とろんのPAI通信(21) 最終回


 PAIの町は標高600メーター弱、2000メーター級の山々に囲まれた盆地で、その中心をPAI川が貫く桃源郷。実際には7月2日のKEMさん(今、ムーンビレッジに住んで自分の絵のギャラリーをやっている地球人)の58歳の誕生祝いに始まって、8月28日の満月まで続いた2ヶ月近い(いのちのまつり)も終わって、ボクとはるかと1歳1ヶ月の太一君の3人で、もうひとつの桃源郷、中国雲南省大理に骨休みにいって帰った着たところだ。その町は標高2000メーター、ヒマラヤ山脈東端の4000メーター級の峰峰を背景にして、南北41キロ東西3.5〜9キロの細長い湖に挟まれた古都。ここから陸路でチベットに入り、あの聖なる山(カイラーサ)にいけるのかと想うと、折角収まりかけていたボクの放浪衝動が疼き始め、太一が3歳になるまでには3人でカイラーサ巡礼しなきゃ、と内なる声が囁く。
 8月6日広島の日、祭りが始まって6回目のダブルレインボーが出現し、太一の満一歳の誕生日を飾ってくれた。続く9日長崎の日には有志50人くらいの旅人たちと田植えやり、15日の終戦記念日には65年前に日本軍が作った鉄橋上でアートコンサートをしたら、どこからか1000人以上の人が集まってきた。日本人アーティスト2人も参加して(すべての銃声を歌声に!!)と描かれた巨大なイラスト(写真)が注目を浴びる中、日本側からボクらの(くるくるPAIバンド)などの3組のバンドが出演して大好評だった。この日を記念して毎年町をあげての(鉄橋コンサート)が続行されることになった。

鉄橋まつりの絵

 8月24日が祭りの最終予定日だったけど、8月28日の満月まで祭りは続いた。その24日には(神さまとお金さま)というパネルトークライブをして、続く27日にはPAIの聖山ドイチーチョン(ボクは、くるくる三角山とよんでる)1700メーターに有志30人の旅人たちと上って祭りのお礼参りをしてきた。のぼり5時間くだり4時間で、その頂上には巨大な岩のリンガム(インドの神さま崇拝形態の一つで男性勃起性器)がたっていて、その巨大な異様さに誰もがあ!!!っと戦慄させられてしまう。この日、ついに祭りが始まって7回目の虹!!が出現して、おまけに麓に辿り着いたとたんに東の山から黄金満月浮上!!!実際の最終日28日の満月には(おつかれさん)をやって祭りのシメをしたのだけど、最後まで残ってくれた旅人たちの数がなんと77人!!!今年1月27日に東京の(ほびっと村)でやった祭りの(告知ライブ)の時も超満員ではいりきれなくって、中に入れた人たちが同じ77人!!!
 祭り期間中、雨季でオフシーズンにもかかわらずムーンビレッジ周辺のゲストハウスは常にいっぱいで準備していた(まつりSPACE)22箇所のうち半分の11箇所のSPACEがいろんな(いいだしっぺ)によって祭られ、PAIの町は前代未聞の人が溢れるオフシーズンとなった。祭り全期間を通して映像記録を撮っていて(前半はPAI TIME のかカオルくん、後半はもと報道映像家のジロウくん)それはボクのホームページの(まつりの様子)かカオル君作で見れるのでお楽しみ。
 いきなりだけど『とろんのPAI通信』は今回で終わる。この祭りは5年前にあ!!!っと想いつき膨らみ続け、この3年間この通信でボクのイメージを伝えてきた。そしてひとそれぞれの想いが形になりゆき、人それぞれのイノチ命いのちが膨らみ感染し合い展開してきた。そして今、桃源郷PAIに静かなる美しい日常生活が戻ってきて、その余韻を味わいながらの最後の通信執筆。縁が起きて今年の5月から(メルマガ北海道人)ー週刊金曜日の初代編集長、和多田進氏が編集長ーに毎月2回、もうひとつの『とろんのPAI通信』を描いていて、写真も2枚づつ載せている。だから、祭りに向けての偏執的ないままでの通信はこれで終わりにするけど、もうひとつの『とろんのPAI通信』は終わらない。今回の祭りの事も写真と文章をいっぱい載せてるから、興味ある人は是非ともよんでみてくださいね、よろしく。ボクのホームページからか次のホームページで!!! http://www.hokkaido-jin.jp/ このホームページで今までの文も読めるし(登録)しておくと毎回配信してくれるので。今回描いてる6回目のダブルレインボー、PAIの聖山の頂上リンガム、田植えシーン、終戦記念日の鉄橋上コンサートなどの写真もみれるし、雲南省への旅の話、PAIでの日常生活の話、そしてボクの得意分野のもっともっと個人的な想いや出来事なども描いてるのでオモシロくって、おかしくって、ハッピーになれるよ。
 最後に、ボクが17年前に描いて、その6年後に本になって世に出た『とろんのダイジョ〜ぶ経典(スートラ)』の書き出しと終わりの部分を抜粋して、バイバイしようかな。

 いのちは呼吸するもの震えるもの疼くもの。形も色も大きさもなく、有るとか無いとかもなく、善悪美醜上下左右などまるで関係なく、偶然でも必然でもないまっ
 たく(当然)な状態。やむにやまれぬ、ふくらみ。
 
             ☆        ☆        ☆

 この同じ星に産まれ同じ時代に生き、同じ太陽と月の下で育ちゆく全ての命を想うとき、産まれたからには生きてやると強く想うし、このいとおしい一回キリのかけがえのない自分の命をけがし曲げるもの、制限するもの、萎縮させるものを激しく拒絶し続けたい。こんなボクが同じ星のアンタに辿り着くのは、ホンノちょっとした縁が起きたとき、そしてアンタとボクの宿命の糸がアッ!!と触れ合うとき。
 
 じゃ、また、どこかで、ね。
 毎朝のオシメ洗いが忙しくって楽しいとろんより。
 
11月下旬、ムーンビレッジで稲刈りがあります。祭りの残党もいるので面白いよ。その時期こちら方面に旅してる人は、ぜひ、一緒にやろう!!!よろしくね、とろんより。


 

写真は8月15日終戦記念日の鉄橋上コンサートの巨大イラスト(BY  雪華&YUTAKA)