75.  『アナナイ通信』次号編集長に桂川直文氏

 桂川君が出所2週間目にして、安曇野勝手連のクマと共に来訪した。プラスチックボード越しの数回の面会を除けば、シャバで会うのは6年ぶりだ。
 京都山科にある最悪の再犯刑務所で、狂える看守共にしごかれたわりには明るく元気で精神の弾みと遊び心は以前にも増した感じ。少し太って贅肉もついたし、シャバの感覚を回復するには、しばらく時間がかかるだろう。
 満期出所によって「桂川救援全国勝手連」は自動的に解散。陰に陽に救援運動を支えてくれた人々に、本人から挨拶と謝礼を表明すべきだが、近日中にインターネットのHPを開設する準備にかかるとのこと。(桂川君への連絡はしばらくお待ち下さい)
 また『アナナイ通信』の編集長は、創刊号と2号のクマに代って、予定通り3号は桂川君が担当することに決まったが、制作にかかるのは今秋になるだろう。なにしろ桂川君がパクられた03年といえばヘンプブームのピークの頃、豪雨で中止になったが06年3月の控訴審判決の日は、大阪市内でヘンプパレードを予定していたほどの盛り上がりだった。
 それが昨年来の集中豪雨的な大麻弾圧により、いまや自粛ムードは解放運動の存亡さえ問われる状況だ。この急激なシャバの変化を認識し、恐るべきファシズムの浸透を読み取らない限り、『アナナイ通信』のユニークな編集はできないだろう。
 人工太陽と水耕栽培という大量生産システムによる、遺伝子組換えハイブリッド大麻のグローバルな広がりの中で、果たして「ボム シャンカール」は商業主義に呑み込まれてしまうのだろうか?
 そしてオーガニックで手造りの在来種シンセミアは淘汰されてしまうのだろうか?
 論じ合うべきことは多々あるはずだ。
                                 (5.28)


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