東北関東大震災・福島原発事故関係 情報リンク

12.02

上が新しい情報、下が古い情報の順です。

11.12.02  毎日.jp 12.2「フランス:来春の大統領選で「原発」が争点化」 12年春のフランス大統領選で、原子力発電所の是非を巡る議論が争点化し、メディアを巻き込んだ盛り上がりを見せている。最大野党・社会党のオランド候補と「欧州エコロジー・緑の党」のジョリ候補が、当選後をにらみ脱原発依存などで共闘。一方、再選を目指す与党・国民運動連合のサルコジ大統領は、原発推進を選挙戦略の主軸に据える構えだ。‥過熱する原発論争の発端は、社会党と「欧州エコロジー・緑の党」が先月15日に締結した合意書だった。政権交代した場合、電力の原発依存率を現在の75%から50%まで下げる▽現在58基の原子炉のうち24基を段階的に閉鎖する▽新たな原子炉建設計画を認めない−−との内容で、東京電力福島第1原発事故で不安を募らせた仏国民の間に支持が広がった。‥仏の世論調査では原発へのリスクを感じる人は福島事故前の18%から事故後40%に。現在、国民運動連合支持者の21%、社会党支持者の50%が不安視している。 ※もともと欧州諸国は右派政権と左派政権が数年ごとに交代しており、フランスでも次は左派政権が誕生する可能性大です。新たな原発を作らなくなると、自動的に何十年か後には脱原発せざるをえなくなり、日本の原発推進派も支えがなくなってしまいます。

11.12.02 ★ 共同通信 12.2「既存原発に新知見反映を義務付け 原子力安全庁で提言」 来年4月に発足予定の新たな規制組織、原子力安全庁(仮称)の在り方を検討する「原子力事故再発防止顧問会議」(座長・松浦祥次郎元原子力安全委員長)は2日、安全上の新たな知見や技術を既存の原発などに反映させる「バックフィット」を法制化し義務付けることを盛り込んだ提言をまとめた。政府は、関連法案や安全庁の組織体制に反映させる。提言は、原子力を推進する経済産業省に規制を担当する原子力安全・保安院が置かれていた反省から、規制は安全確保のため科学的に行われるべきだとして、独立性の確保を強調。安全確保に向けた規制強化策として、原子炉等規制法の基準に新知見や技術を取り入れ、「バックフィット」を義務付けることを挙げた。東京電力福島第1原発事故の教訓から、大事故に備えた危機管理体制整備や、これまで電力会社の取り組みに委ねていた過酷事故対策を義務化することを盛り込んだ。 ※またまた新しい用語が出てきましたが、二度と同じ過ちを犯さないなどというのは当たり前のことです。

11.12.02 ★ YOMIURI ONLINE 12.2「泊と東通の1号機、耐性検査1次評価提出へ」 経済産業省原子力安全・保安院は2日、北海道電力と東北電力が実施した原子力発電所の「耐震安全性評価」の再点検結果を妥当と判断した。これで両電力は定期検査中の原発を再稼働させるのに必要な「ストレステスト」(耐性検査)の1次評価の結果を保安院に提出できることになり、北電は来週にも泊原発1号機について、東北電力は月内にも東通原発1号機(青森県)について、評価結果を提出する見通し。ストレステストは、想定を超えた地震や津波に対する原発の強度を計算する検査。評価には、設計上の強度が想定地震の何倍になるのかを計算する1次評価と、材料ごとの強度を調べ、原発が壊れる限界点を計算する2次評価がある。定期検査中の原発は再稼働前に1次評価を受けねばならない。 ※福島原発事故の究明もまだなのに、こんなナアナアのお手盛り・やらせテストにどんな意味があるんでしょう。ますます国や電力会社への不信感が高まります。

11.12.02 ★ 東洋経済 12.2「震災、原発事故で飼い主の元に帰れない犬猫たち、獣医師らが支援活動に奮闘」 東日本大震災や原子力発電所事故で苦しんでいるのは、人間だけではない。犬や猫などの動物も飼い主と離れ離れになり、生死の境をさまよった。そうした動物の救護活動に、ボランティアが奮闘している。‥福島第一原発から20キロメートル圏内の警戒区域内への一時立ち入りが5月に始まるとともに、住民が避難時に自宅に残してきた犬や猫を連れ帰るようになった。しかし、共同生活の場である多くの避難所では飼育ができなかったため、動物は福島県が急きょ設けたシェルターに預けざるをえなかった。そのシェルターの運営は困難を極めていた。‥現在、福島県内では、県および県獣医師会によって2つのシェルターが運営されている。そのうち、4月下旬から稼働が始まった第1シェルターは民間の倉庫を急きょ借り上げて開設されたもので、倉庫内を区切ったスペースで11月20日現在、129頭もの犬が飼育されている(倉庫とは別のプレハブ施設では猫37匹を飼育)。 ただ、予算や保管スペースが足りないこともあり、医薬品など支援物資は十分に確保されているとは言いがたい。‥「警戒区域から連れてこられた犬や猫はがりがりに痩せていて、体調も悪かった。その後、シェルターでの世話によって体の具合もよくなってきた。ただ、石巻の犬や猫と比べると環境の厳しさは際立っている」ボランティアが少ないため、石巻のような「1日1回の散歩、2回のご飯」が福島ではできないからだ。「2〜3人の職員および平均5人程度のボランティアで160〜170頭(匹)の犬や猫の世話に当たらざるをえない」(福島県動物救護本部の平野井浩本部員=獣医師)。そのため、1日1回の食事および一部の犬を散歩させるだけで精いっぱいだという。食事以外の時間は、犬、猫ともケージの中でじっとしているしかない。

11.12.02 ★ asahi.com 12.2「被曝予防に花粉マスク有効 セシウム通さず 東大実験」 花粉用マスクをつければ、浮遊しているセシウムをほとんど吸い込まずにすみ、内部被曝量を減らせるとの実験結果を、東大アイソトープ総合センターなどがまとめた。30日に横浜市で開かれた日本放射線安全管理学会学術大会で発表された。同大の桧垣正吾助教は、福島第一原発事故直後の3月15日午後3時から翌日午前9時までの18時間、東大本郷キャンパスで、市販されている不織布の立体型マスクを着用した。花粉やほこりに付いて、空中を浮遊している放射性物質と、マスクに付着した放射性物質の量などを調べた。この結果、花粉用マスクで、セシウムのほぼ全てを吸い込まずにすむことが確認された。マスクに付着した放射性物質の量から換算すると、仮にマスクをせずに体内に吸い込んでいれば、内部被曝は9.3マイクロシーベルトに相当していた。来春、スギ花粉からセシウムが検出される可能性も指摘されており、林野庁は今秋から実態を調べている。桧垣さんは「除染の際も、放射性物質が舞い上がる可能性がある。気になる人は、マスクを着用すれば防げる」と話している。 ※花粉にくっついているようなものは花粉マスクでいいと思いますが、放射性物質はもっと細かいのでN95等というマスクでないと防げないはずです。でも何もつけてないよりはだいぶましだと思います。

11.12.02 ★ 東京 12.2「玄海1号機 検査入り 再稼働見通し立たず」 九州電力は一日午後六時ごろ、佐賀県玄海町の玄海原発1号機(加圧水型軽水炉、五五・九万キロワット)の発電を停止し、定期検査を開始した。これにより、国内商業炉五十四基のうち運転中の原発は九基となった。  玄海1号機では、定検終了後の再稼働の条件となる安全評価(一次評価)が既に始まっている。だが、同原発をめぐるやらせメール問題などの混乱が長期化し、国に評価結果を提出する時期が決まらないため、運転再開の見通しは立っていない。また、運転開始から三十五年以上経過している玄海1号機は原子炉の老朽化を懸念する声も上がっており、特に再稼働には曲折が予想される。玄海2、3号機と鹿児島県薩摩川内市の川内原発1、2号機は定検入りしており、九電管内で稼働中の原発は玄海4号機だけになった。4号機も十二月二十五日に発電を停止し、定検に入る予定。 ※動いている原発が一桁になりました!

11.12.02 ★ YOMIURI ONLINE 12.2「浪江町民3割超、帰還条件整っても「戻らない」」 東京電力福島第一原発事故で、警戒区域と計画的避難区域に全域が設定されている福島県浪江町が、高校生以上の全町民を対象に行ったアンケート調査で、帰還できる状況が整っても「戻らない」と答えた町民は3割超に上ることが2日、分かった。馬場有町長は「大変ショッキングな結果」と話している。町が11月初めに、県内外に避難している対象の1万8448人(9816世帯)にアンケートを郵送。1万487人(56.8%)から回答を得た。調査結果では、64.4%が、条件さえ整えば町に「戻る」と回答。戻る条件は「放射線量が下がり、上下水道などの生活基盤が整備される」(15.7%)、その条件に加えて「他の町民が、ある程度戻る」(43.7%)、「警戒区域などが解除される」(5.0%)だった。 ※建前だけでなくほんとにショックを受けたのだとしたら住民の気持ちがわかってないと言えます。実際に帰らない人はもっと多くなるはずです。

11.12.02 ★ YOMIURI ONLINE 12.2「イノシシ肉出荷停止地域拡大、茨城・栃木も」 政府は2日、福島県の一部地域で既に出荷停止としているイノシシ肉について、同県の対象地域を会津地方を除く同県内に拡大。茨城、栃木両県の全域を出荷停止とした。また、福島県中通りのクマ肉と栃木県産のシカ肉も出荷停止とした。厚生労働省によると、いずれも暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出される例が相次いでいるためで、野生動物は移動距離が長いため、対象範囲を広めにしたという。 ※野生の兄弟たちも犠牲者です。

11.12.02 ★ YOMIURI ONLINE 12.2「福島市渡利地区の玄米からも規制値超セシウム」 福島市大波地区や福島県伊達市で収穫された玄米から国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが見つかった問題で、同県は2日、福島市渡利地区の稲作農家3戸が収穫した玄米からも、規制値を超えるセシウムが検出されたと発表した。県によると、渡利地区の47戸の稲作農家のうち、今回、25戸を調査。その結果、3戸が生産した3袋(90キロ・グラム)の玄米から、1キロ・グラムあたりそれぞれ510ベクレル、550ベクレル、590ベクレルのセシウムが検出された。農家3戸が生産した65袋分(約2トン)はいずれも自宅で保管されており、市場に流通していない。渡利地区は大波地区に隣接しており、放射線量が高いとして政府が一時、住民の避難を支援する「特定避難勧奨地点」の指定を検討した経緯がある。今回の農家の水田は、周囲を山林に囲まれているなど、大波地区の水田と地形的に似ているという。 ※調べてなかっただけで、他にもたくさんあるはずです。それなのに福島県は安全宣言を出しました。信頼性ゼロです。

11.12.02 ★ @chuoni_blog 中鬼のTwitter 12.2「「メルトダウン」「直ちに人体に影響ない」「シーベルト&ベクレル」「御用学者」「自然エネルギー」は絶対トップ5でしょ:流行語大賞で審査委員が真の流行語を政治的理由で排除、ダメだこりゃ bit.ly/yWWgD 」 ※流行語大賞なる物自体が国民を操作しようとしている連中がつくったものです。しかし今年は初めて聞いたような言葉でもすっかり定着して使われるようになったものがたくさんあります。年末にあたり、それぞれの「今年のキーワード」を考えてみましょう。

11.12.02 ★ 日経 12.2「東電、原発事故で中間報告「津波で注水・冷却機能喪失」」  東京電力は2日、福島第1原子力発電所の事故調査の中間報告書を発表した。1号機から3号機の原子炉に関し、津波の影響で電源を喪失し、原子炉を冷やすための注水や冷却関連設備の作動ができなくなったことを改めて公表した。燃料をすべて使用済み燃料プールに移動済みだった4号機も津波の影響で電源が途絶え、冷却機能を失ったことを明らかにした。併せて1号機と3号機の水素爆発の原因は炉心が損傷したことで水素が発生し、原子炉建屋に漏れ出て滞留したため、と結論づけた。「原子炉建屋への水素の流出経路は不明」という。4号機の場合、汚染気体が配管を逆流したことで発生した、との見解を示した。また2号機では水素爆発がなかったことも明らかにした。同時に発表した今後の対策方針は大きく分けて徹底した津波対策と炉心損傷の防止策、損傷後の影響緩和策の3点に軸足を置くことにした。津波による敷地内への浸水が起きないようにする防潮堤や、建屋浸水を防ぐ防潮壁、膨張板の設置を検討するほか、電源喪失を前提にした炉心損傷を防ぐ対策を考える。仮に炉心が損傷した場合でも水素爆発の回避や放射性物資の放出を低める施策を進める。 ※やはり東電は事故を津波のせいにしようとしています。津波が原因ならば比較的容易に(短時間でコストも安く)再稼働させられるからですが、地震が原因だとすると根本的に原発の構造を見直す必要が出てきます。
(関連)毎日.jp 12.2「福島第1原発:地震での設備損傷を否定 東電事故報告書」 ※毎日の記事はその点をメインに書いています。つまり、毎日の立場は津波だけが原因だとする説に疑問をもっていることになります。一方、読売はそのことに触れていません。
(関連)YOMIURI ONLINE 12.2「東電の社内事故調「過酷事故対策が不十分」」 報告は、想定を超える津波によって、過酷事故の対応に不可欠な電源や安全設備が水没して機能せず、結果的に炉心損傷など事故拡大を食い止められなかったとした。しかし、経営陣と発電所幹部による意思決定過程や事故対応の妥当性など東電の責任には、踏み込まなかった。東電が報告の客観性確認のため設置した社外有識者による事故調査検証委員会(委員長・矢川元基東大名誉教授)の見解も同時に公表されたが、「事前の安全対策が、設備と手順の双方で不十分だった。背景には、過酷事故はありえないという原子力関係者の『安全神話』があった」と指摘するにとどまった。 ※この調査は真剣に原因を究明しようというよりも、東電もやってまっせというアピールのためでしょうか。

11.12.02 ★ asahi.com 12.2「「福島の人見えてますか」 参院特別委で自主避難の女性」 東京電力福島第一原発の事故で福島県外に自主避難した女性が2日、参議院復興特別委員会に参考人として呼ばれ、「今ここにいるみなさんに、福島の人は見えていますか」と約40人の委員らに問いかけた。6月に福島県伊達市から札幌市の住宅団地へ夫と子ども2人と避難した宍戸隆子さん。約160世帯が避難している団地で自治会代表を務める。自主避難者への賠償問題などの審議のため、長谷川岳委員(自民)が、東電の西沢俊夫社長とともに招いた。宍戸さんが、親族や知人から「(避難指示がなく)国が安全と言うのに、どうして出ていくのか」「あなたたちは逃げられていいわね」などと言われながら暮らす苦労を声を詰まらせて訴えると、議場は静まりかえった。これに対し、東電の西沢社長は「ご苦労を受け止め、賠償などをしっかりとやる」と答弁。中川正春文部科学相は、自主避難者への賠償が遅れていることに「おわび申し上げたい」と陳謝し、今月6日の原子力損害賠償紛争審査会で、賠償方針をまとめる考えを示した。

11.12.02 ★ 日経 12.2「「脱原発」の城南信金、東電との契約解除 年内いっぱいで 」 信用金庫大手の城南信用金庫(東京・品川)は2日、東京電力から電力を購入する契約を年内いっぱいで解除すると発表した。東電福島第1原子力発電所の事故を踏まえた「脱原発」の取り組みの一環。来年1月以降は、天然ガスなどで発電する新規電力事業者のエネット(東京・港)から電力を購入する。全85店舗のうち、入居するビルなどの制約がない77店舗で契約を切り替える。年間の電気料金は現在約2億円だが、1000万円程度の削減効果が見込めるという。NTTファシリティーズと東京ガス、大阪ガスが出資するエネットは、ガス会社の天然ガス発電や太陽光発電、民間企業の自家発電の余剰電力などを調達して販売している。

11.12.02 ★ 楽天Social News 12.2「西山元審議官、やっぱり福島行かない」 福島の除染チームの次長に就任した西山英彦・元官房審議官ですが、現場の福島には行かずに、基本的には東京で勤務することになったそうです。 やはり経済産業省も東電と同じで、上の者は安全な場所にいて、危険なことは下の者にやらせるのですね。

11.12.02 ★ DAILYMOTION「20111130 キュリー夫人と放射能の時代」 NHK「BS歴史館」より。 20世紀初頭、ノーベル賞を2度受賞したマリー・キュリーが活躍していたころ、放射性物質入りの化粧品や食品が流行した。キュリー夫妻の“放射能”の発表に、世間は「魔法の力」と沸き立った。多様な商品が開発され、やがて誰にも止められない加速の末、破滅的なものを生み出していく…。キュリー夫人の生涯とともに、科学技術に囲まれ暮らす私たちが、今、どのように科学技術と向き合っていくべきかを考える。

11.12.02 ★ 毎日.jp 12.2「放射性物質:文科相が釈明「給食40ベクレル以下は誤解」」 中川正春文部科学相は2日の閣議後会見で、学校給食の食材に含まれる放射性物質に絡んで示した「1キログラム当たり40ベクレル以下」との目安について「測定機器の機種選定の目安で申し上げた。機器の検出限界で話をした40ベクレルが独り歩きしてしまった」と述べた。学校給食で使う食材からの内部被ばくを抑える目安として受け止められたことに対し「説明に誤解があった」と釈明。「最終的には厚生労働省の基準(現行は水や牛乳200ベクレル、野菜や肉500ベクレル)に基づいて対応していくことになると思う」と述べた。文科省は11月30日、自治体による検査の支援事業の実施に向け、東日本の17都県の教育委員会に通知を出した。購入機種の検出限界として「1キログラム当たり40ベクレル以下」を示し、40ベクレルを超えた食品を取り除いた給食の提供などを例示。森ゆうこ副文科相は1日の定例会見で「40ベクレルを上回る食品は給食では使わないようにする方針を示したのか」との質問に「そのように考えていただいて結構です」と答えていた。40ベクレルの目安を示したのは、厚労省が内部被ばく線量の上限を現行の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げる方針で見直していることを踏まえ、200ベクレルの5分の1としたという。

11.12.02 ★ 毎日.jp 12.2「青森・六ケ所村の核燃再処理工場:「撤退」02年に一致 東電・経産首脳が協議」 核燃サイクルを巡り、東京電力と経済産業省の双方の首脳が02年、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理事業からの撤退について極秘で協議していたことが関係者の証言などで分かった。トラブルの続発や2兆円超に建設費が膨らんだことを受け、東電の荒木浩会長、南直哉社長、勝俣恒久副社長と経産省の広瀬勝貞事務次官(いずれも当時)らが撤退の方向で検討することで合意し、再協議することを決めた。しかし3カ月後、東京電力トラブル隠しが発覚し、荒木、南両氏が引責辞任したことから実現しなかったという。毎日新聞は出席者の氏名や協議の時期、目的などが書かれた経産省関係者のメモを入手し、協議の関係者からの証言も得た。首脳による協議が判明したのは初めて。核燃サイクルを巡っては高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を含め継続の可否が検討される見通しでサイクルのもうひとつの柱である再処理事業でも東電、経産省のトップが9年も前から「撤退を検討すべきだ」と認識していたことは、内閣府の原子力委員会が来年夏をめどに進める原子力政策の見直し作業に影響しそうだ。 ※国民のお金(税金)をどぶに捨て続けてきたという面から見ただけでも、これは犯罪行為です。
(関連)「核燃再処理:経産と東電の「全量再処理」当初から破綻」 再処理事業推進の両輪である東京電力と経済産業省のトップらが、撤退に向けて極秘に協議していた事実は、使用済み核燃料のすべてを国内で再処理する「全量再処理路線」が当初から破綻していたことを物語る。「国策民営」の両当事者が経済性、安全性に疑問を持つ事業が現在まで続いている点に、原子力政策の病巣があると言える。関係者によると、04年2月ごろまでは東京電力の役員らがたびたび経産省や経産省資源エネルギー庁を訪れ、撤退を模索していた。建設費の膨張、トラブルの続出に加え、04年1月には六ケ所村再処理工場を稼働させれば約19兆円もの費用がかかるとの試算も公表された。見通しは悪くなる一方だが撤退を表明すれば責任問題に直結するため、経産省も東電も撤退方針を打ち出さなかった。「原子力ムラ」の抵抗も激しかった。その一つが、工場稼働の妨げになるとして内閣府の原子力委員会やエネ庁の一部幹部が、使用済み核燃料受け入れを提案する02年10月のロシアの外交文書を隠した問題だ。当時の経産省幹部は文書の存在を毎日新聞の報道(11月24日付朝刊)で初めて知り「文書を把握していれば代替案としてロシアへの核燃料搬出を提示でき、事業撤退への道が開けたかもしれない」と悔しがった。結果として再処理事業は継続され、19兆円は産業用・家庭用の電気料金に上乗せされている。企業が払う電気料金も最終的に商品価格などに上乗せされていると考えると、国民1人当たり約15万円という計算だ。国民負担まで強いた再処理工場は今も稼働しておらず、破綻ぶりは一層明らかになっている。 ※原発ムラの中心はどこかということがあぶり出されてきそうです。

11.12.02 ★ 毎日.jp 12.2「プルトニウム:英国が地下に廃棄へ 再処理から転換」 世界最大の余剰プルトニウムを持つ英国が、保有プルトニウムの一部を2025年に着工を目指す核廃棄物の地下最終処分場に世界で初めて「核のゴミ」として捨てる計画を進めていることがわかった。プルトニウムは核兵器の原料になるため、テロ対策上の懸念の高まりと、年2000億円以上もの管理費が財政を圧迫していることが主な背景。使用済み核燃料の再処理施設も21年までに段階的に閉鎖し、「脱プルトニウム路線」にかじを切る。英政府は新戦略の決定に際し、関連資料を国民に提示、広く意見を募るなどの情報公開を図った。プルトニウムの利用をめぐっては、日本でも高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を含めた抜本的な見直しが進んでいる。1956年に西側諸国では初の商業用原子炉の運転を始めた英国が、最重要戦略物資の扱いを国民に問う形で決めたことは、日本などプルトニウムを保有する各国の政策の決定過程に大きな影響を与えそうだ。

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