日記27

ゴキブリ談義

貴方の部屋にゴキブリが出たら・・・どうしますか?
1・断固として始末する。(どういうふうに?)
2・気にしないで放っとく。(むむ、、太っ腹)
3・きゃーっと言いながら、誰か他人に〔夫とか、彼氏とか〕始末してもらうのを待つ。
4・あら嬉しい、、なんて可愛いの!一緒に住みましょ!お名前は?

私の部屋にゴキブリが出たのです。新幹線に乗って神戸から帰ってきた夜遅く、部屋の電気をつけたとたん流し台のところに、それも2匹も、、、
そういえば一昨年の夏、、ベランダで一度ゴキブリを見かけて、その一年後の昨年は秋遅き頃にカーテンの陰に部屋の中でゴキブリを見ました。そのときはこのマンションに住み始めて始めての他生物との遭遇で、外から私の部屋に迷い込んで来てくれた生き物として、歓迎はしなかったけれど、丁重に話しかけて、でもやはり一緒には住めないことを告げて、廊下の外に出て行ってもらいました。
そしてこの夏、、2匹のゴキブリに思いもかけずに出会って、、めんくらいました。生き物に対する愛おしさよりも嫌悪感が先に立ったのです。
私は八丈島にいた頃は裸足で庭に出たり、野山を歩いてそのまま寝転がったりしていたので大地との一体感がありました。他生物に対しても皮膚感覚が慣れていて、まあ早く言えば虫に慣れっこでムカデやゲジゲジ、毛虫にも親密感を持てていたのです。ゴキブリなどは台所にいれば、さっと掴んで「あんたは外!」といいながら窓からぽいっと捨てるものだったのです。それが、、4年間の都会生活の影響でしょうか、、いつもなら掴んで、手の平の中でもがいているゴキブリに一緒に住めないことを話しかけて外に放り投げるのが、、今はなんとなく薄気味悪くて出来なくなっていたのです。
仕方なくタッパウエアで一匹を生け捕りにして、対面の道路に捨ててきました。そして次の夜、、、又出たのです。もちろん生け捕りにして同じように捨ててきました。これでもう出ないかな、、、と思ったのが大間違い、その次の夜にはちょっと若い青年ゴキブリが真夜中のキッチンを徘徊していました。
ここまで来て私は、ゴキブリ家族が私の部屋のどこかで巣を作って生活しているんだという事実を受け入れました。さてどうしよう?早速インターネットでゴキブリ駆除の方法はないかと調べましたが、残念ながら全て、、駆除すなわち殺虫でした。
今の人間社会の感覚ではゴキブリはイルカや犬、猫みたいに私たちと同じ生命を持って生きている生き物としては受け入れてもらえてないようで、殺すことをなんとも思っていないようでした。私は心がゆれて、、一軒家ならばまだしも、ここは清潔を第一とするマンション、隣の家人に迷惑はかけられないし、、、迷った挙句に、とうとう近くの薬局に行ってゴキブリ団子なるものを買ってきてしまいました。そして鬼のような気持ちで部屋の隅にゴキブリ団子を設置しました。
そして5日目の今朝、
キッチンの上にとても小さな黒い点を見つけました。めがねをかけて観て見るとそれは小さなゴキブリの赤ちゃんでした。床にも同じものを見つけて、それらをティッシュでふき取りながらはっきりと、私は自分が間違った決断をしたことに気がつきました。
いくら世間の90パーセントの人がゴキブリは殺すのが当然だと思っていても、それは私のやり方ではなかった事を自覚しました。赤ちゃんの死骸を見て悲しかったのです。
約20年前。36〜7歳のときに自由が丘のマンションで冷蔵庫の裏に逃げるゴキブリを殺虫スプレーで追いかけて、それでも死なないゴキブリをこれでもか!という風に何度もスプレーをかけてやっと殺したときの恐怖感、嫌悪感。殺すから怖いのか、怖いから殺すのか、自分と同じイノチを持っている生き物を殺すとき、それは自分を殺すことに通じている・・・私たちは繋がっている。そのことに気がついたときに、もう二度とゴキブリは殺さないと誓った私が、犯してしまった過ち。
ただ人間に都合が悪いというだけで害虫と言われて殺されてゆく生き物たち。人類が独尊だというバカな錯覚のために沢山の生き物が害をこうむっている今。自分が意気地なく世間のやり方に迎合してしまったことを悔やみました。そして意を決して設置したゴキブリ団子を全て撤去しました。心が一挙に軽くなり、いかにこの5日間重い心で生きていたかが理解できました。その上、、
ゴキブリに対する愛情が昔のように戻ってきて、、薄気味悪さが消えました。

掃除を心がけて、これから毎日ゴキブリのエーテル意識にちょっと住む世界の角度を変えていただけるようにお祈りとともにお願いするつもりです。きっと聞き届けてもらえると信じています。ああこの5日間、ホント鬼になった様で苦しかった。
ゴキブリさんゴメンネ。そしてありがとう。でも、もう一緒には住めないの、、、、
あら、私って、、、まるで男と別れるみたいな口ぶり・・・♪


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