予言された星・暗黒天体「ラジャ・サン」の出現


  先の『宇宙NEWS LETTER』で、昨年2012年3月を初発として、太陽近傍に度々出現した暗黒天体の動向を報告したが、最近、超常現象研究家の飛鳥昭雄氏が独自のルートにより得た、この天体に関する新たな情報が入った。
 そこで、この情報を私なりに咀嚼した上で、飛鳥氏独自の解釈や説は措いて、納得できるデータや事実を基に、あらためてこの天体の正体と動向を探ってみたいと思う―。

東日本大震災から1年後、太陽近傍に現れた暗黒球体

 2012年3月11日。東日本大震災からちょうど1年が経ったこの日、数日前から連続して発生していたXクラスの太陽フレアが収まったのも束の間、太陽近傍に突如、巨大な謎の「暗黒球体」が出現した。NASAの太陽観測衛星SDOが、その様子を克明に捉えていた。
 激しく活動する太陽表面に黒っぽい竜巻が発生したかと思うと、同じく黒い色をした球体が出現。まるで竜巻によってエネルギーを吸収、もしくは放出したような動きを見せ、そのまま太陽を離れていった。おそらく、それが原因なのか、翌日、巨大な「コロナホール」が出現した。コロナホールとは太陽の深部に起因し、灼熱のコロナがほとんどない部分ができる現象だが、この時は異常だった。一辺が太陽の半径を超える、巨大な二等辺三角形を描いていたのだ。

 NASAはそれを、「コロナ質量放射:CME」の一種だと説明している。コロナ質量放射とは、太陽の物質が太陽から放たれる現象で、しばしば風船のような形を見せる。
 今回は、最初に磁力線に沿ってプラズマ・フィラメントがしめ縄のように絡み合いながら形成され、あたかも竜巻のように灼熱のプラズマが上空へと巻き上げられた。太陽は上空へ行くほど温度が高くなり、表面が6000度なのに対し、コロナ領域では100万度にもなる。ここで一気に過熱されたプラズマは体積が急激に膨張し、球体となった。
 ただし、温度はコロナよりも相対的に低いので、観測カメラには暗い領域として写った。極めて珍しい現象ではあるが、これが暗黒球体の正体であるというのである。
 だが、はたして本当にそうなのだろうか。

 実は、この暗黒球体が出現したのは、この時だけではない。太陽近傍に出現した暗黒球体は、分かっているだけでも2010年10月26日、2012年4月21日、同年5月25日、6月17日と、数度に渡って観測されている。特に5月25日に出現した時は、竜巻のようなフィラメントは伴っていなかった。それどころか、CMEによるプラズマ流を受け止め、「ブロック」しているのだ。おかげで、それまで見えなかった暗黒のボディが浮き彫りになっている。これを見ると、暗黒球体がCMEとは独立した物体であることは、明らかなようだ。そもそも3月11日に出現した時の映像をよく見ると、太陽が自転しているのに対し、暗黒球体は位置を変えていないのだ。このことをとっても、これが太陽本体とは別個の存在、言うなれば「暗黒天体」であることは明らかだ。
 さらに言えば、竜巻のようなプラズマ・フィラメントは、太陽から放出されたというより、むしろ暗黒天体が発する強力な磁力線に太陽の磁場が反応して形成された可能性がある。

1991年に起きたハレー彗星の異変

 数ある彗星の中でも、76年という比較的短い周期で地球に接近、毎度のごとく夜空に光り輝く「ハレー彗星」。この彗星は、最近では1986年、地球へ最接近した。
 その姿はNASAをはじめ世界中の天文台によって撮影され、全世界へと配信された。
 近日点を通過したハレー彗星は太陽から遠ざかり、1991年、たまたま軌道上を通過した木星へと接近した。するとこの時、ハレー彗星に異変が起こった。突如として通常では考えられないほど輝きを増したのだ。
 3年後、計算上の軌道にハレー彗星が確認されたものの、何が起こったのかは今もって分かっていない。太陽風や内部的要因による自己崩壊が指摘されたものの、地球から遠く離れた小さな天体に起こった事象である。ついに分からずじまいのままで、現在に至っても原因不明なのだ。

 事件が報じられた時、真っ先に指摘されたのは他の天体との衝突だった。ハレー彗星の核が、何か巨大な質量を持った物体に衝突したがゆえに、かような発光現象が起こったというのが多くの天文学者の意見だったからだ。ならば、その天体とは何なのか。
 残念ながら現在の天文学では、木星の近傍で彗星に影響をもたらす天体の存在は確認されていない。しかし、実はNASAはそれを完全に把握しているという。そこには未知の天体が存在したらしいのだ。

予言された星「ラジャ・サン」

 太陽系における木星は最大の惑星であるのみならず、その近傍でしばしば奇怪な現象が起こることで知られている。中でも天文学者を悩ませてきたのが、強烈な電波だ。地球から木星を観測すると強烈な電波が観測されるのだが、その発生源やメカニズムが全く不明なのだ。NASAが原因を知ったのは、2000年12月30日のことだったという。
 土星探査機カッシーニが木星に最接近して、重力を利用した加速、スイングバイを行った日、驚くべきデータが地球へ送られてきた。なんと地球から見て木星の裏側に、未知の巨大な天体が存在したのだ。エウロパやガニメデといったような衛星ではない。木星とほぼ同じ大きさの天体がそこにあったのである!
 その姿は全くもって異様なものだった。一切の光を発しないばかりか、ほとんど太陽光を吸収している。天文学の常識からはありえない、文字通りの暗黒天体だったのだ。

 NASAはこの暗黒天体の存在をトップシークレットに位置づけると、早速最新のプラズマ理論による分析を開始した。鍵となったのは、まさに暗黒だった。天体が身にまとっている分厚い大気は、プラズマだったのである。ただし、太陽のような光を放射するプラズマではない。逆に光を吸収するプラズマ、ブラック・プラズマだったのだ。
 あまり知られていないが、ブラック・プラズマは地球上でも時折発生している。雷雨の時に発生する火の玉「球電」の中には真っ黒なものもあり、それが家屋に侵入したという記録もある。
 さらにプラズマの持つ特殊な性質によって、本来の重力よりも小さくなっている。木星とほぼ同じ大きさなのに、見かけ上ははるかに小さな重力なので、これまで発見されなかったらしい。ハレー彗星を破壊したのはこの暗黒天体だった。おそらく超接近したために、潮汐作用によって核が破壊されたらしい。また、木星の近傍から強い電波が発生するのも、この天体が原因であるとNASAは推定した。

 NASAは、この未知の暗黒天体をコードネーム「ティシュヤ」と名付けたという。
 ティシュヤとはヒンドゥー教の経典『ヴィシュヌ・プラーナ』に登場する謎の星で、人類の終末を予告するものだ。別名を「大王の星:ラジャ・サン」という。

 神智学におけるマハトマ・モリヤ、すなわちモリヤ大師は、こう述べている。
「木星のすぐ後ろに、ラジャ・サン(大王の星)があります。それはまだ誰も見たことがない星です。(中略)しかし、この天体の本来の大きさは木星の何千倍もあるのです。(中略)この天体は今はきわめて微小ですが、その主要構成物質である金属は、膨張しながら次第に気体に変わりつつあるのです」 (『シャンバラ』アンドルー・トーマス著)

 一般の天文学からすれば、全くナンセンスな表現に聞こえるが、最新のプラズマ宇宙論からすれば、この言葉も十分理解できる。ただし、注意すべきは、これは予言であるということだ。それゆえ言葉は象徴をもって語られ、複数の意味や事象が込められている。
 まず、ラジャ・サンは木星のすぐ後ろに隠れている。しかも、見かけよりも大きい。「大きさ」とあるが、これは質量のことのようだ。モリヤ大師は、こうも述べている。
「木星の大気の激しい動き、そしてまたその赤い斑点は、ひとつにはその移動によってお起こったものてすが、またひとつにはあのラジャ・サンの影響によって起こったものなのです」
 木星の赤い斑点とは、言うまでもなく大赤斑のこと。大赤斑の活動を活発化させているのはラジャ・サンだというのだ。

 2012年3月11日、太陽近傍に現れた暗黒天体の正体は、このラジャ・サンだったようだ。ラジャ・サンはここ数年、何度か太陽に接近しては、プラズマ・フィラメントを伸ばし、太陽にエネルギーを注入、あるいは吸収しているらしい。
 そして今、ラジャ・サンは眠りから覚め、一見、信じがたいことだが、まるで自我―意思があるように、太陽系を自由に、そして活発に動き回っているらしい。ラジャ・サンは、通常の天体ではない。太陽系内の天文学者が言うところの磁気ハイウェイ―プラズマ・フィラメントの流れに沿って、とてつもない速度で太陽系内はもちろん、時には太陽系外にまで移動しているらしいのだ。
 また、太陽系内を移動するとはいっても、ラジャ・サンの定位置は基本的に木星の背後らしい。太陽に接近した後も、再び木星の近傍に戻っているようだ。当然、その影響は木星にも現れる。大赤斑がおかしいのだ。20世紀末には急激に色が濃くなったかと思うと、最近は逆に小さくなったりを繰り返している。

 チベット密教の予言によれば、ラジャ・サン=ティシュヤは、カーリ・ユガ、すなわち終末の世の幕開けを告げる星であるという。近い将来、ラジャ・サンはどういう動きを見せるのか、地球にとって何らかの災厄をもたらすことがあるのか、今後もその動向は予断を許さない―。



 

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