SERIES(5)  惑星X(ニビル)2012年襲来!?
(その2)


惑星Xの接近

 多くの惑星Xの研究家は、その映像を最初に捉えたのは、非公式ながら1983年のIRAS衛星が初めてだと信じている。2007年にアメリカが南極望遠鏡(SPT)を設置したことで、この確信はいっそう深まった。この南極望遠鏡は、南極点に近いアムンゼン・スコット基地に設置されている。極めて精度の高いこの南極望遠鏡は2007年2月に運転が開始された。惑星Xを観測するには完璧の設置場所、タイミング、性能と三拍子揃っており、今現在も惑星Xの追跡が行われているかもしれない。

 惑星Xが太陽系に近づくにつれ、太陽系内の全ての天体でその前兆が徐々に見え始めて いる。外縁から順に全ての惑星とその衛星、太陽が摂動を受けている。同様にして彗星も 離散するなど、他にも不可解な現象が観測されている。これらを総合すると、何物かが外 側から太陽系全体に影響を与えていることが分かる。これら全てを追跡すると、一番可能 性が高いのは、天体が接近しつつあるという事実だ。この天体は以下のような変化を引き 起こしているようだ。

 ┓奇妙なプラズマ行動を伴うプラズマ異常

 ┓極端な気温の変化 ┓太陽フレアと太陽の異常活動

 ┓太陽系内天体の軌道の摂動 ┓太陽系内の天体に対する、及び天体相互間の電磁波の影響

 ┓太陽系内天体の大気や輝度の変化

 ┓彗星の軌道の集束 ┓カイパーベルト天体(KBO)の消失

 ┓地球上の地震の強度増大

 2002年8月19日、太陽から発せられたプラズマストリームが曲がった。このストリ ームの方向が変わったということは、牡牛座近くの黄道帯のすぐ下にあるクジラ座、エリ ダヌス座、炉座などの星座の間の宙域に向けて逸らされたことを意味する。
 2003年10月28日、3つの太陽フレアが地球の大気に当たるか掠めるかした。11月4 日のフレアは、明らかに地球を狙ったものではなかった。ところが、初めの2つは、1年 前にプラズマストリームが逸らされて向かったのと同じ宙域に向けて放射されたのだ。太 陽から見ると、2003年10月28日に地球は牡牛座の宙域に入り、クジラ座の真上に位置 していた。

 木星よりも大きいかもしれない大きな天体の重力が約2世紀前に土星や天王星、海王星 の摂動を引き起こしたとは、信じがたいかもしれない。しかし冥王星発見につながった摂 動を説明する何かがなければならないのだ。
 1846年7月1日、天王星はクジラ座とエリダヌス座、炉座に挟まれた宙域のほぼ真 上に位置していた。海王星は発見された当時、同じ宙域にきわめて近い位置にあり、25年 後の1871年にこの宙域に達した。この間冥王星は、クジラ座内にある軌道上の最低宙 点に近づいていた。天王星、海王星共に、黄道面に対する軌道の傾斜角は冥王星のそれと ほぼ同方向にある。軌道が大きいほど角度もついていく傾向があるようだ。
 木星の数倍の質量がある天体がクジラ座とエリダヌス座、炉座に挟まれた宙域から定期 的に接近するとしたら、影響を及ぼす時期が違うだけで、5つの惑星(木星、土星、天王 星、海王星、冥王星)の軌道角度の共通の原因となるかもしれない。比較的ゆっくりと、 そして比較的近くを定期的に通過する重い天体の引力は、複数の経路を辿る軌道面をそっ と傾けさせることになる。

 惑星の軌道に目を向ければ見えるはずの、何か大きなものが、ある一定の方角にあるは ずだということを示す手がかりはいくつもある。太陽から見た場合、惑星Xの位置として 考えられるのは、クジラ座とエリダヌス座、それに炉座に挟まれた宙域ということになる 。現時点では惑星Xの存在は、直接の観測を通しては分からないが、太陽やその他の惑星 などと、この天体(惑星X)との相互作用の様子から知ることができる。添付した表やグ ラフのデータと予測は、これらの観測された相互作用と前回の接近遭遇に関する歴史上の 記録や統計学的に関連のある経験の傾向を組み合わせたものである。強調しておかなけれ ばならないのだが、惑星Xと我らが太陽系の様々な天体との相互作用ははっきりと目に見 えるものの、この天体自体は2009年後半か、もしくは2010年になるまでは南半球 のアマチュア天文家には見えないということだ。
 今回の接近遭遇の予測は、表C―1の軌道パラメーターごとに計算した惑星Xの軌道の推定に基づいている。これらのパラメーターが表しているのは、端から端まで475AU (1AUは地球・太陽間の距離)ある楕円軌道だ。この楕円の長径は太陽と、この軌道の近日点と遠日点を通っており、この線は黄道面の下12度のところにあるクジラ座の方向を指している。この軌道は実際に傾いており、遠日点は黄道面の下にある。しかもこの軌道 は85度の角度で長軸の回りを回転しており、まるで転覆する船のようだ。
 惑星Xが近日点を通過する時には、太陽の極のほぼ真上を飛び越える。牡牛座の基準点 からカウントし始めれば、昇交点から黄道面の上のどこに来るかが分かる。これは毎回必ず乙女座と天秤座付近で黄道面を突き抜ける。

 構築された軌道の周期は3661年で、2012年と紀元前1630〜1640年(エ ジプト脱出)の両者におよそ合致する。近日点の距離は小惑星帯にあるが、ここはティティウス・ボーデの法則によれば惑星が存在するはずだが、実際には存在していない。
 手がかりの全体像を見れば、クジラ座の方向から3661年周期で巡ってくる、小惑星帯の中に近日点を持つ天体が見えてくる。小惑星帯にかつて存在していたはずの何かは、 その天体、つまり惑星Xの前回の接近遭遇の時に、その重力の相互作用か、直接の衝突によってかで、破壊されたのだ。
 惑星Xはクジラ座内で発見され、近日点を小惑星帯に持つ楕円軌道上をやってくるのだ 。3661年周期で軌道を回り、2012年12月21日に黄道面を通過することになる。
 これは多くの文化において重要な日付だが、マヤの歴史と天文学において特に重要な意味を持っている。この日は、5125年に及ぶマヤの最長の暦の最終日となるのだ。


表紙にもどる