70.  「バカ」と言う裁判官がバカ

 

 岐阜地裁の公判で、マンガ本を万引きして窃盗罪に問われた元とび職の被告(20)は、「マンガ本を売って借金を返したり、大麻を買ったりした」と述べた。
 裁判官(40)が「大麻は体に悪いという認識はあるのか?」と尋ねたところ、「体に悪いと思っていない」と即答。
 それを聞いた裁判官は「あんたがバカだから分からないんだよ」と、傍聴席に聞こえる声で発言した。
                          (朝日新聞 4月16日夕刊)

 「法廷侮蔑罪」というのは、裁判官には適用されないのだろうか。被告に対するこのような差別意識をもった裁判官が、法の下に平等に人を裁けるとは思えない。要するにこの裁判官は、道義的には裁判官の資格のない偏向人間であり、世間で言うように「バカと言う奴がバカ」なのだ。ということを、この20歳の被告は、法廷で傍聴人たちに証明してみせたのだ。
 おそらくこの裁判官は「医療大麻」などという言葉を聞いたことがないのだろう。大麻が毒物でも麻薬でもなく、薬物であり医療品であるという事実を全く知らないのだ。
 今や医療大麻はヨーロッパ、カナダ、オーストラリアはもとより、アメリカでさえオバマ政権が、ブッシュ政権がやった連邦法による弾圧を中止して、医療大麻を州法に委ねることで、事実上解禁したことなど知ろうはずもないのだ。
 国際的レベルでは無知で非常識な日本の官僚とマスコミが、大麻を通して社会の矛盾を透視している若者を裁くというバカバカしさを、何人の傍聴人が気づいていただろうか。
 大麻のことを言えば、裁判官の心証を悪くすることを承知の上で、裁判官をして「バカ」と言わせた20歳の心意気。こんな頼もしい若者が育っていることを知って、涙が出るほど嬉しくなった。まだまだ希望はあるぞ!
                                  (4.17)


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