日記47

“ 英雄 MAUI ”

 

マウイで天使に出会った。その天使は美少年で、
私が以前読んだマウイの伝説の“英雄MAUI”そのものだった。

出会ったいきさつは・・・2月ちょうど日本でも大雪が降って都会の機能が麻痺したというニュースが伝わってきたが、それと同じくしてマウイ島でも、一週間近く毎日大雨だった。私の住んでいるところはそれでなくても雨の多い場所、一日中雨と風が吹き荒れて、道路などは一部川状態になっているところもあった。そんなときに、私はこの夏の夏至に主催する水の祈りの打ち合わせで、友人宅へ出かけたりしたのだが、マウイは八丈島と同じ車社会。私も2週間ほどレンタカーを借りていた。そんな雨のある日、私はちょうど日本から来ていた友人と待ち合わせのために彼女らが食事を取っている町のレストランまで車を走らせた。ところが、幹線道路に出たとたん大雨が降ってきて、車のワイパーのスピードが追いつかない。
視界が悪くて恐る恐る走っていたらいつの間にか私の後ろに数台の車が連なっている。私にとってマウイで走っていて何が苦手かって言うと、車がぴたりと後ろに付かれてしまうこと。以前、まだ、カレッジの学生だった頃、夜走っていて自宅に着いたらポリスカーが後ろについて来ていて、尋問された事がある。理由はあまりにも遅すぎて何かドラックでもやっていたと思われたらしい。遅くて非常に迷惑だったのだと思う。
そんな私なので、あわてて路肩によけて後ろの車をやり過ごした。が。・・・そのとき、多分道端に風で飛ばされてきた椰子の枝か何かをタイヤが轢いたのだと思う。やり過ごした後に発車したら、何か引きずる音がする。そのまま進むとまるでパンクしたときのようにズズズズーとタイヤが変な感じがして、私はパニックに陥ってしまった。前のタイヤを見ようと運転席から外に出てみれば、又雨が激しく振り出してきた。何がどうなっているのかも分からない、発狂寸前の私だった。

そのときです。前方からメタリックグレーのスポーツカーが走ってきて、私の車の反対車線の路肩で止ると、雨の中、若い男の子がすばやく降りてきて私にどうしたの?と訪ねました。私も雨の中、タイヤが変なものを引きずっていることを、早口で告げると、彼は・・・腹ばいになって前輪フロントの下、をのぞいて、原因を見つけてくれて、それを取り除いてくれたのだ。
腹ばいだよ!!雨の中。
もちろんお腹は地面にはつきません。まるでターザン?のように屈伸運動で鍛えた両腕で、全体重を支えて、片手で絡まった草木を取り除くと私を助手席に乗せて、自分でそのレンタカーを少し走らせて、何も問題ないことを確認してくれたのです。
「ライトもOk, ワイパーもOK ,ハンドルもOK、ブレーキもOK, 全て問題がないからね、大丈夫だよ」と言って、助手席の私を見つめるとにこっと笑い。私が頷いてありがとうというのを聞きながら、さっと反対車線に止めてある自分の車に戻って、もときた道を引き返していったのです。その間多分5分ぐらい。
私はただ彼の車が前方に、消えてゆくのを呆然と見つめていました。
ふっと気を取り直して、助手席から運転席に移るとエンジンをかけなおして車をスタートさせ、運転しながら、今起こったことを認識できるようになって、大きな喜びが体中に走りました。車の中で私はわ〜わ〜きゃ〜きゃ〜!! 私は天使に出会った!私は天使に助けられた!
それが確信でした。
彼はハオレ『白人のこと』ではなく、ハワイアンと、日本とか、マレー系か、きっといろんな国のミックスのような、東洋系の黒い瞳、美しい美少年でした。多分20代前半。
そう、やっぱり伝説の半神人、英雄マウイとしか思えないのです。
今までいろんな人に助けられてきたけど、こんなに唐突に助けられたことはありませんでした。嬉しいショックで後のドライブは安心の中を走っていきました。
自分がマウイ島に愛されていると言う強い実感がわき、心は大きな喜びで満たされて、
今でもため息が出てしまいます。
それから、私は自分が助けられた場所に、ちょうど私の車が止っていた道の脇にちょっと小ぶりの木が立っているのを見つけました。いつもその場所を通るときに、私の心は愛で満たされて、笑みがこぼれた唇から、「ありがとうマウイ」という言葉が出るのです。
ごめん写真がなくて。。。今度その場所を撮ってきます。

伝説の少年マウイ・・http://www.legendaryhawaii.com/

そういえば、、15年ほど前、八丈島の劇団ウレシパモシリが“少年マウイ”という劇を公演したとき私も歌でゲスト出演しました、そのときの歌は私が16歳の頃に作った歌で“,黄昏の泉”というタイトルの歌でしたがそのときから“少年マウイ”という副題が付きました。歌詞は稚拙ですが、これから又ライブでも歌います。

黄昏の泉・少年マウイ
♪ 青い泉、愛の泉、黄昏に寄り添う影、愛の言葉を私だけにそっと囁いて、
いついつまでもこの胸に焼き付けておきたいの。
黒い瞳、燃える瞳、黄昏にたたずむ愛、私のためにくちずけをして欲しいの
このまま二人で小さな船に乗り、
幸せのあふれてる花園を探しに行きたいの。

 


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