東北関東大震災・福島原発事故関係 情報リンク

2012.3.5

上が新しい情報、下が古い情報の順です。

12.03.05  AFP 3.5「野田首相、原発事故「責任は共有すべき」 外国プレスと会見」 東日本大震災から間もなく1年を迎えるにあたり、野田佳彦(Yoshihiko Noda)首相は3日に首相官邸で行った外国プレスとの会見で、原子炉がメルトダウン(炉心溶融)にまで至った福島第1原子力発電所の事故について「誰の責任というよりも、責任は共有しなければいけない」と語った。‥首相就任から約半年が経った野田首相は、日本の権力者たちが原発にまつわる「安全神話」を信じすぎ、福島第1原発で起きたような大規模事故に対する準備ができていなかったと述べた。首相は、日本の法律下での一義的な責任は運営事業者である東京電力(TEPCO)にもちろんあるとしながらも、メルトダウンに関する刑事責任については次のように述べて退けた。「政府も、事業者も、あるいは学問の世界においても、安全神話に浸りすぎていたということは総括として言えるだろうと思う。誰の責任というよりも、誰もがその痛みは、責任は共有しなければいけないんだろうと思う」 ※こんなふうに責任の所在をあいまいしにしてきたことこそが今回の原発事故の原因と言えることが全くわかっていません。(あるいはわざとあいまいにさせようとしてます)個人や組織の責任を具体的にはっきりさせ、責任者には刑務所に入ってもらうべきだと小出裕章さんのインタビューでも語っていました。

12.03.05  朝日 3.2「住友商事、世界最大級の地熱発電に参画へ インドネシア」 住友商事は2日、インドネシアで大型地熱発電事業に参画すると発表した。同国と英の発電事業者との3社共同で、スマトラ島など計2カ所に世界最大級の220メガワットの地熱発電所を建設。120億〜130億円を投じ、約3割の権益の持ち分を得る。インドネシアの国営電力会社と30年間の売電契約も締結。2016年の操業開始を目指す。  ※どうして海外でばっかりやってないで、それを日本国内で作らないんでしょう。日本は地熱資源が豊かな上、地熱発電所プラントの技術は世界一と言っていいと思います。

12.03.05  NHK 3.5「福島 避難区域で餓死の疑い」 東京電力福島第一原子力発電所の事故で設定された福島県の避難区域内で、自宅などに取り残されて餓死した疑いの強い人が少なくとも5人いることがNHKの取材で分かりました。 警察や遺体の状況を調べた医師は、自力での避難や助けを求めることができず、取り残された可能性があると指摘しています。東日本大震災で、福島県内では津波による「溺死」やがれきに巻き込まれて1605人が亡くなっています。 NHKが、福島県内の自治体や警察などに取材したところ、こうした人たち以外にも、原発周辺の避難区域内の自宅やその周辺で、自力では逃げることができず、食事や水をとれないまま餓死した疑いの強い人が少なくとも5人いることが分かりました。 ‥5人の遺体は、いずれもやせ細った状態だったということです。福島県相馬市の標葉隆三郎医師は、震災発生後、避難区域で見つかった遺体について餓死の疑いが強いと判断しました。 標葉医師は、遺体はひどくやせ細り、ほとんど食べ物を食べず、水も飲んでいないことがうかがえ、震災後、しばらく生存したうえで衰弱していったとみています。 今回の事態について、標葉医師は「避難区域で取り残されて、亡くなっていったと考えられる。こうした方々の死を決して忘れてはいけない。連絡手段がないなかで避難していない人を、行政がどのようにケアしていくのかについて、今後、対策を考える必要がある」と話しています。‥震災直後に避難区域で救助活動に当たっていた複数の消防団員は、避難指示が出て救助活動が中断されるまでの間に助けを求める声を聞いたと証言しています。 このうち津波で125人が死亡した福島県浪江町の請戸地区で救助活動に当たっていた浪江町消防団員の高野仁久さんは、震災当日の夜、がれきの中から助けを求める声や、物をたたいて居場所を知らせようとする音を聞いていたということです。 高野さんは、応援を求めにいったん役場の詰め所に戻りますが、機材も人員も足りず、大津波警報が引き続き出されていたため、町の判断で救助活動は翌朝に持ち越されたということです。 しかし、翌日の朝、原発から10キロ圏内に避難指示が出されたため、救助活動に向かうことができず、住民の避難誘導を優先せざるをえなかったということです。 これについて高野さんは、「あのとき、『あす助けにくるから待ってろよ』と声をかけてきたのに、結局、救助に行けなかったことを今でも後悔している。原発事故がなければ何人もの命を救うことができたのではないかと無念に思う」と話しています。 ※こうして亡くなった方たちも原発事故による死者としてカウントすべきです。

12.03.05  東京 3.5「放射線量を一つの地図に表示 個人でも簡単に登録」 自治体などがばらばらに公開している空間放射線量のデータをネット上の一つの地図に表示するシステムを産業技術総合研究所(茨城県)が開発し、5日公開した。現在は東北と関東の約3千地点のデータを公開しているが、将来は10万地点以上に増やしたいとしている。研究所の橋田浩一研究ラボ長は「今後は個人が計測したデータも登録できるようにしたいが、信頼性をどう保証するかが課題」と話した。研究所によると、自治体などがネット上で公開しているデータはファイル形式が未統一だが、アドレスや「PDF」といった形式などをネットの画面に入力すれば簡単に登録できるようにした。

12.03.05  毎日 3.5「東日本大震災1年:福島県の現状 産業なお壊滅状態 放射線が復興阻む」 津波や地震による被害に加え、東京電力福島第1原発事故の放射能汚染にも苦しむ福島県。今も原発から半径20キロの警戒区域は立ち入りが禁止され、全域が避難対象の自治体もある。除染が進められてはいるが、住民の不安は大きく、各産業は風評被害におびえ続ける。震災が「現在進行形」と言える中、沿岸や警戒区域、計画的避難区域にある計15自治体が復興に向けて模索する姿をまとめた。佐藤雄平知事は昨年12月、「脱原発」を前提とする復興計画を公表した。県内の原発を全基廃炉にすることを求める強い決意が表れた計画となった。期待するのは再生可能エネルギーと医療関連産業で、1万人の雇用を生んでいたとされる原発に代わる産業の柱に位置づけた。国が福島沖で進める世界初の浮体式洋上風力発電計画を機に、関連企業の誘致を目指す。‥ だが、被災自治体が「ゼロからではなくマイナスからの出発」と言う放射能汚染への懸念は色濃い。史上最大となった1兆5763億円の新年度予算案では半分近くを、除染や食品検査機器導入などの災害対応につぎ込む。震災後、約4万5000人が県外に流出した。子育て世代を引き留めるため、佐藤知事は18歳以下の医療費無料化を国に求めたが、県単独で取り組む結果となった。 ※図・地図・写真の他、各町村別の課題がまとめられています。

12.03.05  毎日 3.5「東電株主:新旧役員に5兆5045億円の賠償請求」 福島第1原発事故で東京電力が巨額損失を出したのは歴代経営陣が地震や津波対策を怠ったためだとして株主42人が5日、勝俣恒久会長ら新旧役員27人を相手取り総額5兆5045億円の損害賠償を同社に支払うよう求める株主代表訴訟を東京地裁に起こした。原告代理人によると、国内の民事訴訟として過去最高の請求額。記者会見した河合弘之弁護士は「集団無責任を是正し、他の原発の再稼働も防ぎたい」と話した。事故当時の役員18人のほか、文部科学省が三陸沖でマグニチュード(M)8クラスの地震が起きるとの長期評価を公表した02年7月以降の社長、会長、原発担当の役員が対象。訴状によると、請求額は政府の第三者委員会が試算した13年3月末までの東電の損害額や廃炉費用に基づき算出。賠償金を回収できた場合、原発事故被害者への損害賠償に充てるよう求めている。‥原告は、脱原発を求めてきた首都圏の個人株主が中心で、事故時に福島在住だった株主4人を含む。株主は昨年11月、東電の監査役に歴代経営陣を相手取って損害賠償訴訟を起こすよう求めたが、東電側は今年1月に提訴しないことを決めていた。

12.03.05  DAILYMOTION「20120305 震災1年 原発4.5km大混乱の中、闘った病院」 モーニングバードより。 まもなく震災から1年たつ被災地の素顔を紹介する週の1日目。 福島第一原発からすぐの大熊町に双葉病院がある。こちらは震災直後に患者を置き去りにしてみんなが逃げたと報道をされたが、その真相は。この病院を通じて事故直後にどんな混乱があったのかを伝える。 また原発20km圏、警戒区域との境界にある広野町では避難準備区域が解除されて半年が過ぎようとしているが、町に戻った人は1割にも満たない。双葉町病院を通じて事故直後にどんなことが起きてどんな混乱があったかを考える。

12.03.05  【緊急全国署名】バラまかないで!震災がれき 燃やさないで!放射能ごみ 東京電力の起こした原発事故により、震災がれき・家庭から出るごみ・下水汚泥などが放射能汚染されました。政府は今までと同じ焼却施設・埋立処分場で処理しようとしていますが、放射性物質が漏れ出してしまうおそれがあります。 汚染された廃棄物のより適切な処理を求め、署名を集めて政府に提出します。署名は当プロジェクトチームが責任を持って提出し、こちらのウェブサイトで報告いたします。 ※第一次集約は締め切られましたが引き続き集めていて第二次締め切りは3月23日です。オンライン署名できるほか署名用紙やチラシのダウンロードもできます。

12.03.05  alterna 3.2「脱原発デモ、「ジモト化」のきざし?――全国各地に分散」 脱原発を求める人々のデモが全国各地に拡散している。大都市で行われる数万人規模の「巨大デモ」こそ回数は減ったが、地域レベルの草の根デモは、今や毎週末に必ずどこかで行われている状況だ。 2月19日に杉並区内で行われた脱原発デモには5〜6千人が参加。人数こそ昨年4月10日の同高円寺での「原発やめろデモ」の約3分の1にとどまったものの、集会やデモの雰囲気は脱原発気運の退潮を全く感じさせなかった。 今回のデモは立案から準備、当日の役割分担に至るまで、地域のつながりの力が存分に生かされた。デモコースの周辺地域には事前にチラシが配られ、当日は多様な参加を実現するために「カラオケカー」や「移動屋台」、果ては参加した子供たちを飽きさせないよう、お菓子を乗せたカートまで登場。有象無象(うぞうむぞう)=雑多な人々が「原発はいらない」の一点で集まり、デモを歩いていた。 また、沿道では地元の人々が手を振って応援していたほか、コースに面した住宅の窓からメッセージを掲げるなどして、それぞれの方法で「脱原発」を意思表示。解散後の参加者を当て込み「デモ割」サービスを実施する飲食店も現れた。「脱原発を叫ぶデモは市民から孤立した」などという論調は、今回に関して言えば全くの的外れだ。‥東電原発事故を通じて「原発は地域と相容れない」ことが明らかとなった。モラルハザードで安全軽視に陥った原発がひとたび事故を起こせば、周辺住民は避難を強いられ、コミュニティは崩壊する。城南信用金庫が脱原発の旗幟を鮮明にした理由も、まさにそこにある。 そして「原発やめろデモ」などの一連の街頭デモは、言いたいことがあれば空気を読まずに声に出していいし、またそうするべきだということを社会に示した。そのことに気付いた人々が、各自のジモトで声を上げている。今や脱原発は、人々の生活を左右する切実な問題なのだ。

12.03.05  河北新報 3.2「広野町役場1年ぶり帰町 町民の早期帰還は不透明」 福島県広野町は1日、福島第1原発事故の影響で、いわき市に移していた役場機能を約1年ぶりに本来の庁舎に戻した。原発事故で役場機能を移転した県内9町村では初の帰還となる。町は町民への避難指示を3月末に解除して帰町を促すが、早期帰還が実現するかどうかは不透明だ。‥町は原発事故で全域が緊急時避難準備区域に指定(昨年9月解除)され、町民約5300人のうち4100人がいわき市に避難中。町に戻ったのは2月29日現在、249人だけとなっている。‥建設業の男性は「(役場が戻っても)職員はいわきから通勤する。単なるアピールだ」と冷ややかだ。仕事の都合で昨年7月に町に帰ったが「町内の仕事は少なく農業もできない。何もできないのに(多くの町民が)帰ってくるとは思えない」と話した。 ※町民に対して町に戻れと言う一方で自分達(役場の職員)が避難先から通うというのはとんでもない欺瞞で誰にも信用されません。

12.03.05  週刊朝日 3.9号「ドイツを訪れた福島の学生 「自分で自分を守る」こと学ぶ」 「福島大学原発災害支援フォーラム(FGF)」メンバーであり、福島日独協会理事の森良次・福島大学経済経営学類准教授は、ドイツでの短期ホームステイの斡旋をしている。震災からこれまでに20人が実際にドイツを訪れた。森准教授によると、ホームステイをした学生が放射能問題について正面から考えるようになったという。ホームステイをした学生によると、受け入れ先の家庭で、「福島は危ないんじゃないか?」「何で福島の人たちは逃げないんだ?」といったことを延々と議論させられたとのことです。また、ホストファミリーに州首相の官邸まで連れていかれ、「福島の現状について」という大きなテーマで発表を求められた学生もいます。日本に戻った彼らが口を揃えて言うのは、「ドイツでは一人ひとりが社会問題に対して、うるさいくらいに自己主張しているという事実に驚いた」ということです。私が彼らに気づいてほしかったのも、まさに「社会問題に対して、個々人が何らかの姿勢を持たないといけない」ということでした。震災当初から「何かしなきゃ」という学生は大勢いました。「福島が有名になってしまったことをあえて利用できないか」としたたかに考える学生もいました。しかしその半面、放射能の影響や国の原子力政策に対しては思考停止している(せざるをえない)ように私にはみえました。実際、ある学生は私に「放射能の問題を考えると気が狂いそうになるから考えたくない」と話していました。その学生もホームステイを経験し、放射能問題についても正面から考えてくれるようになりました。

12.03.05  swissinfo.ch 2.26「フクシマの声をスイスに届けたい」 「フクシマからのメッセージをスイスに、そして世界中に届けたい」「脱原発を決めたスイスから日本に圧力をかけてほしい」。こんな思いを胸に、福島から2人の男女がスイスを訪れた。‥「あの恐ろしい原発事故はスイスから遠く離れた場所で起こった。スイスでもこの事故について多く報道されたが、被害者の実態はよくつかめないまま。実態を知るには、スイスで彼らから直接話を聞くのが一番だ」と、グリーンピース・スイスのコミュニケーションズ・マネージャーのフランツィスカ・ローゼンムント氏は今回の招待の理由を説明する。‥根元さんは招待に応じた第一の理由を「スイスが脱原発を決めた国だから」と話す。そして、「国民がそれをどう受け止めているのかも知りたかった」と言う。‥日本の農業は、農産物から放射線が検出されるようになった現在、9割を兼業農家が占めているとはいえ、苦しい状況に追い込まれている。しかし、根元さんはこれも一つのチャンスととらえ、今こそ、できるだけ早く自然エネルギーに切り変えるべきだと主張する。そして、その役割を果たすのは農村だと言う。例えば汚染された農地では、食糧ではなく、バイオエタノールなど新しいエネルギー産業の材料となる作物を作ることを提案している。「うちひしがれていてはだめ。農家も新しい構想力を求められている。生きていくために、新しい手立てを考えていきたい」と精力的だ。

12.03.05  OCHLOS(オクロス)3.4「3・11を前にした、福島から避難してきたお母さんの「心の叫び」 」 福島から川崎に避難してきたお母さんの「心の叫び」を読み、私は、原発体制を許してきた自分を恥ずかしく思います。大間にしても、玄海にしてもそうです、あれを許してきたのは現地の人たちだけではなく、反対する彼らを支えきれなかった、それを他人事として見てきた自分自身だと思います。鎌田慧は『ルポ 下北書く半島−原発と基地と人々』(岩波書店 2011)で、「無関心は加担であり、共謀である」、「東通村の悲しい選択は・・・『選択』の形をとった誘導であり、押しつけである。その政府と核産業連合の暴力を止めるのは、私たちの『当事者意識』である」と自分自身を見つめています。これは避難してきた人たちへの同情であってはならず、私たち自身の自己批判と闘いの宣言でなければならない、と強く思います。 ※以下に伊達市から自主避難してきた女性の文がつづきます。

12.03.05  西日本新聞 3.2「【エネルギーの行方 世界の3・11後】フランス 原発大国民意に変化」 米国に次ぐ58基の原子炉を抱え、総電力量の75%を原子力に依存する原発大国フランス。少ない資源で効率的な発電を可能にする原発はエネルギー供給の要として、東京電力福島第1原発事故後も、政府は原発維持の方針を変えていない。しかし、市民の意識は「脱原発」へと変わりつつある。‥「脱原発を訴えてデモや集会を続けてきたが、以前は本当に少数派だった。福島の事故後、参加者が広がった。若い人の参加が増えたし、子どもと一緒に来る人も多い」。「脱原発パリ」共同代表のシモーヌ・フェストさんは、運動の手応えを実感するようになった。11日には、原子力施設が集中する中南部リヨン−アビニョン間の235キロを、脱原発を求める人たちの手でつなぐ「人間の鎖」を計画する。‥「エネルギー供給の独立、安価、安全・安定を理由にフランスは原発を推進してきたが、福島の事故はこれに疑問符を突きつけ、国民の間で初めて脱原発が本格的に議論されるようになった」。ルモンド紙の環境問題担当記者のエルベ・ケンプ氏も指摘している。‥世論の変化に反応するような動きも出てきた。フランス会計検査院が1月、電力の原発依存を続けると廃炉や新規建設で今後巨額の投資が必要になるとして、原子力以外のエネルギー源を大幅に増やすよう求める異例の報告書を発表した。報告書は、22基の原子炉が今後10年で稼働開始から400年を迎えるが、これらを廃炉にし、現在の発電量を維持するには、第3世代原発の欧州加圧水型炉(EPR)11基が必要と指摘。その経費を2280億ユーロ(約23兆円)と見積もり、実現可能性に疑問を呈した。「原子力安全局(ASN)も安全強化策に数十億ユーロの投資が必要と指摘しており、原発は安価という神話も崩れた」とルモンド紙のケンプ氏。「原発に対して社会の認識は変わりつつある。次は政治」と強調した。 ※フランスでも日本でも経済界が脱原発を決意するには原発の非経済性を理解してもらうのが早道です。

12.03.05  東本願寺 2.27「宗議会(臨時会)の決議及び建議の可決について」 2月23日に招集されました宗議会(臨時会)において、「すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現を求める決議」及び「東日本大震災に関し、継続的な支援施策を求める建議」が全会一致で可決されました。 2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故では、原発の周辺はもとより、広い範囲に放射能汚染が拡がり、多くの人々が故郷や家族、仕事という生活基盤を奪われ、農林水産業の未来をも根底から揺るがす事態となっています。そして、何よりも子どもたちのいのちへの不安と恐怖が深刻化し、かつて経験したことのない甚大な核災害の様相を呈しています。昨年末に政府は事故の収束宣言を行いましたが、未だ原子炉内部の状況も不明であり、放射性物質の拡散は食い止められず、除染の目処もつかない厳しい状況が続いています。大地震にいつ襲われるとも知れない狭い日本の国土に54基もの原発が作られ、電力供給を原子力発電に依存する生活を私たちは営んで来ました。一旦、大事故が起これば、生きとし生けるものすべてのいのちを奪う深刻な放射線被曝によって、取り返しのつかない事態となる危険性のあることに目を伏せ、日本の原発は安全であり、原発なしでは電力の安定供給ができないという、いわゆる「安全神話」と「必要神話」を安易に信じ込み、エネルギーと物の大量消費を限りなく続けていくことが「豊かさ」であると私たちは思い込んで来たのです。原発の危険性を電力の大消費地である大都市から離れた立地地域に押しつけ、また、放射線被曝の危険に絶えずさらされている原発作業員、ことに社会的に弱い立場に置かれた下請け労働者の問題にも目をそらして来ました。さらには、原発を運転し続けることで必然的に発生し、半減期が何万年にも及ぶものさえある膨大な放射性廃棄物を安全に管理することは、人間の能力を遥かに超えています。この度の事故によって、原子力発電を続けるなら、現在のみならず未来のいのちをも脅かす放射線被曝を避け得ないことが明らかになった今、原発に依存しない社会の実現が何よりも急がれています。すべてのいのちを摂めとって捨てない仏の本願を仰いで生きんとする私たちは、仏智によって照らし出される無明の闇と事故の厳しい現実から目をそらしてはなりません。そして、私たちの豊かさの内実を見直すと同時に、国策として推進される原子力発電を傍観者的に受け容れてきた私たちの社会と国家の在り方を問い返し、すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現に向け、歩みを進めることをここに表明し、決議といたします。

amanakuni Top