フォーラム報告

8月7日 国際井戸端会議(ウーマンズテント)


(司会)国際井戸端会議を始めます。国際と言うだけあって、国際的に色んな人が集まっているので、まず日本以外の国の方から、自分の目から見た日本についてお話をしていただいて、それから女性として日本の社会がどういうふうに見えるか?という話もしてもらいます。ひとりずつ、ゲストの方に話をしてもらったあとで、山田征さんには山田征さんの立場からのお話をしてもらいたいと思います。じゃ、まず、カン・ジェスク さんから自己紹介とお話を。自分が今何をしてるか、自分から見た日本について話してください。

(カン)私は姜 済淑(カン・ジェスク)と言います。韓国で市民運動をして、出版社を作っています。私は386世代です。3は30才代、8は80年代に学生運動をやった人、6は1960年代生まれの人。386世代は韓国では市民運動のリーダーの世代です。私は92年から4年間日本に留学して大学院で社会学を勉強しましたが、日本の印象は日本ではアジアの歴史を教えていないと思いました。アジアを侵略した歴史を教えていない。そこから理解しないと本当に親しくなれないと思います。「従軍慰安婦」の問題が自分の問題だと思えたので、「ナヌムの家」のハルモニたちの絵の展覧会にもかかわりました。その展覧会は、本にまとめて「梨の木社」から出版しました。韓国では日本のマイナス面ばかりを教えられましたが、日本に来て日本にもいい人もいれば悪い人もいる、と分かりました。日本人は西洋人になりたがっているので、バナナに例えられます(皮膚は黄色で中身は白い)。私は日本はアジアに対して無関心、無知だと感じました。しかし、よく知り合うところからは差別は生まれません。「ナヌムの家」の上映会では通訳とコーディネーターとして何度も来日しています。

(司会)じゃぁ、カレンさん。

(カレン)カレン・ケルスキーと申します。アメリカから来ました。オレゴン大学の助教授で人類学者なんです。20年近く日本の事を専攻してきました。初めて 日本に来たのが85年で、松本に住んでいて、信州の事を知りました。日本の事をずっと専攻して勉強してきました。今は大学で日本の事を教えているし、あとはフェミニズム、日本の女性の立場、地位、役割について研究しています。博士論文は、日本女性の国際化について書きました。皆ご存知かどうか分かりませんが、日本人の留学生たちの80%は、女性です。こういう現象は日本しかなくて、普通は留学生と言ったら、圧倒的に男性ですが、アメリカの大学に居ると、周りに居る日本人はほとんど女性です。ちょっと不思議だなぁ…と思って、私も大学に居る時に気がついて、「なんで?何故?」これ大学院に入ったら研究しようと思ったんです。それで日本人の若い都会の独身の女性たちは、特に西洋の国に走る傾向があると思いました。その結論とかは、また、あとで。日本は本当に西洋とアジアのまん中に居るという国。世界の中に唯一の立場なんで、本当に面白い、興味深い国だと思うし、西洋人にも世界の人たちにも、もうちょっと良く知られていた方がいいというのが、最初からの私の気持ちなので、今までもこれからも、日本の事を専攻して行く。学生達に教えたり、本とか記事を書いて、読者達に伝えたい、モチベーションなんですけれども。
 それで今回は、女性達の国際化の研究、日本のオルタナティブの研究、前の研究とのつながりもあると思うんですけれども、とにかく、この動きの中にも、すごい女性が活躍しているのです。今回この祭りにその為に来た訳です。

(司会)また、あとで…。じゃ、次の方。

(ジェーン)私はジェーンと言います。23年前、最初、オーストラリアから来ました。ネパールで旦那さんに出会って、インドと、色々旅しながら色んな面白い日本の方と出会った。「日本ってどんな国かなぁ?面白いだろうなぁ」。個人的で、ユニークな方一杯いるから楽しみ。それで、主人、パートナーが日本に帰るんだったら、じゃあ私も行こうか…。全然わからない国なので、ヒッピーばっかりかと思いました。だから清水に着いても〜ビックリした。1年間泣いちゃった。(笑)「帰りたい!」。最初のプレゼントはエプロンでした。ほとんど洋服ないし、ちっちゃいバックで日本に着いて、最初にエプロンをもらいました。「え〜!?」っと思って。「どんな国に着いたのかなぁ?帰りたいなぁ」(笑)でも今は大好き。マイハーツ。私の家と思っています。オーストラリアに今住んでいますが、最初の14年間ずっと日本に住んでいて、9年前、子供達、旦那も、ちょっと違う空気入れてみようか、外の国に住んでみようと引っ越しました。つれあいが
向こうすごく気に入って、今は私は年に10ヶ月オーストラリア、2ヶ月日本です。私は静岡県清水市の女ですけど、日本語がへたでも積極的にいつも話をして来て、何か面白い機会がいっぱいありました。有り難い自分の人生です。日本とオーストラリア、同じ波で。私が特に興味ある事は神話。アマテラスオオミカミ、サクヤヒメ、そしてアメノウヅメ…私の神様。私のフェミニズムにとって、アマテラスオオミカミで、女性として、生きてたいなぁと思う。日本の神様すごい素敵。ありがとうございました。古事記で、書いてあるやつは、嘘ばっかりです。神話はね、 読んだりもっともっと深い深い。深いものがあります。

(司会;ジェーン、フェミニズムについて話して下さい)

(ジェーン)フェミニズムは、人によって理解の仕方は違いますけれども、少なくとも3500年間世界中の女性は男性の世界の中に、生きて来たと思います。現在の女性達の
変化は、静かな静かなレボリューションです。自分で立つという事が、長い歴史を見ると特別な事だと思います。困難の中でわからない事、いっぱい。誰も答えを持っていない。
私の女性の友だちを見ると、家庭の中に入っている人もいるし、強い人もいる。髪そってる、そってない関係ないし、ずっと家で子育てやご飯作っていても、それもひとつの道。
フェミニズムの道です。校長先生になったり、大統領になることもひとつの道。フェミニズムには形がないという事。みんなできる。みんな、自分が好きだったら、道ある。

(シンシア)(となりの女性が通訳)シンシアです。日本人の旦那さんと結婚したんですけれど、子供達がおじいちゃんおばぁちゃんと暮らせる様に、それから仕事の為に、今から12年前に日本に来ました。アメリカに居る時に、先住民の文化とか権利とかを見つめ直す、「アメリカン・インディアン・ムーヴメント」の運動に関わって、その時に学んだインディアンの家族の考え方とか、幾つもの世代が協力して生きて行く、そういうライフスタイルに共鳴して、だから日本で、こういう道を選んで来ました。今、愛知県西尾市に住んでいるんですけれど、世界旅行を沢山した訳ではないけれども、日本に来てとても良かったし、しっくり来てるんで、快適な暮しです。今、ずっと、英語の学校をして、英語が中心なので、日本語がうまくならず、使えません。(笑)

(山田征)私は日本人。山田征と申します。よろしくお願いします。今、62歳になりました。30代の後半位から、(それ以前はニットの仕事、編み物をしてましたけども、)食べ物、環境問題、子供達の遊び、教育の事とか、原発、空港問題、学校の給食の事。子供達に戦争と平和を伝える上映活動とか。もう、本当に、色んな事を沢山やって、20年くらいが過ぎました。みんなで食堂を作ったりしたんですけど、それまでは足元の事というか、国の中の問題に対して私なりに積極的に活動して来ました。5 〜6年前からはそういうものを離れて、少しずつよその国に目を向け始めて、色んな国に出向くようになりま
した。割と乾いた国が多かったです。最初、カン・ジェスクさんが話されたみたいに、日本人は外は黄色いのに、中は白いというか、その言葉のように、アジアの色んな国の事を知らないし、それは特に若者だけでなく、年配の者、戦中戦後に育った私たちの世代でさえも、大戦がどんなものだったかという事を、ほとんど知らされないで、大人になってしまいました。
本当は日本がアジアの沢山の国を植民地として抑えていたのに、アジアの国を解放したって教えられましたから、それを今だに信じている大人達が一杯いる訳ですね。それはどう
してかな?と 思うのですが、そのわけを私はごく最近知りました。知るのが少し遅すぎるのですが、私が知ったのは、明治維新までは、日本は鎖国っていうか、閉ざされた国で、他の国との関係がほとんど無くて、よその国に行く事もできなかったし、入っても来れなかった。明治維新で解放され、これから日本をしょって立とうとする人たちが、どういう国づくりをしようかという時、アジアの国々へ行くんではなく、ヨーロッパに行ってしまった。そこで見たものは自分の国に資源や色んなものが無くても、アフリカだのアジアを植民地として抑えて、そこの労働力とか、色んなものを自分の国に持って来てしまう。
そして、物質的に豊かに栄える…。日本もその真似をしようとした。あ、そういう事だったんだなぁ…と気がつき、それで今は遅まきながら、その事をもっとよく知 りたいと思って、色んな人の話を聞いたり読んだりしながら、勉強を始めたところです。
 もう私は子育ても終わった年代ですが、私たちより上の年代の人たち、つまりもう本当
に日本の中で、はっきり物が言えて、かつての戦争がどういう目的で、どういう風に人々を痛めつけて来たか?というのを、知っている人たちが少しずつ死んで行くっていうか、高齢化してしまいました。ひとつひとつ、大きな星が落ちてゆくように亡くなる人が多く、寂しくなってきてるんですね、日本が。私などそのかわりにはなれないけれども、もうこの年になれば、もう怖いものは無いから、私も、自分で知った限りの事や、やりたい事など、若い人たちだけで無く、同じ世代の人にもたくさん話していきたいと思っています。伝えるっていう程ものを知っていませんが、お互いに知らせあいながら、交流を深めていきたい…と思っています。今回ここへ来て、一番はじめ、なんでしたっけ?朝(池田
浩士さんの「満蒙開拓と長野県」)日本の農民が満州っていうか、中国に沢山、送りこまれて、そ こで何をやったか、送り込まれたその原因は何か?そういう風に、日本からアジアに 送り込まれたのは、中国だけではなくて、フィリピンとか、色んな国があるわけです。 けれども、そこで何があったかを 寿満子さんの肝入りで勉強する事ができました。(笑)午後は日本の中の人権問題について、トークしまして、私はホームレス、野宿生活の人たちの事をテーマに話しました。そして、昨日はいっぱいありましたけれども、カン・ジェスクさんの韓国の「慰安婦」の問題がありましたね。今日はこういう場所で、こういう集まり、 また、明日は明日であるんですが、これからは、そういうふうにして日本では何がされたか?日本人が何をして来たか?っていう事をライフワークっていうか、やっていきたいと思っているところです。

(寿満子)私は司会をする大鹿村の田村寿満子と申します。こういう国際井戸端会議をしようと思ったのは、日本の私たちが、国際的な視点から見て、どんな風に見られているのかを知った上で、私たちは世界を見たいと思います。私たちが日本の中だけで、自分達の事を考えるのではなくて、外国から見てどんな風であるかという事を認識した上で、西洋に出かけるなり、アジアに出かけるなりしたいと思うんです。日本の私たちがどんな風に見られているのか、をここで、外国の人たちから聞いた上で、自分がやらなきゃいけない事を、各々で考えていきたいと思います。で、さっきのフェミニズムっていう言葉が出てきたので、日本人の、特に男性の印象をひとりずつ話してもらいます。カンジェスクさんは日本に4年間暮してきたし、カレンさんは日本人の男性と暮しているし、ジェーンも、シンシアも、日本人の男性と暮しているので、非常に近くに日本人の男性を知っていますから、そういう視点から見て、日本の社会がどういう風であるか?日本の男性が、あるいは、女性が、どうであるっていう事を、お話してくださいますか?

(カン)まぁ、いい人も悪い人もいる。どこの国にもいい人がいるし、悪い人がいるから。(笑 )日本の男性に対して、私は初めは「すごく弱いな」と感じたんですね。それは、いい意味でです。韓国の男の人は軍隊に行く。それはすごく女性問題と深く関わっています。一番若くて、頭が活発に働く時期に、2年3年とか、軍隊にとられてしまうわけですね。普通に使う“男らしさ”を、そこで習ってくるんですね。人を殺す方法もそこで習います。女性というものがどういうものか、ということも習って来るんですね。

(司会)韓国の男らしさとはどういうものなのですか?

(カン)だから、それが、作られたものなのです。男性の場合、女性を経験して無かったら、セックスを経験しなければならない。だから先輩が連れて行きますね。それをやらないと男じゃない。それを教えられます。それから彼らが又 帰ってきた時、同じ歳の女性の学生たちはもう卒業になっている訳。3年間のギャップ。自分たちが又社会に出た時に、女性の差別につながっていくわけです。それは女性が社会に出て就職する時に男性はまだ大人になりきっていないということです。そういうギャップが続いてるんです。女の人は自分と結婚する相手は自分と同じに出発した男性よりは、うんと目上の、 社会に出た人と結婚する。自分より男の人はうんと上だし、何となく地位が弱くなっちゃうんですね。軍隊があるからそういうギャップが続いているんです。それに対して日本の場合はそういうギャップがないんですね。軍隊には行かないから。自分なりに好きな事をやってる。男らしさよりか…。私がはじめに「弱い」と言ったのは、本当はそれがいいと思う。男も弱くあっていいと。それを韓国はですね、男の人は強くならなければいけないという、そういうものを教育されるのです。男でも女でも、そういう性と関係なくって、男の人でも弱い人は引っ込まなければならない。男の人にとって、それは差別ですね。自分は弱い。なのに男の人だから強くなければならない。いつもストレスを持っている。日本の場合も勿論、まだ残ってますけれど、韓国より、弱く見える所はとりあえず、いいかなと。

(司会)いいかな?っと(笑)。

(カン)色んな問題がまだまだ残ってますけれど、まだまだいいかなと思います。日本の男性は、軍隊で教育を受けて“作られた男らしさ”を植え付けられる韓国の男性とは、そういう違いがあります。

(山田)日本も戦中、戦後はそういう徴兵制度があって、2年間は男だったら誰でも兵隊に行かなければならない。

(カン)韓国の軍隊社会システムは、日本からもらったものです。日本が仕組みを作ったもので、日本のそういう悪い所を沢山習ってですね、今までやってきてるんです。だから、男らしさ女らしさじゃなくって、自分らしく生きて行けばいいんですけど、それがまだですね。韓国の社会は軍隊の社会で、これからまた、話して行きたいと思います。

(司会)日本の女性についてはどうですか?

(カン)日本の女性はですね、先ほど私、話したようにですね。私もアジアをいっぱい歩 いているのですが、インドとかネパールとか。日本の女性はすごくオープンに、西洋的に見えますね。それは韓国より先に開国の味を味わっているからです。色んな所に自由に出かけるようになったからなのです。もっと西洋的なものをみんな、自分の生活の中に 吸収するようになる。韓国の場合は国際社会の中でそういう自由はまだなかったですね。やっと80年代民主化運動を経て、あちこち外国に行けるようになりました。日本の女性がアジアを歩いてきた、その道を韓国の女性が、今、歩いているんです。そのことは民族の問題じゃないと思うんですね。資本主義という経済の発達段階の中で見られるひとつの現象です。日本の女性だからじゃなくて、一般的に資本主義社会になったからそうできるようになったのです。 普通、韓国にいて日本の女性に対して思うのは、男の人が女性を自分の都合によって使っても、日本の女性は男の人に優しい。「はい、はい」と言って。あの…外から帰ってきたら、ご飯出したり、新聞出したり、そういうすごく悲しいイメージだったんです。私もそういうイメージかな、と思って日本に来たら全然違いました。(笑) 男よりは自由になったし、イキイキしています。私もフェミニズムを勉強してましたから、フェミニズムを勉強する時、大学で勉強している人たちってエリートなんですね。よ く見ると、そういう面がありました。フェミニズムを自分の飾り物みたいにして生活している人たちがいました。本当はフェミニズムというのは、学問的に、話の中でするものばかりじゃなくて、実践的に自分の生活の中でやらなければならない。言葉ではフェミニストなんですけれど、自分の生活の中ではすごく女らしくなったり、各々に民族的なものがありますから、その国に合わせていかなければならないんですが。やはり、西洋で生まれたフェミニズムも日本や韓国では同じじゃない。だから、そういう所をもうちょっと見つめて、日本の女性は自分の国に合ったフェミニズムを考えていかなければならないかな?と、思います。

(司会)これは、カレン、さっきの答えじゃないですか?

(カレン)(笑)私、気がついたのは、日本人男性は地位が高い割に、縛られているんですよね。家族制度の中にも、社会に入ってから勤めるようになると、身動きができなくなるんで、ちょっとびっくりしたんです。外から見ると日本という国は、男社会で、パワーを持ってるという風に見られ、思われてるんですけれども、もうちょっと深く見ると、そうでもなく、本当に縛られて主張とか自己表現とかできない。だから、何故、日本から女性が留学などで、アメリカや西洋に行くかというと、日本人達はダメだという答えが出て来る訳ですね。そんな答え、何回も聞いて。じゃ、日本人男性はどんな所がダメなのか?知りたかったけど。外国に行かず日本に残って、日本を変える努力はしないのかと思う。
海外へ行くのはフェミニズムの続きとして見ていく方がいいのかなぁ?と。まだ、結論は出ていないのですけれども、多くの若い日本人が、日本社会を拒否して、批判して、はっきり「これはダメだ」と言ってるんですね。それで、海外に出たり、外資系につとめたり、留学したり、外国人男性との結婚を望む人もいる。それで日本の社会が本当に変わるのかどうか?私はわかりません。…変わると思うんですけど、どの位変わるか。学問的に、東大の偉い先生達がやっているフェミニズムは、ちょっと現実離れじゃないかな?と。現実 に女性達ひとりひとりが、やっている事というのを見ていくと、こういう祭りとか、 グラスルーツ、草の根の所でやってる事の方が、多分、本当のフェミニズムの意味に 近い事と思います。

(司会)ジェーンは?

(ジェーン)1960年代からオーストラリアの女性の長い歴史が続いている…というの
は、私の母さん1960年で離婚した。その時4人の子どもがいて女性の給料など色々すごい大変な事を聞いてきました。今、一番びっくりしている事、1960年代で離婚した時、社会は女性に厳しかったということです。女性が女性に厳しい!サポートしてないし。私の母さんは自分の子供に対して全然理解できなかった。父さんが悪いからかもしれませんけど、酒も暴力も…色々あるでしょう?それでも私、子供に対して、隣の人と遊べられないし、蜘蛛、ブラックスパイダー。近所の人から色んな変な言葉使って言われてる。 very strange for me 今も当時を考えていると。 書いてある歴史は短いですね。2000年くらい。それも、男性社会から歴史は紙に字を記された。2000年の中では読んだり話したり、同じ事が繰り返されてる。昔は今と同じ社会ではない。だけど同じ問題。今もround &round 同じ間違い。よくレイプと差別の問題があって、それも2000年前と…just the same 。もう私は退屈になった。(笑)

(司会)change!!

(ジェーン)チェンジだよ。もう…。歴史はいい勉強になりますでしょう。もう同じ間違いはやめます。繰り返さない。だけど、やっぱり私はひとり。女性の社会を気にかけて、良くなっていって欲しいと思いますし。長い歴史のうちの30年。ひとりひとり、オーストラリアの女性もすごい大変だったよ。日本では女性は立場が強くなったね。外で見ると判らないけど、夫が妻にお金を渡すでしょ? それはすごいパワーだよ。それは外国にもなかったね。昔だったら男がお金を持って奥さんに「子供の分、食事の分」と渡していって、「あとは俺、終わり」。(笑)だから今、女性はお金を持ったし、すごいパワーある。なぜならお金が社会を作っている。大きな企業、例えば三菱、私たちは武器を作らないけれども、お金を払うという事が、投票と同じだと考えると、私たちが企業の作っている車を沢山買うことが何を意味するか。…という風に。little by little …少しずつ考えていきたい。色んな問題、子ども達と伝統の事、社会の問題の事など。私たちが死んでからでも、まだまだ長い道あるかもしれないけれど、負けないのね。Idon't want to give up.負けたくない。私の娘が私の後を歩きます。その子ども、孫、友だちの子どもも孫もひ孫も私たちの後を歩いていく。だから、フェミニズムがこうやってあること、本当
に感謝しています。最後に、オーストラリアの政治家の女性、ひどい!恐ろしい、こわいです。なぜなら、フェミニズムが男性的な力を出して、タフに、ダンダダンダダン!(と肩いからせて)で、…だったらこれは、男になるということで、そのフェミニズムだったら怖い。すごい男は女性怖いと思います。当り前。男との喧嘩は顔と顔。正面から向かい合ってやりあうけど、女は後ろに回って来る。(笑)ほんと?女性こわいもの。だからやっぱり、強い女性にも、柔らかい女性にも、優しい、思いやり、勇気、女性のイメージをいっぱい集めて欲しい。男性の道とiquality(イクオリティ)なんて欲しくない。この社会では爆弾が女性と子どもに落ちるでしょ?イラクにだったら薬出せないとなったり、キューバにだったら食べ物出せないとか。だからその社会とイクォリティは(同等になるのは)ノーサンキュー。どんな社会をこれから作るかは、私もわからない。だから何か、みんなと一緒にやっていきたい。リトル・バイ・リトル。少しずつでも、時間かかるかもしれないけどね。

(シンシア)20年前に反核運動とかアメリカ・インディアンの権利の運動に関わったん
ですけど、その流れの中で自分の人生の中では子どもが生まれて、自宅で子どもを分娩し
て、という経験しました。二人の子どもはアメリカで助産婦さんと一緒に自宅で生まれました。それでもう二人は、同じように、日本で助産婦さんと一緒に。で、私が一番日本人の女性達の事で気にしているのは、消極的な事。特に子供を産むというプロセスの中において、消極的な事。出産から子育てっていう一番重要な時期に関わる女性達がすごく消極的なのがすごく大きな気がかりなことです。もしも、日本語が上手だったら、そういう事について、レクチャーしたい位です。(笑)日本に来て一番ショックだったのは、ポルノ。ポルノの規制などの動きもあるみたいだけれども、まだまだ足りない、氾濫していると思う。

(司会)日本の男の人についてどう思う?

(シンシアから言葉を継いで、隣にいる通訳の本出さん)彼女の元の夫も、私の元の夫も日本のメインストリーム(主流)じゃない、ヒッピータイプの男性?ここにいる他の男性達もそういうタイプの人が多いと思いますけれども、彼女は私に少し話をして欲しいと言うので、私から話します。彼女のケースと私のケースはまた、ちょっと違うかもしれないですけれども。私の印象では、アメリカでは女性が強いという事というのは悪い事ではない。けれども日本では、女性がしっかりしているというのは煙たがられる事。反対に、そういうしっかりした女性を好きな男性というのは、頼っちゃう。…というのを、私は個人的な経験として。彼女の場合もそうなんだけれども、そういうのがあると思う。女性もしっかりしていて、男性もきちんと責任を持ってくれるというコンビネーションは難しいのかな?と。(笑)日本って、そういう風な共存ができないのかな?しっかりしている女性を大事にしている、なおかつ、一緒に生活を築いて行こうという姿勢の男性はどこに居るのかな?という。いるのかもしれないけど。そう、彼女はひとり見つけたからね。元の夫よりは若い世代にそういうのが居た!まだ希望はあるけど。(笑)

(司会)征さんはどう思いますか?

(山田征)私、こんなに日本人の参加者の皆さんが沢山居るのに、私ひとり話して…。

(司会)また他の人たちにも意見を聞きますから。

(征)皆さんが私の立場にいるつもりで、発言して下さるといいなと思ってますが。ええと、日本人の社会、色んなタイプの方が一杯いらして、その中では私の場合は、かなり変わった家庭だろうと思います。若い時から子供を育てながら自分の仕事は捨てませんでした。編み物を教えたり、作品作ったりする仕事を4人子供を育てながら、ずっとやってきました。ほんとは5人いましたけども、一人死にました。自分のやろうとすることとか、思っている事は夫にも話しましたけれども、それは相談ではなく、私はこういうふうに思うとか、こういう事をやる、「やりたいと思う」じゃなくて、「やります」。(笑)という事で、いつも結論を伝えていました。ですからいつもとても自由にやってきました。た
だ、小さな子が次々に生まれていくので、そういう意味では子育てにかなり時間を取られてましたけれども、それは産んだものの責任として、ある程度の事はしなければいけないと思い、やりましたけれども、そのことでやりたい事をセーブするっていう事はほとんどしないで来ました。
 今、子供達もみんな成人して、全員30代になって、ますます自由になって、「あ、明日中国に行きます」「どこどこに行きます」みたいな。「あ、今日行きます」ちょっと極端ですけど。(笑)ですから、いい主婦でも、いい妻でも、いい母でも…日本的に言えば…ないんですね。落ちこぼれっていうか。だから子供達のことも、ちゃんと学校に行く事がいい事だとは思ってなかったです。むしろ今のような学校教育の中で行きたくないとか、疑問を感じてくれた方がとてもノーマルだと思うし、流れていく流れの中から、はずれていく時に、私は「あ、良かった」と思ってしまうタイプですから、私は日本の一般的な女性代表とは言えないと思います。でも、ここに集まっていらっしゃる皆さんも、日本の代表的な主婦って言うか、子供達を大事に学校へ行かせるっていうのとは違う人が多いんだろうと思いますから、私だけではなく皆さんの声を出していただく方がいいだろうと思っています。それで、ちなみに、私は5人出産しましたけれど、長女、一番上の子だけあまり何も考えないで、近くに日赤あったので、大きな病院で産んで、「あ〜しまった!」と思いました。非常に人間的でない出産ですから、2番目からは家で出産したり、あとは、小さな産院ですけれども、助産婦さん、歳をとった助産婦さんで産みました。その方がとてもよかったですね。だから私の娘たちもみんな、大きな病院のお産ではなくて、小さな、好きに産んでいいっていう所で、孫達4人を産んでいます。

(司会)ちょうど今、また別の国の人が入っていらしたので…。シャニンも日本人の男性と暮らしているから、まず名前と自己紹介、どこから来ているかを。

(シャニン)ハイ!梶田シャニンです。スイスうまれ。今、岩手県の相沢村です。あ、山田征さんですか?お会いした事あります。姫神ホールの…。

(司会)(ミュージシャンの)梶田イフの奥さんなので。

(シャニン)イフさんも是非会いたいと言ってます。天然酵母のパンを作ったり、子どもが4人いて、その中、3人は自宅分娩。で一番上は助産婦さんのお家で、後は自宅で。一番いいねェ!

(司会)お母さんからちゃんと性教育をされたから、シャニンもちゃんと今、子ども達に性教育をしているという話をこの間聞きましたけど、私たち日本人は、伝統的に性教育をちゃんとされてないと思うんだけど、どんな風にお母さんから、性教育されましたか?

(シャニン)あ〜、子ども達、聞くじゃないですか?体の中がどうなっているか、子ども
どこから来る?とか。昔もヨーロッパでも、なんか、大きな鳥…(会場;こうのとり?)
そうそうそう。(笑)そういう話もあったんだけど、馬鹿馬鹿しいでしょ?だからちゃんと教えてくれたよ。(幾つぐらいの時?)女性が生理が始まった時。色んな事聞きたがるもんね。女性になる時…。10歳、11歳…。だんだん大きくなる。子どもが聞く時には、しっかり教えた方がいいと思います。

(ジェーン)結局誰でもみんな、子ども達はね、セックス気になっている。特に、ホルモンの分泌がだんだん始まるでしょ。少しずつ自然に、時々話をしたり。今、うちも息子17歳。友だち遊びに来ると、ワーッと来ると、オーストラリアでもやっぱり、大人はセックスの事よく話してあげない家族は多いよ。私の家だったらみんな、すぐセックスの話始まるのね。なぜ私の家にあつまると、セックスの話始まるのかな?…(笑)私は孫を早めに欲しくないし、コンドームと病気のことも知って欲しい。女性は楽しいセックスの経験し直してほしい。もうちょっと、女性がセックスを楽しむ事できるか?という事は大事でしょう?少しずつだけど、ちょっと言って質問が返って来る。

(シャニン)自分の経験した事しか言えないし、自分の通った道を教えているだけ、伝えてるだけ。

(司会)又、午後に助産婦さんを囲んで、色々な自分の体とかお産の話とかあるんで、その辺は、又詳しくしたらいいかと思います。それではあの…。

(カレン)ちょっと、私日本人の方達にお聞きしたい事があるんですけれども。日本の中に最近「少子化」っていう事がある。子供を産まないという現象が起こってると思うんですけれども、すごい意味のある現象だと思うんです。どうして日本の女性は子供を産みたくない、産まないか?と、お聞きしたいです。こういうなんていうか、オルタナティブの人たちは、子供が多いかもしれないですけれども、大鹿村もそうですけど。一般の社会ではあまり、子供を産まないようになって来ている気がするんですけれども、何故か?

(司会)どうですか?

(参加者A)私の友だちで、産まない事を選んだ友だちも居ます。で、私の場合は子供一人なんだけれども、コンドームを使ったことがないんですよ。自然に任せている。でも一人しか生まれなかったんです。流産しちゃって。日本は経済の状態と共に、産まないというより、産めなくなっちゃってる。昔は自給しててね、何でも自分達でお米やお野菜作ってたのに、どんどんお金の方に流れていっちゃってる。お金がすごく関係してるんじゃないか?産む、産まないを女性が決めていかれる時代が来るといいなと思いますね。私はキリスト教の家に生まれているんで、堕胎っていうのがすごく、自分の中でも矛盾あります、堕胎ってのは、考えていかなければいけない、世界的な問題だと思うんです。堕胎せざるを得ないという状況にある女の人達がいる訳だしね。考えなくちゃいけないと思う。産む、産まないだと、私の周りの女性達は、「産まない」を選んでいる人達多いです。

(征)それは「お金がないから」ではないと思うんですよ。お金のない国程、子沢山という現象が世界中にある。どういう風に子供にお金をかけるかという所では、日本人はお金がないという風に思ってしまう。

(司会)学校へ行くのにすごくお金がかかる。一人ずつ。生まれたらすぐ、普通の人は貯金をするのよ。で、100万円とか、200万円とか、かかるんじゃないんですか?大学に一人行くのに。入学金だけでも100万円かかる、すごいお金がかかるから、それだともう、二人位しか出せない。貯金がなくなるでしょう?

(参加者A)あと、ここにいる人達は、自然分娩しているんだけれども、こういうメディアを持たない人達ってのは、出産にお金がすごくかかっちゃうという概念が、頭の中にインプットされてるんですよね。だからお金がないともう、子供も産めない。教育も受けられないとインプットされてる人が多いんで、こういう情報網をどんどん表のに伝えてくのが大切。

(司会)他に意見は?

(参加者B)はい!あの、日本はね、みんな中流というか、貧乏じゃないと、うちは貧乏だって子供に教えているけど(笑)…、みんなは中流だと思ってるのね。それで、中流から下になりたくない。子供を持ってるお母さん達はみんな、ちゃんと子供達をレールに乗せて順調に育てて、自分よりは下にはなって欲しくないとずっと思ってるの。私たちのお父さんお母さんも、みんなそう思って来たけど、今の私たちのような、子供を育てている人達もそうで、家も欲しい。で、今、日本はすごく家が高いのね。私はもう家は要らないと思ってるけど。みんな、家は欲しいし。子供にはちゃんと教育を受けさせて、大学までやらなければいけないと思っているのね。で、アイデンティティは無いの。持って無いの。中身は無くて、学歴はちゃんと。ちゃんとお勤めさせて、大学を出させてっていうのは、みんなスタンプを押したように思っている事なのよね。だから、多分、子供達はお金はある。勉強は沢山しなければいけない。で、勉強ができるけど、自分はなに?とか夢は?とか、何か大きな夢はある?ない。自分は素敵かな?素敵じゃない。自分の事嫌い?自分の事、わからない。…と思っているから、どうしていいかわからない子供達が沢山いて、若者達も沢山いて。みんなふらふらしていると思うの。
 で、若者がふらふらするのは当たり前なんだと思うんだけれども、「いいよ!自由にふらふらしていてもいいよ!」って、誰も言ってくれなくて。ちゃんと就職しなさい!ちゃんと学校入りなさい!って、社会がみんな言うから、みんな焦っちゃってる。で、ここにちょうどあるんだけど(…と、手元のチラシを上げて)17歳が今、沢山事件起こしてますね。で、男の子が特に沢山。自殺は男の子ばっかり。で、殺しちゃうのも男の子ばっかり。で、学校にちょっと行きたくないってこもっちゃうっていうのも、男の子が多い。今ここで女の人の問題やってるんだけど、そういう、女の人達の問題に目覚めて、元気になる女の人は多いけど、なかなか元気になる男の人…っていうか、男の子を元気にする、そういう育て方してない。

(参加者C)父親だよね。男の子と父親がちゃんと付き合ってないから、向き合ってないから、男の子はわかんなくってさ…。

(B)でも母親もそういう子に育てちゃってるでしょ?

(C)だから母親だけががんばってもダメなのよね。父親が男の子は特に、ある年頃になってきたら、ちゃんと付き合ってないと。逃げてんだよね、今の父親はみんな。

(B)で、夫婦が仲良くないでしょ?(笑)日本の夫婦は仲良くないのよ。みーんな悪口言ってる。日本人の私の友だちも沢山、女の人で色んな事やってる人、チャレンジしているけど、もう旦那さん、旦那のチャレンジだけは失敗していて、みんなもう、あきらめてるの。で「別れちゃう!」とか言って、もう別れちゃってる人も居るけど、別れられないのね。お金の事で。子どもの教育の事で。でもう、しょうがない、しょうがないけど別れる別れない…と言って、もう十年くらい悩んでて、「まだ別れないの?」「うん、あきらめた」とか言って。「もう、別れるの止めた」とか言って。(笑)「だって私が仕事すると、1時間800円くらいなんだもん。もう止めた」とかって言って。女の人の経済も大変だから、もういいや、一緒に居る…とか言って、子どもが大きくなったら考えるって。そういう人、一杯居るのね。(笑)

(ジェーン)でも清水は戦争で50年前、火の爆弾が一杯落ちた。50年間でそんなに立派な街を作った。歴史を見ると、戦争の後、社会を作る、未来の為に。ベトナムの戦争はちょっと違うけど、40年前まだまだ大変よ。日本は不思議よ。50年でやってしまった事を考えると、社会を作る事だけに懸命で、人間の心とか時間がまだまだかかるんじゃない?日本人と最初に出会った私に、旦那さんはindividuality(インディビジュアリティ個人的であること)は社会に適応していく為に、少し抑えなさい。もし隣の人が好きじゃないとしても、顔を合わせたら挨拶しなさい。できるだけ、隣の人から社会、コミュニティに、平和にしなければならない…と。それに対して、今すごく変わった。20年くらいの間にコンシャス、意識すごい変っちゃった。だから今、混乱してる。日本人は。

(参加者D)フェミニズムってどういう事かっていうと、自分が自分らしい自分に出会う為に生きてて、多分ね。本当に自分がしたい事をしている時は不満じゃないから、子供を産みたかったら産めばいい。その考えで自分が本当にどうしたいか?という事だと思うんですよ。で、自己紹介なんですが、私の場合はね、本当の自分に出会って、自分が本当の事を始めて、やっと本当に満たされた時、夫とは完全に二つに分かれてました。で、今はたまたましょうがない、側に居ます。(笑)で、子供も二人居ます。どうする?どっちに来たい?って言うと、私の方に居ます。お父さんの方にはテレビがあるから、テレビが観たかったらお父さんちに行きなさい。私の所にはテレビは要らないからないです。自分の空間を作りたかったんですよ。まず。自分にやりたい事が見つかって、やりたい事が見つかれば、そこそこの経済というのは付いて来ますから、そうしたらまず、自分の空間を作って本当にやりたい事を、自分に素直に生きられる生き方をやりたいと思った。
 ずっと布に関わる事をやってきたんですよね。そして、自分にピタッとくる素材がなかったんで、自分で作りたかったんですよ。でも、織の世界に入ったり、染めの世界に今から入る?弟子入りしてこんな事やったって、もうこの歳になって。この歳っておかしいね。…それがしたい事なのではなくって、「なんなんだろう?」40代に入ってから見つけたのが、素材をゼロから作っちゃう、その素材は、日本の裂き織り(さきおり)だったんです。古布(こふ)は一杯溢れていて、この素材いいのに、片方ではゴミとして捨てられてんです。でも求める人はすごい求めてる。それを細かく裂いて織るんです。…あ、それはまさに裂き織りですね。

(司会)それは、ジェーンがくれたオーストラリアの。

(参加者)日本の裂き織りも再現ではなくて、今の自分がどういうのが欲しいかと、日本の裂き織りも一緒にしたかったから、花を咲かせる、咲くという字で「咲織り」って名付けて、もう楽しく楽しく織ってたんです。で、ハッと気づいたのは、織姫の血が流れてるからって、それと出会ったから、あ!嬉しいんだ!!って。嬉しいって言ったって、苦しいのよ。子供は不登校であっち向いちゃっているし、夫とはうまくいかない。でもこれ、織ってるその先に何かあると。そう思って必死の時期だったんですね。でも、裂き織りは終着点ではなくて、たったひとつの事を見つけたら、それは入り口で、だから私は今ここにいると思うんです。引き合わせてくれたのは、山田征さんなんですけれどね。征さんと出会う事によって、あー、自分らしく生きるっていいじゃん!って、すごくストンと。で、とりあえず、私はこの女の人の中に織姫の血が流れてるって楽しいものよ。織って遠いものじゃなくって、もっと身近に、皮を剥いで、太古の女性がやった事を今、それも簡単に卓上型でね。そういう事を伝える、自然に場ができて、今仲間が拡がっていく、横浜でできてるんですけど、フェミニズムを私なりに聞いてたので、私は中でとても納得できたので、一言話したいと思いました。(拍手)

(司会)どうもありがとう。

(シア)(通訳の人を介して)オールド・ヒッピーについて、さっき話した事で追加。私が元の夫と別れた原因をお金を稼げないって言ったけれども、それが本当の原因というのではなくって、もっと思いやりとか、愛情表現というのをしてもらえなかった。心の交流があれば、例え私の方が働いていても、ハッピーだったと思うけれども、そういう愛情表現が大事にされてるとか、気持ちを思い出してくれてるとか、そういうふうに感じられなかったから、別れたんです。今、一緒に居る人は、感じ合ってくれるから一緒にいる。

(参加者E)今聞いててね、私、最近なんでこんなに若い子に惹かれんのか、私っていけないのかな?と思って(笑)。あ、正しいんだと思いました。ありがとう!

(シンシアの通訳をしてくれた本出みささん)私自身ももうひとつ思う事は、その愛情表現の中で、日本で奥さんとか彼女に素敵だよとかに綺麗だよ!とか、恥ずかしくて言わないと思うんだけど、大事だと思うんですね。その人の女性性を周りから言ってもらえる事は。それがフェミニズムの女性であろうと、自然派の女性であろうと。女として言われる事で、自分を素敵だなと思える事って、すごく大事だと思うんだけれど。日本の男性って、むしろ「もうこの歳になって」とか「しわが増えたね」「又太ったんじゃない?」とか(笑)。そういうのすごい腹立つし、本当に見てない、女性の素敵な所を…。やっぱり日常生活にそういうのが無いと、どんどん乾いていくんじゃないかなぁ…と思うんだけど。それが「思いやり」の一部だと思うんだけど。

(司会)他の人がしてくれると、例えばご飯作ってくれると「どうもありがとう!」って、本当に思えるんだけど、それが自分の妻がしてくれるのは「当り前」だと思ってるから、表現が下手なのか、あるいは、子供の面倒を妻が見るのが当たり前という風に、思っているから「ありがとう!」とか、本当に思わないかもしれないね。女の人に子供を預ける、女の人に小さい時の子供の世話を任せてしまうっていう事は、すごく一般的に多い様な気がする。男の人でも。

(カレン)アメリカじゃ、アメリカの男性は、もう一日中「アイラブユウ」「I love you」を言い続けているんですけど(笑)離婚率は50%でも。いやちゃんと理由があるんですけどね。愛情表現だけの問題じゃないと思うんですよね。逆に、アメリカは言ってくれるけど、かっこいい事言ってくれるけど、実際にやってくれるかどうか?それとほんとに、真面目にやってってくれるかどうかは、又、別の問題ですね。だから、ただ、何でも口で言うんでなくて、色んな所で…。

(司会)リスペクトって言うかね。

(カレン)リスペクトですよね、だから。

(ジェーン)女性が自分にリスペクトできなかったら、旦那さんからどういう風にリスペクトしてもらう?
(司会)自分を自分でリスペクトできないとしたら?あ、respectは、敬意を表する、尊敬する。男性が女性に対し、例えばご飯を作ってくれた事に、「ほんとにありがとう」という敬意を表するのであればいい…という話をしてたんだけど、ジェーンは自分に対して、自分を大事にする事がまず第一だ。そうしないとよその人がどういう風に自分に敬意を表してくれているか?わからないという、自信を持てないというか。

カン)自分がやっている事を、勿論自分を愛してなければならないですね。あと、自分の連れ合いですね、一番身近な人に認めてもらいたいというのも、大事だと思う。認めてもらう事の大事さ。それが素敵な事だよと言われる。そういう所が男性の意識の中で、だんだんなくなっちゃうんですね、一緒に生活すると。それは韓国の男の社会の中で、社会運動をやってる人たちの一つのプロセスだと思うんですけど。例えば、同じ市民運動を男と女が一緒にしますね。私たちは同志だから、一緒にしましょうと。始まるんですね。だけどあとから気がついてみたら、すごく政治的に、イデオロギーについて、男の人は進んでいるけれど、家庭の問題に対して、女性の問題は現実的にすごく遅れている事が分かって来たんですね。それで、一緒に市民運動、社会運動をしたけれど、あとで別れる事になっちゃったんですね。日本でも経験しましたし、韓国でも経験しました。ちょうど私たちの世代が学生運動を一緒にやって、生活を共にしたんですね。色んな家庭的な問題がある中で、自分は女性としてのアイデンティティを何か精神的に、生活の中で、すごく実感するんです。
 経済的な事も大切な事。給料はもらってないけれども、本当は家庭の財産、家族の財産ですね。けれども女性は自分が自分の仕事を認めてないんですね。そういう所で女性と男性のギャップが今まで続いて来た。それで、別れたいけれど、子供を育てる為に我慢しなければならない。気がついたらもう、子供は大きくなって、自分が好きな事をやりたいけれど、経済的な又問題が起きて来ます。あと、自分が本当に何ができるか?…ですね。それを忘れて来た。本当は中にあるんですけれども、又、それを発見するのにすごい時間がかかる。そういう風じゃないかと思う。

(参加者F)私、住んでる所が東京の世田谷区で、この子が(ひざに男の子)行っている幼稚園はすごく面白い幼稚園なんですけれど。子供達の親は50%が省庁に勤めている方を含む公務員なんですね。環境庁とか科学技術庁とか。で、さっきの“少子化”の話なんですけれども、そういう人たちは、お母さん達も結婚するのが割と、キャリアがあるので遅いから、二人目を産む時は40才位になっちゃう。だからやっぱりもう、4人とか5人とかは産まないっていう事と、あとは、何となく昔みたいに沢山子供を産む事が“かっこわるい”という様な…ファッション的に?(笑)そういう意味があるというか。それから、東京でそれだけ学歴をつけてくるには、お金が相当かかる。あと、自分が早く社会的に復帰したいというか、自分の意識、プライドみたいなもの、すごく持ってる。でもそれですごく感じたのは、省庁の奥さんというのは、現実的な真実をすごく知らないで、ベールにかくされている所をすごく信じてる。原発の話なんかをこの間した時に、「でもうちの主人は原発の開発の所に勤めていて、原発は必要だと」言っているんだけれども、もうその部分しか信用してないので、現実に対してすごく無知だなと感じた。原発の例にしても、韓国の歴史的な事なんかも、多分、全然何も知らないと思う。ああいう省庁の家庭というのはどんな署名もできない。それは決まってるんですね。ある意味閉ざされた世界の中で、何も事実を知らされていない所で、生きてるなぁと感じました。

(参加者G)私は89歳の先生が開業している助産院に勤めている助産婦です。何故、皆さんが産まなくなるのかな?という所で、お産自体、病院でするお産自体が、悲しいものである。つまり、次の子供を持つ事へのエネルギーにつながらない。お産自体も悲しいものだけれど、今の日本の子育てをとりまく社会自体がすごく、基盤が危うくって、旦那さんは働きながら、なかなか子育てに参加できなくって、お母さんが今日1日の色々な話を伝えようとしても、お父さんは聞く余裕さえなかったりして。お母さんが気持ちのやり場がなくて。子育ての不安だとか、そういったものが。やっぱり今お産をする人たちはよく、言われるんですけど、“マニュアル世代の指図待ち族”って言って、すごいマニュアル化された物で何かを進める事を教えられてきた世代なので、そのマニュアルを、本やテレビ、メディアから得るんだけども、子育てなんて、絶対マニュアル通りなんかいかないし、みんな、同じ様に育てられる“子育てのマニュアル”なんてものはないから、そこで、お母さんが不安に陥ったり、自信を失ったりして、子供を育てる事自体の自信が持てない環境にあるんです。だから、少子化って問題あるけど、政府が言うように、簡単に労働の基盤を整えたり、子育て支援の基盤を支えたり、したらいいか?って言ったら、そうじゃなくて、女性の性の差別って言っていい様なお産自体を変えていかなきゃいけないし、色んな所でのアプローチをどんどん、こうやって横につなげていって、何か女性、性、子育て、分娩をいい方向へ持っていけたらな…と思います。

(F)大学病院で勤めている看護婦さんが、すごくショックだったって言って、教えてくれたのは、お産がすごく大変だから、帝王切開で産みたいという、若い女の人がすごく増えているんだって。多分、全身麻酔で痛くなく産めるから。自然分娩だとね、陣痛が長くて大変だから、全身麻酔で痛み無く、産みたいって。

(ジェーン)オーストラリアでは、今も多い。(会場;アメリカも多い)お医者さんも忙しくて、彼も自分の時間が欲しい。帝王切開多くなった。私の4人兄弟、地球の為に、(人口をこれ以上増やさない為に)二人ずつしかだめになった。

(参加者H)男と女の関係を変えてくっていうか、変わらない限り、これがずっと繰り返されていくのかしらね。あと、やっぱり「慰安婦」にしても、男も被害者だと思うのね。被害者であり、加害者であり、国の暴力によって、男も女も戦地に行かされ、女性達は慰安婦にさせられ、老人と子ども達、自分で自分の人生が選べないような暮しになっていくんだったら、全部…。話、飛びますけど、私、美麻村っていう小さな村に住んでいるんですよ。1800人くらいの。で、今朝、村の役場の人が遊学舎の前の通りが、交通事故がすごく多いんですね、で、曲がってて、そこを、道路を遊学舎側に伸ばして広い道路にしたいという案を、役場がまとめて来ちゃって。それを明日から土を運びますっていう報告に来て。報告じゃないんですよね、もう。「吉田さん、明日土を運びます」って事で来ちゃってる訳。要するに、道路ひとつにしても、そこは車だけが通る訳じゃなくて、学校に行く子供達も通るし、ばぁちゃん達も通るし、色んな人たちが通る道路を、役場のひとつの意見だけで「もう明日から始めます?」!!で、慌てて、役場に言いに行ったんですよ。それを聞いて、もっとみんなの意見を聞いて、どういう道路がいいか、考えていきませんか?…っていう案を出して、もうなんかちょっと、大げんかをしてきちゃったんですけど。全部知らないうちに、自治体とか国が決めちゃってる所へ、わたしたちがいなされちゃってるというか。何かちょっと興奮気味なんですが。…上から、国の意志のままに、全て私たちにふりかかってしまっている歴史がある。それは今もこういう風に続いている。進行形なのです。それに気がついた時に「おかしいんじゃない?」という事を、ちゃんと言えるか、言えないか?ね。「慰安婦」のことも、つながっていっちゃうんですよ、私の場合はね。あと、日本の場合、千葉の蟹田村という所があって、日本の慰安婦の方たちの施設があるんですね。そこの方達が「私は慰安婦です」という事を、告白してるんですけれども、日本の慰安婦の方たちはまだ、表に浮き上がって来てません。まだ、語り始めていないというか…。私の中では気がかりな事で、考えさせられています。

(司会)時間があと10分くらいしかないですけど、話しておきたい事ないですか?

(カン)今の「慰安婦」問題でですね、本当は男の人も女性に対して、敵じゃないんですね。戦争の中で、日本の男性も国家から自分の自由意志じゃなくて、本当は勧誘されているんです。それと同じで、今の社会の中で男性もやっぱり、被害者なんです。女性だけじゃない。そういう風に教育されているですね。国家、権力を持っている人たちの都合のいいように。近代社会に入って、労働者が沢山必要になりますね。貴重な時期に、男の人を外に出して、女の人を家庭の中に縛る。そういう仕組みを作った。男の人と女の人は、
本当に敵じゃなくて。本当は男の人も自分らしさを生かせない状況に置かれているんです。男の人の中にも弱い人もいるし、女らしい…ロマンチックな話ももっとしたい。でもあなたはもっと強くならなければならない!そういう風に教育されてるんですね。「男」「女」じゃなくて、「自分」らしく生きる道を探して。男の人は初めから料理ができないんじゃなくて、今までしてなかったからできないんですね。すれば楽しさもわかります。また、それが、自分の生きている事にとって大事だという事も、わかる訳ですね。そういう事から、男と女は敵じゃなくて、国家という暴力、権力という暴力に対して一緒に私たちが、協力して戦わなければならないんです。自分が自分らしく生きていく、そういう事を探さなくてはならないと思います。それが私の結論です。(拍手)

(征)私が今、思っているのは、日本の教育はよく「◯×式」と言われます。ひとり一人が、疑問を持ったり、考えたりしなくても、どこかに回せば当たったりはずれたりする。本当に考えるという習慣を失ってしまっていると思うんですね。ですから下手に高等教育を受けることで、知識の詰め込みが先行して、自分で判断する能力をなくしてしまう。ちょっと考えれば、ほんとはとても「おかしい」と気づくはずのことでもさっきの官庁の奥さんの話みたいに、何の疑問も持たずに旦那のこと、国、マスコミの言う事をそっくりそのまま信じてしまう。せっかく高等教育うけても、判断せずにただ知識をつめこみ、それを自分の意見にしてしまうのだろうと思うのですだから、そんなに「いい教育」受けなくても、「これなんか変だと思う」「これ納得できない」と思う事は、言ったり調べたり、何か別な方法はないかと考えたりすることの方を大切にしたい。私は最近「いじわるばあさん」をやろうと思っています。特に権力とか、色んなものに対しては「いやなものはいや」、おかしいと思ったら「おかしい」って、言おうと思っています。

(H)あと、もう一ついいですか?「相似象」(そうじしょう)って本があるんですけど。「上古代」(じょうこだい)の「カタカムナ文化」。それは、国が抹殺してしまってるんですが、大昔、縄文時代よりもっと前の「上古代」という時代があった。その文化をひも解いた本があるんです。ある方が訳して、日本語に。それによると、男性は女性に触る事でエネルギーを一杯もらえると。で、女性は男性に触らなくても、木とか、空とか、川とか、自然からエネルギーを一杯もらえるって。そう言ってるんです。だから、ほら、女性は弱いと思ってるじゃないですか、私も含めて…(笑)…ところが、まぁ、力とか筋力なんかは男の人の方が勿論、肉体的には力があるでしょうけども。昔のそういう女性のエネルギーっていうものは、すごい強い。ね、(会場一同、ざわざわ…うなづいている、同感)触ってエネルギーをもらわなきゃならない男がいて、女性はそういうのは必要ない。…必要ないんじゃないだろうけど、…なんかちょっとごめんね(笑)誤解されそうなんだけれども、それ位、女性っていうのは、地面に足をつけてね、空を向いて、生きていかれるというものが、あるのですね。(笑…拍手…素晴らしい…)

(司会)…ねぇ…、ほんとね、すごい面白い、いい話ができて、良かったと思います。私は、今日本が、すごく戦争の方を向いてると思うんです。一見、平和そうで、みんな面白おかしく暮しているようで、ひと度、アメリカと日本が組んで朝鮮半島に戦争に行くのか?あるいは中国と戦争するのか、知らないけれど、とにかく、戦争する為に今、軍事費をうんと多くしたり、あるいは消費税を使ったり、色んな事あるんですよね。それで、私のおばぁちゃんは、「愛国婦人会」で、こう、たすきをやって、送り出したんです。その時戦争の状態の時、女の人はもう、それが良い事だと思わされて、積極的に送り出したんです。だからその時代にはいい事が、あとで振り返って見ると、とんでもない事をしてしまう事を、おばぁちゃん達の時代の女の人たちはしてしまったんです。その時にみんなで、反対すればできたかもしれないのにと思います。けれども今、私たちがガイドライン、「アメリカと一緒に戦争協力いたします」という法律ができてしまっても、あまりニュースに取り上げられなかった。日本は今、じわじわ、じわじわと、国の言う事を聞かない人間は、全部コントロールしようとしている。その国の大きな力が、みんなの見えない所で強力になっている。だからこういう風に一人一人が、「自分らしく生きる」という所と、国が「こうしろ」という力が来た時に、「自分らしく生きる」というのを選ぶか、愛国婦人会になって、国が喜ぶ事をするか?っていうことを、ひとり一人がきちんと考えなくちゃいけない。大勢の人がする事が、決して正しい事ではない。その時に、少数になってもちゃんと自分のやった事に責任をとれるように、それが、子どもに何か伝わっていくんじゃないか?
 私たちが伝えるものというのは、カン・ジェスクさんが言った様に、「教える」事じゃ
なくて、私たちの姿、やってる事を子どもが見る事で、それが子ども達の中に何か、伝わっていくものだと思うんです。で、私は今回、この「いのちの祭り」にこの女性のテント、「ウーマンズ・テント」がこういう風にあって、女性達がここに来て昼寝ができたり、こういうお話ができたり、本当にここの場所がすごくいいスポットになって、こうい事が、私たちがやっていける事じゃないか?と。身近なことでひとつひとつやりたいって事を実現していく事で、もっともっと一緒にパワーアップできると思うんです。だから、今後も色んな世代、若い人たちも、もっと年上の人たちもいっしょに、この日本だけでなく地球をもっと子ども達にいいものとして、伝えていけるよう、私たちの所で、少しでも良くなる様にしたいと思います。今日は、いい集まりができて、嬉しかったです。ありがとうございました。(拍手)

...............完 The End.................................


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