タイムトラベラーからの警告 (その2)

タイムトラベラーからの警告 (その2)

「8973年に行ったタイムトラベラーがマンデラ効果を説明する」という動画が、今年(2018年)1月に公開された。そこで話しているウィリアム・テイラーは、イギリス政府に勤め、最終的には諜報機関で働き、タイムマシンに乗ることになった人物だという。
 興味深いのは、彼が担当の科学者から聞いたという話だ。イギリスでタイムマシンが完成したのは1981年だという。この技術は墜落した地球外の宇宙船をリバースエンジニアリングすることによって開発された。
 タイムマシンが航行する時には、一旦ひとつ上の次元に移動し、そこからまたこの次元の別の宇宙(パラレルワールド)に行くという。つまりタイムマシンとは、正確に言うと世界線を移動する装置だというのだ。彼は、タイムトラベラーたちは誰一人、嘘は言っていないと断言する。なぜなら無限の、あらゆる可能性を持った宇宙が存在するからだ。
 人間である我々は、瞬間ごとにわずかに違う他の宇宙に旅している。一つの宇宙は、実際は時間の中の単なる「凍りついた一瞬」なのだ。世界はそうした一瞬の宇宙が繋がって、一つの世界線として認識されていると彼は言う。

 テイラーはまた、タイムトラベル技術の公開と、マンデラ効果というテーマについても述べている。タイムトラベルのテクノロジーは、2028年には一般公開される。この数字がスミスやフィリップスと同じというのも興味深い。マンデラ効果についてだが、その名の通り、南アフリカの故・マンデラ大統領の存在に由来する。これは大多数の人たちが、現実とは違う過去を覚えているという現象だ。テイラーは、この現象は世界中の主な政府によって行われた実験のせいだと主張する。ある歴史的な出来事を変えて仕舞うために、世界全体を違う世界線に移動させる試みが続けられているというのだ。この「ある歴史的な出来事」について、テイラーは明かしていないが、多くのタイムトラベラーたちは、それが第三次世界大戦であることを主張している。

 2017年12月29日に公開された『タイムトラベルドキュメンタリー/時間のステップの中で』という動画がある。ここでは、イタリア軍のプロジェクトで未来にタイムトラベルした男性、民間のタイムマシンで未来に行ったドイツの女性、そして未来から来たフランスの男性が紹介されている。ドイツの女性アンは、友人と開発したタイムマシンで2014年から3250年に行き、3245年に作られた「エンペラー・オブ・オーシャン」という全てのAIロボットと電子機器を制御する巨大AIコンピューターを間近に見てきた。そして、このAIが引き起こす人類が壊滅状態になる戦争に巻き込まれたという男性がフランスにいた―となると、まさに映画「ターミネーター」の世界に近い。
 これ以外にも、悲惨な未来を伝えるタイムトラベラーは複数いる。彼らに共通しているのは、次のような未来像だ。

 ・地球温暖化で海水位が上昇し、人の住める範囲が狭くなる。
 ・海洋汚染によって、海産資源はほとんど食べられなくなる。
 ・これに加えて、人口過剰で深刻な食糧不足が起きる。

人間は思い描いた未来を実現する

 テイラーの言う「凍りついた一瞬」を「今」と表現してみる。「今」は人類の想像で作られる。「今」はポジティブな望みから生まれるとは限らない。「起こったら嫌だ」という思いからも、「今」は創造される。多くの人が想像するほど、その「今」は近いところにあり、少数の人が想像する「今」はかなり遠いところにある。
 一方で、人類はより高次元の存在になろうとしていると言われる。この流れは「アセンション」と呼ばれる。一時期、精神世界やニューエイジで、マヤ暦の周期が終わる2012年頃に地球と人類がアセンション―次元上昇するという説が盛んに唱えられたが、その時点では一見何も起こらなかったので、多くの人はアセンションなんて話は、とっくに忘れているかもしれない。しかし、それは何時何時までに何かが起きるという予言ではない。
 太陽と地球、そして人類が、高エネルギーの宇宙領域に移行するに伴って、この次元が変わっていく。それをアセンションと呼ぼうが、何と言おうが、この流れは続いている。
 本番はまさにこれからなのだ。

 実は、人類がアセンションしていけるように、19世紀末から、死後の世界と現世との交流を活発にする動きが霊界側から盛んに仕掛けられてきた。さらにこの数十年の間、沢山の宇宙人、高次元存在がチャネラーの意識にコンタクトし、人類の目を覚まそうとしている。だが、それではまだ足りない。次元の扉が開かれ、アセンションする未来は遠い世界線にある。そこで、遠い世界線に一足飛びに行く方法が一つだけあるという。それは生死の危険にさらされることだ。

 人の心には信じられないほどのパワーがある。しかし、ほとんどの人がそれを自覚もコントロールもできないでいる。そのため潜在意識レベルの「人類の集合無意識」は、表面の自分たちが考えているのとは、全く違う意思を持つことになった。そしてこの意思は、一度破滅に近いことを体験して、遠い世界線に一足飛びに移ろうと考えているという。これが、第三次世界大戦をはじめ、人類に悲惨な未来が待っている理由だ。テイラーの言葉からは、この世界線移動を科学の力によって成し遂げようという動きが、世界各国にあると考えられる。だが、これは抜け道であって、正攻法ではない。そして、抜け道的なことをしようとすると、それを阻止する存在たちがいるらしい。

見えない力による干渉

 第三者にとっては証明しようがないことだが、「同じ10年間を2回体験した」という人がいる。『不思議・net』に、その体験談が載せられている。彼女は2014年に事故に遭い、気づいたら2004年の自分になっていたという。そこで興味深いのは、「過去に行った時に、予言者になれたのでは?」という問いに、こう答えていることだ。「3.11のことを2ちゃんねるに書こうと思ったけど、書き込もうとすると規制が入って書き込めなかった。他のサイトに書こうとしても、ネットが繋がらなくなった。周りの友人や親には口頭で伝えることはできたけど、関東や東北に知り合いはおらず、伝えることはできなかった」

 タイムパラドックスを起こすような行動をすると、見えない力によって止められてしまうことがあるらしい。そして、こうした見えない力は、人類を見守る高次元の存在によって管理されていると思われるのだ。
 三次元の物質体として存在する人間は、通常「時間の重力」が効いている状態で生きている。一方、そうした時間の制約から離れた別次元―「あの世」のさらに外側から、人類を監督している存在がいる。その存在にアクセスする実験を繰り返したのが、イギリスのスコールグループである。簡単に言うと彼らは、誰にでも見せられる物理心霊現象を起こすことを目的に、定期的に実験を続けていた。実際、彼らは一度次元間の扉を開いたらしい。しかし、この次元間の扉2109年まで広げた時、別の世界線の未来からのアクセスが生まれてしまった。スコールグループによると、この未来の存在は遺伝子的に我々とは異なり、彼らは時空間を超えてこちらに来ることができるが、逆に我々が向こうへ行こうとしたら、生きていられないそうだ。

 そして、彼らの実験を見守ってきた存在たち―「コミュニケーション評議会」が、このような未来からのアクセスを認めるのは自然の法に反すると言い出した。それは13体の進化した存在から成るグループで、地球の様々なグループが霊界とコンタクトを取るのを見守り、監督する立場にいるという。この問題は、銀河系以外の星系の存在に対して、アクセスを控えるということで治まったかに見えた。しかし、最終的に、かの存在が実験のビデオと音声に現れ、「こうした時間の探査は、時空に関連する、宇宙と次元間に関する法を犯していて、このまま続けるのを認めるわけにはいかない」と語ったのである。
 そして、この日を最後に彼らの実験は終わることになった。

 そもそもなぜ、タイムトラベラーたちの発言が、2017年から加速度的に増えているのか。これは、タイムマシンの公開がいよいよ近くなってきたことと、我々の世界線は元より、それに近い全ての世界線(パラレルワールド)において、タイムトラベラーたちが警告したくなるような危機的な未来が待ち受けているという証拠なのかもしれない。あるいは、タイムトラベラーだのタイムマシン云々などは、あくまでもネット上のトンデモネタ、フェイクニュースと捉え、まともに相手にしないか。それはむしろ常識的な態度であり、真っ当な対応だろう。タイムトラベラーやタイムマシンが本当に存在すると考えている人間の方が、よほど変わっていて、ブッ飛んでいるのだ。
 やっかいなことに人間には、「どんなに証拠があっても、これ以上は信じられない」という心のリミッターがある。実際、タイムマシンが2028年に公開されても、ほとんどの人が半信半疑だったと多くのタイムトラベラーたちが言っている。そして、その世界線では、日本も巻き込まれる戦争が2030年に起こっている。

 日本は元より、世界を見回しても、アメリカ、ヨーロッパ、中東、朝鮮半島…と、政治、社会の混乱と激動が顕著で、気象異変や自然災害が増大していることは、今や誰の目にも明らかだ。2017年4月末、米国の世界的な予言者ジョセフ・テイルが、人類は今、経験したことのない超絶叫ジェットコースターの最初の坂を登り切った位置にいるようなものだと伝えてきた。彼は、昨年の5月からすでに、激動の世界が待っていると言っていたのだ。ただし、ジェットコースターは最後には必ず平面に落ち着く。しかし、ジェットコースターに乗るのと違って、現実の世界では、その激動の中で命を失うことも大いにありうる。この世界線にどんな出来事や未来が待っていようと、未来を創る鍵を握っているのは、我々自身なのだ―。


                                                                    *写真・図版は『ムー』2018年10月号(学研)他より転載





 

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