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とろんのPAI通信(9)


 今夜は中秋の名月、平和で静かな聖地、ラオスの古都、世界遺産の町ルアンパバーンで、今ミルクコーヒー色のメコン河に向かいながら描いている。1ヶ月と少し前の半月の夜、同じ聖地パイに突如と起きた大洪水を思い起こしながらの執筆。 
 芝生と四葉のクローバーのムーンビレッジの美しくってやさしい広場が一夜にして砂と砂利と石だらけの無機色の広場に変貌し、痛々しい水路や小さな池もどきまで出現したのだ。ムーンビレッジの境界を形作るように谷状に流れていた幅1−2メーターのかわいい小川が幅4−5メーターの平らな川になってしまい、広場よりも高い位置に土手向こうに流れ行く。その小川のふくらみの勢いのさまは、まるでボクらのインドへのハネムーン、ガンジス河の源(ゴーモク)の源泉噴出の勢いと同じ風景で、あ!!っと、フラッシュバックしてしまった。


写真右上のがふだんは小川で、カーブを曲がりきれず、こっちに流れて来た。
傾いた小六角堂の向こうのが61才のかわさんの住む長屋。その向こうにボク達の新居がある。

ムーンビレッジの被害状況
^ ここルアンパバンの安宿ドミトリーで3年前に出会った、当時21歳のさわくんが1年半まえにムーンビレッジにやってきて造った陰陽の庭園と休み処があ!!っと、全壊
_ 同じく1年半前のたー坊作かまどが半壊 
` たかし作のパン焼き釜が半壊。
a 名古屋のかおるくん作の土間に砂利浸水
b 小川の堤防が全面決壊
c 共同台所の井戸に土砂が浸水して、全壊
d 塾などに使っていた小六角堂に巨大な流木が激突して傾いてしまった
e 61歳のかわさんの住んでいる高床式の長屋の下のコーヒー処が床上泥浸水
f けいじの家の1階スタジオは窓の高さまで泥浸水
  
 すべて高床式なので住居スペースは無事で全くの被害ゼロは高台になっている田んぼとエバファミリーのすむ土の家と井戸(かこちゃん&その息子の楽作)。だから大洪水3日後の8月16日の田植えは予定どうり出来て、その大混乱のなか20人以上の人たちが手伝いに来てくれた。この大洪水直後の田植えのアンバランスな風景に通り行く地元の人たちはおしみなく笑顔をおくってくれたものだ。これに勇気付けられて修復作業をしている最中、9月の3日の新月の昼間、再び、広く隆起平ら化した小川に洪水の追い討ち。再び広場が広い池に変貌して、すべてがスタートアゲン。
 7月28日半月のライブの時、まさか次の半月にパイ史上最大の大洪水がやってくるとは誰も想いもしなかったし、ボクは8月15日の終戦記念日の日に、60年以上前に日本軍と地元の人たちが作った鉄橋(メモリアルブリッジ)の修復の話を役場の人たちと話し合う予定にしていたのに、その直前の13日、盆の入りに山や空や川が怒り(鉄橋修復)どころか(パイ修復)になってしまった。同じ日、チェンマイのピン河も40年ぶりの大洪水、大浸水に襲われていた。

パイの被害状況
@ 32年ぶりの大洪水でその規模は史上最大
A 大型ダンプや大木がつぎつぎと流され激突して、昼間の市場は全壊。
B 全壊家屋200棟
C 死者9人、うちツーリスト4人。
D 900人のツーリストのうち700人が洪水直後にパイを脱出して、200人がボランティアあるいは茫然自失。これが2007年のまつりにおきたら、みんな、どうする?どう動く??
E 被害総額1億5千万バーツ(1バーツは2.7円) 
F 義捐金は一人最大2万バーツまで。 
G パイに生まれ住む70代のおばあさんが(いままでにみたこともない風景!!!)だと嘆き驚く。
 
 さすがのボクも(風景あたり)してしまい、それを癒すために田植えのあと4−5日チェンマイに逃げ休み、そして今は、愛妻(はるか)のタイのビザ取得も兼ねて3週間のおやすみ。インドに続くハネムーン第2弾、ラオスの旅。パイに戻ったら、稲刈りに向かって、変化展開してしまったムーンビレッジの地形を生かして(どっちに転んでも七転び八起き)してゆくしかないな。満ちては欠けてゆく月の光を楽しみ、そして中秋の名月。


道路に面した休み小屋(サーラ)から撮ったMOON VILLAGE全風景。田植え(8/16)のあと。洪水は8/13。
小六角堂はもっと奥で、大六角堂はもっとさらに奥。向こうにカーブして小川は一見何も起きてないけど、
スゴイコトになってる。今、堤防を作る予定です。左側がボク達の新居。

 でも(大洪水のおかげ様)で、前から作ろうと想っていた砂の広場が一夜にしてひとりでに出来てしまったし、貴重な砂利や砂や石や流木がどこからかタダでいっぱい流れてきたし、毎日草刈ばかりしてたボクが、この半月のショックでもう草刈の必要もなくなり、ヨガ、さんぽ、ひるね、が日常的に復活し、メール中毒もますますなくなり、そしてなによりも、この打撃で土地急騰の火が消え、もしかしたらずっと今の土地を借り続けられるかもしれないという、希望の光。
 この史上最悪の大洪水の原因は森林伐採。それで思い起こすのはムーンビレッジを文明開化してくれた大鹿村のアキと同じタイミングでムーンビレッジにやってきた九州の正木高志氏の描いた『木を植えましょう』(南方新社)。もう一冊の著書『出アメリカ記』(雲母書房)は前になまえのない新聞で紹介されていたと思う。どちらの本もボクは大好き、だな。
 正木高志さん!! 2007年にムーンビレッジでまた会える、うれしいですね。旅好きの娘さん今どこでどうしてるの???
 この大洪水の(破壊力)は決定的にパイに住み着くボクらの心の襞まで届くものだった。((パイ桃源郷)への勢いやパイでのビジネスのふくらみの限界を感じてパイを去り行くひとたち、人間関係の(なにか)を見てしまいバラバラになってしまったひとたち。これはきっと聖地パイがボクらに向けた(試金石)なのだろう。ホントに縁ある人たちだけがパイに残りゆくその自然の(破壊力)こそ人に与えられた(創造力)に通じるもの。ボクは不思議に平行四辺形に傾いた小六角堂を修復しないで、そのままつっかいぼうをして使おうとおもっている。この(破壊)と(創造)の記念としてこのままいつまでも残しておきたいな。
 偶然でもなく必然でもなく全く(当然)としてのイノチの大洪水なら、人としてのボクらの内に神話が生まれ作られてゆくとき、時空を超えてすべてが光始める。パイを(桃源郷)として選んでやってきたボクらがこの大洪水を(イノチの当然の展開)として(いのち命イノチ)してゆけるなら、洪水2年後の2007年はボクもパイ定住7年目に当たるし、まさにグッドタイミングな(イノチのふくらみ)。
 さて、今夜は、中秋の名月、どこから見てもどこにいても、中秋の名月。
                                    とろんより。


★PAIの洪水のHP http://www.lurkertech.com/chris/travel/pai/flood
(URLのお尻の /flood をとるとPAIのいろんな情報が見られます)
「ムーンビレッジ・ムーン二ティ」
東京三菱銀行・岡山支店 普通預金 601−0898987「アラカワヒロシ」
‥‥洪水復旧のカンパ募集!
 http://soul-love-fusion.com  とろんのHP http://amanakuni.net/toron/
 とろんより、アンタに向けて、ちゅ!!!
                     

★来年の3月にムーンビレッジで国際映画祭 Spiritual Film Festival を開催予定

(写真:とろん)



No.133=2005年11・12月号

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