日記90

ただいま修行中 その5


2ヶ月ほど前に気持ちが落ちることがあって、ちょっと、ただいま修行中の筆力がうせていました。理由は、私にとって近しい信頼関係のある方から、私の書く文章に対して、あまり正直にお金がないなんて書くとじゅんネネのイメージダウンにつながるから、もう少しやんわりと当たり障りのないものにならないか?と。いうもので、その提案に自分でも驚くくらい落ち込みました。

これこそまさに  ぎゃ〜っ修行だぁ!!。

相手も正直な気持ちでのアドバイスだったのですが。マウイ島から帰ってきたばかりで私自身がとてもオープンな精神状態にいて無防備だったために、思ってもみないところから水が飛んできて、それが運悪く目に入ってしまったような感じで、深く深く意気消沈しました。早苗NENEが自由に書きたいことと、芸能界の商品?としてのネネとのギャップにとらわれて一時はじゅんネネをもうやめようと思った程でした。
これって22歳のときに一度体験したパターンです。22歳のときは行動に移しました。
59歳になってもまだ同じところで悩むなんて・・・なんか先祖がえりのような気分です。
ということは、私がもうひとつ成長しなければならない自分の未熟な側面がここに現れているということなのでしょう。修行のプロセスはショートカット(近道)ができません。
誰の人生でもなく私の人生、もっともっと大人になって愛深く生きてゆきたい。何事にも動じないで人を許して自分も許して生きてゆきたい。たくさんの人と喜びを分かち合って生きてゆきたい。ここの観点からもう一度今回の出来事を見つめなおしてみると・・・おのずと答えが出てきました、ただしだいぶ時間がかかりましたが。
リアルファンタジーというじゅんネネのために書いた歌でも
♪これからは二人で冒険に旅発つの♪と歌っているので、やめることは踏みとどまりました。私の中で、この選択はとても大きな意味を持っています。自分が肯定的に、積極的にじゅんネネをこれからもやっていこう。と明確に答えを出したのは正直言って生まれて始めてかもしれません。そのくらい私にとっては苦手意識のつよい芸能界にじゅん&ネネは属しているからです。

この芸能界に対しても反省が多々ありました。ある日ふと自分が友人に向かって「芸能界は陳腐だから・・・」と言っているのに気がついたのです。芸能界の悪口を言っている自分。そんなことを言っているから陳腐な体験しか出来ないのよネネちゃん。と私の中の良心が教えてくれました。言葉は創造する力を持っています。歌を歌う人間として言霊(ことたま)のパワーをよく理解しているはずなのに・・・大きな気付きです。じゅん&ネネをやってゆく限りは気っても切れない芸能界ならば、これからは積極的に良いところを見てゆこうと決心しました。
万歳!!やっと自分の心を変容できた。・・何年かかったのかしら?石の上にも40年だわ。

ただし書くことが自分の中で規制がかかった途端に、書く方向性を失ってしまって、今まで明確だった行きたい場所への目的地を失ってしまったような中途半端な気持ちが続いてて、どうしていいのか・・スランプというのはこういうことをいうのでしょうか?
私が書きたいことは私自身の日常のリアリティを分かち合いたいことなんだけど、その分かち合いの方法に他人からの愛ある?提言がでて、書きたい気持ちが宙に浮いてしまって途方にくれてました。今までそのことを自分の中でうまく整理ができなかったんだけど。
今また、やっと力がわいてきました。やっぱり私は自分が書きたいことを書くことにします。というよりテクニックがない分どう変えていいのかがわからなかったというのが正直なところです。臨機応変に対処できるほどの技術がないこと。それに気がついてよかった。
でもじゅん&ネネのことに関しては私だけではなく、いろんなかたがたが関ってきているので、イメージダウンにならないようにデリカシーを持って、接してゆきたいと思います。
じゅんお姉さまも、私大好きなのでこれからも仲良く、楽しく歌ってゆきます。

最近、大阪国際コンクールというクラッシックのコンクールに声楽部門で応募しました。きっと応募者の中では最年長だったと思います。応募のきっかけはマウイ島で今歌っている和歌を広く世間の皆さんに聞いていただけるにはどうすればいいのかを考えていたときに、ネットで見つけたのでした。早速コンクールの本部にお問い合わせして、古の歌人の作品に自分がメロディをつけたものが応募可能かたずねたところ、大丈夫でしょうとの事でしたので、意気揚々応募しました。テープ予選も受かって、八丈島時代からの親友の一人ピアニストで環境活動家の星川まりさんに伴奏をお願いして週末には彼女のお家に泊りがけで練習に行き9月3日の地区予選に臨みました。

当日みなとみらいほーるについて会場に入ってみると、んまぁ〜!!イタリアの歌劇の主人公のようなきらびやかなドレスをまとった若い声楽家の女性たちがすばらしい訓練の賜物のような声でオペラを歌っています。

これは場所が違った!!最初の印象は明確でした。
白鳥の中に老ガチョウが入り込んでしまった。
ビーフステーキのコンテストにアロエステーキ持ってきちゃった。参ったな!!

声楽の応募者は皆さん若い女性たちで控え室はボリウムのある若さでむんむん。ぴちぴちエナジーが緊張感とともに漂っていました。

それまでは、自分は声量もありマイク無しで歌うことにも何の抵抗もないほど自信を持っていたのですが。それはここクラッシック界のメインストリームではまったく通用しませんでした。

審査員の方も困ったと思います。

でもめげずに和歌「”花のいろは」のCDから「三輪山慕情」注・額田のおおきみの歌、万葉集第一巻。を歌いました。今までこんなにドキドキしたことはないくらいあがっていましたが、がんばりました。

そして!くっくっく・・・残念!!合格点にいたりませんでした。現実は厳しいものです。

イメージとしては、和歌の歌を地区予選でも合格して、大阪の本選にまで持っていけたらと、思っていたのですが、無念です。夢は破れてしまいました。

とても謙虚にこの現実を受け止めています。また来年再度チャレンジしたい気持ちもあります。そのときには古の歌人の歌にオペラ風のメロディをつけたいとおもいますが、果たしてそれができるのかはワカりません。

私は何でも体験して理解するタイプのようで落ちたと知ったときはがっくりしたけど、後悔はありませんでした。とてもよい体験ができた。と思います。
クラッシックに興味のある方は10月12日に最終グランプリが、大阪、茨木市のクリエイトセンターホールで行われるので見に行ってみてください。日本のクラッシック界の希望の星たちが集まっていると思います。

 

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