2013 光 の 蛇 が や っ て く る (その1)

 

宇宙(そら)を見よ

 2013年が明ける今、2012年12月21〜23日になっても、さんざん騒がれた地球滅亡も人類のアセンションとやらも起きなかったというわけだが、当然だろうというのが世の認識だろうか。マヤ暦は、一つの暦、周期が、この時期あたりに終わるというだけで、それが地球滅亡だとか、人類の終末を意味するものだとは、マヤの人たちは誰も言っていない。そういう解釈は、文明国の詐話師が作り上げているだけの話だ。
 2012年末にマヤ暦が終わろうと終わるまいと、宇宙で起きている数々の異常な現象は、人間が作った地上のカレンダーとは別に、絶え間なく進行している。予言の日時や、作り話に惑わされてはならない。

 宇宙で起きている現象と連動しているのか、巳年の2013年―平成25年は、神道の「伊勢神宮予言」なるものによると、この年、日本は〈米の倉〉という未曾有の国難時代に突入するという。また伊勢神宮では、20年ぶりの「式年遷宮」が行われる。しかも、出雲大社もこの年、遷宮を行う。同時遷宮は、史上初のことであるという。
 これは、日本にとってどういう意味を持っているのだろう。
 政治一つとっても、今や末期症状の混沌状態。終わりの始まりと言うのがふさわしい。
 未曾有の国難は、既に始まっているのかもしれない。

 地球世界と同様に、太陽に異変が続き、銀河中心から太陽のそれの400万倍のスーパーフレアが放出されたことが確認された。
 太陽系の外縁部には、プラズマの衝撃波による異常な高エネルギーが観測されている。
 アカデミズムの科学者からも、太陽に起きる通常の千倍に相当するスーパーフレア、プラズマ爆発の可能性を指摘する声が出ている。その現象は、過去の恐竜などの種の絶滅にも関わっているともいうのだ。
 銀河中心から太陽系の縁へ、そしてその衝撃波が太陽へと到達するのも、そろそろかもしれない。方々、覚悟と用意はできているだろうか。
 年の初めに緒を締めて、いざ、未知なる旅出へ――。

 

天の川銀河の中心にあるブラックホールから
巨大フレアがやってくる

 2012年11月初め、研究者たちは、NASAのX線宇宙望遠鏡「チャンドラ」によって、これまで最も明るいフレアが(爆発的な光が)、私たちの銀河系の中心近くに位置しているブラックホールで観測されたと発表した。それは、ざっと太陽のエネルギーの400万倍だ。

 先の「宇宙NEWS LETTER」でも、NASAの探査衛星によって銀河の中心から上下の垂直方向に、ガンマ線のバブルが放出されている事実が確認されたことを紹介したが、また、そこは周期的に大爆発を起こし、宇宙塵と共に莫大な荷電粒子の束を銀河の渦巻きを介して放出していることを、地球の過去の氷層中の物質や遺跡に残る痕跡から指摘する研究者―アメリカのポール・ラヴィオレッテ博士の説も紹介した。
 ラヴィオレッテ博士は、1万数千年前頃、氷河期が突然、終わったのは、その時に起こった銀河中心の大爆発による宇宙線―スーパーウェーブの束が太陽系と地球に押し寄せ、それが地上にも降り注いで激変をもたらしたと言う。

 銀河中心からのガンマ線バブルが発見された際、博士は米国のテレビのニュース番組でインタビューを受け、「二つのバブルはガンマ線が放射する形です。それらは宇宙線の非常に強力なエネルギーから形成されています。この波は銀河の隅々まで届くでしょう」と答えている。また、「この銀河のスーパーウェーブが、どのように私たちの太陽系に影響するのですか」というレポーターの質問に、こう答えた。
「これまで何度も繰り返されてきた現象です。前回、そのような波が銀河の中心部を離れてここまで到達したのは、最後の氷河期でした。しかし、その波の影響をまともに受けたのは、地球よりもむしろ太陽の方でした」
 また、「もうすぐ近い未来に、今オンになっている銀河の中心から大きな波が到達する時期でしょう」と、付け加えて説明した。

 今回、銀河の中心で、これまでで最も明るい「爆発的な光」が観測されたことは、ラヴィオレッテ博士の予測を裏付ける重要なファクターではないだろうか。それが銀河の隅々まで届くとすれば、直撃は免れても何事もなしでは済まないだろう。最初に最も速い光が観測された。それに続いて高エネルギーの荷電粒子―プラズマの束が波状的に到達することが予測される。それが太陽系ー太陽―地球にまで到達するのは、もしかしてもうすぐか、あるいは数カ月先か。いずれにしろ、それは何年も先のことではないだろう。
「太陽の400万倍のエネルギー」と言われても、予測も想像もつかないが、当然それは太陽系に届くまでに減衰するとはいえ、実際にどうなるかは油断も楽観もできない。
 今後の観測結果を注視していきたいところだ。

 

星間境界観測機「IBEX」が、とてつもなく
 大きなエネルギーを感知した

 2012年初め、NASAが打ち上げた星間境界観測衛星「IBEX」が、太陽圏の一番外縁の部分に、とてつもない規模のエネルギーが流入しているのを感知した。
 2008年10月19日に打ち上げられた同観測衛星は、地球周回軌道上から、太陽系外縁部で起きている太陽圏と星間物質によるダイナミックな相互作用を観測するためのもの。
 そのデータに科学者は皆、驚いているという。星間物質も含め、あるはずのないとても強いエネルギーが我々の太陽系の先端にあるということだ。

 これは2009年にNASAの客員研究員であるジョージ・メイソン大学のメラフ・オファー博士の研究チームが、イギリスの科学雑誌『ネイチャー』に発表した論文で、「ボイジャーの観測で、星間雲が存在し得ることが明らかになった」という内容を、あらためて裏付ける観測結果である。
 現在、太陽系が突入しつつある星間雲とは、天文学では「局所恒星雲」、通称Local Fluffと呼ぶものである。その幅は30光年、六千度の水素、およびヘリウムの混合体でできているという。オファー博士によると、星間雲の磁場は4から5マイクロガウスであり、この磁場のため、星間雲が存在するだけの内部の強度が確保されている。
 すなわちこれは、巨大なプラズマ・ベルトというべきものだ。
 その星間雲に今、我々の太陽系が突入しようとしている。こうしたことは、「数十万年に一度」の割合で起きる現象だという。太陽系が星間雲を抜けて、次の星間雲に到達するには、このくらいの時間がかかるとされるのだ。

 以前の「宇宙NEWS LETTER」でも、この星間雲の存在と太陽系への影響を指摘する、ロシア科学アカデミーのアレクセイ・ドミトリーエフ博士の研究を紹介した。
 ここでは詳述しないが、太陽圏が星間雲に入ると、相互のプラズマの衝突、干渉により、強大な衝撃波が発生し、それが太陽系内の空間に侵入してくる。それは既に外惑星の温暖化や磁場の増大をもたらし、太陽系全体を活性化させている。そして、それが太陽に重大な影響を与えているというのが、ドミトリーエフ博士の考えだ。

「太陽活動が盛んになっているのは、星間のエネルギー雲の中へ移動するにつれて、我々が経験している物質、エネルギー、情報の流れが増加しており、それが直に反映された結果なのだ。太陽には新たな要求が課せられており、我々はこうした要求が地球に及ぼす影響を経験しているのだ」と、ドミトリーエフは付け加える。

 観測衛星「IBEX」が、太陽系の外縁部に感知した、星間雲からのとてつもなく大きなエネルギー。そこへ今回観測された、銀河中心からのスーパーウェーブ、プラズマ流の衝撃が加わり、太陽系内空間への衝撃波が加速度的に増大する、という事態も、近々起こり得るのではないか。
 その場合、最も影響を受け、鍵を握るのは、この太陽系の中心である太陽だ。

「狂った太陽」―かつて見たことのない
  巨大な太陽面の爆発が発生

 本当に全く巨大な爆発が太陽で発生した。2012年11月16日、太陽の南半球の向こう側にある曲がりくねっている磁場から、爆発が起きたのだ。その爆発の噴出の規模があまりに巨大で、太陽観測衛星SDOも、その爆発の全景を捉えることはできなかった。
 この爆発(コロナ質量放射:CME)によって噴出したコロナの長さは、70万キロ以上の範囲に広がったと思われる。
 NASAは、この爆発を“ダブルトラブル”と呼んでいる。というのは、無関係と思われる場所で、ほぼ連続して次の大爆発が起きているからだ。つまり、太陽の表面がどうもおかしい。現在は「サイクル24」の太陽活動の極大期に当たり、2013年の春頃にそのピークを迎えると予測されているが、依然、黒点の発生数は少なく、フレアの規模や発生も低調のままで、一部の研究者は、太陽活動はこのまま極大期のピークを迎えることなく、黒点活動が低調な極小期に移行し、地球の寒冷化をもたらすのではないと指摘している

 しかし、黒点やフレアの活動が低調なままでも、今回のような巨大な爆発―コロナ質量放射が起きている。NASAも認めているように、太陽の表面がどうもおかしい。なぜ、このような巨大な爆発が連続して起きているのか。
 2012年4月には太陽にポール・シフト―磁極移動が起き、北極・南極がN極、赤道にS極と、4極磁場化している。
 その原因やメカニズムは、依然として不明である。太陽の4極磁場化も、今回のような巨大な爆発も、太陽のプラズマ領域を含めて、外部から流入するエネルギーによって引き起こされているのではないか。すなわち、銀河中心からの衝撃―スーパーウェーブと星間雲からの衝撃波の影響である。これ自体は現在のところ、明確に観測も証明もできない。

アカデミズムが指摘する太陽の超巨大爆発(スーパーフレア)

 太陽の表面で起きる爆発現象で、時に磁気嵐や停電を引き起こす太陽フレア。これまで知られる最大規模のものの100〜千倍の超巨大フレア(スーパーフレア)が発生する可能性があると、柴田一成京都大学大学院理学研究科付属天文台教授らが、昨年、イギリスの科学誌『ネイチャー』に発表した。もし起きれば、現代社会に与える影響は計り知れないという。
 柴田教授らの研究によると、太陽型の恒星では、最大級の太陽フレアの千倍のフレアが5000年に1回、100倍のスーパーフレアでは800年に1回起きるという結論が出たという。近々スーパーフレアが起きる可能性については、はっきりとは分からないとしながらも、黒点活動が低調な時期こそ逆に大きな黒点が発生しやすく、黒点が極端に少なく、気温も低かったマウンダー極小期(1645〜1715年頃)にも、大きなフレアが発生していたことを指摘している。また、もっと長い期間で見ると、太古に何度か起きた種の絶滅にスーパーフレアが関わっているのではないかと考えているという。

 現在、太陽で黒点活動が低調でも、度々巨大な爆発が起きているのは、近い将来、太陽が結果的に途方もなく巨大な爆発を引き起こすことになる大きな変化の時期にさしかかっている、という強い兆しではないのか。すでに1962年の時点で、オーストリア出身の米物理学者トーマス・ゴールドは、こう指摘していた。
「超特大の太陽プラズマ事象は、1万年周期で起こるのではないか」
 それが地球の氷河期を終わらせたのだとすれば、もう期限はとうに過ぎている。
 元米海軍省の政府物理学者ジェームズ・A・マルセックは、2012年前半、次のように警告を発した。「太陽は今、物理状態の変化期にさしかかっている。元々不安定な太陽が、地質年代を通して周期的にやってきたように、再調整を行い、再平衡状態をとろうとしている。ひょっとしたら直近の未来に迫る大変事の前兆は、もう起きているのかもしれない」
 権威ある科学専門誌『宇宙気象』2012年2月23日号で、長老天文学者ピート・ライリーは、次のように結論した。
「向こう10年以内に超特大の太陽プラズマ事象が起きる確率はほぼ8分の1―12%だ。これは大方の科学者が予想していたより、はるかに高い確率である」

 磁気嵐や停電を引き起こすどころではない、通常の最大級の千倍にも相当するスーパーフレア、プラスマ爆発が地球を直撃したら、いったいどういうことが起こるだろう。
 前回のそれが、最後の氷河期を終わらせた原因になったのだとたら、どのような災厄が起こったのか―高エネルギーの放射線と超高熱のプラズマが地上に降り注ぎ、氷床を溶かし、大地を焼き尽くしたのだ。これに続いて蒸発した大量の水による豪雨が起き、これが“ノアの大洪水”に代表される世界中の洪水伝説の起源になった。
 この世にも恐ろしい有史前の“天来の大災厄”の体験は、人類のトラウマ的集合記憶となった―。
 同時にその時期―1万2千年前頃には、彗星か小惑星の接近、衝突によると思われる遺物や痕跡も、地層の中から発見されている。両方の可能性を含め、その時期に地球規模の大災厄が起きたらしいことは、ほぼ間違いないことが分かってきている。

 先述したポール・ラヴィオレッテ博士は、銀河の中心は1万数千年の周期で大爆発を起こしていると主張しているが、先頃、観測された「爆発的な光」は、まさにそれで、前回が氷河期を終わらせたものだったとすれば、太陽のそれとも連動しているということで、太陽自体の超特大のプラズマ爆発も、近々あり得ると見ていてもおかしくはないだろう。
 その時、宇宙生命体である惑星地球は、どうなるだろう。弱った地磁気のまま、丸裸で太陽からのプラズマ流に呑み込まれるのか。あるいは自ずからプラズマをまとい、丸ごと新たな次元に移行するのか。その時、我々人類は、一緒に焼かれるのか、突破して隣の宇宙へ行くのか、一人一人が選択することになる―。

   ※図版などは『電気的宇宙論』(徳間書店)、『ムー』(2012年10月号)より転載


 

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