フォーラム報告

8/6「ヘンプで作る地域循環型社会」


安部:今日はですね、ヘンプで作る地域循環型社会ということで、シンポジウムを1時から4時まで開きます。こちらのほうに日本全国から産業用ヘンプを普及するために尽力されている方々にたくさん集まっていただきました。
 今わたしの手元にですね、地球環境概況2000という報告書があります。これはですね、去年、国連で発表した、今後、地球がどうなるかというような見通しを書いたものです。この内容を簡単に要約しますと、ほとんどダメ、と。(苦笑)地球環境のあらゆる問題はもう手遅れであると、いうぐらいひどい状況になっているわけですね。その対策としてどうしたらいいかというと、なるべく地域循環型の小さな経済でやってかなきゃいけない、というような対策も一応は出てはいます。ところがですね、簡単に地域循環型社会と言ってもなかなか出来ないんですね。なぜかというと、生きていく上で必要なものがそこで手に入らなければ、地域循環型社会というのは形成できないわけです。
 さて、そこでヘンプの出番です。ヘンプというのは、すごくいろんな場所に生えます。そして成長も早く、手間もかからない。それから、いろんなものに応用ができる。実を言うと地域で生きていくために必要なものがほとんどつくれてしまうんですね。ですから、これから地域循環型社会を作るには、ヘンプは欠かせないものなんですけれども…。
 ところで皆さん、ヘンプって何かご存じでしょうか?ヘンプって、よくわからないっていう方いらっしゃいます?ヘンプってなんだ〜っていう方。 はい。ヘンプというのはですね、麻なんですね、麻。このシャツとかヘンプなんですけど。「麻」っていうと聞こえがいいんですけども、実は、大麻なんです。 どうです?なんかイヤなとこ来ちゃったなぁっていうような感じですか?(笑) 実はですね、大麻にもいろんな種類がありまして、産業用大麻というのは、ほとんど危ない成分というのは含まれていないんです。けれども、なんでもかんでも、大麻は大麻として取り締まっちゃえというのが、今のめちゃめちゃな法律。この法律自体もかなり問題はあるんですけれども、ただ、法律上、絶対に栽培出来ないというものではないんですね。法律を守れば栽培もできます。ただ行政の方が、ちょっと認識が不足しているというか、そのおかげでなかなか大麻の産業が普及しないという現実があります。その辺のところの問題も含めましてですね、後半はディスカッションしていきたいと思います。
 まず始めに講演していただきますのは、日本麻協会の岡沼隆志さんです。岡沼さんは、日本麻協会の事務局員、麻のエネルギー研究開発学会会員、縄文エネルギー研究所の研究員という、すごい肩書きを持っていらっしゃる方です。講演タイトルは「伝統文化の復活と新たなる産業の創出」ということで、よろしくお願いたします。
岡沼:こんにちは、初めまして、みなさんよろしくお願いします。肩書きはそんなんですけど、実状は道売りで生計を立ててます、岡沼隆志ともうします。その中でヘンプの活動というか、公に情報提供ってことで麻協会ですとか、あと免許取ってから麻エネルギー研究開発学会ですとか、そういったところに参加させていただいて活動しております。 えと、今そこに何を話すか書いてあったんですけど(笑) えーとですね、「伝統文化の復活と新たなる産業の創出」と、タイトルは非常にかたくて大きなテーマでして、正直申しあげてそれにちょっとプレッシャーを感じているというところがあります。大麻の繊維を使った伝統文化というのが、日本には数多く存在ます。各地に存在します。ただし、わたし実は、去年の9月から今年の2月にかけて、奈良県月ヶ瀬村という村があるんですが、その村の奈良晒保存会が主催する工芸の教室がありまして、それに通っておりました。そこで奈良晒(ならざらし)という、これは非常に伝統的な工芸があります。資料もあの辺にあるのであとで見ていただければわかるんですが、それの教室がありました。9月から2月まで月に2回ずつ、実は合計12回出ただけなんです。 麻の伝統工芸、他の伝統工芸もそうだとは思うんですが、非常に深い世界だと思います。わたしはのぞいただけです。一人前といいますか、一通りのプロセスを終えるのに、生地が出来るようになるまでに5年かかるというように言われています。で一人前になるのに10年かかると。それはわたしがやったように月に2回通うとかそういうレベルじゃなくて、もっと根を入れてやっているというようなとこなんで、その12回しか教室に出たことがなくて、苧うみ(おうみ)といいまして、糸をつくるぐらいしか、習っていません。まぁ少> しだけ織ったりもしたんですけど。そのわたしが統工芸、伝統文化を深く語っちゃうのはちょっと恐ろしいので、深くは正直言って語れません。
 伝統工芸、やってる方いらっしゃると思いますが、深いところはそちらの方々にお任せしたいと思いますけれど、わたしがここで伝統とかの復活と申し上げましたのは、実はわたしは今年の3月に大麻栽培者免許、取扱者免許を取得しました。そのときの、一番メインの理由というのが、伝統文化、重要文化財である伝統工芸奈良晒というその伝統文化の保存ということが目的として申請書を出したんです。実際の申請書が、わたしの申請しました企画書があそこにおいてありますので、薬務課に提出したものと同じものがおいてありますので、よろしかったら後でご自由にご覧いただきたいんですけれど。 その経緯をもうしあげますと、半年通う間に、最後の日でしたかね、保存会の会長さんと話をしたところ、その奈良晒保存会というところは、群馬にあります岩島麻保存会というところから、奈良晒の原料である青苧(あおそ)を仕入れているんです。青苧(あおそ)というのは皮を剥い だ部分ですよね、あの部分を仕入れてそれから皆さんが、実際に生徒さんですとかやってらっしゃる方がそれを細かく割いて、それを一本一本細くしたやつをつなげていくんですよね。その作業を苧うみ(おうみ)といいます。見て頂いたほうが早いと思う。これが、大麻の茎の部分の皮を剥いだところ、精麻という言い方もしてますが、これが青苧(あおそ)です。これを、三日でしたっけ、米糠を入れた水とにつけてやわらかくした状態で作業が始まるという状態。そこから細く砕いたやつを一本一本つなげたのが、こういう細い状態になります。これが一番 最初の作業で、で、苧うみに始まり苧うみに終わるというぐらい、これが一番重要な作業です。あとはこの細さによったりとか、うまく作ったものであればそれをよりをかけたりいろいろ細かい行程あるんですけど、最終的にはそれを織りにいれますんで、これが細く出来ていれば出来ているほど繊細な布ができる。これが荒いと、でこぼこといいますかね、荒い素材になるというとこなんです。
 結局先ほど申し上げたかったのは、これの原 料供給が、奈良晒保存会に対して非常に危機的な状況にあったということを、奈良晒 教室を終わるぐらいに会長さんが言ってまして、それが問題なんだと。というのは、先ほど申し上げました群馬のこれを供給している元、岩島麻保存会というところの会長さんが93歳ですかね、高齢になっておられまして、実は今もご病気でして、普通に動けないような状況になっているらしいんですけど。 結局その高齢化という問題、あと跡継ぎがいないですとかだんだん先細りになっている状況っていうことで、奈良晒の原料供給っていうのが非常に難しくなっているということを聞きまして。であれば、わたしはその前の年から奈良県の薬務課のほうに免許の申請をもともとしているんで、自分にその供給を委託していただけないかとお願いしたんです。 話が前後しちゃって申しわけないんですけど。 その奈良晒保存会会長さんももちろん免許を取ることを考えてはいたんです。自分のところで麻を育てて、奈良晒用に繊維を取って、ということを5年ぐらいの計画でやろうかなというふうに考えていたんですが、会長さんが奈良県の薬務課へ行ったときには、薬務課の方が断っちゃったらしいんですよね。その申請を。で、会長さんすごい困っていました。自分たちで栽培もできないし、供給止まっちゃったら伝統保存教室なんてできないと、いうようなことだったんです。
 また戻っちゃいますけど。 わたしは去年から免許申請してますと。その前に薬務課は畑も下見にも来てましたし、「ここであれば盗難の心配もないであろうからいけるであろう」というような感触をいただいてましたんで、あと種の供給者さえあれば免許が交付されるであろうと伝えました。 その頃は、麻エネルギー研究開発学会の丸井弁護士から種を提供いただけると約束いただいていましたんで、すべて条件は揃っているんで、産業用でわたしはやるつもりなんですが、そういうことであれば、奈良晒の保存にしろ同じ申請が生きるんじゃないかということで話しまして、理解いただきまして、奈良晒保存会のほうから原料の供給を一部委託するというこれ、印鑑をいただきました。 これがポイントになりまして、免許の方は頂いたんじゃないかと思います。これがそのとき提出しました申請書とは別ですね、申請書に添付しました書類です。ここで、私は大麻産業の欧米での実状ということで麻 産業、ヘンプ産業について語ってはいるんですけど、これを実際に奈良県知事が読んでいただいてヘンプ産業について理解をいただいて免許が出たかどうかのところは怪しいんですが、いずれにしろそういう形で免許のほうをいただいて今年3月より、いろいろと合法的な活動を行っているというとこです。
 伝統の方を少しだけまとめさせていただくと、これは奈良晒だけに限りません。たとえば、岩手の亀甲織(きっこうおり)やってらっしゃる方々ですとか、わたしは長野県の飯田市出身ですんで、すぐ近く木曽なんですけど、あそこの開田(かいだ)でしたっけ?あとであの厚い本を見ていただいたら麻の伝統的な産地の写真とか出てますんで、見ていただいたらわかるんですけど、そこなんかはやはり高齢化で最後のおばあさんとかおじいさん--具体的なことは覚えてないんですけど--もう麻の栽培者がいなくなってしまったりとか、あとこの近くの美麻村(みあさむら)でも、去年今年くらいですかその前もですか、栽培者いなくなっちゃったりとかしてるんですよね。やっぱそれは後継者がいなくなっちゃう問題ですとか、老齢化の問題。麻の免許を持って栽培されていた方が老齢化していって、わりとハードな作業もあるもんですから、そういったのが事実上不可能になっていく。それに続いてくれる後継者がいないという問題がひとつありますよね。 それと、あとは奈良晒保存会の方で非常に困っていますのは、国とかからの援助、つまり資金的な面なんですけど、それがほとんどないということで、わたしが通ったときには一回1,000円という値段で、一日だけ奈良晒が習えるんですけど、その前は500円だったらしいんですが、そのなかで原料買ってやら、先生--先生達もみんなおばあちゃんなんですよ、80も越えてるおばあちゃんなんですけど、そういう人たちにもなるべく日当といいますか、弁当代プラスみたいなのとか払ったりとか、あといろいろ資料をそろえたりとかっていうことの資金がなくなっていまして、実はそちらの問題も非常に大きい。それで今年度からはその値段でさえ難しくなってしまった。国とか自治体、行政からの補助がないという問題が大きい。 だから、老齢化、後継者の問題、これがひとつ。それと、あとは資金的な問題。実際やりくりしていくということができなくなってくるという問題で。
 つまり、麻に限らないと思うんですが、日本がずーっと、何千年だかわかりません、何千年だかそのなかで出てきたのもありましょうけど、守ってきた日本の伝統文化が今そういった老齢化、後継者の問題、それから資金的に回らない、公的な援助もなく、中だけでまわさなきゃいけないという問題等から、非常にこのヘンプの産業の話が盛り上がっているところで皮肉な状況なんですけど、日本の伝統文化が今消えつつあります。これは事実です。今、本当に消えつつあります。 先ほど申し上げました、岩島麻保存会というところからこれを供給してもらってたんですが、群馬ですね。この岩島麻保存会というのは、大嘗祭(だいじょうさい)のときに--天皇が新しくなったときに、大嘗祭っていうお祭りをやられるんですね。そのなかでは、必ず大麻の服を着なければいけない、といいますか、儀式ですから着ます。それを代々、これはそれこそ長い歴史の中で代々やってる一族忌部氏(いんべし)っていうのがいまして、そこの大嘗祭の大麻の服をつくるときに、この表皮からこの繊維を取ること--麻ひきって言うんですけどね--この茎を腐らして から皮をはがしますので、腐ったものが残ってるんですよ。それをしごいて、みたいな形でとってそれを乾かして最後この状態にもってくるんですけど、その技術を大嘗祭のための大麻製の服を作るために、技術指導に入ったところなんですね。 ですから非常に、麻の伝統の中で重要なポイントを持っている岩島麻保存会も先ほど申し上げましたように、後5年程でその活動を停止しようとさえしている、非常に危機的な状況にある、ということがあります。 それに対して保存のために、若い人が免許を申請してとかっていうようなところがなかなか出てきてないというところがあります。
 すいません、まとめてないもんですから、非常に、混乱して申しわけないんですけど。
 で、わたしのこの中での提案、具体的に書いてないんですが、結局伝統工芸ですと、例えば服--伝統のならさらしの服を作っても、これがなかなか売れないんですよね。ものすごい一般の服に比べたらやっぱり、全部が手作りですからかなり高価なものになってしまいますし、伝統の質がわかるような方々とかにやっぱ絞られちゃうわけなんですよね。一般の方が普通に買って着るのじゃなくなっているところがありまして、なかなか奈良晒という伝統工芸で生計を立てていくというのは、みなさん無理じゃないかというふうにおっしゃっているわけですよね。人間国宝級になれば、一反作って200万とか300万、すいませんわたし数字弱いもんですからちょっとわからないですけど、何百万という状況になりますけど、そこまでいくのに、さっき言いましたように、一人前になるのに10年ですから、そんな何百万なんてつくれるようになるにはもっと長い年月が必要だと思うんです。 つまり何が言いたいかというと、伝統工芸奈良晒で生計を立てていくのは、難しいと。これはもうある程度はっきりしちゃうと。これは奈良晒だけでなく多くの問題になっていると思うんですけど。 で、わたしがこの中で少しアイデアとして考えましたのは、これは麻の皮の部分なんですよね。皮をはいで繊維を作ると。あとオガラという芯が中に残ります。実はこの芯から、プラスチックですとか紙ですとかあと建材ですとか、そういったものができるんですね。あと繊維とは別の部分で、種から食品ですとか化粧品ですとか石鹸ですとかそういったものができるわけで、つまり、同じ植物を栽培するわけですから、産業の方で村興しとして(お金が)回るようになれば、例えば一般産業8割9割とかで、1割2割で伝統工芸の方というような比重の置き方でやっていけるんではないかというようなのが、基本のアイデアにありまして、伝統工芸と麻産業というものを組み合わせた企画書を書きまして、それを提出して免許をいただいたというようなところです。そういった経緯の中で今年より免許をいただきました。
 わたしが最初にヘンプ知ったのは、実はビジネスをやろうと思ってたときに知ったんです。その頃ですね、ビジネスといってもちゃんとしたビジネス、わたしも道売りですから、ストリートセラーですから、いわゆる。ちゃんとしたビジネスなんてやったことないですから。ただちゃんとしたビジネスやりたいな、というところから、フランス人とカナダ人とわたしとチベットから亡命したインド人ていうかチベット人ていうか、その4人でパートナー組んでなんかビジネスやろうみたいな話があって、その中でリーダーシップとってイニシアチブとってましたフランス人の人が、わたしにヘンプのことを教えていただきまして、最初なんだかわかんなかったんですけど、ものすごい可能性だと、ものすごい植物だと。わたしもともと麻、大麻、ヘンプ大好きなもんですから、これはすごいぞというところから始まった・・最初わたしはビジネスで自分の生計立てて、これならいけるじゃないかというところが正直あって始めたんですけど。結局そのビジネスの話は現実性が薄く、私の能力も薄く、おじゃんとなってしまいました。
 ただ私にとって重要であったのは、麻の活動をしていく中で、いろいろな人たちに、偶然にしろ必然にしろ出会わせていただきました。そういった中で麻の活動--ヘンプ、産業になるというところから知って麻の世界へ入ってきたんですけど--そういったところからこの「いのちの祭り88」に出られた方々ですとか、山の方に住んでおられて電気なんかも使わずに自給自足やってらっしゃる方々だとか、そういった方々にお会いしました。その中で、そういった方々が、わたしがそれまでに会ったどんな方々よりも、本当のことを話してらっしゃるっていうのをわたしは非常に深く感じたんです。例えば環境のことだとか、まぁ世間でも環境のことだとかいろいろ野放図に言ってますけど、何かとこの社会にはウソが多い。ていうのは、わたしは子供からある程度大人になってきた段階から、社会を見るにつけ見せられてきたのは、ウソばっかだからほんとのこと言っちゃうとやばいぞとか、誰かが自分の利益のためにウソを言うっていうのはこの競争社会では当然にありうることで、ほんとのこと言っちゃうと食われちゃうゾと、大げさに言うとそういったような中で育ってきて、何を信じていいのか、何が本当のことなのかわからなくさえなってきていたとき、そういう「いのちの祭り・・・系」と言わせていただきましょうか、「いのちの祭り系」の方々にお会いすると、ほんとのことを心からしゃべってそれにほんとに活動されてるという方々に会っちゃったりですとか、「いのちの祭り系」に限らず、そういった方々に麻を通してたくさん会い始めました。 その中で、麻の活動をやってらっしゃる方、例えば中山さんとか、お会いさせていただきまして、お金とかそういったとこを越えて皆さん活動を--麻だけじゃないにしろ皆さんされているというところで、非常に深い刺激といいますか受けまし て、自分の中の考えがいろんな人に会う度に変わっていくのを感じてました。エゴのために動いている自分と自分を無くして動いている自分と、どっちが自分なのか、とかって悩んだ時期もすごいありましたけど、よくよくいってみると、やっぱ弱いなってそれだけだったな、っていうところから、いいことだったらやっちゃえっていうところになっていきまして、そんなのを教えていただいたのが、わたしは麻だったんです。はい、ほんとです。麻からそういうのを教わって、麻の方々にそういうのを教わってやってきたわけです。
 わたしは麻産業に、これは当初から、ビジネスとして考えてたときから、非常に広い可能性をみました。ていうのが、産業なんですよ、これ。単にものつくるとかじゃなくて、産業として捉えられる。実際に欧米では、あちらに欧米の資料もおいてありますけど、見ていただいたらわかりますが、産業として確立しつつあるというところ。つまり例えば、紙の業界--数字弱いのでわかりません--ものすごいでかいマーケットですよね、よくわかりませんけど。あと建材。建材のマーケットってこれものすごいですよね。 もちろんその前に、なんでそれがいいのかっていう理由ありますよ。タスマニアの木がどうなっているとか、そのへんのことは全部説明わたしがしちゃうわけにもいきませんので、環境のことみなさん、もちろんご存じいただいてるという前提で話しますけど、建材にしろ、あとこの前日本でサンプルを作っちゃった、成分解性のあるプラスチックですとか、マーケットの規模でいったらすごいんですね。つまりどういうことかというと、たくさんの人がからんでいけるというか。 で、今までなかった産業。20世紀にはなかったですよね。なぜか偶然今出てるみたいな。今から始まるってことは、あ、21世紀じゃないか、みたいな。21世紀に新たに始まる産業という捉え方ができると思うんです。 今までこの産業なかったんです。繊維、伝統産業としてはありましたが、なかったんですよね、事実上ね。それが21世紀というところで、わたしたちが今ここで進めてできるっていう産業が、今できるっていうことで、であればわたしが当初から念頭にあるのは、麻を好きな人、麻を愛してる人、そういう人たち が産業に加わっていただいて、例えば今生計に困ってる人ですよ、わたしみたいに困ってる人は、それでたとえば皆さんが生計回っていくと。 そこにはいろんな仕事があると思います。麻を栽培するのも仕事だし、加工するのも仕事だし、情報なんかも仕事になっていく。産業ですから、いろんな分野、マーケティングももちろん仕事ですし、いろんな分野がでてくると思います。 わたしが思ったのは、麻でもし食えたら、お金のことで申しわけないですけど、麻で金銭的な問題がなしに食えるようであれば、これは最高に幸せだなと思ったんです。パワーがめちゃくちゃ入ったというふうに思いまして、それはわたしだけじゃないんじゃないかというふうに思ってたら、やっぱたくさんいたんですね。たくさんいらっしゃいまして、みなさんすごい頑張ってらっしゃいまして。で、やっとなんか今日、こんな感じでヘンプのことが大きく話されるという機会が持てて、わーうそーという感じなんですけど。
 わたしが申し上げたいのは、麻産業はこれから21世紀におこる新しい産業です。麻産業に参入する人--さっき言ったどんな仕事でもありますけど--が、麻産業というのをこれからどんなものかというのを作っていくと思うんですよ。 「産業」という言葉によってもイメージがあると思うんですよね。例えば煙突が出てとか人によってイメージ違うと思うんですけど。麻産業、今ないんですよ、ちゃんとは。自分たちで作っちゃえばいいから、理想型全部やっちゃえばいいんじゃないかなというような気がするんです。それはそれぞれの方の理想型だと思うんですけど、たとえば取り引きの仕方、流通の仕方、いろんなアスペクトがあるわけですよね。それぞれで、これから新しく造るもの、ほとんどゼロからの創造ですから、それぞれの方がそれぞれのアスペクトに対して、それぞれの見方っていうか部分に対して、理想型を実際に追求していくことができると。 麻を好きな方々というのは、わたしはこれはみなさんにお会いして学んだことですけど、本気で環境のことをなんとかしようと。それから人間関係、簡単に言っちゃえば、ラブアンドピース、わたしはそういう言葉しか今わからないんですけど、そういうところでいっていただけるかたが、麻を愛してる方々の中では多いと思います。そういった方々が人間関係と言いますか、それは産業を通してですけど人間関係を作っていって。
 でもいいじゃないですか。いろいろやりかたあると思うんです。そんなかで地域通貨っていうような具体的な方法論なんかも今いろいろ出てきてますんで。
 産業という言葉にとらわれないでください、とわたしは言いたいと思います。産業という言葉にとらわれるんではなくて、みなさんが、麻を愛している人たちが生計を立てるための手段、そしてそれは働けば働くほど、地球環境にとって、代替物、代替品として、石化燃料とか、あといっぱい切っちゃってる木とか、そのうち原発もっと作っちゃってどうするんだ!みたいなのありますけど、そういったものへの代替として地球環境の保全・・・といいますかね、癒しに一役買っていけると言うことで、自己矛盾がないと。働けば働くほど自分で満足して、矛盾が出てこないということにわたしはポイントを感じてます。 ですから、みんなの理想型を作っていけるものがここにひとつあります。そして麻に対するエネルギーを持ってるかたがたくさんいらっしゃいます。麻だけじゃなくて、麻をきっかけとして、今いったようなわたし達の中の理想型というのを作っていけるきっかけ、ツールがここにあるというような捉え方をしてやっていけたらなと。 わたしはさきほど、日本麻協会と紹介を受けました。「おおあさまつり」を主催したりとかホームページ、ビラ配布で情報流したりとかしてるんですが、それも実際は誰が会員でどうなってるとかって具体的なとこはまだ全然できてません。わたしひとりで決めるわけにはいかないと思ったんです。わたしは日本麻協会の協会事務局員として、麻の産業なり文化に貢献される方への相互扶助の、みんなで助け合っていくひとつのテーブルみたいなのがあって、それの仕事をわたしはして、みんながやっていければいいなって。事務局というものを設営して、そこはそう いう仕事をして、お店をやってる方々ですとか産業やっている方々がお互いにみんなでのばし合っていければいいなというようなところで事務局っていうのを作ってやらさせていただいてます。 協会というのを、麻に関わっている皆さん次第だと思いますけど、とりあえずそういう仕事を続けさせていただいて、情報の交換の窓口プラスつなぎ役として麻協会自体働いていきたいなみたいなところを思っています。麻産業全体がシフトアップといいますか、そんなように考えればいいかなというところで思っています。 あと、麻エネルギー研究開発学会のほう、免許持ってる方が会員になれますので、今、丸井弁護士さんとあとでお話されます中山康直さんとわたしが会員でやってます。こちらの方では、CBDA株、産業用ということで、THCが少ない麻の開発、保存とか、逆に医療用の品種とか、あとでまたお話でるかもしれませんけど、麻に関する研究の方を進めていくというようなところで、ここのところ動いてきてます。 というところで、そんなとこです。あごめん、長くなっちゃったね。
 そういうわけで、自分たちで作っていける産業の機会が与えられた。これをどうするのか。自分たちで参加して自分たちで盛り上げていくのかどうするのかは皆さん次第だと。もうここにはやっていくと決められた方がいらっしゃいます。で、みなさんが生計立てていけるような形になっていけると思います。 伝統工芸からはちょっとはずれてしまいましたけど、そんな感じで考えてます。 すいません、ちょっとはちゃめちゃですいませんでした。 いっときたいのは、こんな人間でも免許取れるんですから、一番大事なのはそこです。オレが一番言わなきゃいけないのはそこだ。(拍手)ありがとう。いろいろむずかしいこと言っとっちゃいかん、おれは。わたしが取れるんですから--そのかわりにいろいろ理論的にちゃんとせないかんと思いますけど--わたしが取れるんですから、みなさん取れると思いますよ。ちゃんとやってれば。それを最後に言わせていただいて終わります。どうも、みなさんがんばってください。産業にしましょう。おれたちが行くしかない!ヘンプ、麻産業のムーブメントを興すことは、麻やその他の伝統文化をも救う一助になると思います。
安部:どうもありがとうございました。岡沼さんの麻にかける情熱がすごく伝わってくる講演会でしたね。続きましては、産業用ヘンプを利用したまちづくり政策ということで、赤星さんにお話いただきます。 赤星さんは、政策シンクタンク構想日本の環境政策を担当し、バイオマス産業が21世紀の中心的な存在になると信じて、現在活躍中です。また、バイオマスベンチャー企業のヘンプレボという企業を立ち上げ、本格的にこれからヘンプビジネスに参入を計画しております。では、よろしくお願いします。(拍手)
赤星:はじめまして。私は、神奈川県相模原市に住んでいて、市民参加型農業っていう新しい農業のありかたを模索した活動をしています。それ以外の活動として、このヘンプ--麻のことを若干やっています。麻に出会ったきっかけは、ボディショップさんが今度イギリスからヘンプの製品を輸入するぞと、いう話をですね、ボディショップの方から聞いて、「麻ってなんだろう?」ということを考えたのがきっかけです。それから、麻にはまって、大麻堂さんのお店にいって、いもづる式にみなさんと出会ったというのがきっかけです。
 この構想日本という団体ですけども、もともと大蔵省にいた官僚の方が、日本の政策提言っていうのは、非常に市民のパワーっていうのは弱い。そのうえ、もともと政策ってイメージ自体がですね、官僚チックなことであったり、政治がらみのことであったりして、なかなか市民側で政策提言をする能力がないと。低いと。日本は非常に市民力が弱いと。そこで、構想日本では、具体的にデータを調べて、政策として提言してそれを実現させると、そういうようなことをやっている団体です。その構想日本の方で、2年ぐらい前から、環境の政策チームっていうのを立ち上げまして、そこでですね、ヘンプ--麻をなんとかできないか、ということをやり始めました。
 大麻についてひとつ、注意点があると思うんですけども、大麻がいい、そりゃもちろんいいんですけども、ぼくとしてはですね、今みなさんがこのペンなりなんなりを持っていると思うんですけど、これ基本的に石油からできてます。石油っていうのは、地下資源、ですよね。20世紀は地下資源をウランとか天然ガスとか石油とかそういったものを使った産業社会だったんですけど、これから21世紀はどういう社会になるか、自然のもの、土に帰るもの、草とか木とか微生物とかそういったものを中心とした産業社会を起こしていこうじゃないかと。 大体ですね、ぼくなんか、この100円で買ったペン--100円ショップってちまたにあると思うんですけども--100円では買えません。2億円ぐらいの価値があります。石油ができるまでですね、大体2億年ぐらいかかるんですよ。それがなんで100年、100円で売っているんですかと。草とか木とかは再生が可能です。そういった観点から見ると100円ショップはもう買えませんね。僕から言わせてもらうと100円ショップは2億円ショップですから、こんな石油製品なんて、本来は高くてですね、買えないはずなんです。私は、植物を利用した産業社会の中に、大麻--ヘンプが重要な位置づけで、いろんな有用性があるんじゃないかっていう姿勢で、構想日本では、団体として取り組んでいます。
 構想日本でやってることとして非常に面白かったことがですね、全国の都道府県の麻薬課、薬務課、47都道府県、あと厚生省、農水省、あと通産省、ヘンプに関する電話調査をしました。これ非常に面白くてですね、ぼくもともと環境問題とか農業問題とかやってきたんですけど、まさか麻薬課に電話しきゃいけないっていうはめになっちゃって、おいおいおいとかいう感じのものだったんですけども。電話してみてですね、結果から言うと、3割ぐらいしか産業用の麻--要するにヨーロッパとか欧米で、こういう産業用に麻が有用性があるんだということを、実際の今の行政の麻薬課、薬務課で働いている方が3割ぐらいは知っている。しかし7割くらいは全然そんなことは知らないと、初めて聞いたと。私の電話でですね、そんなことあるんですか、それはウソでしょ。あとはですね、良心的なところは大麻じゃなくてですね、ケナフなら知ってますよ、と。ケナフはいいですよね、っていう話で、全然大麻の話とはすりかわりでですね、誤解してた方もいらっしゃいます。 47都道府県調査する中でですね、やっぱりすごい偏見を持ってるなというのが実状です。厚生省とかそういった方は非常に勉強もよくされてですね、もうちょっと日本の認識が変わればいいんじゃないかって話もあるんですが、都道府県の薬務課までおりちゃうと、なんの話をしてるかわからない。
 私は、いま神奈川県に住んでまして、神奈川県の薬務課に実際に免許取りに行ったんですけど、薬務課にまず環境問題の話をして、有用性の話をして、農業としてやっていきたいと話しました。なんで薬務課に農業問題と環境問題話さなきゃいけないのかと、わけのわからない思いをして、薬務課の人もなんでオレは麻薬を取り締まらなくちゃいけないのに、農業問題と環境問題の話を聞かされなきゃいけないんだってことでですね、非常に困惑して、結局農地の貸借関係がよくわからないっていうのと、前例がないというその2点で、免許は私はもらえなかったんですけども、そういう対応で、役所の壁をどう突破するかっていうのがひとつのキーポイント。 その活動の中から思ったのはですね、やっぱり今産業としてやるには、個人の農家の人の支援と、企業としてベンチャービジネスやるっていう方向性もあるんですけども、ぼくはやっぱり、ここのレジュメにも書いてあるんですけども、街づくり、地場産業としてどうやって大麻の産業を復活できるかと。地場産業として復活しないとですね、ここにいらっしゃる方はもう大麻すばらしい!って思っていいんですけれども、この会場以外の99%の方から、大麻なんじゃそれ、ボディショップで売ってるあれ?ぐらいしか認識がないんですね。そういった方に、どうやって広めるかって、ひとつはやっぱり街づくりとして取り組むってのがひとつかなと思っています。 まちづくりっていう観点からいいますと、みなさんも知ってるかと思いますが、美麻村とか、岩手県の雫石町とかですね、あと先ほど出てきた奈良県の月ヶ瀬村とか、そういったところから、地場産業として取り組む動きをなんとかできないかなぁというのが、活動をやっている大きな目的のひとつとなってます。
 ここにですね、私の活動の成果で多少宣伝じみて申しわけないんですけど、こういうふうに政策提言メニューとしてきちっと書類を出していく、データを出していく、ということが今求められているかな、と。幸い調査とかデータを収集するとかまとめるのが好きなほうなんで、調べてるんですけども、1950年代に大麻取締法ができて、栽培者免許、免許制度になってからですね、大体2万5000人の方が免許を持って50年前大麻を栽培していました。しかし、1999年--去年の話ですけども、日本で大麻の取扱者免許を持って栽培している方は、たったの102名しかいません。この102名で今、大麻の栽培が細々と、横綱のしめなわとかのれんだとか、あと民芸品とかですね、そういったごくわずかなものにしかなっていないと。でもまぁ102名も農家としてまだいるのかというのは、多少驚きかなぁと、個人的には思っています。面積にしたら、たった12.4ヘクタールとなってます。
 あとは、こちらの話をどこまでしていいかわからないんですけども、大麻とよく似た植物、洋麻(ヨウアサ)とかいてケナフ、の植物っていうのがあるんですけど、これ非常にですね、環境教育とか、マクドナルドの包装紙もケナフ紙になったりとかですね。麻とケナフはどこが違うのかと、よくぼくの方によく質問がくるんですけれども、基本的にケナフはハイビスカス科なんで花がきれいです。大麻は花がちょこっとしか咲かないんでキレイとはいえないと。あとケナフの種は食えない、でも麻の実は食べられる。その辺が一番大きな違いかなと。ケナフの方は多少黄緑がかった背の高い植物で、大麻の方がやや濃いグリーンの植物してるんですけども。アメリカなんかでは、ケナフを植えて大麻だっていわれて捕まっちゃうっていうくらい似てる植物です。
 私の方では、今後の戦略として考えているのが、こういう政策提言っていう地道な活動っていうのは、非常に行政とか政治がらみの折衝もしくは提案活動なんで、非常に頭のいる作業です。根回しのいる作業で、非常にどろどろしているんですけども、それをやるためには基礎データが非常に今大切かなぁと個人的には考えてます。 今度、構想日本の方で、この調査のネタをもとに、もう一回各都道府県の麻薬課の担当の人に送りつけてですね、産業用大麻知ってますか、とかそういうアンケート調査をもう一度やろうかなと。ただこれも非常に諸刃の剣でですね、やっぱり先入観がどうしてもあるんで、調査をしたから突破口が開けるっていうわけじゃないって思ってまして、非常にその辺は慎重にやらなきゃいけないなぁと。 あとその調査をやった後に、自治体の職員向けの環境問題セミナーみたいなのを、うちの構想日本の方で開いて、街づくりとして大麻をやりたいっていう自治体が実際に現れたら、そのセミナーをばしばしやって、どうやったら街づくりとしてできるかと。私の方でみなさんのネットワークもありますから、お手伝いできるかなと。そういったことを考えてます。
 あと最近の動きとしてご報告できるのが、雑穀。ひえ、あわ、きび、そば、はとむぎ、しこくびえ、ごま、いろいろ雑穀の仲間あります。 8月の末に、国際雑穀食フォーラム、未来食の関係の方はよくご存じだと思うんですけども、そこでですね、雑穀の仲間として「麻の実」もまぜてくれと言って、麻の実も、雑穀のひとつとして認めていただきました。ですんで、今度の雑穀食フォーラム(8月26日に実施)で、大麻料理、まぁ大麻堂さんの協力をもとに出して、大麻を料理としても、雑穀よりもおいしいかなというところで提案できればなと思ってます。 それから、「雑穀を食べる国会議員の会」っていうのがなんとあってですね、国会議員の方はみなさん忙しいんで、非常に健康食とか自然食って関心を持たれる方が多い。そこで1回ぐらい大麻料理を出して、お、大麻も雑穀なんだ!という認識を持っていただいて、そこからいろいろ実際に大麻取締法をどうするとか環境をどうするとかそういったことをやっていきたいと思っています。 やっぱりその辺は、フェイストゥフェイスの人間関係をまず作って行かない限り、広まらないと思っています。政策提言の書類を私の方でも作ってるんですけども、やっぱり基本的には人間関係をきちっと構築して、信頼のおけるネットワークっていうのをきちっと作っていきたいなと。そのためにはですね、私は、ピッピースタイルでないこういう格好をしてますけども、役所に行くときはですね、ちゃんとスーツを着て、挨拶するとかそういう身なりをきちっとしなきゃいけない。まぁこのいのちの祭りで身なりをきちっとしろとはよく言えませんけども(笑)、実際の社会では、大麻栽培の免許を取るような交渉をしに行くとき、きちっとした格好をしていかないと非常〜に偏見を持たれると。やっぱりそういう偏見を持たれてなんかトラブった失敗例を積み重ねるというのは非常に、私のやってる政策提言活動の方が実際に産業化するとか街づくりやろうっていったときに、やっぱり失敗事例があると、あぁやっぱ大麻そうなんだ、ってところで終わっちゃうんですね。やっぱり世の中すごく、失敗は成功のもとなんて言っちゃいますけども、失敗はできない状況になってます。全部WIN・WIN・WINで勝ち続けていかなければならないところがあって、そのために欧米のいろんな資料とかデータとかを駆使して、また日本の古くからやってるデータとか資料とかをフル活用しながら、それを今の若い人向けにまたは年輩のかたも読めるような形で提案していきたい。  今考えているのが、大麻の本を5つくらい作りたいなぁと個人的に思ってまして。ひとつが大麻の入門本、もうひとつが料理本、もうひとつが大麻の写真集、ヘンプのある風景、もうひとつが絵本。あとお店と人のガイドブック。この5つがこの世に出て、もうちょっと認知度があれば面白いかなと。絵本なんかは、子供たちが読めるような本ですけども。実際には絵本といっても、他のへちまとかなすとかきゅうりみたいな、育てては遊べない植物なんですけども(笑)、理解ということで本ができればいいかなと個人的に考えてます。
 この辺で話終わりますけども、そういう実際の、「表の舞台」、つまり、政策提言とか、あと産業にどうするのがいいかとか、ネットワークづくりとか、そういったことに関していろいろやってます。手伝っていただける方を募集してますんで、ぜひやりたいという方がいれば、ご協力よろしくお願します。(拍手)


安部:どうもありがとうございました。赤星さんの集められてる資料はすごいです。ほんとに、よくこんな集めたなぁっていうぐらいすごいデータがいっぱいありますんで、興味のある方はあとで個人的に赤星さんの方に聞いてみて下さい。
 それと、前田さん、すいません。ちょっとご紹介させていただきたいんですけども。下北沢で麻料理のお店を出してる前田さんがいらっしゃってますので…。突然すいません。おいしい麻料理の店を出しておりますので、もし麻を食べてみたい、麻の実を食べてみたいという方はですね、是非あとで前田さんの方でお店の場所を聞いて実際に体験してみて下さい。どうもすいません。ありがとうございます(拍手)

安部:それから、続きましてですね、いやしろちにヘンプを活用ということで、トータルヘルスデザイン代表の近藤さんをご紹介させていただきます。 近藤さんは、10年前から美と健康という分野から、美しく健やかに生きるというテーマを追求してきました。しかし、今までの枠組みではそれが非常に難しいと。どうしても新しいパラダイムが必要であるということで、最近はヘンプに注目をされています。よろしくお願いいたします。
近藤:こんにちは。(拍手)トータルヘルスデザインというちょっと変わった会社をやっている、私近藤です。京都からやってきました。 美しく健やかに生きる、そういう分野で何かお役に立とうということで、90年--今から10年前ですね、トータルヘルスデザインという会社を作りました。 私もともと科学をやってた人間なんですけれども、非常に土建とかですね、日本すっかり土建国家になって、そういうテクノロジーはものすごく発達しているんですが、健やかに生きる、美しく生きる、ということに関しては、もう一つ苦手なそういうふうになってきているような気がします。 美しく健やかに生きるために何が必要なのかなぁということを考えたら、気というね、昔は多分当たり前だったと思うんですけれども、そういう気というこの宇宙全体に満ちてる、あらゆる命の根源になる、そういうものを何かですね、なんか漠然とわかったようなわからないようなんですけど、これをなんとか科学的に解明して、そして日常生活に使えるようなことをしたいなというただそれだけのことでこの会社をつくりました。 当時2つのテーマを、具体的に、美しく健やかに生きるということについて、気を中心にしてやっていこう、そのときに2つのテーマを持ってたんですね。 それは、まずひとつが万能薬。万能薬というのが否定されてたんですね、日本では。薬というのはなにか、単品でそして例えば胃なら胃、心臓なら心臓、これに効くものとしてしか薬が認可されない。これちょっとおかしいの違うか、と思いまして。 昔は万能薬があったんですよ、私らが子供だった頃はリュウホウセンていう、あるときなくなってしまったんですが、リュウホウセンていうひじょーに渋い、それこそ柿渋の100倍くらい渋いものがありまして。例えば、中耳炎になるとそれをぽとぽとっと入れる、と治ってしまう。それからその薬をお腹なんか痛いと、飲む。これがねぇ、もうほんと思い出すだけでも顔がしかむくらいに渋いんですが、なぜかねぇ、治るんです。友達が来るとそれを飲ましてやるとですね、顔がこないなるのが楽しみで、いつもいたずらで飲ましたったりしてたんですが、とにかく中耳炎から何からなにまで治ってしまう。そういうものが子供のときにあって、あるときなくなったんです。 そういうことを知ってましたから、まずその効くもんは単品、ひとつしか効かないっていうのはこれちょっとおかしい。もともと人間の体っていうのは、一年でですね細胞が、一説によると98%入れ替わってしまう。この瞬間にもですねぇ、どんどんどんどん新しいものと交換してるわけですね。宇宙空間とこう行ったり来たり。そういうこととそれから、気という生命エネルギーが体全体を流れている。そのときに、一箇所だけしか効かんもん飲んでたらちょっとおかしいん違うんかということでですね、まぁ万能薬をひとつ、昔リュウホウセンがあったみたいにちょっとこれなんとか見つけたいなと思ってました。これがひとつ。 それからもうひとつが、今日のテーマの「いやしろち」。癒しろ地にヘンプを活用ということのテーマをいただいてるんですけども。 いやしろちをつくろう、いやしろちというとちょっと、お聞きになったことがないかもわからないですが、都会がですねぇ、こういう田舎に比べてものすごく住みにくくなっています。なぜ住みにくくなったのか、要するに空間のですね、ある気が非常に乱れてしまった。波動が悪くなった。だから都会空間をいやしろちにしたい。 癒しろ地と気枯れ地(けがれち)が大きくわけるとあるんですね。 いやしろちにいくと、草木が繁茂してそこにいろんな動物がやってくる。これはねえ、男の人は案外にぶいんですね。いやしろちに行ってもぽ〜っとしてるんですが、女の人は敏感に感じて。だからいやしろちがわからない人は女の人を連れていく、そうするとべっぴんさんに見えるんですね。見えるんじゃない、べっぴんさんになる。そういう空間です。いやしろち。 それから、いやしろちに住むと病気になりにくい。健康になる。美しくなる。それからそこで商売をするとよくお金が貯まる。そういうとこです。ちなみに、日本全国どこでもかどうかは知りませんが、私の知ってる範囲でお酒屋さん、昔の地酒屋さんですね、ここはいやしろちが多いですね、どういうわけか。神社仏閣も多いですけれども。いやしろちというのがなぜか、地酒屋さんのところでずーっと引き継がれてきている。それでお金持ちが多いです。いっぺん調べてみてください。たいがいいいところでですね、ゆったりと、お酒のね、麹菌ですか、微生物が育ちやすいということでしょうね、多分。 そういういやしろちを都会の空間に作ってやろう、そうすると、いやしろちを作るのに必要なものは何かこれを解明する必要がある、というテーマを持って、この2つをテーマに90年にはじめました。
 この10年間、ほそぼそとそれこそやってきたんですが、90年という時代は今から思うと、当時はそれほど意識していなかったんですけど、非常にエポックメイキングというか、90年はいろんなことがありました。 まず天安門事件、それからベルリンの壁があっという間に崩壊してびっくりしましたねぇ。それからバブルが弾けました。それからそのあと湾岸戦争が起きてソ連がつぶれた。こういういろんなことが90年を前後してありました。これは、実は太陽の黒点活動がさかんになる、ピークになる年っていうのが11年ぐらいであるんですね。そういう宇宙的な波動の影響を受けて人間社会が変わっていく。私もたまたま、そこで、衝動的に作ったんですけど、まぁそういう時代だったんだなと。 今もものすごい変わってます。特に、今年から来年かけて。太陽の黒点活動がさかんになる。ということで、なんかすごい変わってますね、今。
 たまたま、つい最近、一週間ほど前まで私インドに行ってきました。アガスティアの葉ってご存じですか?アガスティアの葉っていう、青山圭秀さんが本を出されて、7、8年前に、あれで有名になったんですけれども。 指紋を押すんです。指紋を押してその指紋から、やしの葉っぱに書いたですねぇ、数千年前にアガスティアという人がやしの葉っぱにその人の、例えば私近藤ですけども、近藤の予言が全部書いてあってそれがぴったりあたる。そういうのがあるというのを聞いてまして、私の知り合いたくさんいろんなところいきました。そうすると、アガスティアの葉、あれはうそや、インチキやという人と、いや本当や、という二手がありました。私もこれはうっかり行けんなぁと思うとったんですけど、あるとき、絶対にこれは何回行ってもまず確かやとある人に聞いたんです。しかもタミール語なんですけれども、タミール語をいったん英語になおして、ほんで日本語になおすとこの間で狂いが生じる。だから今度は、タミール語を日本語に即なおす通訳の人がいるということで行ってきました。 今日はアガスティアの葉の話ではないんですけども。ついでにほんとかどうかということで、インド屈指の占星学をやってる人がいて、その人にもいっぺんこれとは別に見てもらって、もし本当にあってるなら、これ信じてもええかなと思って行ってきたんですね。 ちょっとご報告なんですが、2001年、私の商売はよくなる。両方言うてくれましたねぇ。だから2001年につぶれてたら、あれはインチキ。これからこういう仕事ががーっとなるようやと、アガスティアの葉とかインド占星学、これインド占星学いろいろありますね、ピンからキリで。ピンはまぁ100%当たる。という風に思ってもええんではないかなと思ってるんですが、えらい話がずれまして (ここで終わってしまいました)

 これまた途中からなのですが、医療用大麻のお話です。 前回のいやしろちとこの医療用大麻の間がすっぽり抜けているようです。 続けて、根本さんのハワイでの現状についてのお話があります。

ここから-------------------------------------------------------------

小笠原:このくらいまで戻りました。しかしですね、実は麻の治療っていうのは、根治の治療ではないので、長年に渡って投与しなくてはいけないんです。微量な形で投与していかなくちゃいけない。一番辛いのは実のこといって、鬱ですよね。病気、痛みがありますししびれがありますし、日によって一日のうちに何回も病気が動きますので、基本的には病気が悪くなったときの鬱状況からなかなか逸脱できない。また痛みがですね、神経の痛みなので、いわゆる俗に言うネレルという存在ではなくてですね、その痛みを止めるためにはソゼゴンとかですねぇ、いわゆる化学精製の麻薬を使わないと止まらないような状況、ていうのがまず進行すると起こってくるわけです。 実は今私と一緒に病気と闘っている女性の患者さんがおられるんですが、昨日まで非常に良好であったんですけれども、今日来る途中に携帯の方電話いただきまして、やはり再発をしてしまった。再発をしてしまいますと、実のこといいまして寝たきりの状況になりますので、家族に非常に迷惑がかかるわけですね。それのやっぱり精神的苦痛もあります。 我々の痛みを止めてくれて、しかも精神的に鬱を改善してくれる薬--わざと薬といいますけれど--薬は麻しかないんですね。この麻のいわゆる効力っていうのが、いくら人間が考え出した薬をこうじてもですね、これ以上効く薬はぼくはないと信じてます。ていうか、ないからこそこのいわゆる固執してるといいますか、麻に対して非常になんていうかな、愛着を持っているというわけじゃないですけれども、信頼してます。ですから、それが我々のような病人でも、厚生省は許してくれない。門前払いですよね、を食らわす。じゃあ我々を治すクスリをくださいよ、と厚生省に言ってもないわけですよね。正直言って。 たとえば神経系の麻薬を使いますと、一日つぶれてしまいます。一日ぼーっとしてるわけです。いわゆる人間性を失うわけですよね。それでは仕事になりません。そういう危ない薬を一般的に使わせておいて、麻のように非常に副作用の少ない、漢方薬にも似たものを、使わせない。その不合理が一番今のところ憤りとして感じています。 もうひとつ、私自身、実はMSの団体を作っておりまして、この情報開示をしてからすごい反響なんですね。それだけ全国にこの病気で苦しんでいる患者がいる。そのほかにも、このリーフレットにも書いてありますけれども、HIVそれからガン、そして緑内障、その他もろもろの、あとネムジイないしは偏頭痛、そういうものに効果があるとされている。それが欧米諸国では研究されているわけですよ。また処方されているわけです。 前出の前田さん自身は、基本的にそのバイヤーズクラブをレポートされてきてます。みなさん、はっきり言ってってQOL(クオリティー オブ ライフ)が高いですよね。我々のようにやっぱりその、なんていったらいいんでしょうね、いつも再発の恐怖と隣合わせにいる患者さんなのに、非常に明るい。やっぱぼくもそういう生活したいです。正直言いまして。ですから、免許申請なりなんなり特例でもなんでもいいから、患者だけでも何しろ使わせていただきたいということで活動しています。 ぼくたちみたいな動ける患者はまだいいんです。実はおとついの日にですね、24歳の女性の方が転院になったんですが、その方はもう人口呼吸器をつけておられます。MSで人口呼吸器をつけてる患者さんていうのは、ぼくの知る限りでは、5本指で間に合っちゃうくらいしかいません。7年間でそこまで進行する患者さんがおられるわけですね。その人達、発病から7年ですから16、7(歳)で発病されてるわけです。まだぼくは29(歳)で発病ですから、ある程度のことをやってからの発病ですからいいですけど、青春まっただ中で発病した方に、「もう治りませんよ、使う薬はありません、草はありますよ大麻ですよ、だけど使えません、日本の法律はそうなってます」そんなことをいう役所であるならば、はっきり言ってそんな役所はぼくは必要ないと思っています。 辛いことを言うようですけど、治らない病気と言いましても、ほんとのこと言いまして、死んでしまう病気であればなにもはっきり言ってこんな苦しまないと思うんですね。ただ神経性難病っていうのは、最終が寝たきりしかいきませんので、家族全員に迷惑をかけるんです。 私は長男長女とあと妻がいますが、はっきり言いまして寝たきりのときには、排便排尿障害、汚い話ですけども、垂れ流しの状況ですね。いわゆるおしめも交換していただきましたし、子供は小学校3年生のとき通院のためにぼくの車椅子を押してくれてるような状況で、それを見ながら絶対もう一度自分の足で立ってやろう、歩ってやろう、っていう意識はありました。だけど、はっきりいって大麻のことを医者から聞かなかったら、きっとぼくは寝たきりになってますね。あのままの寝たきりが、移行しているでしょう。そしたとしたら子供たちは不幸ですよね。 こうやって歩けるだけまだいいし、通院も自分でできますから、その分だけ救われてるかなぁと。あのとき、一気決断してハワイに行かなかったら、渡米しなかったら、今のこの私の状況はなかったわけです。 だけどもはっきり言って今、日本では非合法ですから使えません。で、いつ再発するかわかりません。再発すれば寝たきりになる可能性はあるわけです。ですから正直いいまして、一日も早く使いたい、使わせていただきたい。はっきり言いまして、ガンで苦しんでる方々、QOLとよく言いますけど、モルヒネを使えばやっぱり人格を失います。そういう方々がもし沈痛効果があるんであれば、自分の人格を維持しながら終末を迎えることがなんで悪いことなんでしょうか。 我々のように行く先が寝たきり、それから死ですね、に焦点が決まっているわけですよ。その患者たちにさえですね、日本の法律--いわゆる大麻取締法は、壁を作って、有害なステロイドとかいろいろな麻薬系のクスリを使わせていながらですね、大麻を禁ずる。 大麻を使うことによってなにが起こるかって、別に何も起こりません。痛み止まりますし、はっきり言って非常に、鬱も改善できますし。まずなにしろ嬉しかったのは、ハワイで自分の足に布団がのっかっている感覚があった。その歓びっていうのはいまだに忘れられません。ですからその歓びを、日本にいる患者さん全員にやっぱりわかっていただきたい。知っていただきたい。それで、再発から寝たきりまでの期間が1年でも1日でも2日でもいいです、延びるんであればその薬はやっぱり良薬ですよ。その良薬を禁止する法律なんていうのははっきり言って愚法でしかないですよね。それぐらい、私自身は憤りを感じています。
 ですからみなさんに是非ともお願いしたいんですけれども、たしかに産業用の大麻も非常に重要ですし、私は麻はあんまり知識が少ないので、なかなか説明できませんが、医療用の大麻の利用用途っていうのも、ひとつみなさんの心の中に埋めていただければと思います。 ぼくみたいな患者がこの世の中に7000人近くいますし、また神経性難病16項目で言えば約6万人の患者がいます。その6万人の患者のほとんどの方々に、なんらかの効力があると言われていますので、その方々に対して、是非とも大麻が使えるような形の法改正をできるような形で協力していただければと思います。
 話が支離滅裂になって申しわけございませんでした。どうもありがとうございました。 (拍手)
安部:どうもありがとうございました。小笠原さん、お体が大変なところを本当にありがとうございました。ちょっと、帰りの電車の都合もございまして、お早めに帰られるということでしたので、時間のほうを先に取らせていただいてお話いただきました。 まったくですね、そういう大麻の医療効果というのを知らなかった方には結構ショッキングなお話だったと思います。 なぜ、危険なモルヒネとか他の麻薬はいろいろと使われているのに、大麻だけが研究さえ許されないのかと。 実は、大麻を医薬品として認めてしまうと、製薬会社の30%がつぶれてしまうというデータがでてます。まぁそれが本当に関係あるのかどうかはわかりませんけれども、医療用大麻のほうも重要だと思いますので、是非みなさんご協力お願いいたします。
 それから、実は、ハワイのほうでは産業用大麻の研究が認められるようになりました。そのハワイで実際に大麻の普及活動とかに尽力されています根本さんをご紹介させていただきます。 根本さんは、1988年東京大学理学系大学院理学博士(植物学)を修了しまして、そのあと日本学術振興会特別研究員、奈良女子大学生物学科助手、東京農工大学工学部生命工学科講師、さらに、マイアミ大学海洋大気科学部訪問研究員、さらにハワイ大学自然エネルギー研究所訪問研究員、という経歴を持たれています。 今は、思うところあって大学から離れていますけれども、ハワイ州産業用麻実験プロジェクトというものにも関わっております、とのことです。ではよろしくお願いします。(拍手)

根本:こんにちは。根本泰行です。安部さん、とても丁寧なご紹介有り難うございました。 先ほど、小笠原さんがハワイで医療大麻の治療を受けたことをお聞きしました。わたし自身の麻の話をする前に思い出したことがあります。私は、2年ほど前にハワイに行くことになったのですが、ホスピスハワイという名前のホスピスがホノルルにありまして、ハワイに移り住んだ直後くらいに、そこのトレーニングを受けたいなと思いまして、ボランティアとしてのトレーニングを受けました。そして、去年ですけれど、一人の、そして私としては初めての、患者さんにつきました。その方は肺ガンの患者さんで、去年の4月頃からぼくは自宅に訪問して、トランプをやったりいろんなお話をしたりとか、そういう役割のボランティアだったんですけど、その方が実は、あまり公の場では言えないことなんですけれども、大麻を医療用の目的で吸ってました。ただし、ハワイでは昨年の時点では非合法ですね。
 ですけれども、やはり肺ガンていうのはとても痛みがありまして、大麻というのは、そういう痛みをやわらげる上で非常に効果がある、ということを目の当たりにさせていただいたという経験があります。勿論、こうしたことはホスピスハワイの側ではまったく知らない出来事だったのですけれども、私としてはとても貴重な経験でした。現在その方は亡くなられているのですが、いろいろと考えさせられました。
 さて、私はハワイ州で産業用麻のプロジェクトに関わってるものなんですけど、どうしてそういうことになったかという私自身の個人的な経験を、ちょっとお話しさせていただきます。 ハワイ大学に自然エネルギー研究所という研究所がありまして、私はちょうど2年前の夏に、そこに日本の大学から移ることになりまして、研究を始めました。そのテーマ自体は、大麻と関係なく、海洋微細藻類を用いた光水素生産という、代替エネルギーに関する研究なんですけれども、ともかくもそういう理由でホノルルに移ったわけです。
 麻に関しての話なんですけど、私自身がですね、麻に関して、大麻と麻が同じものであるとか、マリファナは実は大麻であり麻であるという話を初めて知ったのが、やはり2年ちょっと前に読んだ、『神との対話』という精神世界系の本を通してなのです。 著者はニール・ドナルド・ウォルシュというアメリカ人なんですけれども、日本語でも翻訳されてニューエイジ系、精神世界系の分野ではベストセラーになってる書物です。『神との対話』には1巻から3巻までありまして、その中の第2巻にこういう部分があります。その日本語訳の中から引用しますと、これは『神との対話』の中で著書が神とお話しするわけですけど、その神が言ったセリフをこれから申しあげます(『神との対話』第2巻、ニール・ドナルド・ウォルシュ著、吉田利子訳、(株)サンマーク発行、182頁から183頁)。
 「じつは、大麻は地球上でいちばん強くて丈夫で長もちがして、役に立つ材料の  一つだ。衣服用としても、こんなにすぐれた繊維はないし、ロープをつくれば  丈夫だし、パルプ原料としても、栽培も収穫もじつに簡単だ。新聞の日曜版の  紙をつくるだけでも、毎年何十万本もの木が切り倒されていて、世界の森林の  大量破壊が問題になっている。大麻を使えば、一本の木も切らずに何百万部も  新聞の日曜版を印刷することができる。ほかにも多くの原材料のかわりになる  し、コストは10分の1ですむ。肝心なのは、そこだ。この奇跡のような植物  −大麻は薬品にもなるしね−の栽培を許可すると、誰かが損をする。だから、  アメリカではマリファナが違法なんだよ。」
と神は言っているのです。この部分に限らずこの『神との対話』という本全体に私は痛く感動しまして、この麻に関するくだりもすごく印象に残っていました。それが私の麻との最初の出会いであったというわけです。
 『神との対話』という本に関しては、私自身今、インターネット上で神との対話のメーリングリスト <http://www.geocities.co.jp/Technopolis/3001/> というのを始めまして、その管理人もやっています。ちょっと違う話ですけど。
 ともかくも日本でその本を読みまして非常に感動して、それからハワイにですね、先ほど申しましたように2年前に移ったのです。それから、第二の出会いが、麻に関してありました。ホスピスハワイで私はそこでボランディアとして働いている、と申し上げましたが、そこでとあるワークショップが開かれました。ナタンという名前のユダヤ教のラビのワークショップだったのですが、彼はミュージシャンで、何年か前に大きなヒット曲も書いた有名な人らしいんですけど、今はサウンドヒーリング、音を使ったヒーリングみたいなことに興味持たれてまして、ホスピスハワイでそういうワークショップをやったんです。 彼が数日後にまた別の人の、今度は個人のお宅で、ワークショップを開く、ということになりまして、その内容はもともとカバラについての--ユダヤ教の秘教といったものですが--ワークショップだということで、ぼくもそれに興味持っていたので、参加したのですが、実際その場で彼が話したことは、全然カバラの話ではありませんでした。前の週に、たまたまそのナタンさんは、マウイ島だったかハワイ島だったかに住んでいる自分の友人の家を一週間ぐらい訪問していて、それからホノルルに立ち寄ってワークショップを開いたところだったんです。
 その彼の友人というのが、パイナップル畑かなにかをやっていて、それまでまったく殺虫剤や除草剤などを使っていなかったのですが、ある日突然、アメリカの農務省の役人がやってきて、ヘリコプターで、彼の畑を見つけて、すべてのパイナップルの根元に殺虫剤を撒いていったそうです。ナタンの友人は、これまで何の問題も無かったのだから殺虫剤を撒くのを止めるようにと、泣いて懇願したのだそうですが、役人は殺虫剤を撒くことを止めませんでした。何故かというと、法律で決まっているから、ということだったそうです。 ナタンさんは、ハワイという場所はパラダイスというか、非常に気の流れもいいところですし、人々もアロハ・スピリットとオープン・マインドで非常に素晴らしい場所であるから、そういうもっとですね、まあここで突然話が飛ぶような感じもあるんですけど、麻を植えたらどうかという話をしたんです。 麻は、要するにマリファナというだけじゃなくて、産業用麻という使い道があって、それは繊維源にもなるしあるいは食糧源としても優れている蛋白質源である、という話を滔々としたんですね。そしてそれが、ぼくにとってはたまたま偶然なんですけど、2回目の麻との出会いだったんです。 ナタンさんは、カリフォルニアから来ているわけですけど、これが、そのとき彼がワークショップの参加者に見せてくれた棒なんですけど、これすごく固いんですけど、太鼓のばちになるような、曲げられないくらい固いんですけど、これが麻なんですね。これを実際手にして、感動しまして、麻は草だと思ってたんだけど、すごく強いんだというのを目の当たりにした、というのが私の経験です。
 その後ですね、ぼく自身ハワイにいたもんですから、麻というのは実際ハワイではどういう状況にあるのかというのを、仕事の合間というか研究の合間に、インターネットのサーチエンジンを使って、ヘンプとかカンナビスという言葉にハワイという言葉を組み合わせてキーワードとして使って、サーチしていたんです。 そうしたら、たまたまそのときですね、去年の3月頃なんですけれども、ハワイ州の州議会の下院議員でシンシア・ティーレンという女性の方がいらっしゃって、彼女が産業用麻をハワイで栽培しよう、是非栽培を始めよう、という目的で法案を作っていたところだったんですね。 シンシアさんのホームページを読んだりして、ハワイでちょうどリアルタイムというか、同時進行的に産業用麻に関して、しかも政治的に法的に、そういうプロジェクトを始めようという動きがあるんだな、というふうに思ったんです。 わたしはハワイ大学の自然エネルギー研究所というところにいたと申しましたけど、その数日後に、そこの所長のところに、シンシア下院議員からファックスが届きまして、今産業用麻の法案を作る上で、バイオマスといいますけど、麻をエネルギー源として使うのはとてもよいことであると、そういう主旨の法案を作ろうと思っている。つきましては、あなたの研究所は自然エネルギー研究所だから、そういうバイオエネルギーというか、生体材料からエネルギーをとるということの利点に関して委員会で証言をしてくれないか、というファックスが所長さんのところに送られてきたのです。 その所長さんとぼくは長いつき合いで、たまたまファックスがいく2、3日前に、雑談で、麻に関してぼくはしゃべってたんです。麻というとハワイだとマリファナというふうに思うけれども、そうじゃなくて、本当はとても素晴らしい植物なんだよということを言ってたんですね。そのことを所長の先生が思い起こしてくれて、こういうファックスがシンシアから送られてきたんだけれども、議会で証言してみないか、っていうファックスが、今度は所長さんから私宛に送られてきたのです。これはちょっとどうしようかなと思いまして、証言と言っても、もちろん英語ですからね、話す言葉は(笑)。日本でも、ぼく自身はそれまで、政治とか議会とか全然関係したことなかったんですよ。 だけどもこの流れからすれば、麻に関してともかくもやってみるしかないという風に思うようになりました。それで大麻堂さんのホームページなどに、ハワイからアクセスして、知識を仕入れて、証言っていっても3ページぐらいのレジュメを英語で作って、私自身植物学博士という肩書きを持ってるもんですから、その肩書きを最大限に活用して、麻はとっても素晴らしい、ハワイにとって是非とも必要なプロジェクトである、というようなレジュメを提出したんですね。 実際法案に関しての委員会が何回か開かれて、ぼく自身もこんな具合でマイクを持って、みなさんが州議会議員の皆さんで、こうやって自分の作ったレジュメを読んだんです。 これだけでいいかなぁと思ったら、またその次のですね、司法委員会っていうのがありまして、議会の中の専門委員会みたいな、そういうところで、産業用麻は非常に素晴らしいということを話してくれと言われまして、それは今度質疑応答のセクションがあるということで、その場で議員さんがいろんな質問してくるのに対して答えるという場がありました。 そのときには、もちろんぼくは大麻導入賛成意見の証人のひとりとして参加したんですけれど、反対意見の証人っていうのもいまして、ぼくの直前に、ホノルル警察署の婦人警察官が証言に立っていました。彼女の言い分は、大麻を解禁といいますか自由に育てることができるようになると、その中にマリファナを入れられて外から見たら区別がつかない。これは困る、とかですね。あぁそうだなぁとか(笑)思ってしまうようなことを滔々と述べ立てて、なんとなく周りの議員さんも、産業用にしても、麻を自由に栽培させるのはちょっとまずいんじゃないの、みたいなそういう雰囲気になったんですね。ぼく自身も一生懸命理屈を考えて、次に証言に立った時に、外観からTHC--マリファナ成分が低いものと高いものは区別ができるということと(実はそれほど自信を持って言えることではないんですが)、それから実際例えばマリファナ含量が高いものを含量の低い、あるいはゼロという産業用大麻の中に、カモフラージュのようにマリファナを植えるとすると、実はマリファナと大麻--産業用麻というのは同じ種--カンナビス・サティバ--ですから、同じ種ということはお互いにですね、花粉が交配しあうんですね。クロスポリネーションと言いますけど。そうすると、マリファナ種というのはTHCという有効成分の含量が高い状態を維持して栽培し続けないといけないのが、まわりにTHCの低い産業用大麻がありますとその花粉の影響で、どんどんどんどん品質が劣化していくんで、実際は純度の高いマリファナを育てたい人は、産業用麻がそばにあってほしくないっていうことなんですね。まぁ生物学的な説明からいいますと。したがって、産業用麻というのが、バイオロジカル・ウェポン--生物学的な武器になりうるというようなことがあります。 そういうことをぼく自身は反論として述べました。なんとかその場の雰囲気で、あぁそうかそうかと、みなさん議員さんもかなり納得してくれたみたいだったです。 個人的にはですね、そういう警察官--もうほんとにその制服着た警察官がですね、証言に立ってるわけですけど、じゃあぼくはこれで本当に生きて日本に帰れるのかと(笑)かなりドキドキしましたけど。まぁそういうこともありました。 その後ですね、結局産業用麻に関しての法案は3つぐらいハワイ州の議会で出されまして、その後もシンシアに反対派の議員を説得してくれと頼まれたり、いろんなことがありまして。ともかくも、昨年の4月13日に、上院におけるリーディングというのがありまして、そこで具体的な決議がなされまして、最終的には賛成13名、反対12名ということになったのです。これは上院の一部の専門議会の中での多数決で、13対12で、辛くも通過した、というわけです。 その後はですね、結局昨年の5月4日の州議会で、これは州議員さん全体なんですけれど、上院では13名賛成11名反対1名辞退、下院では47名賛成2名反対2名辞退、ということで最終的に法案は議会を通過しました。 そして昨年の5月7日付で、この法案が今度はハワイ州知事のカエタノさんのとこに届けられて昨年の7月7日にカエタノさんがその法案にサインをして、法律として成立した、というのがハワイ州の産業用麻に関しての現在の法的な状況です。
 それで、昨年の今度は12月14日なんですけれど、オアフ島の中心部にアルタナという会社の敷地がありまして、アルタナというのはヘンプの成分入りのシャンプーなどを作っているカリフォルニア州の会社なのですが、そこが資金的に援助して、たしか1000万円くらいだったような気がするんですけれども、実験用の畑を作りまして、それはまわりを金網で完全に覆って一般の人が入れないようになっているそういう畑なんです。 そこでハワイ州として、産業用麻の種蒔きセレモニー(笑)というですね、セレモニーが開かれました。 皆さん集まって、結構州議会議員の人も何人も集まって、そういうセレモニーを開いて、ハワイのシャーマン--カフナといいますけど、カフナの人たちも何人か来てくれて、その場を浄化してくださいまして、そういうセレモニーをつがなく終えた、というところです。 私としてはそのときにですね、実際にハワイで産業用麻を研究するプロジェクトがありまして、そのリーダーが、ディビッド・ウェスト博士といいますけど、彼とその場でお会いしまして、一緒にやっていこうという話になりました。
 実はもうすでにハワイで今年2月頃から実験が始まってまして、逆に言いますとハワイではまだ実験段階です。一般の人が麻を栽培するという状況ではなくて、とりあえずいろんな条件を変えて実験的な条件で、ハワイで麻を栽培するにはどうしたらいいか、どうしたら一番収率が高いかとか、ハワイでは1年に何回も収穫できるんじゃないかと、そういった観点から実験が始まったというとこです。 ディビッドさんが、今年の3月に実際日本に来られまして、ぼくもいろいろおつき合いして回りまして、日本から種をハワイに持っていって、日本のトチギシロっていう無毒大麻っていうTHC含量のほとんどない大麻の種子をハワイに持っていって、ハワイという気候風土の中でそれを栽培したらどうかと、非常にいいんじゃないかというそういう観点からいろいろ種を探したんですけど、最終的には大島の縄文エネルギー研究所の中山さんと繋がることができまして、中山さんのところから大量の種を分けていただいてハワイで実験を進めていくということになっています。
 それから、つい昨日ですね、ディビッドさんと電話でお話しまして、今日ぼくがこういう話をハワイに関してするんだけど何か伝言はありますか、ということをお聞きしましたら、ハワイでも麻がすくすく育っていて、現在のところ大体2カ月ぐらいで生活環が回るということでした。2カ月で1回回るので、花芽をつけるのがとても早いということと、結構密集して生えてくるんで、雑草などの心配はいらない、というようなことを言ってました。 それから、もうひとつはですね、日本からハワイへ種をですね、アメリカ側から言いますと輸入する場合に、グリーンパーミットという正式な許可証がいるんです。グリーンパーミットを申請できる人は、アメリカ全体で5人ぐらいしかいないらしいんですけど、ディビッドさんはその一人であって、要するに麻とかそういう種子をですね、海外からアメリカ国内に持ち込むための許可証を申請できて、実際その許可証を得ることができるのです。これが、今回大島の中山さんのところの種をハワイへ輸入するための許可証のコピーです。これが中山さんのところにすでに送られていて、種はすでに発送していて、ハワイ側ではそれが着くのを待つばかりというような状況です。 ただし、昨日聞いた限りでは、このグリーンパーミットが、これは無事取れたんですけど、どうもここ数週間ですかね、だいぶ厳しくなってるみたいです。DEAという麻薬取締局がチェックしているのですが、そのチェックが一段と厳しくなった、ということだそうです。いろいろな動きがあります。また、ハワイ州では、医療用マリファナについても、今年になって法案として成立したそうです。
 話は少し変わりますが、2カ月ほど前に、川口由一先生の自然農の講習会が、小淵沢で開かれまして、私はそれに参加いたしました。その時に、ちょっと気になって、川口先生に、自然農として、麻を栽培している人をご存じですか、とお聞きしました。そしたら、諏訪で農家をやってらっしゃる岩波さんをご紹介して頂きました。そこで、さっそく自然農の講習が終ったその日に、岩波さん宅にお邪魔しまして、いろいろとお話を伺いました。 お話もとても面白かったのですが、私としては何はともあれ、初めて日本で、麻の畑を見ることが出来まして、とても感動いたしました。とても力強く、素晴らしい波動を感じました。また、同時に、聖なるエネルギーも感じました。本当に素晴らしい植物ですね。
 まあ、こんな具合でして、ひょんなことから、私は、ハワイを起点にして、産業用麻に関って来ました。実は、ハワイ島と中山さんのいる伊豆大島は、互いに姉妹都市なのですね。 今後も、わたし自身産業用麻というキーワードで、太平洋を越えてハワイと日本とを繋ぐ一つの架け橋としての役割を続けていけたらと思っております。 長いことご静聴有り難うございました。 以上で、私のお話を終わらせて頂きます。(拍手)
安部:どうもありがとうございました。 日本でもハワイでもヘンプは昔から聖なる植物として崇め奉られてきた植物なんですね。でも、大麻取締法というものが、敗戦後の日本にGHQによって押しつけられ、それによって日本の大麻がほとんど消えてしまったという状況があります。でも、アメリカでは今、次々と州によって合法となっているところが出てきてますんで、アメリカによって滅ぼされた大麻がアメリカによって復活するという可能性もこれから出てくるかもしれないですね。

安部:続きまして、真鍋憲太郎さんをご紹介します。 真鍋さんは15年前に関西消費者クラブを創設。産地、生産者それから作り方のわかる農産物を販売しています。生産の物語をわかりやすく伝える関西消費者クラブの方針の上に、ヘンプと出会っています。 講演のタイトルは、「ヘンプビール引き渡し請求事件裁判の報告と黎明のヘンプドレッシング」ということでよろしくお願いいたします。(拍手)

こんにちは。真鍋です。よろしくお願いします。本日は三点についてしゃべらせていただきます。
まず一点目は、今年一月から始まりました「ヘンプビール引き渡し請求事件」、この経過報告。二点目として、この度商品化したヘンプドレッシングについて。この「いのちの祭り」でもスタッフが販売しておりますので、また終わったらご覧下さい。三点目として、私が主宰いたしておりますインダストリアル・ヘンプ・クラブ・ジャパン、ヘンプの今後ということ、この三点について時間いただきますのでよろしくお願いします。
まず裁判ですが、いろいろいきさつはあったものの、結局、今年の一月に訴状を、法務大臣を相手に告訴しました。この裁判はものすごく単純で「私が輸入して、私がお金を払ったから、私のビールだから、返してください。」という主旨なんです。このビールは「カナビス」と「ターン」というドイツのハンフハウス社のビールですが、国側は、このビールの内容成分に<ヘンプフラワー>というヘンプの花の一部が匂いづけのために入っていて、このヘンプフラワーが大麻取締法に触れるとのことで、輸入を止められています。確かに大麻取締法では、茎と種は合法で、花と葉は違法だと記述されてるんですけど、これはおかしな話で、一本の植物をそういうふうにわける分け方、分け方の中にある基本的な差別考というかな、そういうのはおかしいと思うんです。裁判を続けておりまして、非常にわかりにくい点なんですよね。しかしながら、どうしても国側はTHC(テトラヒドロカンナビノール)というヘンプに含まれる内容成分の問題には未だ至っていない。一体、国は何を基準に花と葉を違法にしてるか、よーくよく考えれば、THCが毒であると、まぁ毒ではないんですけどね、そういうことを想定して禁止にしてるとしか考えにくい。当然のことながらTHCを問題にあげないと、この条文全体がおかしい、ひっくり返ってしまう、というふうに考えてます。
ここで、ちょっとややこしいので大麻取締法について、私ども、先ほど申しました法務大臣に起こしました訴状を、もうご存じの方はご存じだと思いますけど、ここは重要なポイントになりますので、ちょっと読ませていただきます。大麻取締法についてですね、「1、大麻取締法第一条で「大麻とは、大麻草(カナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成長した茎及びその製品並びに大麻草の種子及びその製品を除く」と規定されているが、そもそも同法の目的は、「心身に対する薬理作用のあるテトラヒドロカンナビノールを含有するカンナビス属植物を規制するところにある」(注釈特別刑法第八巻三一六頁から三一八頁)とされている。2、当然のことながら大麻取締法にとって最大の問題は薬理作用のあるTHCの問題であって、茎と種、花と葉の問題は二義的である。」当然のことながら、大麻取締法にのっとって、先ほど申しましたように、最大の問題は薬理作用のあるTHCの問題であって、茎と種、花と葉の問題は二義的であると思います。そうでないとしたら、この条文は意味をもたないんじゃないか、ということです。と申しますのは、含有量が多いか少ないか程度の差こそあれ、ヘンプであれば種にも茎にも全て属性としてTHC含んでおりまして、単に花と葉を規制したのはその中により多くのTHCが含まれているからであるにも関わらず、このような条文になって非常にややこしいことになっているということです。国側は、THCに毒があろうと、多かろうが少なかろうが、ヘンプである限り取締法に触れる、ということなんですけどね。4月に国側から答弁書が出てきまして、どういう風に述べているかと申しますと、こういうふうに述べてます。「 原告は、ターンビールについて有害成分であるTHCを含まない改良大麻の花を加えて製造されたものであり、大麻取締法が規制する大麻に当たらないと主張するようであるが、右主張は理由がない。」というんです。まず、「原告は、TURNビールについて、有害成分であるTHCを含まない改良大麻の花を加えて製造されたものであり、大麻取締法が規制する「大麻」に当たらないと主張するようであるが、右主張は理由がない。 まず、原告主張のTURNビールは、改良大麻の花を加えて製造されたものであるとされるが、この改良大麻自体、具体的同様なものであるか不明である。 なお、原告は、TURNビールの原料とされた改良大麻はTHCを含まないものとして種の固定がされたと主張するが、右主張の根拠を明らかにされたい。」というのが国側の答弁です。この裁判、ややこしくなってるんですけど、私ども原告のスタンスとして、一つは、今回マリファナの問題を扱っていないということです。この裁判で原告側はあくまでもCBDA種、 改良大麻の問題を主張しているということです。それと、先ほどから(「いのちの祭り」シンポジウムで)もいろいろ問題になってるんですけど、「CBDA種が、カンナビスサティバの一属である」というこの論旨、国側の主張でもあるんですけど、このことに関してはアメリカの裁判においてもCBDA種はカンナビスサティバエルの一属であると表現されていて、CBDA種をカンナビスサティバエルの一属でないという形でこの裁判を戦うのは非常に難しいということです。スタンス的には「カンナビスサティバエルの一属ではあるが、大麻取締法一条でいう大麻には該当しない」というものになると思います。この辺が第三回公判で国側ときっちり話していくべき論点になると思うんです。「CBDA種は大麻取締法一条で言う大麻ではない」と、そういう主張でやっていこうと思っております。
それと、当然のことながら裁判は勝つか負けるかなんですが、時間はかかるだろうけれども、きっちり論点をつめていけば、こちらに理があるからやっぱり勝てるだろうと思うんです。ただ、勝ち方があると。勝ち方というのはですね、今回の大麻ビールが、輸入許可されることは勿論ですけれども、国側がこの裁判によってTHCの許可基準値を設定しなければならなくなるという方向で裁判をもっていきたいと。THCの許可基準ができれば、当然国内の栽培においても、その基準値以下は栽培がOKであるという形にもっていけるんではないかと。この裁判の狙いとしては、賞味期限の切れた24本のターンビールとカナビアビールを返してもらってもあまり意味がないので、それよりも国の方でTHCの基準値を設定せざるを得ないような状況にできたら持っていきたいと。これはわかりませんけど、そのような方針でやっていきます。それと、ヘンプの解放に関しまして、基本的にはこの裁判では触れてません。というのは、問題が多元化する可能性、焦点がずれてくる可能性があるんです。ですからこの裁判ではあくまでTHCの許可基準について国側の見解を引き出すという、その一点に焦点を絞ってやっていきたいと考えています。THCの向精神作用が生じるのは、通常の乾燥大麻でTHC含有量0.5%以上と言われていますが、ヨーロッパではCBDA種のTHC含有量の許可基準値が現在0.3%、2001年から0.2%と厳しくなります。これは非常に個人的な見解ですけれども、出来ればTHCが効かない0.4%ぐらいに設定してですね、新しい世紀のヘンプ栽培に関して、先ほどからいろんな方が(シンポジウムで)おっしゃってますように、日本では縄文時代からヘンプに関する様々な情報・文化の積み重ねがありますので、やはり国際的な意義も含めて、日本でもとことんヘンプを栽培していける状況を作りあげていくために、そんな寛容性のある数値で設定できたらいいなと考えています。
それから、ヘンプドレッシングなんですけど、今回(「いのちの祭り」会場で)も販売しておりますが、私、15年ほど前に「関西消費者倶楽部」という有機農産物と無添加の加工品を宅配する会社を作りまして、<産地がわかって、生産者がわかって、作り方がわかる農産物>を大阪近郊の方々に個別宅配する仕事をずっとしてきました。その間、面白い生産者、物語豊かな生産者・農産物とおつき合いし、様々な物語を織り交ぜて消化していく中で、そういう豊かな農産物・生産物を広げていきたいと日々考えてきました。もちろんそれで食っていくということなんですけど。今年(2000年)から、ヘンプについては「関西消費者倶楽部・Industrial Hemp Club Japan事業部」という事業部制にして、個人としてでなく会社として取り組んでいます。会社全体 、私ども50人くらいが一緒になって、どうしてこのヘンプドレッシングを作って、どうやって売っていくか?を一緒に考えていきたいと思っています。株式会社として、組織として取り組んでいく中で、良い点、悪い点いろいろありますが、とても意義あることだと思います。裁判も私個人ではなく、会社の代表として告訴しました。その一環、ヘンプ商品化第一弾のヘンプドレッシングは、初のPB(プライベートブランド)だったわけですが、非常に難しい。難しいしお金がいるし、アホやのに知恵はいる、ということでかなり難儀しました。いろんな要素がありまして、例えば中身、味であったり素材であったり、ビンであったりラベルであったりチラシであったりですね。あと、何を訴えるか、その辺はまだきっちり整理されてない面もあるんですけど、インターネット上、ホームページ(http://www.kansai-cc.co.jp/~hempson/)で、からかいながらやっておりますんで、ぜひご覧下さい。今回のヘンプオイルは中国から輸入しました。食品としてのヘンプの特徴は、みなさんもおっしゃってますけど、豊富な脂肪酸とガンマリノレン酸ですよね。ただ、これは熱を加えるとダメになっちゃうということで、薩摩の黒酢と合わせて、基本的には熱を加えず、ガンマリノレン酸が生きる形でドレッシングを作りました。関西消費者倶楽部やインターネットでも販売してるんですけど、小売り販売できる形態も組んでますので、ご興味のある方はスタッフまでお申し付けください。販売カタログ等も用意しております。
最後にですね、ちょっとだけお時間いただいて、インダストリアル・ヘンプ・クラブの今後ということで。裁判を初めてから半年くらい経つんですけど、結局、何をすべきかを考えていたら、すごく明確なわかりやすい結論がでまして。アホみたいなんですけど「一本でも多くのガンジャを、ヘンプを世界に。」という結論が出たんですね。これは当たり前といえば当たり前なんですけども、様々な問題との絡みの中で流れとして必然的に出てきました。ただ、問題なのは、国産ヘンプがはたして栽培・流通が可能かということです。私も岡沼さん(日本麻協会主宰)と一緒に奈良で栽培免許の申請をしてるんですけど、今年は残念ながら落ちてしまいまして、その話はまたさしてもらうとしてですね、国産のヘンプを生産して、果たしてそれに関わった人たちがほんとに食っていけるのかというのが大きな問題だと思うんです。最初に、どうしたら栽培していけるかですが、まず、国のヘンプ栽培に対するかたくなな対応、これはものすごく困ったもので、ヘンプというだけで非常に堅いんですよね。なかなか扉がこじあけれない、こじ開けてもなんとも微妙な妨害というか、ややこしい要素が出て来るということがあります。あと、栽培が許可されたとして、価格の問題。米の価格と比較するのはいろんな問題点があるんですけど、一応、米価格と比較したら、地域や品種によって格差はありますが、 一反当たり米を栽培すれば12万〜13万収入があるとしておきますね。先日、ドイツからヘンプオイルのオファーがありまして、3,000リットルを輸入すると、1リットルあたり大体5.90ユーロダラー、日本円で1リットル約600円とのことです。オイルの価格はカナダ、中国他、多くの産地がありますが概ね1リットル500円〜600円程度になると思います。ちなみに、オイルを絞る種子(麻の実・オノミ)は一反から約125キロ取れまして、ヘンプオイルはその35%で43,75キロ、約50リットル。50リットル×600円で3万円。ですから、ヘンプを栽培してオイルを絞るとなると一反で約3万円の収入となります。その際、活用できる茎も生じますが、現在、日本でも様々な形で茎を実用化しようという動きがあるので --- 一反の畑からどれだけの茎が取れて価格的にはどうなのか、今のところ正確にはつかめていませんが ---将来的には、あくまで概算ですが、種と茎で3万ずつで6万、やはり米栽培の半分程度の収入です。要するに外国から、ドイツなりカナダから輸入した方が、原料としてのヘンプは半額で済む。ここをどうするのか?という問題があります。(ヨーロッパでは栽培に助成金が与えられる等、ヘンプ栽培農家に対する補助がなされています。)これちょっとアホみたいな提案なんですけどね、ひとつは貨幣を作ったらどうかと思うんです。それは例えば「ヘンプ貨幣」という通貨を造りまして、その1ヘンプで例えば1キロのヘンプ種子と交換できるとか、あるいは5gのハシシと・・・これちょっとやめときますね(笑)・・・交換できるとかですね、そういうことをやれれば裏と表の経済が結びつくんじゃないかと、怒られますけど(笑)。そういう貨幣を造ったらどうかと。それは、例えばヘンプの栽培免許を取ったとしても、それをどのように加工してどのように現金化するか非常に難しい場合が多い。だから、その辺で統一貨幣、1ヘンプていうのを作ってみたらどうかと。それは最初は一部の、例えばヘンプ生産者とヘンプ販売に関わる人たちだけのスタートになると思うんですけど --- それをどのように発展させていくかはみなさんで考えていっていただくとして --- やっぱりどうしても価格がネックになる。もちろん新しい生き方も含めて、金だけでは決して幸せにはなれないし、それは明らかなんだし、そうじゃないんだけど、そこをなんとか苦しい中でもつじつまを合わせていく作業が必要じゃないかと考えています。すでに、中国からヘンプオイルを輸入してヘンプドレッシングを、ヘンプの商品化を始めましたので、短期的には輸入で、中期的には国産で、長期的には輸入と国産でやっていったらどうかというふうに考えています。どうもありがとうございました。(拍手)

安部:はい、どうもありがとうございました。 「ナチュラルメディスン」で有名なアンドリュー・ワイル博士がですね、大麻のオイルは自然界で最高のバランスを持つオイルだと太鼓判を押しています。そのオイルから作ったドレッシングを、あちらで売ってますので、みなさん是非、お帰りに買っていってみてください。 それと、真鍋さんが知ってか知らずか、ヘンプ本位制通貨というお話をされましたが、実は私、ちょっと個人的な話をさせていただきますけど、地域通貨運動というのをしています。昨日、その地域通貨のフォーラムを虹の村でやったんですけれども、下の方の虹の村でですね、私が書いた「誰でもわかる地域通貨入門」というこの本を大量に売ってますので、きっと何かの参考になると思いますんで、よろしければお買い求めください。 やっぱりですね、いかにして日本でヘンプを産業として成り立たせるか。国際市場で価格競争にさらされたら必ず負けるんですね。土地代と人件費が全然違いますから。だから、いくら環境にいい植物、有用性のある植物でも、普通の経済の中では、日本に麻産業は根付かないであろうと。そのためには、ヘンプを支持してくれる人があつまって、独自の経済圏を作る必要もあるかもしれませんね。

安部:続きましてヘッドケースの谷口さんをご紹介させていただきます。 谷口さんは編集者時代よりヘンプの情報を収集し、3年前よりニューヨークのヘンプブランド、ヘッドケースのメンバーとなり活動を始めています。麻を資源と捉えて、アパレルを始め生分解性プラスチックの開発に着手。1999年には、あの宇多田ヒカルとキャラクターブランドTシャツをダブルネームで発表。ヘンプの有用性を実際の商品を通して広げています。現在、ヘッドケースアジアの代表であり、THC社長、それからヘンプラボラトリーの代表であります。 講演タイトルは「世界の状況と日本の今後について」です。よろしくお願いします。

谷口:谷口秀之と申します。よろしくお願いします。(拍手)ちょっと座ってすいません、失礼します。目線を合わせたいんで座らせてもらいます。 ぼくたちはですね、ヘンプの世界では広報的な立場だなというふうに自覚しています。いま、お手元に渡った小さいこういう紙があると思うんですが、ここの後ろに、ヘンプから何ができるのかという可能性についての具体的な例が書いてあります。先程、真鍋さんのお話にもあったように、シードの部分をオイルに使ってたりとか、食材としてたりとか、一般的には、私がいまかぶってる帽子もそうですけど、Tシャツとか、こういうヘンプのアパレル製品というのはいっぱい出てるとおもうんですね。これは茎の周りにある皮からとった繊維でできる製品です。 私たちは実際にニューヨークにあるヘッドケースという、ブランドを日本に紹介しているんですが、このブランドは、もともとヨーロッパ・アメリカを中心にしたヘンプの有用性を伝えるメッセージブランドで、キャップやTシャツとかにメッセージを刺繍して、自分の思っているキモチを伝える大切な手段としてとても人気があるんですが。しかし、その製品を作るために繊維を取ると、茎があまっちゃうんですね。じゃ、その茎はなんとかならないか、ということで、調べると。資料によると例えばプラスチックができるとか、建材ができるというのがあるんですが、実際にぼくたちがほんとうにそれができるのかだろうかというのを試してみようということでやっています。 今ここにあるのが、ヘンプの茎をつかった、これは生分解性のプラスチックです。これを生ゴミと一緒に半年間土の中に埋めとくと、完全に分解が始まって遅くとも2年以内に土に還ります。ここまでできたのは、いまのところ世界では初めてだというふうに言われていて、いま、一生懸命これも技術の精度を高めていこうと研究しています。 ぼくの今日のタイトルでは、世界の現状と日本の今後ということになっていますが、世界ではですね、こっち。これは再生のPP、ポリプロピレンというものにヘンプの粉を混ぜたプラスチックなんですが。これもエコ的には非常に効果をもっていて、例えばこれがPPの原材料ですけども、こういうふうに柔らかいものなんですね。実はこれはみなさんよくご存じのおむつです。Pという会社が作っているおむつ。最近は赤ちゃんだけじゃなくて、高齢化も進んでいるのか市場が広がっていてですね、大変な量が生産されていて、それの、おむつってこうカーブしてますね、このカーブした切り放したほうというのが、産業廃棄物として処理に非常に困っていたんです。これをわたしどもでは引き受けさせてもらって、こういう風に柔らかいのに対して、ヘンプの茎の粉を混ぜることで、ここまで堅くしました。これによって、このプラスチックっていうのは、燃焼するときの燃焼効率は、例えばこれを5000キロカロリーで焼却できるとすると、ヘンプの粉を混ぜることで2500から2800キロカロリーで燃え尽きます。そういう意味で非常にエネルギー的には廃棄するときに負担が少ない、ということがあるのと、もうひとつはこのPPをもし廃棄していたらダイオキシンの問題はかなりあります。でも、実際にこれを何かに再利用して、こういうふうにフラワーポットにすることで、焼却しないでもう一回使えると。 ヘンプに限らず、世界中いろんな、特にヨーロッパでは、こういったようなエコ的な商品を作ろうという動きはもう一般的になっています。 ヘンプに関しては、アメリカという国が戦後、要するに石油という燃料を使って、焼け野原からこれだけの再興をはかろうと決断したときに、どうしてもこのヘンプというものが邪魔だったようなんですね。というのが、ヘンプからは、石油からできるものが簡単にできて、しかもペルシャ湾をぽんと押さえておいたら世界中の人が石油が欲しいためにいうことを聞いてくれる構造ができるのに、こういうものっていうのはどこでも生えますから、自国内でこれらのプラスチックみたいなものをつくれちゃうとなると、アメリカのいうことをあんまり聞いてもらえない。というような背景がどうもあったようで規制したんじゃないかという説もあります。 そんなヘンプをこういうふうにですね、石油と混ぜることによって、石油の消費を抑えて、そして環境的にインパクトがあるものをこういうふうに有機物を入れることによってより改善する。いまはアメリカを中心として、徐々にヘンプを開こう(解禁)という機運があります。 それの一番最初だったのが、やはりイギリス、ヨーロッパですね。オランダは有名で、もうマリファナ自体がオープンしています。オープンと言うかな、個人使用が許されていて、一部の場所では吸ってもかまわないとなっています。 ヨーロッパではですね、一番最初には、オランダ、イギリスというようなところが、ハードドラッグの使用頻度をさげたいとか、いろんな社会的な理由で、ヘンプ、まぁマリファナについてオープンにしていったんです。それによって、マリファナを吸うということでどれだけ人間にダメージがあるかということを実社会で測ったんですね、アメリカ政府は。その結果特に問題はないということがわかったので、次はフランスもオープンにしてます。フランスは農業国ですから、大量に産業用大麻を育てるというようなことが、ほんとにできて、ほんとに製品にできるかというようなことを、大規模農業の中で実際に試験しました。95年です。まだそんな昔のことじゃないです。(テープきりかえ) 特に石油資本と手を組むべきではないかと思って、あえて乗り込んでいったらですね、彼らが一番自分たちがインパクトを与えて、自分たちの肩身が狭いことを痛切に感じているので、ぼくたちの言っていることを素直に聞く耳がもうあるんですよ。製紙会社なんかにも、静岡の方にいったんですけど、自分たちがどれだけ河川を汚染しているのかっていうのを自覚してますから。そして自分たちが森林伐採を一番引き起こしているわけではなく、ほんとは住宅メーカーなんだとしても、叩かれた時期があったから、なんとかしなきゃという思いは、企業側がいっぱい持ってます。ただ策がないんですね。(きれる)中にはデッドヘッズがいたりとかですね、実はネクタイしてるんだけれどもぼくも興味あるというよりも全面的に推進しているという人も徐々に出てきます。会議がだんだんかたいのからですね、徐々にやわらかくなっていってですね、それこそやわらかいほんとの話になってったりするぐらい企業も変化してます。 こういうふうに僕たちが今やっていることは何しろ製品化してですね、世の中にだすこと。しかもこれには効果がある。これは生分解ですから、当然土に、地球に還るし、 これは環境にインパクトのあるこういう廃材を再利用することができる。これだけではちょっと商品力がないので、実は今ぼくたちはこれをCDケースにしました。やっとこれ完成型なんですが、このCDケース、ヘンプの特性が生かされていて、ヘンプっていうのは黴びずらい、黴がおきづらいんですね、黴ないとか。例えば耐電防止。静電気がおきずらいです。昔雷が落ちると、蚊帳の中に入りなさいとかですね、そういう言い伝えがあるように、電気がおきない。だから、お払いなんかするときに、麻の繊維使いますけど、静電気を払っているんだというようなことをいう人もいるくらいで、これにはほこりがつかないですから、盤面にほこりが付かないので非常に劣化が遅いCDケースになります。 こういうようなアイデアをどんどん出すことで、ぼくたちは市場を広げていきます。みなさんこれから麻を育てたいという人増えると思うんですけど、その麻をどこで消費するかっていうのが問題なんです。 これは建築材料で、茎を単純にただ固めた建材です。これドイツの製品です。日本にはちょっと風土上湿気が多くて簡単には使えないですけど、かなり優秀なんですね。日本でもこういう合板なんかの会社っていうのがありますから、そこに今茎を渡してト実際にこのでんぷんのノリで圧縮してもらうのをやっていますけど、こういうようなものをどんどん作ることで、みなさんこれから麻を育てる、地域循環型の社会には育てることから始めると思うので、その育てたものから作る製品が例えばオイルだったり繊維だったりした残りの茎をですね、捨てずに、これも換金していくための努力をずっと続けています。かなりの市場があると思うんです。こういったことでね、経済をまわしていってあげれば、国は基本的には、納税をする人の話はしっかりと聞いてくれるでしょうから。それに、納税をできるかどうかというのが産業かどうかのバロメーターだとぼくは思っていて、国に対してこのぐらいの税金を納められます、これだけの安全な国を守ってもらうためにお金はかかると思うので、それだけの納税をさせてもらいます。ということをしっかりやりたいですね。それができるようになれば、ぼくたちの麻産業というのものが、本当に認められると思います。 日本ではですね、今ヨーロッパなんかもドイツは頑張って工業化してますけど、このプラスチックに関して、やはり日本は世界一だと思うし、それから、こういう建材なんかも、日本の建築基準法っていうのは世界一厳しいと言われていて、ものすごく地震もあるし湿気も多いし寒いしというのがあるので、ここでもしも製品として認められれば、世界中に逆に輸出も可能です。 そういうことで、今の地域、ひとつのコミュニティとしての地域っていうものの循環も非常に重要だと思うんですけど、地球というひとつのエリアの中での循環、各地域にやっぱり特性があって、各地域の得手不得手というのがありますから、それをうまく生かしてやっていくつながりを持っていけば、もっと大きく動くだろうしスムーズに認めてもらえるように思っています。 実際に真鍋さんたちのところでは、輸入に非常に今、問題が出ているという話がさっき出てましたが、本当にですね、これが今プラスチックの原料になるチップなんですけど、このチップ作るために中国からぼくたちも、約4000トンの茎を輸入するように今手配をしました。ところがですね、大変お金もかかるし、あまりにもこれが有用な植物なので、運んでくる間にですね、3分の1とか半分が肥料になっちゃう場合があるんですね。これ生ものですから、有機物なんで。そうなると非常にリスクが大きいので、やはり国内で栽培をしてもらいたいというふうに思っています。 今ここにパネラーで出ている人たちというのは、免許を取ったりしながら、いろいろ栽培法方だとか日本の風土に合う麻とかを作ってますけど、それを消費する場所としては十分に素地はできてきてますから、あとはみなさんがですね、その地域の特性を生かした、それから地域と一緒になって麻産業としてのまず農業を立ちあげていくということをしていただければ、わたくしたちとしてもそれは全面的に買わせていただいて、国内での循環をはかったこういう製品、いずれはそれを海外にも紹介していくていうようなことをやっていきたいというふうに思っています。 今、そんなようないろんな情報を満載した、hemp.co.jpといってホームページをつい最近立ち上げました。原宿にヘンプラボラトリーといって、ちょっとしたデータですね、人に何か話をするときに、自分ではまだつたないところがあるだとか、実際にこういうもののデータのように、強度はどのくらいなのかとか、こんなのが試験場にプレートにして提出してあります。今現在これで強度だとか耐火性、そんなもの全部を試験しているので、そういうデータをヘンプラボラトリーとして、hemp.co.jpというこのサイトの中で出していきますので、どんどん使っていただきたいというふうに思っています。 何か具体的に興味のあるところがあったら連絡をもらえれば、またつながりが広がっていって、現実的になっていくんじゃないかと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございます。

安部:はい。どうもありがとうございました。 今、谷口さんのお話にもありましたけども、石油業界も政治家もですね、別に環境を破壊したくて破壊しているわけじゃないんですね。本人たちもすごくいやなんです。嫌がってるんです。評判悪いし。自分たちが死んでしまうかもしれないということをやってるわけですから。結局、他に方法論がなかったんですね、今まで。ですから、しょうがないから、このまま行って、いつ崖から落ちるかもしれないけれど、やめられないと。でも今、新しいものがみえてきましたね。代替えとなる製品ができつつあります。これをみなさんが支持することによって、一番始めに言った環境問題によってもう先がないという状況が、まだ先があるよという状況に変わっていけるかもしれないですね。

安部:それではですね、今日の最後の講演者、中山さん、お願いします。(拍手) 中山さんは、幼少の頃より精神文化の影響受けて育ちました。 1987年、古代、神代の英知の重要性と麻の将来的な可能性に気づき、調査研究を開始しました。 1993年、麻の歴史文化の調査・研究を通して、古代の惑星システムである直感体験科学を確立します。 1998年、循環型社会の構築に貢献するための機関として、縄文エネルギー研究所を設立。直感体験科学の研究と麻の産業的有効利用に基づく、ヘンプ製品の開発、及び発明を行います。 2000年現在、惑星間生態系ネットワークの意識進化の研究とそれにともなう、地球資源である麻の研究を中心に循環型調和社会の実現のために、共同体のプロジェクト活動も行っています。 現在、麻エネルギー研究開発学会理事、縄文エネルギー研究所所長でもあります。 タイトルは、「縄文麻文化を次代のテクノロジーに生かす」。 ではよろしくお願いします。

中山:(拍手)どうもみなさん、初めまして。中山康直といいます。今、安部さんの方から、とんでもないプロフィールの紹介がありましたけども、ちょっと今までの産業的な観点とは少し角度は違うかもしれませんけれども、産業的と精神的な部分を融合させたお話をちょっとさせていただきます。
 ぼくは今からですね、16年くらい前にアジアを旅していたときに、麻の文化と素材に触れました。そのときに、麻の繊維に触れたんですが、この繊維のエネルギーは21世紀の、次世代の循環型社会の構築の上で重要な役割を担っているんではないかなということを直感しました。そして直感に基づいて、この天然循環資源である麻がどのような性質、特性をもっているかということを独自に研究しはじめました。そして麻を調べていって、麻という植物を通していろいろなことがわかりました。そして麻という植物を、実はこの日本の土壌ですけれども、超古代に上手に使って循環型社会を構築していた、そういう文化文明があったんですね。ですからそれらをもっともっと精力的に研究することで、次世代の、21世紀の循環型社会のヒントにしようと、精力的に今伊豆大島で研究をさせてもらってるという状態です。
 伊豆大島で、縄文エネルギー研究所ということで、10人くらいのメンバーでですかね、スタッフと共に循環型の社会を構築するべく、伊豆大島の行政や町の議会とタイアップしながら、この麻という植物を使ってこういうことができます、ああいうことができます、ということを報告しながら、次世代の可能性につなげられるというプロジェクトをしています。それがひいては、共同体ですね、コミューン的な新型の共同体につながるということも、自分の中では直感的に理解していますから、それを合理的に有効的に、そのままあるがままに活動させてもらっているという状態です。
 ぼくは今から4年くらい前に、伊豆大島に移ったんですが、その前は静岡で、麻を通して循環型の社会をつくるためのいろいろな研究をしていました。そしてその中で、麻を栽培して何ができるかということを、実際レベルでやりたいということで、静岡県の行政に麻という植物を通して新しい産業を構築する目的として、研究の意味あいも込めて、免許を申請しました。そして静岡県では初めてのケースだったんで、それはどういうことなのかということで、2ヶ月間薬務局へ再三足を運びまして、このように衣食住をまかなえるような可能性があるんです、ということを説明しながら、行政にある程度納得してもらって、行政とともに一緒に歩んでいきましょうというスタンスで、静岡県では実験的な意味あいにおいての栽培免許がおりました。 そしてその免許をもとに4年間栽培しながら、自分なりに何ができるかということをいろいろ研究していったわけです。その中で、まだぼくの栽培しているスペースというのは、非常に数坪で狭いです。ですから産業にそのまま転写するようなそれほどの畑ではないし、特に研究という意味の内容が多いですから、そのために今ぼくたちは少しの素材で何ができるかというサンプル的なものですね、それを使いながら、いろんなキーマンに情報を橋渡しをしながら、こういうことができます、ああいうことができます、ということで、実際に作ってるものもみせながら報告させてもらっています。その中で、今では環境団体の人や各企業や、いろいろな団体の人がこの麻という資源に着眼していますから、そのために西へ東へはしりまわって、この麻という地球資源を有効に使うためのプロジェクト活動で動いています。
 具体的には、今岩手県で、約九千坪という土地が麻の栽培のための準備にはいっています。これはあと行政と実務的な話をして、話を詰めていって認可をとるというプロセスも必要なんですが、このプロジェクトにもぼくは精力的にサポートしていきたいという気持ちでいっぱいです。それと同時に、山口県の岩国市、ここに麻里布町という町があります。まりふちょうというのは、麻の里の布と書きます。ここの町をイメージアップの戦略として、ある人がコンサルタントを頼まれたんですね、それでその方が直感的に、麻という植物が非常に女性性であると、キレイだと。そういうことに基づいて、この麻という植物で何かできないかというプロデュースをしてた方と、たまたま必然的な偶然によって出会いまして、そのサポートも同時にさせてもらっています。 したがって、今、日本列島全国では、この環境や健康が悪化している現状において、麻という植物を使って、あらゆる方向性でその循環型社会をつくろうという動きが、本当に同時多発的に起こっています。したがって、この麻という天然循環資源を認識していただくことが、本当に次世代の循環型社会を創出する、構築する、こういうことにつながっていくと思います。 そのためには、免許が必要になっています。みなさんここで認識していただきたいのは、大麻取締法という法律は、実は大麻の所持を規制するという法律でもあるんですが、それと同時に、大麻の免許をスムーズに与える法律でもあるんです。したがって、合理的にみなさんが大麻のことを研究されて、有効的に次世代の循環型社会に使いたいという理念のもとに、ひとつひとつステップを踏んで、行政とタイアップをしながら、一緒にこの日本という国を中心に、地球を美しい地球にしていくという壮大な夢、夢といってもやらなくてはいけないプロジェクトなんですが、人間として。この辺のことを認識いただいて一歩一歩進んでいければ、必ず光が見えてくると、ぼくは確信しています。
 その中で、免許制ということについて。 この前、皇后様がおなくなりになりましたけど、昭和天皇が我々に残してくれたひとつの可能性といえるんですね。 その話を少しさせていただきますと、実は今から52年前に大麻取締法が制定されたときに、日本が戦争に負けて占領軍が乗り込んできました。そのときに、日本のアイデンティティを封印する、日本の役割を封印するという狙いもあって、この大麻というものを全面禁止にしようとしたんです。もちろん政治的な意味、石油を中心に経済発展をしようとした考え方の中には、この大麻という植物がそぐわないという状況が生まれて、それによる取締法という意味があったんですが、実は日本のアイデンティティを封印するというそういう狙いもありました。 そのときに、昭和天皇とマッカーサーは、マッカーサーは占領軍の代表として日本に乗り込んできた方なんですが、このマッカーサー元帥は何度も昭和天皇と会見をもってます。そしてマッカーサーはアメリカの価値体系の流れの中で日本の大麻を全面禁止にしようとしたわけです。 しかしながら、今日一番最初にご講演をしていただいた岡沼さんの話にも出ましたように、日本では皇室祭祀の中で重要な儀式があります。これが大嘗祭という儀式です。この大嘗祭は、日本国内で作られた、具体的には四国の木屋平というところで作られた麻の繊維から作った服を着て、アマテラスオオミカミと一体となるというご神事をします。このご神事をしないと、これは皇太子が次の天皇になる、天皇即位の儀式なんですけれども、この儀式が成功しないと、護国豊穣、日本の安泰が約束されないらしいんですね。したがって、どうしても大麻を全面禁止にしてしまうと、自分の国で大麻の繊維を生産できなくなる、ということは、大嘗祭という非常に重要な儀式もできなくなる、そうすることによって日本人のアイデンティティが封印されてしまう。そういう現状があったわけです。それを知っていた昭和天皇は、自分の命を投げ出して、マッカーサーと何回も会見する中で、大麻の全面禁止は免れています。それが今、免許制として残っているというわけです。ちなみに農林省も農業的な観点から大麻の規制には反対しています。従ってこの、免許制に突入するというのは、本当に日本人の文化、超古代からめんめんと続く素晴らしい調和型循環の文化を、もう一度21世紀に花開かせる、そういう役割があるわけです。 ですから、この昭和天皇がやられたご尽力をひとりひとり今の国民が認識して、地球資源である大麻というこの重要な素材をみんなで生かしていけたらすばらしいことだと思います。
 そして、日本の文化の中では古神道の中でも、重要に麻が残っています。 麻のことを寄り代(神籬)といいます。つまり榊(サカキ)の先端に大麻の繊維をつけて、神主さんとか神官の人が振るんです。これを寄り代というんです。 これはどういう意味かというと、神さまがよってくるところです。神さまがよってくるところを寄り代といい、それが大麻からできているということです。その大麻を禁止にしているということは、神さまがよってきたくても、日本にはよってこれない状態を我々が作ってしまった。そういう精神的な解釈もできるわけです。
 そして日本には神社があります。神社に行ったらみんな、おすずさんをふります。このおすずさんは大麻からできています。ということは、日本国民全員が大麻をふっているということなんです。 こういう、日本では重要な祭祀型の文化が残っている。それが52年間の大麻取締法という封印によって、この素晴らしい文化が見えにくくさせられている、そういう側面も同時にあるわけです。したがって、日本古来からあるこの大麻というものを、ほんとに上手に使うことで、我々日本のご先祖さんや地球さんに何かひとついい恩返しができるとともに、これからの21世紀をみんなでハッピーな星にしていきたいという願いのもとに集っているこのいのちの祭りも含めた調和的な流れが花開いていくんではないかなと思います。
 そして、皇室というかそのときの朝廷に麻を献上してた人たちがいます。先ほど言った、四国の木屋平村というところで、麻を栽培し、その麻を天皇に献上してた、その家系は、忌部族の三木家です。忌部氏の27代の当主が今も守ってます。国の重要文化財としてその建物が残されてます。 この三木家は、言霊で解すると、三ッ木(貢)です。みつぎが三木になったんです。三ッ木(貢)というのは、貢ぐんです。何を貢ぐんですか。これは朝廷に麻を貢いでた、ということです。 このように非常に、日本古来からは麻が重要に古神道的にも、超古代的にもほんとに残っていたと、そういうことが言えると思います。 それから忌部氏というのは、麻を栽培して朝廷に献上していましたが、それと同時に忌部氏というのは、今も四国の山中に岩磐遺跡(磐座や磐境)という形で、超古代のピラミッド、つまりシュメールのジグラット形態のピラミッドが多数残っているんですね。 これは今後、この日本社会でも明かされてくると思うんですが、考古学的な世界の中ではもう判明されてきています。世界中に共通の遺跡があって、世界がひとつになっていた超古代のワンワールド文化が確実にあったわけです。それが新しい遺跡の解釈、新しい遺跡の発見によって、今ゆるぎない事実になっている、そういうこともあります。 その中で忌部氏というのは、そのような岩磐遺跡で天と地をつなげる祭祀をとっていました。つまり、古代は農というのは神。昔は、農耕民族ですから、農というのに対して雨というのが、つまり水というのが非常に重要でした。この水を創出するために、雨ごいの儀式をしていました。その雨ごいの儀式をするために、岩磐遺跡に盃状穴という穴を掘って、その中に麻の種などを入れて、すりこぎじょうにまわして祭祀(まじない)をとっていたんですね。それで天と地をつなげて農業を上手に循環させていました。そして農耕文化を循環型として構築していた精神文化を持っていたわけです。 その役割をやっていたのが忌部氏であり、忌部氏は出身は四国で阿波の国といいます。そしてみなさんご存じのように、千葉も安房の国といいます。これは、その昔忌部氏が四国から千葉に渡りました。そして千葉に渡って、麻がたくさん生えたところを総の国となづけました。ですから、下総、上総といいます。そして忌部氏が住まうところを安房の国といいました。ですから、四国の阿波と千葉の安房は共通です。ちなみに、栃木県にも粟野町という麻の産地があります。これも全部、古代の忌部氏が、その昔日本の内部に上陸して、麻という地球資源を天然循環として使ってたという痕跡です。そのようなものが、今の神社の奥に控えている岩磐遺跡やいろいろな超古代の文化から、見えかくれしているわけです。 そしてそのような話をただ考えて思っているだけではなくて、そのような実際にあった超古代の循環型社会の英知をメソッドを方式を、これからの21世紀の社会にいかすことで、ほんとにひとつひとつ、人間と人間、ものともの、植物とすべてがつながって、この地球がもっともっと美しい星になることを願ってやみません。 そして、これからぼくたち21世紀を迎えるひとりひとりの役割として、日本は麻の国です。ヨーロッパが環境的な役割をやっています。アメリカが医療的な役割をやっています。そして精神的な役割、大麻との精神的な役割、これが一番確立してたのが日本の文化です。この文化をもう一度再認識することで、これからの21世紀に何かヒントが生れてくると思います。
 このようなピュアな思いにおいて、産業的に生かせるこの麻という植物を、植物丸ごと有効利用できますし、この植物は、無尽蔵なエネルギー源ですから、この植物をこの地球に転写することによって、今の経済も社会も環境的な部分ももっともっと飛躍して、そして我々がこれから迎えるパラダイムシフトを、スムーズにこなしていけるんではないかと思います。 そして、このような麻というものに着眼し、ぼくたちは一心不乱にただただ、非力ですが研究させてもらってるだけなんですが、ぼくは麻に対して、どんなことがあっても、自分が動かされてるというか、動こうというきもちでいっぱいです。ですから、今日のいのちのまつり、いのちはみことといいます。みことというのは、三つの誠があわさってみことというそうです。ですから、このいのちのまつりというのを中心に、何か人と人とがつながって、これからの21世紀に現実的な側面で循環型で調和型の社会が構築できたら、ほんとに素晴らしいだろうと思います。 ほんとにスケールが大きい話かもしれませんけれども、ひとりひとりの意識から確実にできると思います。そして、この地球はなんにもしなくてもいいんです。たとえば、どこかの星から原材料をもってきてこの地球で加工してる、という事実はないと思います。ですから、この地球上にすべてあるんです。あるがままです。 今までは求める生き方をしてきました。求めるということは、前提がないということです。ないから求めるんです。そして求めて求めて求めて地球もなくなってしまいます。これからは与える生き方。与えるというのは、前提があるから与えられるんです。そのような意識の転換が重要ではないかと思います。その意識の転換と、この物理的な天然循環資源である、麻という植物の上手な使い方、この辺をこれから僕たち人間がひとりひとりスタディして、先祖さん、地球さん、古代の人たち、このような人たちに喜んでもらえるような地球を作っていくことを願ってやみません。
 今日のぼくのメッセージはこの辺にして、あとパネルディスカッションがあるので、そのへんもしっかり楽しみたいと思いますので、みんなでセッションしたいと思います。 ありがとうございました(拍手)
安部:はい、どうもありがとうございました。素晴らしい話ありがとうございます。
 どうでしょう。これまでのみなさんの素晴らしい講演で、持続可能な社会っていうのが、みなさんにもだんだんイメージができてきたんじゃないかと思います。 本当はですね、ここの会場を使用できるのは4時までだったんですけど、ちょっと講演の方が熱が入りすぎて時間がのびてしまったんで、時間の方を延ばしていただいて4時半までとさせていただくことになりました。ちょっと、5分ほど休憩を挟んで、また4時から後半のディスカッションを行いたいと思います。その間にですね、あちらの方にヘンプ製品を色々と置いてありますのでどうぞご覧ください。それから、麻でできた味噌、麻の実から作った味噌を試食できるようにあちらの方でご用意させていただいております。実においしい味噌ですので、ちょっと味見してみてください。(休憩)


(後半)
安部:始めたいと思いますけども、あんまり時間がないもんですから、いきなり質疑応答の方に入ってですね、それにお答えする形でディスカッションを行っていきたいと思います。どなかた質問ございましたら、よろしくお願いします。手あげてください。
あっ、質問ないんですか。(笑)

質問者1:あの、今美麻村のこのパンフレットを見て、美麻村では麻を作ってるんですよね。

安部:えっと、すいません。美麻村の吉田さんいらっしゃいますかぁ?

質問者1:あ、いいんですけれど、ぼく一番気になるのが、今日本で作られてる大麻の、これはTHCが抜かれている大麻なんですか?

安部:これはどなたが一番・・・あ、じゃ中山さんお答えお願いします。

中山:ええとですね、今美麻村では栽培してないです。以前に栽培したそういう状態がありまして、今、石油化学産業が台頭とともに、衰退化してきまして、あとは取締法の問題がありますから、管理が厳しくなったんですね。ですから農家の方が、少しずつ石油化学産業っていうんですか、他の作物に移行してったんですよ。ですから今美麻村では栽培してないです。 しかしその美麻村で栽培してた品種というのも、やはりトチギシロという薬理成分が非常に少ない品種です。まったくないということではなくて、非常に少ないということです。

質問者1:じゃあ日本で今栽培されてる麻は大体トチギシロなんですか?

中山:大体トチギシロが多いと思います。たとえば、ぼくのところはトチギシロを作ったCBDA株というのがあるんですね。これはテトラヒドルカナビノールがはいってないんです。そのほかに違う成分が、CBDが入ってるんですね。ですから薬理成分がまったく入ってない品種があるんですが、この品種とあと薬理成分が入った品種を両方栽培してます。 それで、今の日本の産業からみると、産業的に使ってますから、薬理成分は必要ないということで、薬理成分がはいってないCBDA株からトチギシロというのが作られまして、そのトチギシロが大体栽培されてる本質的な品種になってます。

質問者1:なるほど。ありがとうございました。

安部:他の方、質問ございましたら手あげてください。

質問者2:さっきから話を聞かせて頂いたんだけど、なんか結構難しい話で、僕たちみたいなっていうか若い連中には、どうやって--やっぱこれから時代が進むにつれて、オレらが年とって皆さんみたいな状態になってくと思うんすけど、その若い世代にはどうやって主に伝えていきたいと思っているのか、ということです。

安部:えぇ、若い世代に伝えていきたい、という形で、赤星さん。誰が話します?

赤星:えぇ、私も若い世代です。まだ26です。おやじですけど、ちょっと。 やっぱり一つは、理解をすすめることですね。友達に話すとか、東京に住んでる方なら、実際に大麻堂に行くとか。全国で、日本麻協会さんがまとめた麻のお店があります。実際にやっぱり消費行動として、麻の製品をとり扱う。ま、格好を見れば麻製品でかたまってる方だと思うんですけども…。そういう消費者になって頂くというのが一つあるかな、と。 先ほどから谷口さんとかおっしゃっていましたけれど、消費する層 --支持層がどれだけいるかによって、やっぱり世の中が変わってくる。やっぱり支持層として若い人の購買力、っていうのが一番かなと。で、その実際に店に行って買うという行為がですね、ひとつの企業の投票活動みたいな形で、ヘッドケースさんならヘッドケースさんの支持をすると、いうことで、お金を払うことによって、産業を--まぁ我々産業側ですけども--支えると。それだけでも充分かなと、いうことでございます。

質問者2:それでいろいろ、麻製品てアメリカとかカナダとかのものが多いと思うんですけど、それで輸入でいろいろなブランドが入ってきて、ここ2、3年でいろいろ麻っていうのは注目されたと思うんですけど。それがちゃんとした代理店を通らなくて、ただの並行輸入によってそれのブランドとしてのバックボーンが全然伝わんなくて、麻っていう商品が流行だけで終わってる現状だと思うんですよ。それをこれからちゃんとした代理店みたいな。ぼくが今一番注目してるっていうか、麻ブランドでマラスタッシュっていうブランドありますよね。あそこもそういう問題でいろいろ悩んでいるみたいで。だけどやっぱりはやりがすたっちゃったら、今すごい麻の製品が売れなくて、でもそれを継続することが大切だっていってるんすけど、それをこれから継続して浸透させるには、やっぱりどういう風に考えてるんですか。

赤星:衣料メーカーとしてですね、今ヘンプと並んでオーガニックコットンが注目されてると思うんですけども、今、繊維作物で世界の9割がみなさん着てる服--まぁ麻を着てる人もここにはいらっしゃるかもしれませんけども--9割がコットンです。コットンて非常に農薬を大量に使用してですね、世界の4分の1の農薬、化学肥料を使ってる非常に環境破壊型農業の元凶となっていて、コットンを着ること自体が。それで、アメリカとかオーストラリアなんですけど、非常に土地が疲弊して、ぼろぼろになって、そういう背景があって、ヘンプは非常に環境にもやさしいし土壌にもやさしい。オーガニックコットンもその一つだということで、流れ的に今9割コットンなんですけども、作ってる供給側の論理としても、絶対ヘンプとかオーガニックコットンを増やさざるを得ない、という状況になるんで、それを支持していただければ、という感じがひとつ。 もうひとつ、難しい、どこまであれなのかなぁと思うんですけども、我々のようなこういう活動をやっているとか企業としてやってる方に、やっぱり積極的に接して、いろいろ意見が欲しいんですね。そういう「発想」とか「どういう製品が欲しい」とか「ぼくだったらこういうアイデアあるよ」とかね。そういったことで一緒になんか作っていけるような関係になりたいなぁと思って…。是非、友達になりましょう。(笑)

質問者2:はい(笑)

安部:他に質問ございますか。

質問者3:私は実際に麻を栽培してみたいんですけど、具体的にどうすることが早道なのかなぁということを、聞きたいんですけど。

岡沼:最初に必要なのは、県によってガイドラインが出ている県とか出ていない県とかもありますし、県の状況っていうのをまず知る必要があるとも思うんですね。 奈良県の場合は、薬務課っていう--上の部忘れちゃったんですけど--まず薬務課に行って話すんですけど、その前に必要なのは、どういうふうに、麻の植物のどの部分をどう利用するっていうことが、具体化されているっていうことだと思うんですよ。 申請用紙なんていうのは、ただ--私の場合ですよ、奈良県の場合は、向こうにありますけど、もしあれだったら見ていただきたいんですけど--1枚のA4用紙の紙に、名前を書く所、栽培地の場所、それから細かいこと忘れたんですけど、目的と、そんなことぐらいしか書くことないんですけど、目的の欄っていうのも一行くらいしかないんですけど、一行それを例えば繊維用とかそれ書いただけだとやっぱ難しいと思います。例えば繊維用であれば、その繊維をどういった形で加工してどこに出すのかとか、そういった具体的なものが必要だと思うんですよ。それを具体的に自分の中で詰まってれば詰まってるだけ、質問されても答えられるっていうところ。で、合理的であって条件をすべて満たしていたときに、断る理由って向こうはないじゃないですか。本当にそれをやっていくわけですから。そういうところかなと。 あとは、気をつけなきゃいけないのは、場所ですよね。栽培地の場所で、行政側が一番気にするのが、盗難ていう問題なんですよ。今まで幾つか事例がありまして、合法的にやってる栽培地から盗難があったっていうところがあったりして、そういう場合、管理責任なんかを問われたりしちゃうもんですから、盗難にあいにくい場所--栽培地、畑を確保しなきゃいけない、と。それはひとつ大きな、乗り越えなきゃいけない問題だと思います。だから、栽培地の場所と目的--具体的な目的、それを準備して、そのあとは薬務課へ行って直接相談。用紙もらったりとか。そういう流れになると思うんですね。そんな感じですね。

赤星:あ、江原さん、いいですか。免許を取った経緯とか、どういうふうにとったか、ちょっと紹介していただけます。

江原:どうも。私は東京の麻布十番で自然化粧品の会社を営んでます。15年ぐらいやってるんですけど。ボディショップがヘンプ製品を出しているんで、そんなところでヘンプにいろいろ興味を持ったんです。 当局もいろいろ、立場があったり事情があるっていうのはよーくわかりますし、免許欲しい人の気持ちも充分わかるんですけど。どうもずいぶんギャップがあるような気はするんですね。 吸いたいから取る、っていうレベルだったら、結構当局は厳しいと思うんですね。やっぱきっちりこうビジネスとして産業として具体的に事業計画を起こして、きっちりこういう商品を作るんだっていう、やっぱり真剣に取り組む姿勢がないと、当局の方もいろいろ、もちろんいわゆる個人的な意見と、管理社会の縦社会の中で、お給料もらって家族を養って支えてる以上は、立場っていうのが皆さんあると思うんですね。もちろん、みなさんがおっしゃってるヘンプっていうものが、日本文化とかあるいは人類の歴史に深いつながりがあるっていうのは、よーくわかるんですが。そこのポイントで行った時には、当局、相当とれると思うんで。私はこうこうこういう事業をして、こうこうこういうふうな収入を得て、こうこうこういうふうに納税してますと。やっぱり相手に信頼されるような、いわゆる形の世界なんですけど、やっぱ形も必要ですから、それをみなさんが本気で取り組んでね、ある意味でこれは農業ですし百姓ですから、結構土を触ったり、ほんとに農作業ですから草を刈ったり、汗水たらすような気持ちがないとなかなか難しいと思うんですね。虫がついたり、さまざまなことがあります。茎が倒れてきたり。でも私は、ヘンプっていうよりも、自分が太陽と大地とつながってひとつの植物を育てさせていただいてるんだっていう、ヘンプにはとらわれたくはないっていう気持ちはあるんですよ。だから当局の人との話にしてもね、ビジネスとして私はこうこうこういうふうにきっちり考えてます、という形で私は提案しました。 もちろん最初は頑なでしたけど、やっぱり向こうがスーツ着てたらこっちもスーツ着ていって、きちっとした形でお話して徐々に徐々にほぐしていって。今度はこっちが農作業のスタイルでお会いしたりして。徐々に徐々にほぐしていったりして。例えば、こんな書類が欲しい、あんな書類が欲しい、わかりました、FAXでも簡単なんですけど、とにかく届けて顔を見て。やっぱり人と人のつながりですから、その、人対人の間ですよね、人間ですから。だからケンカごしではなくて、相手にお伺いを立てて、いろいろ行政指導をお願いしますっていうので頭を下げていれば、ぼくは必ず道は開けると思います。 それと、私が頂いた坪数は約一反なんですけど、これはひとつの大きなデータになると思うんですけど、そういう意味で、皆さんこれだけ麻にたいして真剣に取り組んでおられるということで、かなり私も責任あるかなとも思ってるんですけど。やはり私の方で問題がおきれば、当局も頑なになってくるでしょうし。当局が気にしていることは、それとは別に盗難の問題があるんですよ。盗難された時に色々問題が起きるんじゃないかということで、許可をおろした人のやっぱり責任問題になるんで。管理をきちっとしてくれという問題も多いんですけど。 もしみなさんが、どっかで麻畑を見られたら、あぁ、そういう意味があるんだ、ということで、この麻畑が無事に成長して収穫まで何事もないっていうような、できたら祈りの思いを向けて欲しいなって思って。そういうことが、そういう積み重ねがね、当局に対する信頼になってくると思うんで。決して、麻畑を見て、ちょっと一本とか、そんな想いの行動をなさらないことをくれぐれもよろしくお願いします。 それが、今みなさんがお話してるね、もっともっと大きなね、大きな大きな動きの、やっぱファウンデーションですから、私はきっちり仕上げるつもりです。そういうところで、暖かく見守ってください。よろしくお願いします。(拍手)

安部:どうもありがとうございました。 まぁ、だから栽培者となるには、まず免許が必要であるということですよね。真剣にやるという人には、それなりのハードルをクリアしていかなきゃいけないということになります。ただ、栽培以外で貢献する方法というのはいくらでもあると思いますね。その辺についてちょっとお教えいただきたいんですけれども、例えば谷口さんなんかどういう方法で支持してくれると嬉しいなというようなことを感じました?

谷口:ええとあの、さっき若い人にどういうふうに伝えていくんですかってあったんですけど。 ぼくはまず正しい知識は持ってほしいです。スモークをするということも充分正しい知識が必要だし、経験も必要なんだけど、産業面でどのくらい可能性があるかっていうデータはやっぱり伝えていきたい。 あと、どうやって、じゃあ、ぼく自身が若い子たちにこのことを伝えていくか。ぼく今33(歳)なんで、やっぱり20代のころ考えてたことは全然違ってきてるんでね。ぼくの考え方では、まずは経済として、これで生活ができるっていうのを見せてあげようと思ってます。 中途半端にね、自分の本業があって、じゃあ麻産業に乗り込もうっていってきてる人たちがほとんどなんです、まだ。これだけで食べてるっていうのは非常に難しい。やっとぼくなんかは、ああいうふうに工業的なことを始めたから、なんとかそれで食べてますけど、でも、ちゃんとヘンプ産業としてヘンプに携わる人がお金になるんだというのを見せたいなぁと思ってます。そのためだったら、さっき言ったみたいに、いろんな人と手を組んでいけば、必ずその産業--今まで産業があるわけだからね--この産業をうまく使う、手を組んでいく、ということさえすれば、誰も敵がいなくて経済的にも回るようになるんで、まずぼくなんかはそれでいきたいなぁと。
 アパレル、マラスタッシュは関村くんとか、イーサンフランの関村くんとか一緒にやってるので、大変だって言ってた。もう売れない。で、ひとつ若い人にお願いは、ブームというのにしないでほしいと思ってます。ぼくは昔、雑誌の編集者だったので、ブームを作ってきたんですね。そのブームを切り売りして、どんどん消費しながら生きてたのでいかにブームがつたないかというか、さみしいかっていうのもわかってるんですね。だからヘンプを、今洋服がブームになっているけど、例えばプラスチックだとかそれから農業としてヘンプを育てようという想いも、ブームじゃなくて、あきらめないでね、長く細くでもいいからずうっと自分の中で継続していってほしいと思ってます。そのためにはやっぱりお金で、ちゃんと生活ができてるんだということは最低限必要だと思うんで、それはやっぱ見せていきたいなていうふうに思っています。だからその動きをずっとチェックしてください。
 ぼくたちには気づかないとことか、ぼくたちがとりこぼしてるとこが十分にあるんですよ。例えば、さっき出てた大麻堂の前田さんていうのは、もう先駆者なんです。前田さんみたいな人がいるから、こうやってこういう前でね、大麻の話なんかができるんですよ。でも、前田さんができなかった部分ていうのがあるんです。そういうのを僕たち後輩が少しずつ拾わせていただいてやらせてもらっているのでね、ぼくたちができなかった必ずできる場所があるので、そこを探してってください。時折こういうコミュニケーションをとりながら、まかせたいこともいっぱいあるんで、そういうことも、やっぱり人と人とのつながりでできると思うから、それをがんばってやっていきましょう。
 それから、さっきちょっとひとつ。免許のことで、一番てっとり早いのはなんですかとおっしゃられたので、てっとり早いかどうかは別として、少なくともぼくたちのように、買いますという企業というのがいるということをわかっていてもらえれば、行政のひとたちは十分にそれを理解できます。それが経済的にこのぐらいだというデータは彼もとってるし、みんなもってますから、どんどんそれを使ってください。それが一番早いと思うし。それから、持ってる人たちと一緒にやっていくのは、より早いと思います。僕たちが持っているデータや、その消費するという、実際に買わせてもらえるんだと、僕たちのような企業があるということは、行政にとってすごく説得力あるので、全面的に使ってください。

安部:他にみなさんにこういうことを手伝ってもらえるとありがたいというような意見がありましたら。質問の方、じゃあいきましょうか。他に質問のあるかたは。

質問者4:ええと、日本は昔から麻の栽培をしていたということですけど、外国の現状といいますかね、ヘンプの産業の現状みたいなものについては、どなたかある程度おわかりになりませんか? 実際に商品が作られ、どのくらいの大きさのフィールドが、栽培がされているのかっていうようなこと。

安部:谷口さん、でいいですか。

谷口:ええとですね、ちょっと作付け面積までは今数字がはっきり見えてない・・・あ、ヨーロッパではですね94年で一万エーカー、98年になると4万エーカー、約1万6千ヘクタールをEU諸国で全体で作ってます。 商品としては、もう考えられるもの、今、2万5千とも5万種類とも言われて本が出てますけど、あれはマリファナブックとかにも書いてあるのかな。昨日ここで講演をされてたカンナビストの人たちなんかがまとめてる本には書いてありますけど、シャンプーだとか建材だとか、様々いわゆるその麻という植物からつくれる製品のほとんどのものはできていて、流通しています。今できていないのってなんだろうな・・・。ほとんど全部ありますよねぇ。今工業的にいけるだろうと思われるものはほとんどあります。

質問者4:そうすると大体いろいろな世界中でいろいろな、まぁ特徴あるんだろうと思うんですけども、日本でやるとすれば、何か特徴っていいますか、先ほど古来から日本でそういった神聖な形で栽培されて、おそらくもっと身近であったわけで、もちろん戦前、何年でしたっけ、大麻取締法ですか、出来る前まではもっと身近であったんだろうと思うんですけど、みなさんが今後その産業としてやる際に、外国も当然同じように進んでいくんでしょうけど、日本独自にこういうことができるんじゃないかっていうようなことは、おありになるんでしょうか。

谷口:ひとつはですね、化学加工するものですね。石油系のああいうプラスチックみたないものとか。そういうものは技術的には日本はやはり世界からみれば優秀です。 もうひとつはですね、品質です。中国が今ものすごく大量に繊維を作ってるんですね。あとルーマニアも有名です。特に、要するにアメリカの支配下にならなかった旧東側諸国といわれるところは、53年間ずっと作ってますから。そういうところは繊維に関してものすごく優秀なんですが、それでも日本が、先ほど中山さん言ってましたけど、三木家が作ってるようなアラタイに使うような聖麻はですね、クオリティとしてはものすごく高いです。シルクみたいなクオリティ持ってますから、そういう高品質ものというのは日本には求められていると思います。 繊維に関してもそうだし、それから世界中で作ってるシャンプーだとか生活用品ていうものの、品質という意味ではやはりざっくりしてます。日本人のそのチェック機能ていうか繊細さっていうものが、これから商品を叩いていって、叩くって言うか鍛えていって、よりその環境にもインパクトなく、人体にもなく、それからある種万人に認められるだけの品質というのはやはり日本が鍛えていくと思います。

根本:ちょっと突拍子もない側面、ちょっと一言。ぼくハワイにおります関係上、アメリカ側からみた麻というか、基本的にはやっぱり素材として、あるいはまぁ循環できる素材として今みてるわけですけども。 中山さんともちょっと前お話したんですけれど、日本の役割っていうのが、やっぱり、ちょっと抽象的なんですけれども、霊的なね、インパクトというか。 ぼく、ちょっと二ヶ月ほど前に、たまたま小淵沢で川口由一先生の自然農の講義がありまして、そこいったときに、あの自然農ってのは、農薬与えない殺虫剤も使わない除草もしないっていう方法があるんですけれども、そういう方法で麻を栽培してる人はいませんかと聞いたらば、諏訪ですね、岩凪さん帰られたからちょっとあれなんですけど、さっき来られたんですけれども、麻を栽培してる人を教えてくださいまして、ちょっと寄らせていただいたいんですよ。ぼく自身ハワイでの実験的な畑での麻は見てたんですけれども、日本という場で、非常に狭い、5メートル四方ぐらいの庭の中での畑だったんですけど、麻がこうパーッとこのくらい生い茂ってた場面をぼく個人的には、生で初めて見たんですね。そのインパクトが、ちょっと説明しにくいんですけども、まぁ波動というか、もうすさまじい存在感というか、やはりこう、ある意味で天と地をつなぐような、非常に霊的な話なんですけどね、そういうパワーを持ったやはり非常に神聖な、聖なる植物だなぁとしみじみ思ったんです。 で、どうするかっていうのは、ちょっとみなさん、これから先、長期的な話ですけれども、そういう意味あいを含んで、日本という場で初めて何か役に立つというか、発展していく部分があるんじゃないか、それが日本のある意味特殊性じゃないかなと思ってます。 おそらく海外ではですね、そういう側面からは見てないと思います。現時点においては、少なくとも。そういう意味で、日本のみなさんが、そういう面に、特にこういういのちのまつりとかこういう場のみなさんですから、そういう霊的な側面から、いろんな解釈あるでしょうけども、そういう視点も持ちつつ、まぁ、この産業用麻を同時に見ていっていただければというのが、ちょっとぼくの考えてることです。

赤星:あの注目してる所としましては、神社用の需要ですね。 今、環境問題として、神社のですね、注連縄につけるプラスチック類、あれ全部燃やしてですね、どんと焼きとか言って燃やしちゃうとですね、ダイオキシンとか環境ホルモンの発生源になると。去年のニュースステーションなんかで取り上げたりしてですね、なんで神社から環境ホルモン、そんな神聖な場所からですね、環境問題起こさなきゃいけないのか、これは非常にばかげていまして、これを全部大麻の製品で代替することは可能である。実際にそういうベンチャーでやってる会社どこもないので、神社用の需要ってのは神社いくつあるかわかんないほどあるんで、そういう日本人のまアイデンティティの取り戻しと、環境問題と結びつけて、神社用の需要っていうのは絶対掘り起こしていきたいなと個人的には思ってます。

中山:今のにまたちょっと補足しますけども、四国に大麻彦神社ってあります。麻の産業をまつってる、いわゆるアメノフトダマノミコトというかみさまを奉ってるんですが、ここの注連縄はビニールです。ですから、神社の注連縄ほとんど今ビニールです。ですから今赤星さんが言われるように、燃やすとダイオキシンが出ると。その神聖な場所からダイオキシンというものが発生してると。こういう状態が理にかなってないです。したがって、ぼくはこの面にも着眼して、神社長やいろんな神社の宮司さんとお出会いさせていただいて、実際に麻の認識をこう、コミュニケーションとってます。 その中で、宮司さんとか神職に預かる人たちが、この麻の本当の意味を知らない人が多かったり、また知ってる人たちがいても、どうしても企業的な今の流れに巻き込まれて、ビニールを使わざるをえないと。 御神木に巻く注連縄があるんですが、それはビニールだと2、30万だそうです。で、製麻、大麻の繊維にすると2、300万だそうです。十倍かかるんです。ですから今、神社長も、企業になってます。ですから安い方安い方へとそういう価値体系ができあがってるんですが、実際はエネルギー的に解釈すると、そういうもんではないと思います。 したがって、赤星さんのいわれるように、この神社仏閣というのが、もっともっと麻を使うことによって、依り代とさっきぼくが言ってた意味が明確になり、かみさまのサポートがもっともっと入って、みんなの心がひとつにつながるような直感をしてます。

安部:はい。すいません、そろそろ時間になってしまいましたので、最後に私の方から一言だけ言わせていただきたいんですけれども。 日本ていうのはですね、東洋と西洋とちょうど真ん中ぐらいにあって、それをつなぐ役割があるんじゃないかな、と思っています。それで、今ですね、世界中どこも行き詰まってます。経済的にも環境的にも行き詰まっていて、新しい未来のビジョンていうものを手探りで探ってる状況です。 もし日本で、ヘンプを生かした地域循環型社会というものを先に作ってしまえば、それがいい見本となって、世界へ発信することができると思います。それを、ここにいる、まずみなさんがですね、立ち上がって作っていけたら、すごい素敵だろうなと思います。
本日はどうもありがとうございました。えー、ちょっと最後に小林一朗さんの方からひとこと。

小林:みなさん、今日はお集まりいただき、どうもありがとうございました。このフォーラム全体のですね、司会をやっております、小林一朗といいます。 今日、今、ヘンプの話にこれだけ、こんなに集まるのを今まで見たことないんですけど、いろいろ環境の話あったんです。 夜のセッションにですね、5時からになりますが、じゃあ実際にどうやって世の中変えていけばいいんだというフォーラムがあるんですね。環境市民政党のフォーラムなんですけども。 今日皆さん、是非麻で世界変えてみたいなぁとか、日本変えてみたいなぁとか、思ったと思うんですよ。それで、これですね、思っただけでは、やっぱり変わらなくて、動かなければ変わらないんですね。じゃあどうやって動けばいいのかと、その取り組みの方法ってどんなのがあるかと、今まで動いてきた人たちはどんな感じで動いてきているのかと、政治家を動かすには行政を動かすにはどうすりゃいいのかといった話を、今日の夜、全体の〆のような形でやりますので、是非ここにいらしたみなさん、参加してみてください。多分ヒントがいっぱい得られると思います。
 例えばですね、ドイツは原発廃止を決めました。これから30年間かけて止めるっていうことをですね、決めました。これは国の経済は、今、これからどうなるかわからないけども、それでも未来のこと考えて止めるっていうふうに変えたんですね。で、これを変えたのが緑の党というのが政権に入っていって、やはり変えていって、ここに影響を与えたのが実は、オルタナティブカルチャーとかニューエイジとかですね、そういう影響が実はかなり入ってるんですね。 そういうものを具現化していくためにはやはり動かなければならなくて、そのノウハウを持っている人たち、結構集まってますので是非ここにみなさんも集まっていただいて、お力借りて、協力しながら一緒にやっていきたいと思いますんで、今日の朝の核のフォーラム、で、昼ですが麻のフォーラム、あっ、今笑う所なんです(笑)。で、夜は政党になりますが。 そこにもですね、是非集まっていただいて、これからいのちのまつりに集まった 方々が、一緒に動いていこうということで全体しめたいと思いますんで、是非みなさんどうもお集まりください。 麻のセッションのみなさま、貴重な話、パワーの出る話、どうもありがとうございました。(拍手)じゃあこのコーナーこれで終わりたいと思います

岡沼:すいません、連絡です。その市民フォーラムのあとだと思うんですけど、ヘンプファッションショーをここで8時から9時の間ぐらいにやりますので、お時間ある方は来て下さい。よろしくお願いしますぅ。         ユトップに戻る


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