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島日記

1998年3月号

荒れ模様の季節

★この季節、八丈は荒れ模様の日が多い。台風シーズンほどではないにしろ、次々と本土南岸沿い=八丈近海を低気圧が通り過ぎると、そのたびに海は荒れて船が欠航する。季節風も強く、いつもならすきま風に寒い思いをする季節だが、今年は気温の高い日が多く、セーターを着ていると汗ばむこともある。

★そんな荒れ模様の季節にシンクロしているかのように、家づくりの話も難航している。去年の暮れに農振地(農業振興地域)除外申請を出したところ却下されてしまった。かつて前例のなかったことだそうだ。ほんとなら年が明けたら基礎工事をはじめようと考えていたのに、手がつけられないばかりか、この土地に家を建てられるのかどうか見通しが暗い状況となっている。そのため、町長や町議、友人・知人、法律相談、不動産屋などなどと会ったり電話で話したり、嘆願書や質問状を出したりと、超多忙な生活となってしまった。

★なぜそうなったかと書き出すと長くなるのでやめるが、この間感じたことは、島は狭い社会なので、ウワサがどんどん尾鰭をつけて広がっていくということ。あの人は東電の発電所に反対するためにそこに住もうとしているなどと言われたり、今住んでいるご近所で一時問題になっていた猫のウワサが広がっていたりと、吹き出していいのか怒っていいのか困ってしまうような事態になっているのだ。

★でも、誰がそんなウワサを広げたかというウワサがまたこちらの耳に届いたりもするので、けっこう楽しむこともできる。村八分が全然こわくない以上、逃げも隠れもしないばかりか、開き直って逆襲の機会を虎視眈々とねらっていたりしてね。一生住むつもりのこの島の暮らしがさらに楽しみになってきているのでした。                〈ア〉

 見晴らしのいい素敵な土地だと  思ったんだけどねー。

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