌部のシャーマニックな文化にはそういうエッセンスがたっぷり感じられる。また今回の旅は不思議つづきで、移動中に忌部が古代に神降しをしたと思われるイワクラをいくつか発見しました。これらはほとんど今では忘れ去られ封印されたままであるが、あるパターンの地形や、その場に居ると感じる強いエネルギーの流れによって見出すことができる。あるものは自然と同化したり、道路に埋もれたりして目立たないが、あるものは巨石文化のように、人が動かせるはずのないものが、明らかに人工的に積み重ねられている。そうした目立つものはたいがい寺などにより結界がはられ、それと解らないように封印されている。
さて今回の旅でもう一つ不思議のきわめつけは、すべてのライブスケジュールを終わり、シピラの廃村にての帰路途上。純白のアナグマに遭遇しました。一度去りかけてからもう一度もどってきて、すぐ近くまで顔を見せに来てくれたので、はっきりとアナグマと確認しました。もちろん白いアナグマなど通常は存在しません。しかも2匹一緒に目撃しました。この辺にいる白いケモノといえばオコジョぐらいのものだが、彼らはイタチの仲間で小さく、鼻の頭と尾の先が黒い。今回見たアナグマは全身純白で、鼻の頭も肌色(ピンクノーズ)でした。さてこれはいかなる野生のメッセージなのでしょう。アメリカ・インディアンのアニマルメッセージによると、アナグマはリーダーシップの象徴(最後まで仲間の世話をする)で、決してあきらめない性格と、目標に向かう力強いエネルギーにより、目的は必ず達成させるというメッセージを含んでいます。ちなみに4人で目撃したので、見間違いということはないと思います。
今回もまたありがたい旅をさせていただきました。ありがとうございます。つながるすべてに感謝します。