64. 桂川直文氏のネット情報

 桂川救援運動のネット情報は、一審を救援したカンナビストに次いで、控訴審からは救援した勝手連の私のHPを通して発信してきた。また下獄後も検印付きの私信を抜粋、要約して紹介してきた。いずれ出所したら「アナナイ通信」のサイトを設け、桂川氏のHPを開くつもりだった。
 ところが今回、桂川氏は「大麻取締法変革センター(THC)」のサイトに、自分の手紙を公開したのである。そのため桂川氏が「THC」のメンバーになったのではないかという誤解を生んだようだ。
 そこで断っておくと、THCの主宰者白坂和彦君のネットに、桂川氏がHPを設けたのは、03年7月に逮捕される直前のことだということ。当時ネットはまだ珍しく、桂川氏の大麻人生に心服してアプローチしてきた白坂君は、ネットのプロだった。そこで桂川氏は白坂君の手ほどきを受けて、彼のサイトに自分のHPを設けてもらったのだが、1度も使わないうちにパクられてしまった。
 従って桂川氏はあれから6年近く、白坂君がどんな運動をしてきたかをほとんど知らないはずだ。桂川氏とTHCの関係はあくまでもあと3ヶ月余の獄中書簡の公開である。
 勝手連では5月12日の出所に向けて、「アナナイ通信」のサイトを準備するつもりだが、それまでは今まで通り私のHPを通して、桂川情報を伝えてゆきます。
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 〈桂川直文氏から1月26日の手紙より〉
 「アサヒ芸能」12.18号「井筒監督の毒舌ストレート時評・アホか、お前ら!」は久々に爽快でした。「大麻を違法とする根拠を厚生省は考えるべきやろ!」と題したコラムは我々の主張を要約して、ズバリと斬り込んでおり見事なものでした。──国内では大麻の臨床実験すらされた試しもない。つまりこの悪伝説は国と厚生省がその毒性を調べずに言ってただけ──芸能界、特に音楽業界でマリファナを味わってないヤツなどいない──何の根拠もない法律のまま国家が取締まるのは変だ──厚生省も年金が片付いたら考えてみろ! 20年待ってくださいって?──官僚のバカでも吸ったヤツはいるだろう──等々……
 どうですか、ハッキリと物を言う文化人が出てきたではないですか。これこそ普通の頭で考えたごく当り前のことなのです。恐怖におびえて当局のごきげんを取るようなことはもうやめようといっているようです。これが呼び水になって続々と声をあげる文化人が出てきてもらいたいものです。井筒カズユキ?たしかこんな名前でしたがド忘れしてしまいました。映画「パッチギ」等で有名な映画監督です。ムショに居るので多くの雑誌をチェックできませんが、アサ芸、実話、大衆など、お色気やヤクザ情報を売り物にする週刊誌は大麻を肯定的です。文春などのインテリ系も真実を書きます。いけないのはその中間にある現代やポストではないでしょうか。今後は小林よしのり、テリー伊藤、安倍譲二などに注目です。

 最近「続・獄窓記」山本譲司著を読みました。前作の「獄窓記」を拘置所で読み、下獄の心がまえをしたものでした。山本譲司は十数年前に都議になり、その後国会議員にまで登りつめましたが、2000年に秘書給与詐取事件で実刑となり、1年2ヵ月黒羽刑務所で務めました。その経験を書いたのが「獄窓記」で、その後のことを書いたのが「続」であります。その中で、政治家だった頃の自分は「酔っ払っていた」と告白しています。国民や住民のことの政策よりも、選挙のことばかり考えていたと述べています。ムショ暮らしをすることで目が醒めたとのことでした。では今の議員や役人は皆酔っ払っていることになりますね。まったくこれは恐ろしいことです。私の裁判を傍聴した人たちはハッキリ見たはずです。この国は狂っている。大麻はそれを教えているのです。『霊界物語』では悪神達は皆酒に酔っぱらっていることが書かれています。アナナイの宣伝歌を聞くと、耳を塞いで苦しむとの描写があります。今さらながら王仁三郎のすごさが分かりました。

 私はハッパ吸いこそ次代の社会のリーダーになるべき人達であると確信しています。だからこそ、こんなことで厳しい弾圧を受けるのです。その社会が今ある物質的な現実なのか、はたまた夢と現実が融合した5次元世界なのか解りませんが、塀の中で暮らして、肉体を持っての現実世界も、これはこれですごい奇跡であると感じています。と同時に、各種幻覚剤でかいま見た世界が、突然我々の日常になってもおかしくないとも思いました。
 このことについてはグラハム・ハンコックが『異次元の刻印』という最新の本で取り上げています。この本をベースにした特集が『ムー』2月号に載っていました。グラハム・ハンコックはアヤワスカで様々な検証をし、巷間伝わっている薬物による幻覚なるものは、異次元をかい間見たものではないかとの考察であります。するとテレンス・マッケナがきのこやアヤワスカで見たという2012年のことも、にわかに信憑性を帯びてきます。いずれにしても世の中が我々の予想を超えて大きく変わりつつあるのは確かです。それを遂行している人々は、人知を超えた存在とチャネリングしながら、金融危機や戦争を起こしているようです。それを予測し、我々に警告を与えている人々も神霊なるものとチャネリングしているようです。つまり神の右手と左手によって我々は翻弄されているのです。
 大麻を禁止したのも神の意志であり、自由化への流れも神の意志であります。そのはざまで私達は魂を「磨」かれるのです。魂(たま)は石であり、玉になります。文字どおり麻に「磨」かれて玉となり、神人となるのです。大麻が自由化されれば、大麻を非難していた人達は己を振り返り、自らの来し方を内省するでしょう。これこそ大麻を自由化する意味であり、理由なのであり、社会にとって良いことなのです。
 戦艦大和の引き上げ計画が持ちあがっているようですね。大和乗員の杉原中尉は叫んでいました。「日本は負けて目醒める」。そうなのです。「日本人は大麻を解放して目醒める」のではないでしょうか。
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 以上、桂川氏は出所を3ヵ月後に控えて、獄中の思索を深めているようだ。
 折から若麒麟という力士がパクられ、またしても角界を大麻汚染したとして集団リンチに遭っている。しかし日本の国技である相撲は、単なるスポーツではなく、本来は神に捧げる神事であり、横綱の化粧まわしは神の「よりしろ」として大麻によって作られてきた。現在は栃木県鹿沼の「トチギシロ」という大麻が使われていることを、日本相撲協会や力士たちが知らないはずがない。THC抜きなら良いのか。では毎年、群馬県吾妻から皇室へ奉納されるTHC含有の大麻はどうなのだ。同じ人間なのに皇族は大麻汚染されないのか。これは差別じゃないか。

〈新刊紹介〉
 『大麻入門』 長吉秀夫著 幻冬舎新書 09年1月30日発行 定価760円+税
 「横綱力士の綱も、大麻で出来ている」がキャッチ・コピー。「大麻禁止の歴史」「大麻文化」「医療大麻」「産業大麻の未来」の4章よりなる。大麻の基礎知識がトータルに、アカデミックに解説されており、時節がらクリーンヒットであり、待望の書でもある。
 日本相撲協会の酔っぱらい達にも、そして獄中の若麒麟にも是非読ませてみたい。
 
                                   (09.2.4)


 〈追記〉
 白坂君より私の誤解を指摘されたので、訂正してお詫びしておきたい。
 「THC」主宰者白坂和彦君のサイトに、桂川氏がHPを設けたのは、03年7月に逮捕される直前のことだ」というのは誤りで、正しくはそれより1年以上も前のこと。
 「1度も使わないうちにパクられてしまった」というのも誤りで、正しくはパクられる半年以上も前の02年12月に「もはや大麻しかない」という文章を公開している。この文章は『アナナイ通信・創刊号』に掲載したものだが、ネットで公開するに際しては、白坂君はもとより、勝手連のクマも反対したのだが、桂川氏はあえて踏み切り、結果的には近畿麻取りを動かしてしまった。
 「桂川氏は白坂君がどんな運動をしてきたかをほとんど知らないはずだ」というのは誤りで、正しくは白坂君のサイトでも桂川裁判の記録や獄中記などを公開しており、獄中との交流は続けてきたとのこと。
 ネット情報に関しては私自身がパソコンを持たず、いずれも間接情報なので誤認や誤解があるようです。今後は情報を確認して公開します。
                                  (09.2.10)


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