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地球の子どもを自覚する歌鳥 早苗ネネさん


アマナクニが9年前に都会から八丈島に移るきっかけとなったのは早苗さんへの取材だった。元じゅんとネネというアイドルタレントをやっていた早苗さんは天性の声と天地に共鳴する感受性を持ち、個性的なエコロジー活動をしてきた。最近、半世記を書いた作品が文学賞を受けた彼女は、今ハワイの大学に通っており、これから日本でコンサートやボイスヒーリングのワークショップ活動をはじめようとしている。(ア)


 最初の出会いの頃を思い出すと、私は深く静かに彼女の台所に立っている。そこは北向きのガラス張りの窓から緑が一面に輝いており、私の手の洗い物はそのまま、排水が壁の外の地面に自然浸透するという事を教えてもらって、「だからさ、お湯だけでいいんだ」って、良くわかるなぁと思っていた。自然感直結の台所から、早苗さんとの交流が始まったようだった。それから「プレアデスがさぁ!」とか「泣いてたの…だって、木が切られるんだもん」とか、いつも電話や会った瞬間に、いきなり始まるエモーショナルな幼子のような態度。内容は、宇宙やイルカたちや、自分の家の前のビーチで出逢う<海>との濃い交流について、他の誰からも聞けないような冴えざえといのちに届くニュースばかりだ。
 鼻歌みたいに歌って挨拶しながら、海への森の道を下りて行く姿。歩きながら人と共に居るよりもっと、自然界にどんどん分け入って行く。すぐ環境と溶けてしまっていて、そちら側に遊んでいる様子。彼女と友だちになると私たちも、だから恐れなく、堂々と、そこに居てそこに居ないかのような、でももっともっと巨きなものと共に、より全体であるような、そこでお互い再会して「お!元気じゃん」っていう、そういう<ひとつ感>の中での会い方ができる気がする。そしてもう、海に遊んでいる時は、すべてが愛そのものとなっている。そこはタイドプール(潮だまりの磯)で、宝貝やうにたちも、名前がついている位の早苗さんの親友。すべてオーケー、全部オーライ。今ここに安らいであれ。無条件が唯一の条件か。生きるとはこれ程の祝祭。そこに、天女か何かのような、ゲートを護り天と地の通訳者として仕えているとでもいった風情の早苗さんが存在していた。だけど別に自分の所有物でもなんでもなく、常に誰にでも開かれているよ、地球という星の恵みなのだよと、だから彼女は歌うのだろう。…そんな人と自然の関係性を、彼女を通して多くの人が体験している。
 地球や私たち生命にとって、今している事をどちらへ選び直すか?日常性こそ丁寧
に積み上げてきていた八丈島での早苗さん。自然に住まいとその周囲にフレッシュな“気”がみなぎっており、そこで輝くような風に笑い声の弾ける、質素でものすごく豊かなグリーンライフを、学んだものだった。そして、ある時「私はワイルドでいくよ」、彼女はそう言って、圧倒的に一体化し尽くしたかのような、その生活とコミュニティから旅立って行った。(サキノ)●



Aloha 早苗NENEです

 八丈島の定時制高校を卒業して、そのまま八丈島の姉妹島でもあるMAUI島のカレッジに留学した私はその翌年、ハレアカラ山頂でハワイの州鳥、絶滅寸前種でもあるNENEに出会いました。自分が10代のころ「じゅん&ネネ」のネネと呼ばれていて、今でも「ネネさん」と年配の方に呼ばれることがある私としては、ネネという名前を大切にはしてきましたが、もう2度と自らはそう名乗るつもりはありませんでした。
ところがNENEに出会って瞬間的に自分が近い将来新たに又、ネネを名乗ることを決心してしまいました。「ハレアカラ」とは“太陽の家”という意味でゾクゾクするほどの霊気にあふれています。そこでNENEに出会ったことは私にとって啓示のように思えました。「自分は何故ここにいるのだろうか」「ただ勉強しに来ただけなのだろうか」と日ごろ宿題に追われてカレッジと学生寮を往復するだけの生活に疑問を持っていた私は、八丈島で感じた使命感や自分の存在理由と同じ質の物をMAUI島でも見つけたかったのかもしれません。
 八丈島にいたとき私は島の精霊たちと直結していました。応えがほしい時には散歩をすれば必ず理屈を超えた何かがひらめいて私を導いていてくれ、その感覚は私に安心感をもたらしてくれました。常に愛されているという実感があったのです。地球の子供だという一体感、人間社会では48歳の大人の女、でも地球という時間軸から見てみると私はよちよち歩きの子どもでした。「もっと子供でいていいんだ」という実感。私はその実感をみんなに伝えたい。失敗しても何しても、笑って抱き留めてくれる叡智と慈愛を感じ取ってほしい。その感覚をみんなと共有することが、私の使命でもあり自分の存在理由です。
 地球の子供の目で見てみると、人間以外の生き物が自分の家族だってことにも気が付きます。イルカもゴキブリも人間も「一つの命の異なる顕れなんだ」って実感できると、どっかがほどけて癒されるんだ。そして私は自信たっぷりの気持ちで、「八丈島でいただいた愛をMAUI島に届けに行ってきます」といって飛び立ったのですが。「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉があるように、MAUI島は想像以上に広かったし、文字を持たないハワイアン文化の上に築かれたアメリカ社会という、日本人にとって経験のない現実でした。しかもカレッジという特に実用的な概念を扱う場にいたからでしょうか?私のスピリチュアリティーはなかなかMAUI島の精霊たちとつながることが出来ませんでした。最近やっと地元の人たちが好んで涼を求めにくる浜辺に居ると満たされた安堵感に浸れるようになりました。
 私はこれから自分の命がつきるまで歌を歌って生きて行こうと思います。歌鳥としていろいろな止まり木に留って この星に生きている事の喜びや、悲しみをさえずりたいと思います。どうぞ皆様 白鳥では無く、うぐいすでもなく、ひばりでもない、ガチョウの歌を聞いてください。
 今回「自分史文学賞」佳作受賞作品になった『熟女少女』を書いた事によって私は「無条件に人を愛してゆくこと」を、自分自身に課してしまいました。ああ書かなきゃよかった、ついええカッコしいしてしまって…。“無条件に人を愛してゆく事が自分の命の証しにつながる”なんて公の場で発表して、「早苗ちゃんよくやるねー大丈夫?」と、熟女の早苗が老婆心を発揮すれば、「条件付きで人を愛して来たから人類いまだに戦争が終わらないんだよ。もうそろそろ成長してもいいんじゃない?こうしてくれれば愛せるけど、ああしたら愛せない…と言って、自分にとって不都合な物事を排斥するシステムでゆくと、確実に人類は宇宙の環境から排斥されちゃう事になるのが、わかんないのかなー」。「わかってるわよ、システムを変えなきゃいけないっていうことでしょ」と真ん中の私。「そのためにみんな頑張ってるんじゃん。自分の日常の等身から少しずつでいいから変えていかないとね」。 少女の早苗は過激だ。
私は机に向かって集中するのが好きです。それが勉強することにつながって MAUI島にまで来てしまいました。でもそろそろ頭に既成の知識を詰め込む作業に醒めてきている気がします。400字詰めの原稿用紙で約228枚、それだけの長さの文を2ヶ月間で紡げた事は、今まで勉強で養ってきた集中力のおかげだと思います。「自分史文学賞」の佳作受賞は、自分の心の中に詰まっている想いを、歌う事とは又違った表現方法で発表できる場所への通行手形をもらったみたいな気分です。 .........from SANAE in Moui HAWAII



 
コンサート&ワークショップ予定

5/20 八丈島・ビーチクリーンアップ
 モきれいな海大好き会 04996-7-7070
6/1〜3(未定)広島・世界聖なる音楽祭
 モ日本実行委員会 03-5414-5063
7/8  東京・西荻「ほびっと村」6〜8
 pm session \2000位 エ033-332-1187
7/16〜19 静岡県内5カ所、「社会人
 大学」お話とワークショップとコンサート
 モ054-251-2326/053-455-0336
7/21  八ヶ岳小海町音楽ホール「絵画
 おおえわかこ展」内の集い
 モおおえ エ0551-36-3957
7/25 (予定)時間をはずした日の祭り
8/8 八丈島・太鼓マラソン

★コンサート&WS問い合わせ:
 エ042-361-1871 sakino

★早苗ネネHome Page http://www.interq.or.jp/tiger/amana/sanaenene


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