2012年地球滅亡!? そんなバカな

 〈2012年 地球は滅亡する!?〉―最近、こんなタイトルの週刊誌の記事やムック本を書店の店頭でよく目にする。コンビニの書籍コーナーでもその手のタイトルが目に入るほどだ。ノストラダムスの1999年の次は2012年かよというところが世間一般の感覚だろう。そう、「2012年」に関しては、ネットの世界や一部研究者の間では、地球と太陽系に異変が起きるかもしれない年として常識になっていることは知る人ぞ知る事実である。
 ニューエイジの世界では、2012年とかアセンションとかフォトンベルトとか、既に耳タコの状態だが、そういうことを語る人たちも、どうしてそれが起きるのか事実に基づいた背景の宇宙的、物理的現象についての説明がないまま「予言」しているから説得力がなく、一般や科学界からはファンタジー、トンデモと思われている。
 読者の中にもフォトンベルトとかアセンションなどと聞くと、「またかよ!」と、その手の話は聞き飽きたと鼻白む人も多いかもしれない。
 未だに信じている人の夢を壊すようで申し訳ないが、フォトン(光子)がキラキラと浮遊して集まってドーナツ状になっているフォトンベルトなどというものは実際この宇宙に存在しないし、アセンション(次元上昇)といわれる現象も、もし起こるとしても肉体的・物理的にたやすいものではないだろう。
 ここでニューエイジのファンタジーとは訣別して、実際これから地球と太陽、太陽系全体に何が起きるのか、起こらないのか、天文学的・宇宙物理学的観測データに基づいて、私なりにその真相と可能性を探ってみたい。


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