日記55

セミの亡き骸

 

写真

先日アマナク二のHPを見る機会があって、
(アマナク二とは私のHPを管理してくれている友人のWEBです)
http://amanakuni.net
そこにセミの抜け殻の写真が載っていました。
そこでハタと自分のマンションのベランダになぜかセミの亡き骸が落ちているのを思い出して、即ベランダに出てみたら、ちょっと前までは2匹?の亡き骸が落ちていたのだけど、今見たら、3匹も・・・。

都会にはあまり土はなくて、こんなベランダのコンクリートで死んでいるセミを見ると・・・やっぱりちゃんと土に戻してあげたい気持ちが湧いてきます。

2匹のセミの亡き骸を見てからそう思っていたのだけど、なんやかんやと忙しくて土のあるところまで戻してあげる時間がなかったのだけど、
今日やっと3匹になった亡き骸を土のあるところに戻してきました。

さて、そのベランダのところどころに落ちているセミの亡き骸を運ぶのに、私はお箸を使いました。もうミイラ化して軽くなっているセミを箸でつまんだときに、日本のお葬式で骨を箸でつまむ習慣がどこから来たのか理解できました。
きっと私と同じ気持ち。。。箒で掃くわけにはいかないし、手で持つのは薄気味悪いし、お箸でつまむのが一番楽で手っ取り早かったのだと思います。そして人間の場合は骨だからちょっと重いので二人でつまむようになった。。。

そんなことを思いながら、セミの亡き骸を紙の上に箸で運んでマンションの玄関まで行くとその間にいろんな人に会いました。
みな一瞬ゴキブリかと思うようで、ひゃっと肩をすぼめたりされて、でもセミだとわかると「へぇ〜!!」
私は同じようにほかの方のベランダにもセミの亡き骸が一匹や二匹落ちている。と思っていたのですが、だれもこんな光景は見たことがないようでした。まして3匹も居るなんて。みな珍しそうに首を傾げます。

私は、土に戻りたいと強く思うセミが私のベランダに来て天上界に生還したのだと思うことにしました。いや、、ほかのセミはうまく土の上で死ねたのかもしれません。土が見つからなかったセミが私のベランダに来たのかも知れません。

3匹のセミは近くの桜の幼木のところにおいてきました。きっといつかその桜が咲いて花が開くころに、そのセミの養分が土にしみてきれいな花が咲いてくれることでしょう。
「私も死んだら、火葬場で焼かないで、たくさん栄養が残っている生のまま桜や美しい木のしたに埋めてほしいな」って一瞬思いました。


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