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『銃弾と砲弾が降るなかから』

ラファの破壊つづく

─────────ナブルス通信─────────
          2003.10.20
         
『銃弾と砲弾が降るなかから』──ラファの破壊……ブラジル地
区の占領、続く。さらに人が殺されている!

              *
 
 19日のハアレツ紙オンライン版によると、イスラエル軍は19日
夕刻にはガザ南部の町、ラファから撤退したということです。
「銃撃戦があって、死亡者が出た」といういつもながらの表現が
使われていました。
 しかし、まさにそのラファから発信された文章を見ると、この
侵攻がそんな生やさしいものではなかったことがわかります。な
ぜ、国際社会は黙っているのでしょうか。それほど大きく報道さ
れないのでしょうか。
 
 「イスラエルがこの調子で攻撃を続けたら、今年の終わりには
何千ものパレスチナ人が殺されてしまうだろう。もちろん世界は
これを虐殺とは呼ばない。何にいらいらさせられるかといえば、
何人のパレスチナ人を一度に殺したらそれが虐殺と呼ばれるだろ
うか、と考えてしまうことだ。昨晩寝ている時に父親と息子二人
が殺されたことは虐殺と呼ばれないのだろうか。難民キャンプの
通りで遊んでいる子どもが殺されることは虐殺と呼ばれないのだ
ろうか。2週間の間に60人のパレスチナ人が殺されたことは虐殺
と呼ばれないのだろうか?!」
 (今年の2月に発信されたガザ中部の難民キャンプ出身 Tさ
んのメールより)
 
 以下は、山田和子さんが超特急で訳してくださった、今日届い
たラファのムハンマド・Qさんからの最新レポートです。

──────────────────────────
(ISM(国際連帯運動)20日付 発信メールより)

『銃弾と砲弾が降るなかから』──ラファの破壊……
ブラジル地区の占領、続く。さらに多くの人が殺されている!

ムハンマド・Q
2003年10月18日(土)

この2週間、イスラエル占領軍は、ほぼ完全なアメリカの黙認と
国際社会の沈黙をいいことに、ラファのいたるところでやりたい
放題の残虐行為を繰り広げてきた。現在も続いているラファ近郊
一帯でのイスラエル軍の攻撃によって、これまでに、パレスチナ
人16人が殺され、100人以上が負傷した。イスラエルの戦車とブ
ルドーザーは一帯を徹底的に破壊し、何百人もの一般市民が家を
失っている。

ラファのブラジル地区の占領は、今日で3日目に入り、さらに多
くの死者が出ていると報告されている。土曜の未明、イスラエル
軍はブラジル地区でまたも一般市民に対する攻撃を行なった。午
前3時頃、イスラエルの戦車が地区全域のいたるところでランダ
ムな砲撃を開始。何度も何度も大きな爆発音が聞こえ、ほどなく
その音はイスラエルの側からやってきていることがわかった。ラ
ファのアン・ナジャール病院からの情報によると、このイスラエ
ル軍の侵攻によって、戦車砲が家に命中し、ひとりの女性とその
息子が殺された。女性は53歳のウェダード・アラグラミイで、戦
車砲の破片が胸と肩を直撃し、20歳になる息子のフサムも死ん
だ。ふたりは家にいた。ほかの家族も全員、怪我をしている。

ハマスの軍事部門のガザ南部のリーダー、タレク・アブ・エル
ヘッセン(39歳)も、今朝5時に、胸に数発の銃弾を受けて殺さ
れた。以上3人の死者のほか、9人のパレスチナ人が負傷し、内3
人は重傷。アン・ナジャール病院の院長、アリ・ムサ医師は、イ
スラエル占領軍によるラファでの日常ベースでの殺戮は「違法の
処刑行為」だと表現した。

ラファのISMメンバーは、16日(木)、ブラジル地区から出るこ
とのできない人たちのひとりに、何とか電話で連絡をとることが
できた。彼が話してくれたところでは──イスラエル軍はラウド
スピーカーで、ブラジル地区のパレスチナ人住民はそれぞれの家
から立ち退くこと、これは、結果的に家々を破壊することになる
プロセスの一環である、と告げたそうだ。17日(金)には、ブラ
ジル地区の人がISMラファに、イスラエル軍が2軒の家を破壊した
と伝えてきた。1軒はカウタル・アブ・エルワンの家で、4家族が
住んでおり、もう1軒はナセール・アル・ジャマールの家で、2家
族が住んでいた。イスラエル軍はまた、アブドゥルアジーズ・エ
ウェーダフ所有のアル・ノール・コンピュータ・センターと、ロ
トフィ・アブ・ターハー所有のアイスクリーム工場および2軒の
店を破壊。ハリール・エル・ジャマールの3階建ての家に踏み込
んできて、一家を1階の1室に閉じ込め、狙撃拠点として使いはじ
めた。同様に、タウフィク・バルバーフの4階建ての家と、ター
ラー・テムラズの3階建ての家も接収された。同じ日の朝、2人の
パレスチナ人がイスラエル兵士に撃たれて死亡。20歳のワリー
ド・アブドゥルアルは頭を撃たれ、36歳のワリード・アブドゥ
ル・ワッハーブは首と胸を撃たれていた。

サラーム地区とブラジル地区の住民は、もう48時間以上にわたっ
て食料が手に入らない状態が続いており、イスラエル軍は、複数
の関係当局が物資を運び込もうとする試みをことごとく拒否して
いる。地元の人たちが伝えているところでは、イスラエル軍は、
ラファ市当局の職員はもとより、赤新月社[西欧社会での赤十字
にあたるもの]と国連が、この砲撃下にある両地区の一般住民に
食料を届けようとするのも認めず、何とか搬入を試みようとする
と、戦車から銃撃を浴びせた──負傷者は出なかったものの──
ということだ。イスラエル軍は依然としてサラーム地区に居座っ
て、厳しい統制を続けている。住民たちは厳戒統制のもと、すで
に5日目に入っている。住民はそれぞれの家に閉じ込められてい
て、一刻も早い救援が必要な状態にある。

今日の午後、イスラエル軍は、サラーム地区で1軒の家を爆破し
た。激しい爆発音が聞こえた時、僕は200メートル離れたところ
にいた。アブ・アーメドの家に行く時に、僕たちは何度かその道
を使っていた。墓地まで行ったところで右に折れるその道の途中
に、破壊された家はあった。

今日のイブナは、さらに脅威が増していた。タウヒード・モスク
の横に停まっていた戦車が銃撃を開始した。僕と一緒にいた地元
のジャーナリストと彼の仲間たちは、キャンプ内の狭い道に逃げ
込んだ。僕はそんなに速く走れなかったので、少し遅れてしま
い、土の山の陰に隠れて砲撃がやむのを待った。頭上を飛び過ぎ
ていく銃弾の音が聞こえた。銃撃が始まった時に道にいた人たち
──おそらく15人から20人──のひとりも頭を撃たれなかったの
は驚きと言う以外にない。何人かは地面に伏せた。僕に見えたの
は、走っていくジャーナリストとその仲間たちの姿だけ。戦車か
らは1度に5発が発射され、数秒、あいだが開いて再度発射──こ
れが3〜5回繰り返された。地面から2メートル以下のところを
狙っていたこと、戦車に乗った兵士のM16ライフルの銃弾だった
ことは間違いない。

写真:www.palsolidarity.org

ISM(国際連帯運動)より
[政府が抗議をしないのなら、私たちから抗議の声をあげて
いこう!]
抗議先:各国イスラエル大使館など (省略)
──────────────────────────
(翻訳:山田和子)

***

【イスラエル政府、軍へ抗議を!】
黙っていると、この侵攻を認めたことになってしまいます。ここ
で行われていることはすべて第4ジュネーブ条約違反であり、国
際人権法上許されることではありません。

軍が撤退しても、行った残虐行為をきちんと批判していかなけれ
ば、また、同じ事は容易に繰り返されます。日本政府へ抗議をす
るよう要望を出すのも大事なことかと思います。

「緊急呼びかけ:ラファが破壊されている」
http://palestine-heiwa.org/tmp/rafah/031015.html

(抗議先、呼びかけ文、抗議文サンプルなど、ラファ侵攻のサイ
トです。ラファ侵攻の様子を伝える文章、写真などへのリンクあ
り。どうか、広めて利用してください)

***

※この文章は
http://www.onweb.to/palestine/siryo/rafahmohq18oct.html
にアップ予定。

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編集責任:ナブルス通信 http://www.onweb.to/palestine/

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Group URL : http://www.egroups.co.jp/group/palestine-forum/
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パレスチナの平和を考える会HP : http://page.freett.com/Palestine/

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