謎の小惑星接近とベテルギウス大爆発

 

2つの謎の小惑星接近

 今年の3月末のこと。NASAが、宇宙の彼方で発生した連続12日間という前例のないガンマ線バーストを観測した。ガンマ線バーストというのは、宇宙空間でガンマ線が閃光のように放出される現象で、超新星の爆発と深い関連があるといわれている。
 その観測直後、まるでそれを合図とするかのように「200YU55」「2010SO16」という2つの小惑星が連携するように、地球に接近するコースを辿っていることが判明したのだ。しかも2つの小惑星は、早ければ今年の11月にも地球に最接近するという。

  

 これに対して素早く反応したのが「ロシア非常事態省」だった。「2つの小惑星が地球に接近、磁場をかき乱し、多大な影響をおよぼす可能性がある」
 ロシアの英語版ニュースサイト「What Does It Mean.com」(4月10日付)によれば、彼らはこう語ったという。また同サイトには、次のような情報も寄せられていた。―今年4月5日、ロシアのプーチン首相が「自然災害に関する警告」というミーティングを開いた。この席上でプーチン首相は「地球が名も知れぬ“地球外の存在”に侵略されている」という極秘情報を漏らしたというのだ。ニュースソースはこれもまた、「ロシア非常事態省」だという。それによるとロシアでは、メドベージェフ大統領の命令によって、大気低層を進入してきた“未知なるターゲット”に対し、防空地対空ミサイルS―400システムを作動させたという。ただし、このターゲットが撃墜されたかどうかまでは明らかにされていない。

 この話を裏付けるかのように、やはり3月から4月にかけて、正体不明の「青い発光体=ブルービーム」がロシアやニュージーランド、さらには国際宇宙ステーションでも観測され、ビデオ撮影されているという情報もある。この青い発光体は、天空に作用して巨大な竜巻を発生させ、地球の磁気シールドを破壊。北極圏のオゾン層を40%も減少させたという。もしかするとプーチン首相が漏らした“地球外の存在”とは、この青い発光体―未知なるターゲットだったかもしれないのである。
 そして、冒頭に紹介した地球に接近する2つの小惑星―。実は「200YU55」は、地球に接近する可能性を秘めた小惑星だ、といわれてきた。ただ、こうした小惑星はこの宇宙にはいくつもある。問題は、それにもう一つの小惑星「2010SO16」が連携しているということだ。なぜ地球へ、2つの小惑星が同時に接近してくるのか? 現在のところ、「2010SO16」に関する情報はほとんど得られていない。これは写真で見ても分かるように、もしかすると小惑星ではないかもしれないのだ。
 ロシア非常事態省は、2つの小惑星は互いにコントロールされている―言葉を換えればそこに「ある意思が作用している」と指摘しているのである。それはつまり、彼らが2つの小惑星を操るほどの桁外れの力を有するものが存在しているということを言外に示したことにほかならない。

 また気になる最新情報がある。NASAは、エレニン彗星なる天体が現在、地球に接近中で、様々な天体に重力の影響が起きていると公表したのだ。これは彗星と言われているが、実際にはかなり大きな「天体」らしい。既に太陽系に侵入し、このままいけば今年の10月16日頃に地球に最接近するという。この事態にホワイトハウス科学技術長官のジョン・ホールデンは「接近中小天体に対する地球防衛計画」を発表。太陽と地球とエレニン彗星が一直線上に並んだときには、引力の影響で大規模な気象異変や火山噴火、地震が誘発される可能性もあるとコメントした。
 未知の小惑星や彗星の接近、未知なるターゲット―地球外存在(?)の侵入、太陽系で起きているアノーマリー(未知の、謎の)な事象の続発。今、太陽系で何が起こっているのだろうか。

ペアの太陽―「2012年ベテルギウス超新星爆発の予測」

 2010年1月、オリオン座の主星ベテルギウスで、超新星化による爆発の兆候らしき異変が観測された。現代の観測技術は干渉用電波望遠鏡などにより、これまで点でしか見えなかった星も、その表面状態まである程度把握できるようになっている。この観測により、ベテルギウスの表面には激しい凹凸と思われる大きな白い模様があり、多量のガスの放出も行われていることが分かった。これは明らかに異変の徴だ。
 この巨大な星は現在、質量を減らし続けており、これは重力崩壊が起きている典型的な徴候とされている。

 オリオン座のベテルギウスといえば、冬の星座の代表的星座の主星だ。地球からの距離は約600光年で、赤色超巨星に分類される。直径は太陽の1000倍。ベテルギウスをそのまま太陽系に持ってくると、木星軌道付近まで覆われてしまうのである。
 宇宙に誕生してからまだ数百万年しか経過していないと考えられているが、内部の燃料消費が激しく、その一生は短いとされている。問題はこの赤い天体ベテルギウスが、間もなく爆発して超新星になるということだ。爆発すれば、想像を絶する膨大な量の宇宙線による衝撃波が宇宙空間に放射される。もちろん、太陽系にもそれは襲いかかる。

 このベテルギウスが「2012年に超新星爆発を起こし、地球で太陽が2つ見られることになりそうだ」というニュースが2011年の初頭に報じられて世界中で大変な話題となった。問題は「その際に地球の生命はどうなのか」ということが海外のBBSなどで語られている。「ガンマ線バーストは大丈夫なのか?」と。
 そこに「他の作用はあまり気にしなくていいが、ガンマ線やX線は数百光年以上に被害を与えうるので分けて考えることにしよう。大気圏に保護されていない人工衛星や宇宙ステーションには、600光年離れていたとしても最大級の太陽フレアを超えるX線が降り注ぐことが予想される」とあり、その規模は「過去30年で最大の太陽フレアの数十倍のX線照射が数分間続く」というもののようだ。

 関連する事象として「アメリカ大気局が発表した〈驚異的〉な近年のポールシフトの加速」(2011年1月16日)「米国フロリダのタンパ国際空港が磁極の移動(ポールシフト)の影響で滑走路の閉鎖へ」(2011年1月8日)等があり、つまり、今後、ポールシフトによって、地球の磁場が一時的になくなる可能性が最近、方々で言われている。
 秋田大学の地球資源学科が2004年にリリースした〈渡り鳥が飛べなくなる日〉にはこうある。―「磁極が入れ替わる時に地磁気の強度はゼロになるとの予想があります。地磁気の減少は磁場逆転の前触れかもしれません。地磁気がなくなると、影響を受けるのは鳥だけではありません。私たち人間にも大きな影響があります。単に北方向が分からないだけと簡単に考えてはいけません。
 今まで地球磁場がくい止めていた宇宙線が直接降り注いで人類は危機に直面することになります。目には見えない地磁気ですが、私たち、そして鳥たちにはなくてはならない存在なのです」

 もしベテルギウスが爆発したら、地球からはマイナス10等級の星となって見えるという。太陽の明るさが同26等級、満月が同12等級だから、ベテルギウスは満月に近い明るさになる可能性がある。そうなれば、おそらく地球からは昼間でも見えるようになるだろう。
 ベテルギウスが超新星になった時に重なって、ポールシフトで地球の磁場が一時消失するようなことが起きたら、地球は大きな危機を迎えることになるかもしれない―。

 オーストラリア・クィーンズランド大学のブラッド・カーター博士によると、それが起きると、地球は2つめの太陽を得るという。
「この年老いた星は、その中央でエネルギーが尽きつつあります。このエネルギーがベテルギウスを輝かせ続けてきました。このエネルギーが尽きる時に星のその内部で重力の崩壊が起きます。それは非常に急速に起きます」と博士は言う。
 この現象により、巨大な爆発が発生する。この爆発の明るさは我々の太陽の何千倍も明るい。重要なのは、その時には地球上では数週間の間、「夜が昼になるだろう」ということだ。
 カーター博士は言う。「それが爆発した時には、非常に明るくなり、私たちは2週間くらいの間、地球上は途方もない明るさが続くことになるでしょう。その後、数カ月にわたって、少しずつ明るさは弱くなっていくはずです。とはいえ、その全ての段階を予測することは非常に難しいです。経験してみなければ分からない」

 インターネット上では一時、この超新星爆発の切迫と、2012年という年代とマヤ・カレンダーを重ねて、終末論議で溢れ返ったようだ。しかし、カーター博士によると、この超新星爆発は黙示録的な状況とは全く関係のないことであり、それどころか、地球や太陽の将来的な存続のための要素を提供してくれるものであるという。
「星が爆発する時、我々が最初に観測するものは、ニュートリノと呼ばれている小さな素粒子の雨です」とカーター博士は言う。
「それらは地球の内部を通過していきます。そして仮に超新星爆発が起きたとしても、その超新星のエネルギーの99%は私たちの体の中を通り抜けていき、それらは全く無害なものなのです」

 またカーター博士は、超新星のような星は地球での生活に極めて重大な要素を生産しており、地球や太陽系を構成している多くの物質を提供しているという。
 一部の専門家の中には、ベテルギウスの爆発が中性子星の原因となったり、あるいは地球から1300光年のところにブラックホールを形成するのではないかと言っている。
 カーター博士はどちらの可能性もあると考えているという。

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 はたしてオリオン座の主星ベテルギウスは、2012年頃に超新星化して大爆発を起こすのか? そうなれば今から言われているように空に第二の太陽が現れたように見え、数週間の間、夜も空はベテルギウスの輝きで不思議に昼のように明るいという期間が続くことになるかもしれない。それは今から想像してみるだけで、まるでSF映画のシーンのようで、ゾクゾクしてくる。
 地球にとって直接的な物理的影響や被害といったものは、実際には心配するほどのレベルではないかもしれないが、こんな状態が長期間続いて、人々の意識や社会が正常を保っていられるだろうか。事前に何も知らされていなかった人々は、パニックに陥らないとも限らない。何しろ宇宙の彼方で起きることだから、科学者や公的機関も事前に予知して、その時を予測することもできないのだ。

 さらに、今年の11月頃に地球軌道に接近すると言われている2つの小惑星「200YU55」「2010SO16」の動向も気になる。「エレニン彗星」の方は、今後の太陽系内での軌道が判明しており、以下の通りである。―・2011年9月11日に太陽に最接近〜・2011年9月26日に地球―エレニン彗星―太陽と直列〜・2011年10月17日に地球に最接近〜・2011年11月23日に地球―エレニン彗星―太陽と直列する。

 これらの宇宙の事象と呼応するように、米国のNASAでも最近、気になることが起きている。NASA長官・チャールズ・ボルが、職員とその家族宛に発信した緊急かつ重要なメッセージで、「NASA本部より関係者へ向けた緊急時の対策について」と題するもので、NASAのHPを開くと誰でもが見ることができる。
 その内容は、これから到来する可能性の高い大カタストロフィー時に、家族の安否に心を奪われずにNASAの職員としての使命を果たすために、事前に家族と十分な話し合いをし、備えをしておくようにというものである。

 問題は、アメリカ政府のFEMA(連邦緊急時管理局)に参画しているNASAが、わざわざこの時期に全職員に対し緊急時の心構えを説いていることである。
 チャールズ・ボル氏は元宇宙飛行士で、オバマ大統領によって2009年に任命されたNASAのトップに立つ人物である。FEMAに参画しているNASAの長官自らが、これだけのことを職員に伝えていることを考えると、FEMAが何らかの緊急事態の発生の可能性を既につかんでいるのではないかと勘繰りたくなってくる。

 想定されている緊急事態というのは、長官の話を聞く限り自然災害であることは間違いなく、その規模も並みのものではないようだ。この警告がNASAの職員に向けられたということを考えても、災害の発生が宇宙と関わりがあることだと考えるのが理屈に合っている。現に緊急災害時に全力で天体観測に従事する必要があると述べているのだ。またその時期についても、少なくとも1年以内に発生する可能性があるようだ。
 エレニン彗星の接近? それともベテルギウスの大爆発? どちらにしても、既に第24サイクルの極大期に入っている我が太陽の活動も、その時には平常では済まないだろう。
 宇宙からの異変は、予想外に早く始まったのかもしれない。

 日本の「3.11」は、これからの大きな宇宙異変のスタートを象徴していた。地でもあることは天においてもある。それはまだ始まったばかりだ。「3.11」を一大エポックメーキングとして、「3.11」後を語るなんていうのは、まだ早すぎるというのが私の意見だ。今はまだ変化の第一幕が明けたばかりなのだ―。

追記          福島原発メルトアウト

 福島第1原発の危機は、一見小康状態を保ち、徐々に安定してきているかのような見方が一般的だが、本当の危機は、誰の目にも見えない深いところでじわじわと進行しているようだ。東電側もメルトスルーまでは認めた福島第1原発の1〜3号炉の溶融した核燃料体は現在、その多くの部分が原子炉建屋の地下まで浸み込む「メルトアウト」にまで至っているらしいことが判明してきた。
「溶融体が、格納容器の底をも破り、原子炉建屋地下のコンクリートを溶かして地面にめり込んでいるのではないかと考えています。溶融体の重量は100トンにもなります。圧力容器や格納容器の鉄鋼は1500度程度で溶けてしまいますから、溶融体は原子炉建屋地下の床に落ちている筈です。その一部は汚染水に流され、周囲の壁を溶かしているでしょう」(京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏)

 これは核燃料が原子炉建屋の外部に漏れ出て、周囲に超高濃度の放射性物質をまき散らす「メルトアウト」と呼ばれる最悪の状態だ。
 元東芝の原子炉設計技師・後藤政志氏も同様の見解で、このメルトアウトによって外部へ超高濃度の放射性物質が広がることを強く危惧する。
 核の澳火の大部分は現在、冷温停止に向けて水を循環させている原子炉本体にはなく人間の手の届かない地下深くを浸食しているのだとしたら…これは人間がコントロールできる範囲を離れたということを意味する。メルトダウンした核燃料が、じわじわと地球の地肌を侵していく様を思うと怖気がしてくる。猛毒で超高温の放射性物質に浸食された生命体である地球はどんな気持ちだろう。人間は地球に対してこんなことを仕出かしてしまって、きっとただでは済まない。それは地下深くで鎮火してくれるのか、それとも思いも寄らない災厄をもたらすものとなるのか。メルトアウトした大量の核燃料が、地下深くまで浸透していく―福島第1原発の地下では、今までの原発事故でも例のない“未知の事態”が進行しているのかもしれない―。


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