29. 詩 麻の伝導師

  

連日40度近い 猛暑の関東平野を脱け出し
信州越えで 飛騨路を高山のライヴハウスヘ
用意された「盆シャンカール」のステージから
伝導師は山の民に 温暖化の危機を訴える

聞いてくれ 下界の暑さとお上の無為無能を
CO2削減を 原発増産だけに頼っていた日本は
相次ぐ想定外地震に 原発は止まりっぱなし
もはや温暖化に対する 「戦略なし」とか

わが国のバイオ燃料政策は コメを原料に
エタノールプラントを 製造中だが
コメはコストがかかりすぎて 採算が合わず
車にコメを食わせれば 食料危機の罰が当たる
 
おお属国民よ 今こそマッカーサーの封印を解け!
60年に渡る洗脳と 思考停止状態を脱すべし
戦後レジームからの脱却は 憲法改定でなく
天下の悪法 大麻取締法の撤廃である

正しい科学的知識と 伝統文化に根ざした
麻の復権と 大麻への愛と信仰の復活
大麻こそはバイオエタノールの最適の資源
温暖化対策の最後の切り札なのだ
 
荒れ果てた列島の 休耕田や段々畑に
緑したたる大麻草を 見渡す限り栽培し
エタノール製造が 地場産業化すれば
農業衰退や地方格差の問題など一挙に解決する

さて信州では 麻の復権をめざす仲間たちが
某大学教授と共同で エタノールの研究を始める
最後に伝導師は 詩「麻里花の花」を朗読した
拍手喝采 「最新情報をありがとう!」の声も

麻の伝導師の帰郷ともなれば やっぱり
会場にはデカが潜入して 盗聴マイク
だが麻の葉模様の産衣の中で 赤子は微笑み
飛騨の夜は 安らかな眠りを誘う秋風が立つ
              
               07.8.18 ポン 


| HP表紙 | 麻声民語目次 |