81.  核廃絶より大麻解禁を!

 広島、長崎では今夏64回目の原爆の日を迎え、平和公園の式典では「核兵器のない世界を目指す」としたオバマ米大統領のプラハ宣言を支持し、核なき世界の実現を呼びかけた。
 今秋にはオバマ大統領を広島、長崎へ招待しようという署名運動も始まったようで、核超大国が核廃絶に向けて一歩を踏み出したとして、オバマのアメリカに期待する一方、北朝鮮の核実験を批判した。戦争も平和もアメリカ次第という相も変らぬアメリカ依存症である。
 しかし核兵器廃絶というのは、幻想を前提とした理想主義である。理想主義であるから否定はできないが、現実にはありえないことだと認識すべきである。例えばオバマ大統領が本気で核廃絶を実行する気なら、真先に世界一の核保有国アメリカの核を廃棄してみせるべきである。それができないのは、他の核保有国を信用できない証拠であり、当然ながら中国やロシアなども、アメリカの核を信用できないだろう。
 もし日本が唯一の被爆国を理由に、核廃絶の主導的な立場をとる気なら、アメリカの核の傘を拒否すべきである。自分は強者の核に守られながら、世界に核廃絶を訴えても誰も本気で聞くはずがない。要するに世界は相互不信と暴力に満ち充ちており、どの核保有国も他国の核は信用できず、自国の核兵器は抑止力として正当化しているのだから。
 現在、地上に2万発あるという核兵器を、例え10分の1、否100分の1に削減しても、決してゼロにはならず、少しも平和にはならないだろう。なぜなら最後の一発は絶対に誰も手放さないだろうから。
 従って真にリアルな問題は、核廃絶ではなく、核兵器を使わせないことだ。そのためには暴力には暴力をという「力の論理」を否定し、暴力の行使を制御する論理で、核兵器の存在を無力化してしまうことだ。
 怒り狂って凶器をふりかざす相手に、暴力で立ち向かうのではなく、静かに微笑んで相手の激情をなだめ、理性に訴え、人間性を取り戻させ、口先一丁で凶器を捨てさすこと。それが精神力であり、意識の進化というものだ。
 そのような外交のできる指導者や政治家が出現するためには、そのバックグラウンドである国民が豊かな精神性を備え、高度な意識レベルに達することなくしてはありえない。それは困難なことかも知れないが、核廃絶のような永遠の幻想ではない。既に人類の何%かは「ラヴ&ピース」の妙薬があることを知っているのだ。
 オバマ大統領が真に世界平和を実現する気なら、核兵器廃絶でなく、大麻解放を宣言すべきである。経済的理由で大麻を禁止し、国連WHOにまで工作して、大麻絶滅を企てたアメリカが大麻を解禁すれば、ラヴ&ピースの妙薬は世界を潤し、核兵器を無力化するに違いない。
                                  (8.10)


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