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イカナゴのくぎ煮

今回はお出かけ日記ではなく、この季節の神戸名物「イカナゴのくぎ煮」の作り方を紹介します

イカナゴ(写真上)というのは瀬戸内海や北海道が主な産地ですが日本各地でとれる魚だそうです。釜上げ(蒸)した新子(幼魚)をおろし醤油で食べる新子おろしというのは大阪の方でもありますが、「くぎ煮」という佃煮にするのは神戸周辺特有のもののようで(たぶん)、これが上手にできたら神戸の人と言われる神戸の名物です。この季節に神戸の街を歩くと、よく「イカナゴのくぎ煮、地方発送可」などという張り紙を見かけたり、犬の散歩の途中であちこちの台所からくぎ煮を作っている独特の香りが漂ってきて、あー春がやってきたなと感じる神戸の春告げ魚です。

さて今まで八丈島に住んでいた頃は神戸の母から送ってきてもらうのが楽しみでしたが、せっかく神戸に来たのでぜひ作り方のプロセスを見てみたいと思っていました。といっても見ているとわりとシンプル。ほんとは明石の魚の棚という市場に買い出しに行くところから始まるはずでしたが、遠いし車を停めるのも大変だということで、近所のスーパーで1kg¥700〜400(時期による)で買ってきたものを使うことになりました。

イカナゴは3月に入ったころからお店に出てきて、最初のころはチリメンジャコくらいの大きさですが、3月末となると数cmくらいに急成長する魚です。夏の間は砂の中で夏眠するという性質をもっていて成魚になると15cmくらいにまで大きくなるそうです。「くぎ煮」にするには3月〜5月はじめころまでの時期にとれたイカナゴを使い、常温で1年もつと言われる保存食ができあがります。煮上がったイカナゴは折れ釘のような形にも見えることからこの名前がついたのかもしれません。

材料としては、イカナゴ2kgに対して、濃口醤油400ml、みりん100ml、ショウガ100g、砂糖(きざら、又は三温糖)500gを用意します。作り方は人様々でお酒や山椒を入れることもあれば、入れるタイミングが違うこともあり、各家庭の味「手前くぎ煮」ができあがります。

うちではこんな昔のはかりを使っています

まずは流水でイカナゴを洗い、よく水を切ります

まず鍋に醤油、砂糖を入れて強火で煮立てます

泡だってきたら少しづつイカナゴとショウガを入れます

アクが出てきたらこまめにとり続けます

沸騰している煮汁が冷めないよう、イカナゴは少しづつ足します

強火で煮続けながらこがさないよう気をつけます

煮詰まってきたら鍋ごと揺すって天地返しします

ほとんど煮詰まったところでみりんを入れて照りをつけます

煮上がったらザルに移して冷ましてできあがり

イカナゴのくぎ煮づくりのコツとしては、常に強火で煮続けるということです。そのため、イカナゴを全部一気に入れてしまうと煮汁が冷めてしまうので、少しづつイカナゴとショウガを足していきます。また火力の弱まる夕飯時をさけたり、平鍋ではなく深鍋を使うのもポイントです。強火で煮続けるとこがしてしまいがちなので、鍋から絶対に目をはなさず電話がかかってきても出ないくらいの集中が必要です。最後の方ではこげつかないよう火力をすこし落とし、こげつく寸前で火を止めるのがコツです。
それからこまめにアクをとるというのも大事で、それによって味がだいぶ違うようです。もう一つ、煮詰まってきて身がしまるまでは箸を入れないことで、煮汁がほとんど見えなくなったら鍋返しをし、イカナゴがくっついているところを崩さないように箸でほぐします。2kgのイカナゴで約40分くらい煮込みます。

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