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SHAKE! -ベイエリア通信-  No. 8

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 =目次=
 ★ ベイエリアの声
 ★ 宇宙開発は何のため?誰のため?/ 風砂子
 ★ どこまで行く?反戦パワー/ 麻以子
 ★ デモと子どもたち/ 美佳
 ★ お知らせ

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★ ベイエリアの声

*「アメリカ政府は、私たちアメリカ国民を失望させています。しかし、アメリカ国民は、アメリカを失望させはしません。」(ローレン・モーレィ、科学者、反核アクティビスト)

*「私が子どもたちをデモに連れて来たのは、彼女たちを国際情勢に無知なアメリカ市民に育てたくないからです。」(ドロシー、デモに参加していたスーダン移民のお母さん)

*「悪の枢軸は、貧困、民族差別、そして戦争です!」(バーバラ・リ−議院、サンフランシスコのデモでのスピーチ)

★ 宇宙開発は何のため?誰のため?/ 風砂子

アメリカ国内での反戦運動の盛り上がりや、国際世論を押しのけて、遮二無二イラク戦争に突き進もうとする大統領の年頭演説と、証拠にならない証拠をあげて、人々の恐怖をかきたてるプロパガンダ満載の、パウエル国務長官の国連演説の合間に、宇宙シャトル「コロンビア」が空中爆破し、世界中に衝撃を与えました。
「2千万ドルの宇宙旅行」を夢見ていた人には、より大きなショックでしょうね。そんな夢を持てる人が、この世界に何人いるのでしょうか。
 1998年、アメリカ議会は、「宇宙通商法」を作り、NASAや宇宙基地の第一目的を、宇宙の経済開発にしぼりました。
2001年の5月には、ピザ・ハットが、初めて宇宙基地にピザを配達。ピザに乗っていたのは、サラミ・ソーセージ。ペぺロニは、宇宙でのもちがよくないんですって。
NASAは、ワーナー・ブラザーズと、将来の共同映画政策を予告し、ペプシ社も、宇宙ステーションでの娯楽産業を考えるなど、大企業の夢も果てしなく広がっていたようです。
宇宙調査に大きな献金をしているのは、なんといっても医薬が第一で、ちょっと想像できないような、トラクターの製造会社なども出資しているそうです。個人企業が出資する経済開発、宇宙の商業化、ということは、宇宙の行く末も今の地球と変りない、利権争い、環境破壊ということでしょうか?すでに宇宙戦争の準備は着々とされていることだし。「月の砂漠」が、劣化ウランで埋まり、晴れた空からは、宇宙開発技術の破片が降ってくる?
そんな未来のために、こんな莫大な国家予算を使ってーーー。
学校に行っていても、先生が足りないので、ほっぽっておかれ、9才、10才になっても字が読めない子がたくさんいる街にすんで、ふだん、今日は、どのホームレスのおじさんに1ドルをあげようかな、なんて考えながら街を歩いている私にとっては、夢のような、というよりも、あきれるような話です。
「コロンビア」の事故は、どんなにち密な技術も機器もいつかは故障する、どんなに強大な帝国も、いつかは崩壊する、という、単純なことを忘れてしまいがちな、私たち人類に対する、宇宙からの警告かも知れませんね。

★ どこまで行く? 反戦パワー/ 麻以子

「これまで行動に出ることを恐れていたアメリカ人の大多数が、いまは、行動しないことの結果を恐れていると思います。」
つい最近、もとアメリカ陸軍少佐で、現在劣化ウラン使用に反対している、ダグ・ロッキー氏と、アメリカ中東部の約10都市の大学などで、劣化ウランに関する講演旅行から帰ったばかりのローレン・モーレィさんが言っている。講演会では、ビデオ「眼に見えない戦争」を上映し、森住卓さんの写真集と、中国新聞社発行の「割り引きされた被害」を売ったが、あつまった人々、ことに学生たちは、非常な関心をもって、質問が夜中まで続く事もしばしばだったという。
ある集会に来た、自称保守派の男性は、「この部屋に入って来た時、自分は完全にブッシュ支持だったが、ビデオと講演を聞いたあとでは、完全に反対派になった。なにかできることがあればしたい。」と言ったそうだ。

この1月18日に行われた、「今止めよう!イラク戦争」行動にも、それは見られた。主催者によれば、ワシントンD.C.で50万人、サンフランシスコでは20万人と、参加者は、前回のデモの2倍か、それ以上にふくれあがった。世界でも日本、アイルランド、エジプト、スペイン、アルゼンチン、南アフリカ、ヨルダン、ベルギー、シリア、香港、ロシア、ドイツ、イギリスなどの世界30カ国の街々に人々の「イラク攻撃反対!」の声が響き渡った。

「9、11」以来、もう何度デモに参加したことか?バークレーの『地球の集まり』のメンバーなどの間で、「今回は、なにか変ったことをしようよ。」ということになった。舞踏ダンサーの玉野ヒロコさんをリーダーに、「踊って唄って参加しよう。」ということになった。いつのデモでも、音や笑いをふりまくグループは、みんなにいっぱいエネルギーをくれる。早速ヒロコさん宅で行われた準備ミーティングでは衣装やステップ、そしてのぼりの制作の話しもそこそこに、日本酒が入って、ヒロコさんの日本歌謡集にのっている歌を全部歌ってお開き。
 デモの2日前には、風砂子さん宅でのぼり制作。太陽と月をあしらった素敵なデザインののぼりを二つと、手足は自由に踊れるように、それぞれ首からぶらさげるプラカードを手早く作った。さすが、デモ歴ウン十年、ストリート・パフォーマンス(早くいえばチンドン屋?)経験もある風砂子さん、手慣れたものだ。
 当日は北バークレーの地下鉄駅に集合。デモに行く人々の長蛇の列も見慣れたもの。みんなが、手製のプラカードを片手に、まるでピクニックに行くかのような和やかな雰囲気。家族連れや友達同士待ち合わせをしている人もたくさんいる。天気はいいし、みんなニコニコしていて楽しそう。これから「イラク戦争の反対」のデモに行く人々の集団とはとても思えない。でも、そんなことをいいながら、私こそ人一倍派手でイカレたカッコをしている…
 それにしても、デモがすっかりコミュニティに定着した感がある。特に今回は、いつもにも増してデモのお誘いのメールがたくさん入り込んできた。ふだんデモとはあまり関わりがないような友達からも「デモ行く?」なんて聞いて来たり。風砂子さんの高校一年生のお孫さんのハナちゃんのクラスでは、数日前
に、皆の机の上にデモのビラが置いてあって、彼女の友達はみんなデモに行ったという。私が参加している歌のサークルの女性たちからは「一緒に唄いながら歩きましょう!」という誘いがあったり、いまのピリピリしそうな状況の中で、自分たちの創造性を活かし、楽しんで参加するというのは、本当にこの地にいて学ぶべき最たるものだ。
 今回のデモも前回と同じ、サンフランシスコのダウンタウンから目抜き通りであるマーケット通りをマーチして、シビックセンターまで行くというルート。
距離的にはそんなに長くはないが、何といっても通常は買い物客でごったがえすダウンタウンを歩くのはとても効果がある。しかしこの日は、私たちが着いた時には、もういつものダウンタウンの面影はなく、デモの人々で溢れかえっていた… 幅広いマーケット通りも、人が肩を寄せ合いながら所狭しと歩いてい
る。どこを見ても「デモ、デモ、デモ…」、サンフランシスコの街全体がデモ一色のようだった。
 私たち14、5人の怪しげな日本人集団は、人の渦に一瞬圧倒されるが、満員の地下鉄になんとか押し込んで持って来た若竹にすばやくのぼりをつけて立て、歩道を踊り歩き始めた。おのおの手に鈴やひょうたんドラムなどの鳴り物を持って、人々の間を練り歩く。周りの人から驚くほど注目を浴び、ヒロコさん
の「ジャンプ、ジャンプ」の掛け声にのって、ときにはアフリカンドラムを叩いているお兄ちゃんを巻き込み、ときにはなぜか「あ〜げましょう、あげましょう、これからブッシュの征伐に、着いて来るならあげましょう」なんて「桃太郎さん」を唄いながら、笑いながらマーチした。
 何度も「あんたたち、どこから来たのー?」と聞かれ、「バークレーだよ!」と答えると、「イェーイ!!」とピースサインを出して喜ばれ、納得された。
さすがバークレー、こんなヘンな日本人もたくさんいるんだよ。いっぱい写真を撮られ、ほかの集団とも一緒に踊ったり、大きな声援やピースマーク、笑顔をたくさんもらって、私たちは随分調子に乗ったものだ。つくづく、この町は、自分らしさを出せば出すほど、人々に受け入れら、深くかかわればかかわるほ
ど、ますます味が出てくる町なんだ、と感じた。そしてこれがこの町の独創性であり、エネルギーの源であり、「新しいことは、常にベイエリアから始まる」といわれる所以なのではないか、ということを体感した。
今回のデモは、10月のデモと比べてもさらに広く深く、参加者の多様性があった。赤ちゃんから老人まで、ヒッピーから帰還兵まで、共和党から民主党まで、ユダヤ人からパレスチナ人まで、様々な顔があり、そこはまさしく生きているコミュニティであった。そしてあらゆる違いを超えて、一つのメッセージのもとに集まり、つながっていた。20万人もの人が「イラク戦争を止めよう」というひとつのメッセージのもとにつながり合う体験、これは言葉ではとても言い尽くせない、デモに参加してはじめて実感する体験だと思う。
こんなことを言った友人もいた。
「デモに参加してもどっちにしろブッシュは戦争をするでしょうよ。それにベイエリアの人がブッシュに反対していることは、アメリカ中の人が知ってるんだから、どうせデモをするなら保守派の多い中西部なんかでやればいいのに。だいたい週末にメインの道路が通行止めになったりして、すごく迷惑だよ。」
うーん、デモに参加することが、本当にどれだけの効果をもたらすのか、私にも確答はできない。デモの数日前には、ある政府関係者が、「サンフランシスコで何人デモに参加しようと、アメリカの政策に影響はない」と公言していたのも確かだ。しかし、実際デモに参加して、20万人という人々との一体感を体験
すると、あれは確かな「力」として感じる。このメッセージは確かにどこかに届いているし、このエネルギーは確かに何かを動かしている、と感じぜずにはいられない。
 もと国防省の秘書を勤め、ベトナム戦争に関する国防省の秘密書類を公表して以来、アメリカ運動の指導者として活躍、最近自伝「秘密」を出版したダニエル・エルズバーグ氏が、壇上にのぼり、こう語っていた。
「サンフランシスコのデモに何十万という人が参加しても、という政府も、ヨーロッパや国際社会の声には注目せざるをえない。そして、世界が、サンフランシスコを含めて、全米の行動を見守っている。」

前回に比べて、眼に見える変化が確かにあった。前回は、デモをほとんど無視した、ニューヨーク・タイムズが、社説で、デモの大きさを無視できない、と述べたのを始め、ほとんどの新聞が、大きな紙面をさいて、デモを常道した。私たちの声は確実に届いているのだ。ひとりの揺さぶりが、大きなうねりとなり、イラク戦争が始まる前に、それを止めることができるかもしれないのだ。

2月15日には、世界中で「World Says NO to War」というデモが行われます。世界各地で1000万人の参加が予想されているそうです。あなたも是非!
 サンフランシスコでは、チャイナタウンの新年祭と重なるため、16日に行われます。

★ デモの中の子供たち/ 美佳

 ここベイエリアではいたる所で子供達のいる風景を見ることができる。それは戦争反対のためのデモでも同じこと。私たちは今回のデモでもたくさんの子供達に出会うことができた。下は生まれたてのような乳母車に乗った小さな赤ちゃんから、自分の意志でやってくる学生達まで。そして色々な国をバックグラウンドに持ち、ここアメリカに生きる子供達。

 私も去年、息子を連れて親子三人でデモに参加したことがある。息子は5歳だったが、親である私たちには、やはり息子にもデモに参加するということでなにかを感じてほしいという思いがあったと思う。しかし、小さな子供を何万人の中に連れ出すことには、現実的ないくつかの問題がつきものだ。たとえば、うちの子供は食べればすぐにトイレに行きたくなるうらやましい程の腸の持ち主である。普段はうらやましくても、この時ばかりは頭の痛い問題に変わるわけで、私たちは常に子供の様子を見ていなければいけないし、同時にトイレのありかも把握しておかなければならない。子供が「トイレ!」という時は、もうあまり時間がないことが多い。でも仮設トイレの前には長蛇の列で、子供だからといって割り込めるような雰囲気はないのだ。
 
 こんな単純だが、現実的な問題は、私に子供と一緒のデモをあともう少し子供が成長するまで待ってもいいかも、と思わせるに足りる理由になる。それが今回の20万人といわれるデモの中で、びっくりするほどの数の子供たちに出会い、他の親たちはデモに子供を連れてくるということをどうとらえているのか、聞いてみたいと思った。以下はデモで出会った親子たちの言葉である。

*ニック(8歳)とその両親
 8才の息子ニックを連れて来ていたお父さんのディーンは、前回のデモには1人で参加していた。「今度は、どうしてニックを連れてきたの?」と聞いたら、「この前は、僕にとって初めてのデモ参加で、どんな雰囲気なのかわからなかったから、まず自分一人で参加して、様子を見たかった。その時、みんなが
独創的に平和への希望を表現している、コミュニティ・イベントという感じが強くしたので、今回は小さなリズム楽器も持ってニックを連れて来たんだよ。」
ニックは「デモは音楽をしたり、踊ったり、すごく楽しかった。」とすっかり楽しんだ様子。お母さんが、「学校で先生が生徒達に「コミュニティや国や世界に対する3つの希望」というアンケートをとったら、8歳の子供が「世界の平和と新しい大統領。イラクを攻撃しない。徴兵制度をしない。」と答えて私はびっくりしました、と言っていた。   

*オマイマさん(パレスタイン人、ベイエリア在住)8歳の男の子、4歳の女の子
 「デモに参加したのは、子供たちに世の中とは自分一人で生きているものではなく、すべての人といろんなものを共有している事を学んで欲しいから。子供をデモの人込みに連れてくる事はたしかに気にかけなければいけない事が色々あるが、子供にはいつも世界中ではもっと大変な生活をしている子供たち、あなたの年で働かなければならないような子が沢山いるのだ、と教えている。」とオマイマさん。可愛い子供たちは無心にアイスクリームをほおばっていた。

*ドロシーさん(スーダンから移民)イルハム、シャデリン姉妹
 子供達は「今起こっている事はとってもいやだし、ブッシュ政権も好きではない。」と言っていた。その横でドロシーさんが「子供達が世界のことに無知になるのがイヤだから連れてきたのよ。」と言っていたのが印象的だった。

 ベイエリアに住むたくさんの子供達は大人たちから「知る」というチャンスを十分に与えられていると思う。大人たちは今世界で起こっていることを、普段の生活の中で、家族の話し合いの中で、自然に子供たちに伝えている。子供たちの未来のために今できることを一生懸命やり、そしてその姿を子供たちはしっかりと見て聞いて育っていくのだ。

 ラリーが行なわれていた会場の中にある遊び場では、たくさんの子供たちが楽しそうに遊んでいた。親たちは持参したプラカードを横においてベンチでやすみながら子供たちを見ている。柵の向こう側にはなん万人という人たちが芝生の上に座り、遠く舞台でのスピーチを思い思いの姿で聞いている。ここでは政治と子供たちの未来は一つになって、みなその行方と真剣に向き合っていた。

お知らせ

これまでもShake!の活動をサポートしてくださっているクレヨンハウス出版の月刊誌「ク−ヨン」に、4月号(3月発売)から、ベイエリアから「平和の風」を送るエッセイが掲載されることになりました。どうぞご愛読ください。

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