85.  桂川救援勝手連の解散会と現況

 

 03年7月、桂川直文君の逮捕により、地元有志によって結成された「桂川救援安曇野勝手連」は、翌04年5月からは控訴審に向けて全国勝手連に規模を拡大し、公判傍聴、面会、差入れ、文通、そして機関誌『アナナイ通信』の刊行などを行ってきた。
 本年5月12日、桂川君は懲役5年の刑期満了によって出所した。以来5ヵ月、出所祝いを兼ねたイベントが計画されていたが、8月末に主催者の1人が栽培で逮捕されたため中止となった。9月23日、桂川宅にてごく内輪だけの出所祝いと、勝手連の解散会が行われた。
 私は21〜23日まで桂川宅に逗留して、桂川君とクマ(『アナナイ通信1、2号』編集長)、控訴審の丸井英弘弁護士、そして約10名の勝手連メンバーと話し合った。今後の活動については突飛なアイデアもあったが具体性はなく、予定通り『アナナイ通信3号』を桂川編集長のもとに、来春の発行を決定。
 そこで今回話し合った大麻問題に関する現状とその対応について報告しておこう。アメリカ民主党のオバマ大統領が唱えた「チェンジ」の呪文は、日本にもこだまし、時代は今大きな転換期を迎え、大麻取締法を廃絶し、大麻が合法化されるチェンジが近いことを予想させる。その要因を4つに絞れば、

(1) 民主党連立政権の登場。
 これは明治以来続いてきた官僚国家を、国民主体の民主国家にチェンジすることだ。鳩山内閣がスタートした途端に、政治の世界にスッポリ穴が明き、新風が吹きはじめた。例えば死刑制度にしても、人権派弁護士の千葉景子法相が出現したことによって、百名を越す死刑確定囚たちが朝方の出迎えに怯えることなく、枕を高くして眠れるようになった。
 とはいえ中国、イラン並みに、死刑大好きの日本国民は80%が死刑賛成論者だ。「殺ろせ!」の世論攻勢から千葉法相を応援するために、死刑反対運動の更なる盛り上がりが必要である。チェンジは国民側からの積極的な政治参加なくしてはありえないのだから。
 丸井弁護士は大麻取締法違反の容疑者を逮捕しないよう、首相と厚労大臣に請願書を提出するとのこと。既に8年前に提出したが自民党政府からは返事がなかったので、民主党連立政府に再申請するという。要するにアメリカ占領軍から強制され、国会で審議らしい審議もなく制定された大麻取締法には、その目的も趣旨も明らかにされておらず、法律として認め難いというわけだ。
 どうせムダと諦めていたこと、例えば大麻栽培免許なども、改めて申請してみよう。民主党なら可能かも知れない、というポジティヴ志向にチェンジするのだ。
 
(2) アメリカの大麻解禁が近い。
 カリフィルニア州は赤字対策として「大麻課税=大麻合法化」について、今秋州議会で審議するとシュワルツェネッガー知事が表明したが、その後同州オークランド市は、州法に先立って医療用大麻に課税する市条例を来年元旦に発行する予定だと表明した。
                     (HP、弁護士小堀栄の薬物問題ノート)
 財政赤字はカリフォルニア州に限ったことではなく、いずれあらゆる州が大麻による莫大な収益をマフィアに独占されるよりは、大麻を合法化して課税することを選ぶだろう。落ち目のタバコ産業からの税収は減る一方なのだから。
 アメリカの大麻解禁の動きが民主党の主導で行われているように、日本でも民主党がこれに連動するだろう。戦後アメリカ占領軍に強制されて制定されたわが国の大麻取締法は、アメリカが解禁すれば存在理由がなくなるのだ。民主党政権とすれば、これ以上世界の趨勢に無関心ではいられないはずだ。とりあえず、医療大麻と産業大麻は合法化されるだろう。

(3) 温室効果ガスの25%削減。
 国連総会のデビューで鳩山首相は、「25%削減」を唱えて喝采を浴びた。言った以上は実行せねばならない。しかしその手段が原発推進では、エコロジーもクソもない。この調子では上関原発も強制執行されかねない。要するに民主党には25%削減の具体的なビジョンがないのだ。今こそ持続可能なエネルギー資源として、大麻を原料とするバイオ・エタノールの生産を実現すべきである。
 長野県では田中康夫前知事の時代には、信州大学農学部が大麻研究を開始し、また大麻によるバイオ・エタノールの製造実験用のプラントまで作るなど民間主導で準備を進めてきたにも関らず、元警察官僚の村井現知事によって全てがストップしてしまった。旧栽培農家でも大麻栽培を諦め、この2、3年は栽培免許の申請者は皆無だという。この現状を鳩山政権に訴え、エコ資源である大麻によるバイオ・エタノールの無尽の可能性を提起すべきだろう。

(4) 艮の金神(ウシトラのコンジン)の復活(?)。
 鳩山首相の祖先が北海道夕張に建立した鳩山神社なるものがあり、秘められた祭神は国常立神(クニトコタチガミ)だという。
 国常立神はアマテラスの九代前の祖神、従ってアマテラスの孫のニニギノミコト一行の天孫降臨以前(唯物史観によれば大陸の騎馬民族天孫族≠ェ、朝鮮半島から九州へ渡来する以前)の縄文ネイティヴの神である。
 天孫族は大地の祖神である国常立神を、祟り神として忌み嫌い、東北(艮=鬼門)に幽閉してしまった。それ以来、神から離れた強い者勝ち(体主霊従)の世界が続いてきたが、「艮の金神」が復活すれば世界の根本的な立替え、立直しが起こるとして、明治の霊能者出口なおが出現。「三千世界一度に開く梅の花」と謳って大本教を開教。超人出口王仁三郎の宗教革命は官憲の大弾圧を受けた。
 出口王仁三郎が神々の世界を語った『霊界物語』全81巻は、桂川直文君の座右の書であり、アナナイ(麻柱)の教えもこの書による。
 アマテラスを祖神とする天皇制を信奉する靖国カルトの自民党に代って、縄文の祖神クニトコタチを祀る鳩山民主党が登場したのは「ウシトラの金神」の復活を予告しているのだろうか。由起夫首相が自覚しようとしまいと、彼の潜在意識を操作している幸夫人は、UFOオカルトの霊能者とか。靖国カルトとは霊的レベルがまるで違う。
 そして大麻スピリットもアマテラス系シャーマン忌部氏の弥生大麻に代って、クニトコタチ系は縄文大麻の復活となる。

 以上のような要因によって今、霊界から顕界までが大いなる転換期を迎え、2012年12月のアセンションをセッティングするのである。なんちゃって……!
                                  (9.28)


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