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僕はパイプ〜みんなをつなぐ 「ごめんな祭」を開く 岡野弘幹さんに聞く レポート：星川まり
虹の祭り：'60~70年代から世界中にあったレインボー・ムーヴメント ＝平和運動で体験した共感から生まれる一つのヴィジョン

4月29日、花も緑も美しい雨上がりの境内。千葉県市川市。正中山日蓮宗大荒行堂 遠壽院。虹の祭り、オープンフォーラムにて。お話とコンサート「天空オーケスト ラ」演奏を終えた岡野弘幹さんに伺った。

最初，「虹の祭り」は，「ごめんな祭」をしようよ…で始まったんですけども。（前号参照）　あくまでこれ，僕一人やという言い方をされると非常に語弊がある。あのー，たまたまコロッと言うただけの話で，そっから「みんなそう思ってたんちゃうか？」っていう。「一斉に，地球に“ごめんな祭”をして２１世紀を迎えたいものだねぇ」。このエピソードが，意外に共感を誘う。春，アイディアは─９９年を「謝罪」２０００年を「祝福」２００１年を「旅立ち」という各テーマで，この際３年間通して祭っちゃおう―という計画になった。人類史１００年と１０００年が同時に飽和してあらたまる。くくりの今，と言う自覚がある。 　岡野さんは過去に，天河という音楽の神を祭っている神社で転んで左手首を挫き，以来楽器を持てなくなった時期がある。これをきっかけに，「風の楽団」という技術的にも優れたバンドができてゆき，それとは別に屋久島等の聖地で何百個〜千の風鈴を森の中にしかけて，その山の霊気を音に写し取るという試みをＣＤにする…ソロ活動が始まる。パートナーでダンサーである宏子さんと二人で関西圏で「風の祭り」というお祭りをしていくうちに，ある時オーガナイズをしていた人がチラシに「岡野弘幹と天空オーケストラ」と書いたのだそうだ。そのうち「天空」「天空」と呼ばれる様になった。シタール，ネイティヴアメリカン・パイプ，ブズーキ，ディジュリドゥ，フィドル，タブラ−，ジャンベ等とギター＆歌＆ダンスで，民族的かつグローバル。５年間出演して来たイギリス・グラストンバリ−参加の他，国内で年間４０〜６０回のライブをしている。「今年はもう，グラストンバリ−行けないな…。いつもは６月には行ってる。もう今年は外国のお祭りなんて行ってられない」。そう，８月には奈良・東大寺の「ごめんな祭」が熱くなっている。 　５月の２２〜２３日。良く晴れた週末に神奈川県「子供の国　アースデイ・虹のギャザリング」は行なわれた。子供達のワークショップやティピテント村のソーラーコンサート，映画，出店で賑わう広大な森の中の自然公園に２日間七色の旗ははためいた。神戸の震災から鎌倉，「白船」と共にアメリカを経て既に３０００人の「祈りのメッセージ」をつないで来た女性が，ここでも木立にその短冊を結び続けていた。その木々に「風鈴」の音がすばらしい。ここで涼み，昼寝をする家族のくつろぎ。岡野さんの子供達２人もすっかり溶け込んで遊んでいた。「年末からものすごいスピードでものごとが進んでいるんで，最近家の中のことを忘れてた。祭壇の世話とか，自分のまつりごとをしたら，そしたら企画の方も急に決まったりする，わからへんのやけど…」と宏子さん。きっとそういう営みこそが自然に日々を祭りに高めてゆくのだろう。幼い頃から関西圏出雲大社で浦安の舞いをならい，日本舞踊，モダンダンスを経て今，自在に気の流れのままを踊る。 　さて，虹の祭りが形をなしながらこうして始まる中，先日の選挙戦でトップ当選を果たしたメンバーが居る。 '９５年１月阪神大震災後，いち早く駆け付けそれまでの仕事を投げ打って「元気村」の副村長としてヴォランティアを続けたスターンこと草島進一さんが，アースデイに姿を現わした。 '９６年の日本海重油災害事故の際，インターネットで全国に最新ニュースを流しながらボランティアのネットワーキングに尽くした人だ。今度の市議選は締切り直前に「故郷月山のダムを止めなければ」と山形県鶴岡市で立候補を決意。予算約３０万，カヌーを漕ぎ，自転車で回り「月山の水を守ろう！」という熱意が人々の支持を得た。１３００票で当選ラインを３０００票近く勝ち取ったのだ。そして，本当の戦いが始まる。この夏もう９割方できているダム建設による，飲料水の地下水からダム水への切り替えの中止を祈り，８／１５の御盆に霊舞（レイブ）をしたい，できたら月山精霊祭りを…。彼は必死の思いだ。神戸のボランティア中，音楽の輪で良く顔を合わせて友だちになった岡野さんは彼を「ほんまのレインボウ・ウォリアーズやと思う」と言う。選挙戦最後の２日間を共にライブの様に歌い太鼓やギターで応援して，何度も感動の涙を流したという。そして，家族とNGOの仲間３人，電話とファックスだけでトップ当選を果たした時に「ほんまのことを言うてたら大丈夫なんや」と確信する。草島さんは「市議日記コーナー」を持つホームページ＜Water Watch Network＞＊で，水を守る事を通して地球の声を聴き，「よっしゃ〜！」と議会で発言して行く毎日を報告している。 　お茶の水「グローバル・エコー」（２３日夜）。岡野さんはひとりギターで弾き語りをした。反戦ソング，ボブ・ディランの「風に吹かれて」。〜♪その答えは，君の中さ，君が知ってるだけさ〜と。泣きたくなった。今の今，戦争をしている人類。神戸の震災をも忘れてはいけない。危機をジャンプの機会として開花した魂の叫びだと思った。 【参考資料】　「世界」グローバルフレンズ，BALANCE，RAINBOW

4月29日に千葉県市川市のお寺の本堂で開かれた虹の祭りオープンフォーラムで演奏する岡野弘樹と天空オーケストラ

「虹の祭り」INFORMATION ★東京事務局；　Tel.&fax.03-3395-3104　河内聡雄：東京都杉並区西荻北４ー５ー１２桜ハイム１０５　kohchi@bd5.so-net.ne.jp★大阪事務局；Tel.06-6965-1312 　fax.06-6962-8887　岡野弘幹：　　大阪市城東区鴨野西２ー５ー５ー２０６ambience@osa.att.ne.jp ●虹の祭りドネーション受付　　　　　 →郵便振替：００９５０ー３ー１４５３９２「虹の祭り実行委員会大阪事務局」 ★鶴岡のお祭り情報はスターン（草島進一）さんまで＝ ハートビート・センター：TEL/FAX：0235-28-3338 又はWater Watch Network：Fax 0235　-22-1191/070-5652-6586 (PHS)　＊http://www.jca.apc.org/water-w/

No.95＝1999年６・７月号

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