東京・三軒茶屋の商店街の中に、ひときわ楽しげなバイブレーションを放つお店がある。
フェア・トレード&エコロジーをテーマに、アジア・アフリカ・中南米等の、人と環境にやさしい、生産者の顔の見える商品を販売するお店として一九九九年にオープン。約30ヶ国、100近い生産者団体の自然素材と伝統を活かした、ていねいな手仕事による温もりのある商品がところ狭しと並んでいる。
フェアトレードといっても堅苦しいことを客に押しつけようというのではなく、「商品の魅力だけで普通に気軽に買い物でき、その中で南北問題や環境問題について興味をもつ人が何人かでもいれば素敵」とお店の主人、藤田さんは語る。もともとコンサート・プロモーターの仕事をしていた藤田さんは、アジア・アフリカの音楽家たちとふれる中でアパルトヘイトなど第三世界の理不尽な問題にめざめ、それがきっかけでこの仕事を選んだのだそうだ。
店名の由来は、藤田さんが大好きなアーティスト、ジョン・レノンの「イマジン」とボブ・マーリィーの「ワン・ラブ」の歌詞からで、戦争も国境も差別もない地球と、愛、おもいやりのある世界が実現するために、自分なりにできることをしようというのがポリシーだという。
この店にはまた名前のない新聞のようなミニコミ誌やCD、そして粘土製品やミスアプリコットの品などの自然派化粧品なども置かれ、2階にはディジュリドゥやジェンベなどの楽器がたくさん並んでいる。さらにそれらを販売するだけでなく、近くの公共施設を使って手作り楽器のワークショップやオーガニックコスメのクラスを開くなど、さまざまな活動をしているところがこの店の輝いている由縁だろう。
(取材・文:あ)