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島日記

1997年7月

CCZ計画が中止に

海の中の生態系は複雑だ。荒磯にある岩場の外海側は波がぶちあたるので流れが激しいが、そちら側にしか住まない種類の魚がおり、逆に岸側の比較的穏やかな側にしか住まない魚もいるという。

★さて、ずっと心配していたことが思わぬことに「解決」したので報告しよう。それはCCZといって、八丈小島がよく見えて景観のよい大潟浦海岸をリゾート開発しようという計画があったのだが、新町長が中止を決断し、決着が付いたのだ。

★CCZとはコースタル・コミュニティー・ゾーンの略で、建設省が提唱して全国何か所かで海岸線の開発を行う計画だったのだが、バブル崩壊もあり、結局は膨大なお金をつぎ込んで自然を破壊したものの、自治体に借金が残るだけの結果に終わっていることが多いようだ。

★大潟浦は自然の海岸線が残され、しかも道路から海岸に出やすいので島の中でも貴重な場所だ。海中トンネルがあるなどダイビングのポイントとしても有名だし、その上ここは「模式産地」といって世界で始めて新種の生物(数種類の貝)が発見された産地でもあるので、自然環境を特に守る必要のある場所だ。

★ところがCCZ計画では、大潟浦の沖合いに波を防ぐための離岸堤(堤防)を築き、それが海面上に顔を出すので擬岩パネルを貼ってごまかすことを計画していた。(むろん陸上にもいろんな施設を作るわけだが)

★これがもし作られたら景観だけでなく海中の環境が激変してしまい、生態系にも大きな影響が出るはずだ。何とか住民運動を起こせないものかと考えていたところ、新町長が財源難を理由に中止の決断を下し、あっさりとこの計画は消えてしまった。すでに進行中の事業は、町長が変わってもなかなか変更できないということが最近わかってきたところだったので、今回のこの決断には「さすが〜、選挙で必死に応援した人だけのことはあった!」と思ったものだ。                  〈ア〉

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