星間雲と太陽膨張

 「太陽活動がさかんになっているのは、星間のエネルギー雲の中へ移動するにつれて、我々が経験している物質、エネルギー、情報の流れが加速しており、それが直に反映された結果なのだ」
「この衝撃波の増大は、境界面でひそかに反応し合うプラズマを形成させ、それが太陽系の周囲でプラズマの過剰放出につながり、やがて惑星間の領域にもなだれこんでくるようになる」 (ロシア科学アカデミー・アレクセイ・ドミトリーエフ)
 アメリカのジャーナリスト、ローレンス・E・ジョセフ氏の取材に対し、ドミトリーエフが語った。ドミトリーエフが語るエネルギー雲とは、高エネルギーのプラズマ領域であり、プラズマ・ベルトにほかならない。具体的に言うと、水素、ヘリウム、及びその他の元素や化合物などを含む磁気を帯びた帯や溝だ。おそらくは爆発した星の残骸である宇宙のゴミ(コズミック・ダスト)だ。太陽圏も星間雲をかき分ける際にその前方に衝撃波を
生み出した。
 ドミトリーエフは太陽圏の衝撃波が10倍ほどに増大して、3〜4AUから40AU以上になったと見積もる。(1AUは地球と太陽の距離1億5千万km)
 ドミトリーエフと研究仲間は、太陽系の周縁部からボイジャー衛星が集めたデータを解析して衝撃波を発見した。それを基にロシアや欧米の最近の研究と比べ、さらにNASAとESA(欧州宇宙機構)のデータとも比較した。そこで彼らは驚くほど一貫した証拠を見つけた。木星以遠の惑星の周囲を小さな極寒の衛星から、太陽そのものまで、太陽圏はボイジャーが最初の観測を行った20年前より活気づき、不穏な様子を見せていた。

 ドミトリーエフによれば、通常の科学者によって否定されるか、完全に軽視されている重要なエネルギー源が三つある。(1)星間雲が動的で増加すること (2)太陽系の惑星配置 (3)銀河系中心からの衝撃―これらはいずれも2012年に密接な関係があるという。つまり地球を含めたあらゆる惑星は挟み打ち状態になっており、衝撃波から直接的に、またそれが太陽で起こす乱れを通じて間接的にも降下物を受けることになる。
「地球、その近辺の宇宙の双方に関連した、この恐ろしい現象[衝撃波]に関しては、完全に明白で、かつ信頼に足る兆候がある。我々にとって本当に重要なのは、それらを理解して受け入れ、生き残ろうと努力することだ」と、ドミトリーエフは語る。
「地球規模の大災害の中心となるシナリオが現実となるまでの時間は、太陽を数十周回るまでもない。それどころか、この予測はむしろ〈甘い〉ものだと我々は考える」(同上)

 太陽圏が高エネルギーのプラズマ領域に突入すれば、衝撃によってそこにまたしてもプラズマが生じる。そのプラズマが前面のみならず、惑星領域にまで侵入してくる。奇しくもフォトンベルトで喧伝された現象が星間雲―プラズマベルトによって引き起こされているのだ。その巨大な電磁気エネルギーが太陽系内のプラズマ、すなわちヘリオスフィアを刺激。ヘリオスフィア内部のプラズマ密度が徐々に大きくなっているのだ。それによって
中心に位置する太陽の活動もまた活発化する。ちょうど電流が大量に流れて電球の輝きが増すようなものである。
 太陽系の外側に到達した巨大な星間雲は今、太陽のプラズマを励起させている。一部でいわれている褐色矮星である惑星X、あるいはニビルなどではない。
 ヘリオスフィアのプラズマ密度が高まれば、太陽は文字通り膨張する可能性があるという。膨張して見えるのは太陽のプラズマ大気と磁気圏が拡大するからである。その時、太陽は赤色巨星などではなく、超新星のようなエネルギーを放つ恒星として、大膨張を開始する―それに備えてアメリカ軍では、極秘プロジェクトを立ち上げ、詳細なシミュレーションを行っているという話がある。表のアカデミズムは全く知らされていないが、その極
秘プロジェクトの研究により、従来の恒星理論は間違っており、超新星爆発を引き起こしているのは、銀河系に無数にある星間雲―プラズマベルトによるものであることが分かってきたらしい。

 今や真の情報公開を拒んでいるのはアメリカである。ロシア科学アカデミーの地球物理学者アレクセイ・ドミトリーエフが星間雲と太陽系の遭遇を公言しているのに対して、アメリカの科学者は一様に口を閉ざしている。元よりビッグバン宇宙論に固執する旧態依然の天文学者及び宇宙物理学者にそのことを発表しろと言っても、情報すら知らないのが実態であろう。
 プラズマベルトと遭遇し、加熱するヘリオスフィア(太陽圏)。電磁気的な相互作用によって、もし太陽が膨張を開始すると地球では何が起こるのか。前代未聞の現象であるだけに、変数が多く、簡単な予測はできない。少なくとも人間も気持ち良くアセンションというわけにはいかないだろう。そして太陽系に加わる衝撃は、プラズマベルトによるもののほかに、もう一つの要因があることが分かってきた―。(後編につづく)


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