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新刊紹介

『デニス・
クシニッチ』

デニス・クシニッチ+きくちゆみ著

ナチュラルスピリット

¥1500+税


私が『デニス・クシニッチ』という本まで出して、
アメリカ大統領選に関わる理由
 

きくちゆみ

 表題の質問をたくさんの人に聞かれるので、お答えします。それはアメリカの政策が地球全体、とくに日本に大きな影響を与え(今回のイラク派兵がいい例)、私やあなた、地球のすべてのいのちにも影響を与えるからです。2004年でまたブッシュ大統領が再選されたなら、人類は破滅への道をさらに加速させてしまうと思っています。戦争とテロは繰り返され、環境破壊も加速します。私はそれを黙ってみているのは、いやです。方向を変えたい。一ミリでも。
 爆弾を落として無実の人を殺しながら、テロを止めることができるのでしょうか?戦争が貧困を生み、絶望的な貧困がテロを生むのでは?平和こそが繁栄をもたらす、と私は思います。嫌な人とも、考えの違う人とも、この地球で共に生きていきたい。戦争を紛争の解決手段にしない大統領を誕生させたい。非暴力をすべての政策の基本におき、ペンタゴンの予算を削り、平和と繁栄、持続可能な社会の実現のために投資する大統領を応援したい。それが民主党から立候補しているオハイオ州選出下院議員のデニス・クシニッチです。
 今のアメリカの全世界への影響力(国によっては生死もアメリカ次第)を考えると、全世界の人が、アメリカ大統領を選ぶ権利がある、と思うぐらいです。もちろんそれは不可能ですが、でも、せめて、アメリカ人に次の選挙の行方を全世界が見つめている、ということを知らせたい。「お願いだから賢明な選択をして」と伝えたいです。そして、企業からの献金を一切受けずに、草の根市民の力で大統領選挙を闘っているデニス・クシニッチのことを知らせたいです(ほとんどの人が彼の存在さえ知りません)。          .          <http://www.kucinich.us>
 私の本当の興味は、平和で持続可能な社会の実現です。より持続可能な暮らしを自らが模索し、自分の周りで広めています。しかし9.11以降、アメリカがはじめた対テロ戦争は、平和で持続可能な社会をつくるものとは、対極のものです。これ以上劣化ウランをばら撒くと、地球全体が低レベル放射能汚染で、健康に人間が生きていく環境ではなくなります。癌はいまや、全世界の流行病です。放射能と化学物質汚染の影響は大きいです。その中で弱いもの(胎児、赤ん坊、子ども、老人、病人)から順に、死んでいきます(すでにそうなっています)。
 私は『戦争中毒』との出会いをきっかけに、これまで知らなかったアメリカについて学ぶことができました。ノーム・チョムスキーやハワード・ジン、エドワード・サイード、マイケル・ムーアらの書物だけではなく、グレッグ・パラスト、マイク・ルパートやウィリアム・ブルムともお会いする機会もあり、まさに私の中のアメリカ像(それまでは、環境問題に取り組む人たちとのお付き合いが中心でした)は、大きく修正せざるを得ませんでした。
 でも、アメリカには素晴らしい人たちがいます。アメリカの中のそういう人たちとつながって、ブッシュ・ネオコンではない政権を誕生させることは、全世界の人々に「もう一つの世界は可能だ」という希望をもたらすことでしょう。平和省創設を目指すデニス・クシニッチのビジョンを1人でも多くの日本の市民や政治に関わる方とも分かち合いたい、と思っています。そして、日本にこそ、平和省を誕生させたい。そんな思いから『デニス・クシニッチ――アメリカに平和の大統領を』(ナチュラルスピリット社、1500円)を書きました。10月8日に出版されたばかりですが、アマゾンでだんだん上位にあがってきています。これを読んだ人から、たくさんの感想が届いていますが、その中から一つを紹介します。



La Vie de Tranquilleより抜粋
中川奈美 Chapitre94 「平和の大統領」

 デニス・クシニッチ氏をご存知でしょうか?
私はまったく知りませんでした。友人のあみさんから『デニス・クシニッチ アメリカに平和の大統領を!』(ナチュラル・スピリット刊)という本が送られてくるまでは――。
 「子供たちには、終わりなき戦争ではなく、終わりなき世界を受け取る権利があります」
 クシニッチ氏の力強い演説に心をぐんぐん引っ張られながら読み進めていくうち、この一文に行き当たり、急に涙があふれてきました。
 誰だって平和を望んでいる。子供は太陽の下をのびのび駆けまわり、お腹がすいたら頬っぺたがくるんと膨らむほどごはんをほおばって。さらさらのお湯で汗を流し、あたたかいベッドの上で清潔な毛布に包まれて。家族の抱擁と笑顔に守られ、楽しみを思い描いて眠りに落ちて……そしてまた朝が始まって。それが当たり前に思えてしまう毎日のなかでは、太陽ではなく砲弾の下を走り、家族の笑顔ではなく涙に包まれ、飢えともに朝を迎える子供たちのことをほんとうにはわかってあげられない。祈ることはできても、代わってあげることはできない。
 我が子との生活のなかで、子供は愛をいっぱい受けながら育まれていくもの――と当然、そう思っているわけです。彼らにはその権利がある。この世界に生まれてきたのだから。生きるために生まれてきたのだから。生きるための一番の栄養は愛です。でもそれすら否定するような悲劇が止まないのも事実。いのちの喘ぎ。地球の喘ぎ。その声はどんどん大きくなっていくばかりで、私たち自身にとってももはや他人事ではすまなくなっています。
 「終わりなき世界」のためになにができるだろう? 日々の心のもちよう、意識の在り方からはじまって、一個の人間にもできることは無限にあるはず……。
 デニス・クシニッチ氏はオハイオ州選出民主党下院議員で、2004年のアメリカ大統領選挙における民主党候補者の一人です。明確に戦争に反対をし、「平和省」の設立を公約に掲げるクシニッチ氏は、「アメリカは世界の国々と協力して世界各国の平和を達成する役割がある」と語ります。「私が描くアメリカとは、単独行動主義ではなく世界調和を求める国であります。最初に攻撃するのではなく、最初に手を差し伸べる国。世界のひとびとの重荷を軽くするために努力する国。援助を乞われたら、爆弾ではなくパンを、ミサイルではなく医療援助を、核物質ではなく食料を分配するのがアメリカなのです。」
 さらに率先して核兵器全廃に向かい、国際秩序を確保する手助けをすること。国際条約を強化し、順守すること。生物化学兵器と地雷の撤廃、世界各国と協力して地球の気候を保護すること、と――。
 昨年2月にロサンゼルスで行った講演の後には、感動した聴衆の一人がネットに流した速記録が反響を呼び、クリニッチ氏のもとへ2万通を超える賛同や激励のメールが寄せられたそうです。これが彼を大統領選出馬へと向かわせる大きなきっかけになったとか。
  (中略)
 戦争のリーダーではなく、平和のパートナーとなる人物がホワイトハウスの主に。それによって世界中が調和へと向かってゆく――。まるで夢物語のよう、と今は思ってしまうけれど、想像することは難しくありません。想像すること、それを鮮やかなヴィジョンに描くこと、そして行動すること。はじまりはいつもそこから、ですよね。

原書房オフィシャルサイト http://www.harashobo.co.jp/
「季刊よろずやonline」La Vie de Tranquille より


 というわけで、私は12月からアメリカへ飛んで、大統領選挙の予備選を取材する予定です。その前に、衆議院選挙では、私の思いに近い人たち(持続可能な日本のビジョンをちゃんと持っている人)を応援して、当選させなくっちゃ!
 みんな、選挙に行こう。



No.121=2003年11・12月号

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