20世紀末、集中的に打ち上げられたアメリカの火星探査機に先駆けて、当時のソ連はフォボス計画を推進。1988年7月7日にフォボス1号、その5日後にフォボス2号を相次いでバイコヌール基地から打ち上げた。 続いて1989年3月26日、火星の周回軌道から衛星フォボスへ向けて飛行するため、フォボス2号はエンジンを噴射した。徐々に衛星フォボスへと接近、37枚もの画像を撮影し続け、フォボスへ190kmのところまで接近し、このまま計画は成功するかに見えた。だが、その2日後、ぷつりと通信は途絶えた。後日、ソ連宇宙局のニコライ・シムヨフムが会見し、フォボス2号は消失したと発表。その原因はアンテナの故障にあるという見解を述べた。しかし、後日、判明したところによると、フォボス2号の機体はきりもみ状態で地上へ落下していたことが分かった。当局は隕石に衝突したのではないかという消極的な見解を述べるにとどまり、事実上、フォボス計画は幕を下ろされた。 いったいフォボス2号に何があったのか。実は通信途絶直後の1989年3月30日、ソ連のテレビ番組「フレミヤ」にフォボス計画に携わった科学者が出演。そこで不思議な写真を公開する。フォボス2号が撮影したという写真は火星の地表を写したものだったが、そこに細長い黒い影が伸びていた。紡錘形の影は明らかに上空を飛行する物体のもので、写真を見る限り、どこか不自然な印象がある。 驚くべきことに写真を掲げた科学者たちはこれが未確認飛行物体、すなわちUFOの影であると指摘した。フォボス2号は、その影を撮影した後に消失した。つまり、フォボス2号の消失にはUFOが関わっている。そう科学者は主張したのだ。案の定、番組を見た視聴者からは問い合わせが殺到した。 しかし、ここで疑問がある。火星探査に関わっていた科学者であれば、フォボス2号が撮影した影は衛星フォボスのものであることを百も承知であったはずである。なのにその可能性をあえて否定し、当局の信用を損ねる危険性を省みずに、なぜUFOであると主張したのだろうか。これには明らかに裏がある。 フォボス2号は衛星フォボスに十数メートルまで接近し、成分分析のレーザーを15分間照射した後、突如通信を途絶した。この時までにフォボス2号は37枚の写真を撮影している。衛星フォボスを撮影したものも含まれているのだが、その中に奇妙なものが写り込んでいたのである。 フォボス2号のアンテナではないかという指摘にはこれを完全否定し、ポポビッチ女史は謎の物体が巨大な葉巻型UFOであると断言。会場は騒然となった。 ポポビッチ女史が謎の物体をUFOだと主張したことで、アカデミズムの科学者たちは完全に引いてしまった。UFO研究家らが騒げば騒ぐほど、世界中の科学者たちはフォボス2号の撮影した写真に触れようとはしなくなった。衛星フォボスの影をUFOだと主張した一件もあり、誰もまともに相手にしなくなったのである。 フォボス2号が赤外線で撮影した衛星フォボスの写真は露出オーバーになっていた。これは衛星フォボス自体が高熱を発していることを意味する。手前に写っている葉巻型UFOが高温を発して露出オーバーになっていることは理解できるが、なぜ衛星フォボスが高温なのか。考えられることは一つ。それが改造されており、何らかの活動が存在しているということである。その証拠にフォボス2号が撮影した写真の中には、葉巻型UFOが衛 衛星フォボスも葉巻型UFOもプラズマに包まれていると考えれば、この問題はクリアできる。重要なことはプラズマには障害物を透過する性質があるということだ。プラズマに包まれた物体を移動させ、そのまま透過させようとしても、実体のある物体は壁に激突してしまう。しかし、透過しようとする壁にもプラズマを発生させると、プラズマで包まれた物体はそのまますり抜ける。衛星フォボスも葉巻型UFOも、このプラズマを発生さ 実際、衛星フォボスには不可解な点が多い。巨大なスティクニー・クレーターの存在もそうだが、全体に伸びる筋も異常である。小さなクレーターが数珠つなぎになって形成されている筋が何本も表面を走っている。しかも、それらは測ったように並行になっているから不思議だ。体積に比べて質量が小さいのは、内部が中空になっており、全体に薄い金属板で覆われているからだとする人工天体説もある。 1989年9月、イギリスのテレビ「チャンネル4」はフォボス2号が撮影したものだとして、火星の高解像度映像を公開した。そこには直線がいくつも走り、複雑な構造が映し出されていた。何も説明せずに見せられれば、誰もが都市を写した衛星写真だと思うだろう。撮影された場所はハイドレートカオスという場所で、明らかに人工構造物が見てとれる。これもまたロシアの国家戦略の一環で、アメリカの動きを牽制するために情報をわざとリークしたのだと思われる。 しかし、両国が神経質になっている火星のUFO、あるいはエイリアンとは何者なのか。「人面岩」やピラミッドのような遺物を残した古代文明は一度滅亡したことが分かっている。その時存在した種族がそのまま現在も火星にいて、巨大UFOを操るような文明を築いているとは考えにくい。フォボス2号が遭遇した巨大な葉巻型UFOは、月周辺でアポロ宇宙船の飛行士らも遭遇している。現在、火星や月で活動しているUFO、あるいはエイリアンは古代に火星にいた存在とは別で、比較的最近になってそこに進出した種族だと考えられるのだ。いったいそのような巨大UFOを操っているのは何者なのか…。 火星だけで驚いてはいられない。実は太陽系のさらに遠い各惑星の周辺にもその存在が、他でもないNASAの探査機やハッブル宇宙望遠鏡などによって偶然、捉えられている。そして土星の環の中やその周辺では、直径が数千kmという超弩級規模のUFOが存在しているらしいことが分かってきた―。 |