66.  医療大麻のチェンジ

 「100年に1度の危機」などと、カネでしかモノを見ない連中は騒いでいるが、これは人類史上未曾有で最後の危機なのだ。それは経済だけでなく、エコロジー、政治、社会、文化、精神など、あらゆる局面での同時破局を意味する。
 その危機の震源地であるアメリカでは、期待のオバマ政権が発足したが、ガザの虐殺に対してイスラエルに一言の抗議もなく、アフガンへの大規模な増兵を決めるなど、ブッシュ前政権からのチェンジはない。大統領の違いは肌の色だけだと言われている。なにしろ軍産複合体に盾ついたら、大統領といえども「ズドン!」と一発のテロ国家では、操り人形もやむをえないのかも。
 それでも医療大麻に関しては、公約通り前政権からのチェンジを見せるようだ。ブッシュは州法によって認められた医療カナビス施設の百軒以上に、連邦法(1937年制定)を適用して、準軍事的スタイルの強制捜査を行ってきた。
 新政権のホワイトハウス広報担当官は、このほど州法によって認められた医療カナビス施設への連邦麻薬取締局の強制捜査は、新しい執行部を指名すれば終結すると発表した。
(参考資料・カナビス・スタディハウス
 
 これによって医療大麻を州法で合法化しているカルフォルニア、ニューヨーク、ハワイなど11州の患者と家族が、安心して大麻を栽培、所持できるようになるのだ。それはガンやエイズ、多発性硬化症、緑内障、喘息、てんかん、うつ病などの患者を癒し、苦痛を和らげ、精神の平安をもたらすだろう。
 当然ながら他の40近い州でも、医療大麻の合法化運動に拍車がかかるだろう。かくて
莫大な予算を費やして「マリファナ戦争」を行い、大麻ジェノサイドを企んできたアメリカ帝国が、医学の進歩により医療大麻を認めざるをえなくなり、ヨーロッパ先進国に一歩近づく時、属国日本はどうするのか?
 日本では医療大麻の使用は全面的に禁止されてきたため研究も一切されてこなかった。大麻を研究する学者もいないのだ。そこで昨年、大塚製薬はアメリカにおいて大麻製剤の特許を申請し、臨床試験を開始した。
 また北海道では北見など4ヵ所に「大麻特区」を設け、医療大麻の研究を始めた。しかし精神変容作用のない大麻などと言っていると、2級品の繊維しか採れないTHC抜きの大麻トチギシロのように、薬用として効かないかも知れない。
 そして日本のマスコミはオバマ政権が、医療大麻政策をチェンジしたことを、決して報道しないだろう。日本では大麻は「薬物」ではなく「毒物」であり、「麻薬」であり、「汚染源」であらねばならず、洗脳は続けることに意義があるのだ。なぜなら国そのものが擬似精神病院なのだから。
                                    (09.2.25)


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