〜詩 篇〜  地 上(ここ)よ り 無 限 へ


 科学や医療は驚異的なスピードで進歩しているのに、なぜ病気はなくならないのだろう
 もう繰り返したくない悲惨な歴史を知っているのに、なぜ戦争はなくならないのだろう
 これまで多くの人々が手を差し延べているのに、なぜ貧困や飢餓はなくならないのだろう
 なぜ、こんな世界がいつまでも続いているのだろう

 現在の世界で、自分たちは安全性と安心が保証された大きな船に乗っていると自負している政治家、企業家、銀行家、有識者、メディア、多くの一般人は
 そこからあぶれた者、そこから逸脱して独自の小舟に乗る者たちを、○○よ、どこへ行く? などと、モノの分かったような顔で、大上段から批評、分析、嘲笑してみせるが、自分たちこそタイタニックに乗っていることに気づいていない

 インターネットが発達し、様々な未公開情報が暴露されてもなお人々は安心、安全を求めて、その船内の公共放送を聞くことで満足している
 その大きな船―「世の中」という限定された枠組みの合意事項から外れた主張―大麻の解放、宇宙人の存在、宇宙の大変化―アセンションを唱える者は、ヒッピー、陰謀論者、トンデモ等々とレッテル貼りされ、排斥される
 株式市場、不景気、戦争、原爆、原発、国連、グローバリズム、TPP、遺伝子組み替え作物、ワクチン、大麻の禁止、宇宙情報の隠蔽―これらは全て一本の糸でつながっているマネーの支配者が、この大きな船―現在の世界を作った

 しかし、ここでは何もかもが逆行している
 あらゆるものがひっくり返っている
法律家は正義を破り、企業家は嘘をつき、医者が健康を破壊し、政府が自由を打ち砕き、主流メディアは情報を崩壊させ、宗教は精神性を粉々にしている

 この船内では、「情報」は人々の関心を五感の内に留めておくために、広告やマスメディア、スマートフォン、映画、食べ物、飲み物、セックスなどを通じ、絶え間なく五感への強烈な刺激を与えている
 それは、五感を中毒状態にして、それが経験や知覚の唯一のレベルだと思い込ませている
 公式の科学は、現実とは、この五感で感じられる世界以外に存在するものは何もないと言い
 人は肉体の死によって、その存在が終わるとされる
 そこでは、肉体を持った意識が多次元の無限の自己と結びつかず五感の牢獄の中の孤立した一滴になるように仕向けられている

 そうした「情報」は、教育システムや政治、マスメディアを通じて、五感を休む間もなく攻めたてる
 それは私たちの真の姿や、高度な感覚でしか捉えられない無限についての知識を破壊し、抑圧し、嘲笑し、それを幻覚とか間違っていると言う
 こうした別の意識レベルと結びついている霊能者を狂人と呼び騙されているのだと言い、「悪魔」の仲間と見なす
 五感の現実感覚の言語では説明できない体験をした人々は、ここでは誰からも相手にされない

 しかしながら、私はあえて言おう
 物質とは、エネルギーがゆっくりとした振動に凝縮されたものに過ぎない 人類は「冷凍の振動」に捕獲されており、この低い振動による「凝固」が、エネルギーの変容によって打ち破られる過程にある
 古代からの伝承の多くには、この「物質世界」はかつてはずっと「液体」的であり、低密度であったことが伝えられている
 オーストラリアの原住民アボリジニは、地球はこの高い振動の状態(彼らは夢の時代と呼ぶ)へと、回帰する運命にあると言っている

 私たちはみな、自身を主観的に経験する一つの意識だ
 死というものはなく、生もまた夢に過ぎない
 そして、私たち自身も自分の想像の産物でしかないのだ
 現在、そして過去においても、この地球という惑星の人間の大半は、大海から分離した水滴と同じなのだ
 人々は互いにつながらず、バラバラで、海というものがあることさえ知らず、自分たちが海そのものであることさえ、思いもよらない
 手のひらを傾けて滴を海に落とせば、それ自身が海だ
これが私たちの本来の状態だ 私たちは無限の海なのだ
 今までに存在し、これまでも存在し、これからも存在するものその全てが私たちなのである

 自由とは何だろう 隷従とは何か 人々は、この船内で、まさに奴隷というべき存在になってしまった
 隷従とは、この船内で労働することだ マネーの支配者を支える監獄の中にいて、その日の生命を維持するだけの賃金を得ることだ
 隷従とは、昔の暴君が労働から搾取していたより、何千倍も多くを金の亡者に奪い取らせることだ
 人々は、彼らの繊機にされ、鋤にされ、鍬にされ、自らの意思を曲げられ、あるいは自ら望んで彼らを守り、養分となる
 紙のコイン、捏造された権利証書を、人々は大地から継承した価値あるもののようにしがみついている

 隷従とは、魂が奴隷になることだ 自らの意思を自ら決めることなく、他人が全てを決めてしまう
 そして、くどくどと不満を言う 弱々しく虚しい言葉をケータイやスマホでネットにアップする
 これが隷従だ 嵐の中にいる野性の未開人、小舟で航海する者たちは、大きな船の乗員のように耐え忍ぶことはないそんな隷従と苦難を知ることもない
 人々はいつ終わるとも知れぬ隷従と五感の奴隷に置かれたままでいるのか それとも、感じ、見るのか

 恐怖を知らぬ自由な者たちよ、大集結するのだ何度も何度も、まどろみから醒めた獅子のごとく立ち上がれ
 制圧不可能な人数となって、眠っている間に繋がれた鎖を断ち切り、露のように大地に振り落とせ
 そして、きっちりとした言葉で宣言するのだ 私たちは自由であると
 そして、その言葉が、隷従と抑圧の終焉を告げる雷鳴となって一人一人の胸に、全身に鳴り響いていく
 その時、頭上に広がる青い空 踏みしめる緑の大地
 全てが自由の荘厳の証となる



 

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