太陽UFOと「スターゲイト」の謎(その1)

 

 近年、太陽観測衛星が捉えた画像の数々の解析から、太陽の近傍空間に桁外れの超巨大UFOが相次いで出現していることが分かった。『宇宙NEWS LETTER』でも以前、太陽近傍に出没するそれを“ソーラー・クルーザー”という名称で紹介したことがある。昨年末から今年初めにかけて、この太陽UFOウェーブは一段と活発化し、超巨大な球形UFOが度々現れ続けている。それらの超巨大UFOは、文字通り太陽の内部からやって来ているらしいのだ。太陽の表面にそれらが出現する“トンネル”が発見され、さらにその内部にある一種のブラックホール―スターゲイトを通って、別宇宙から到来している可能性も浮上している―。

地球周辺に激増するUFO

 このところ世界各地に、地球の近傍空間に、UFOの出現が激増している。この数カ月に限っても、ニューヨーク、ロンドン、モスクワなどの大都会、カナダのブリティッシュコロンビア州サリー、アメリカのフロリダ州クリアウォーター、そしてハワイの軍事基地や、大震災に襲われ、さらに原発事故に見舞われた東日本各地の空にまで現れて、住民を驚かせ、あるいは不思議がらせた。撮影者たちの報告によれば、UFOはたいてい複数で出現して、時には空中で静止したり、急降下したり、飛び去ったりした。まれには母船を思わせる巨大なUFOの単独飛行が目撃されたこともある。
 中でもハワイの米軍基地上空のUFO集団の動画映像は、震災時の東日本で撮影されたUFO群と行動パターンがどこか共通していた。だが、ハワイの動画映像に関しては、よくあることだが間もなくYouTubeから削除されて見られなくなり、“CG偽造”まで取り沙汰されている。

 確かに映像のCG加工も容易にできる時代ではある。だが、NASAのような公的機関がサイトで逐次公表している映像は、そう簡単には片づけられない。建前とはいえ情報公開の原則上、外部の誰でも一応は自由にアクセスできるので、映像に手を加えて偽造を図っても、すぐにネタバレしてしまうからだ。中でもスペースシャトルやISS(国際宇宙ステーション)の活動映像は、原則的にリアルタイムで地上の飛行管制センター(主にテキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センター)に送られてくる。個人でも民間の機関でも、適切な場所に必要な受信機器があれば、同じ映像を傍受できるのだ。
 この5月16日、スペースシャトル最終フライト直前、134番目の飛行となったエンデバーは、ISSにドッキング直前、前方のモニター画面に3機のUFOが次々によぎっていくのを捉えた。
 ところが、エンデバーからのドッキング映像を受信していたMCCの女性管制官が、急に慌てたように「映像再生を中止せよ!」と指示を出し、送信映像が打ち切られた。明らかにNASA当局はUFOの映像が民間に傍受されるのを嫌ったのだ。
 スペースシャトルやISSの周辺空間では、これまでもこれと同じような出没パターンを見せるUFOがしょっちゅう目撃され、NASAも単純な着氷剥離説や残骸物説では説明しきれずに苦労している。それに加えてここ数年、とりわけ太陽の近傍空間にとてつもなく巨大なUFO群が出没しているという衝撃的事実が、太陽観測衛星の映像データの分析から浮かび上がり、世界中のUFO研究家はもちろん、在野の先進的な天文学者たちの関心を大いにかき立てている。

彗星衝突によるコロナ質量放出?

「本日未明、彗星が太陽に突入して分解・蒸発し、その直後、太陽の表面に超巨大なコロナ質量放出が観測された」
 今年の5月11日、NASAはSOHO、STEREO、SDOなど、太陽観測を専門とする観測衛星が撮影した生々しい天体ショーの動画映像を添えて大々的に発表し、世界の天文ファンを大いに喜ばせた。NASAの説明では、彗星の中でも特に近日点が近いために“サングレーザー(太陽を掠める者)”と分類される一群の小彗星が太陽の重力に引き寄せられ、高熱を浴びて分解・蒸発したのだという。ほとんど同時に、おそらくその影響で、太陽の表面から高温のプラズマの集合体が突発的に噴き上がるいわゆる“コロナ質量放出”が引き起こされたとされている。
 だが、こうしたNASAの彗星太陽突入説に、真っ向から反論する人々がいる。台湾在住のSF作家・UFO研究家で“太陽UFOウォッチャー”を自認するスコット・C・ウェアリングもその一人。
「NASAは政府のUFO隠蔽政策に従って真相を隠し続けている。彼らの言う“彗星”は、太陽と比較するとあまりに巨大過ぎる。これらの物体は彗星ではなく、おそらく超巨大なUFO母船が太陽を出入りしているのだ」

 ウェアリングは本年5月11日の動画映像の他に、自らNASAのデータベースから捜し出した5月31日付のSTEREO画像をサンプルとして、自説の“UFO母船”のサイズを割り出してみせた。
「太陽の直径沿いに地球を並べると、109個ほど並ぶ。同様に“UFO母船”を揃えて並べると、約30隻並ぶから、109÷30=3.633…つまり、地球のざっと3.6倍の大きさという計算になる」
 とてつもない超巨大サイズの“UFO母船”だが、ウェアリングに言わせれば、太陽をいわばポータル(出入り口)代わりに利用するような超高度レベルに達した地球外文明の超絶的なメガサイエンス/メガテクノロジーなら、地球の3.6倍のメガスペースシップを宇宙に航行させていても不思議でも何でもないという。 いずれにしろ、常識的には到底信じがたい仮説だが、一つだけ確かなことがある。
 NASAが発表したサングレーザー彗星の映像は白く輝いているので、実際の大きさは見かけよりずっと小さいのだろうが、ウェアリングがデータベースから捜し出した“UFO母船”の方は、形状もサイズも彗星では絶対ありえない。天文学上、彗星は“太陽系小天体”に分類され、サイズは最大でも直径でせいぜい100キロ以内のものを意味するのだ。事実、ウェアリングが自説をアップロードしたウェブサイトは、なぜか発表後一ヵ月と経たぬうちに同説だけ引っ込められてしまい、ウェアリング説にアクセスするには、早い段階でコピー転送された他のサイトを捜すしかなくなっている。

 サングレーザー彗星の太陽突入と、直後のコロナ質量放出を結びつけたNASAの発表には、身内の天文学者たちも批判的なようで、たかが1彗星のエネルギーが10億トン級のプラズマを秒速420kmで吹き飛ばせるはずがないと否定し、「続けて起きたのは偶然に過ぎない」とした。しかも、SOHO、STEREOの映像とは逆にSDOが撮影したコロナ質量放出の影像には、サングレーザー彗星の衝突などどこにも写っていなかった時事も明らかになった。

「太陽UFO」は地球外文明の宇宙船なのか

 太陽専門の観測衛星が太陽の周辺空間に出没するUFOらしき物体を撮影したのは、もちろんこれが初めてではない。そうした“太陽UFO”が最初に話題になり始めたのは、太陽観測衛星の一番手であるSOHOが、地球から150万kmほど離れたラグランジュ点に静止して太陽を撮影した無数の映像データの中に、いかにも知的制御を受けているように動く明るい“円盤型物体”が見つかるようになった2000年前後のことである。
 中にはレーザービームを思わせる直線状の光線を、太陽に向けたり反対方向に投射しているUFOもあった。太陽と比較して、そのサイズはいずれも地球大かそれ以上あるように見えた。
 この奇現象にいち早く注目したのは、イギリス・レスター市のUFO研究組織ユーロSETIを主宰するマイク・マレーである。自宅に備えた巨大な衛星アンテナでSOHOの送信を傍受するのが趣味というスペイン・バルセロナ市在住の友人の助けを借り、2001年以来2年間で“太陽UFO”写真を700枚も収集した。
 マレーらは初めのうち何度もNASAに通報したが、応対に出た職員は、「カメラの撮影エラー」、「小惑星か彗星」とにべもなく否定し、しまいには回答さえ拒むようになった。
「でも、太陽UFOはユニークな形状ばかりか、動き方も速度も輝き方もそれぞれ独立的だし、サイズから見ても到底自然の小天体とは思えなかった」
 マレーはそう確信し、2001年にレスター市内にオープンした宇宙と天文学専門の国立宇宙センターで、“太陽UFO”コレクションの映像公開にまでこぎ着けた。BBCなど内外の大手メディアにも取材され、“太陽UFO”の話題は世界的に知られるようになったのだ。

 また2006年2月には、アメリカの気象学者で有名な気象予報士でもあるスコット・スティーヴンズが、SOHOアーカイブの全写真をしらみつぶしに調査した結果、何年も隔てて撮影された映像の中に、寸分違わぬ同じ形状の物体をいくつか発見した。
 スティーヴンズは当然の論理の帰結として、もしUFOの正体が星間物質とか太陽プラズマとか自然の小天体であれば、大きさや形に必ず不規則性を伴うから、これらの完全に同形の物体は本物のUFO、すなわち「地球外文明起源の宇宙船」と見なせると主張した。
「私は我々の恒星の周辺をUFOの集団が飛んでいると確信する。太陽の近辺でUFO艦隊が活動しているという意味だ。私の信じるところでは、超高温も超高圧も意に介さない宇宙船を所有するスーパー宇宙文明の存在を、NASAもアメリカ政府も知っている。
 権力支配層はその事実を認めるのを恐れているだけで、どのような作戦行動に出ればよいか決断しかねているのだ」
 スティーヴンズはさらに、SOHOがUFOを撮影する時は、たいてい直後に大きな太陽フレアやコロナ質量放出が起きるが、これはUFOの搭乗者たちが何らかの実験を行っているためだとも指摘している。

 この大胆なスティーヴンズ説に対して強く反応したのは、意外なことにNASAではなく、ロシア科学アカデミーの太陽・地球物理学研究所の主任研究員セルゲイ・ヤーゼフだった。
「UFOが太陽フレアを発生させる原因だという主張は全く根拠がない。我々の仮説では、フレアの直前に高エネルギー粒子の流束量が増大して、画像上にいかにもUFOを思わせる一種の干渉縞が発生されるのだろう。SOHOのカメラ設備の設計上の特徴が原因で、望遠鏡が彗星とか惑星といった輝点を含んだ画面を特定すると、“翼を広げた”ような形の光の幻像を創りだしてしまう。どのUFOも“広げた翼”がきまって水平なのがその証拠で、もし本物の宇宙船であれば、“広げた翼”の角度がもっとまちまちになるはずだ」
 このカメラ幻像説は、マレーが収集したような“太陽UFO”の一部には確かに当てはまるかもしれない。だが、たとえばレーザービームを放つUFOやドーム型UFOなど、左右、上下の対称性を欠く“幻像”は、干渉縞のいたずらでは説明できない。さらに、同じ“太陽UFO”でももう一種類、ヤーゼフ式の否定論では全く説明のつかないUFOが、なぜか2010年初頭を境に、盛んに現れるようになってきたのだ。立体的な金属質の物体で、一貫して球体または楕円球体状の外観の“球形UFO”である。サイズはやはり地球大か、それ以上に巨大で、たいていは数個、まれには数十個もの大群となって、太陽の近傍空間にさかんに出現するのだ。
 太陽の周辺空間にいることが多いが、太陽面を横切ったり、コロナに包まれるようにして滞空していることも少なくない。もしこれが彗星や小惑星なら太陽の高熱に溶けてなくなるか、強い重力に引きずり込まれて同じ運命を辿るだろう。

 UFO研究家ゲーリー・ウォルトンは念のため、太陽に最も近い水星が太陽面を通過する動画映像と、球形UFOの影像を比較分析して、惑星とUFOとでは動き方も速度も全く異なることを発見した。ウォルトンは太陽近辺に出没する球形UFOについて、NASAにEメールの質問状を送り、「STEREO観測機の前後2台の映像に、同時に同じUFOが映っている」と指摘した。
 しかし、NASAのSTEREO計画主任科学者ジョゼフ・B・ガーマン博士から送られてきた返信メールの内容は、予想された通り味もそっけもない全面否定だった。
「あれはデータ圧縮の極度に誇張された産物です―」の書き出しで始まり、「これは観測衛星上のデジタルカメラのCCDイメージセンサーに宇宙線や太陽起源の高エネルギー粒子が衝突して生じるものですが、たまたま1月18日に映像データを再生するDSN地上局のハードウェアの1台に故障が発生し、以後数日間は―」云々…と、門外漢にはよく分からない技術的説明をくどくど並べ立てた内容だった。
 要するに「何らかの機械的原因で圧縮されたデータが解凍された際発生したノイズだから、実在物の映像ではない」というのだが、その「機械的原因」が何なのかは「ハードウェアの担当技術者にも分からなかった」という。

 しかし興味深いことに、ウォルトンのその後の調査によると、ロシアの太陽観測衛星TESISにも、なぜかやはり同様のことが起こっていた。去年の1月17日、SOHOと同じように撮影した太陽周辺の映像に球形UFOが複数出現し、さらに翌日、なぜかバッテリーの故障が原因で、TESISが機能不全に陥ったという。つまり、アメリカとロシア双方の太陽観測衛星が同じ日に撮影した太陽の映像に球形UFOが写り、1日後に双方の装置の一部が故障して一時的な機能停止状態になったというのだ。
 ウォルトンは証拠として、TESIS撮影の太陽UFO写真を複数入手して公開している。これらが全て「圧縮データに含まれたノイズで、実在しない幻像に過ぎない」とするNASAの説明に納得する太陽UFOウォッチャーは、一人もいない―。

 

 


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