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【ほかほかソフト】新刊本

21世紀への草の根ダイオキシン戦略


 日米環境活動支援センターを中心に在米日本人女性15名が翻訳を担当した『21世紀への草の根ダイオキシン戦略』は、全米規模の環境団体「健康・環境・正義支援センター」(Center for Health, Environment & Justice)が編集した ”Dying from Dioxin: A Citizen’s Guide to Reclaiming Our Health and Rebuilding Democracy”の完全翻訳本です。大勢の科学者、環境活動家、組織リーダーそして研究者によって執筆されたこの本は、米国内の草の根活動家の間で英語の副タイトル通りに「健康を取り戻し、民主主義を再構築するための市民ガイド」として広く読まれてきています。
 本書は大きく序論「金と権力が操ったダイオキシン研究」と第一部「ダイオキシンの科学」、そして第二部「運動のための組織作り」から構成されています。全体を通してダイオキシン被曝を止める目的に前進するに必要な車の両輪のごとく「科学」と「組織化」がじっくりと語られているのが本書の特徴です。さらに読者は本書の中に数 多く書かれている「ダイオキシン問題と闘う米国の草の根市民団体の実例」によって 、米国の民主主義を実践し社会を変えるために行われている市民運動の不断の努力を知ることができます。
 「健康・環境・正義支援センター」の設立者であり代表者であるロイス ・マリー・ギブスは、1978年にニューヨーク州ナイヤガラ・フォールス市ラブ・カナルで発覚した有毒廃棄物の被害から子どもたちを守るために、地域住民を組織して住民たちを勝利に導いた中心人物です。その彼女が原書出版の目的を前書きに「一人一人の読者にダイオキシン被曝を止めるのに役立つ十分な情報を提供すること」と書き、さらにそれに続けて「どうか科学の側面だけに囚われないで、科学を組織化と行動のためのバネとして活用して下さい。私たちを守り、互いに守り合うためにも、地元のダイオキシン発生源をなくすために活動する活発で献身的な住民グループが必要なのです」と書いています。将来のために真剣にダイオキシン問題と取り組まなければならない日本 においても、このような原書の出版目的が生かされて本書が十分に活用されものと思います。
 尚、「日米環境活動支援センター」では、本書の「図書館リクエスト運動」を始めています。お近くの公立 ・私立図書館に必ずある「新刊図書リクエスト用紙」を使って本書の購入希望を図書館に申し出て下さい。それによって本書購入費の節約ができ、さらにより多くの人に本書を読むチャンスが与えられ、一冊の本が何度でも環境活動のお役にたつことができます。どうぞ誰にでもできる「図書館リクエスト運動」にご参加ください。

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タイトル:『21世紀への草の根ダイオキシン戦略』 /ロイス・マリー ・ギブス代表 「健康・環境・正義支援センター」編 監修:綿貫礼子 /監修協力:河村宏/翻訳:日米環境活動支援センター 値段:4000円プラス消費税/総頁数:520頁/出版社:K.K.ゼスト



No.99=2000年3・4月号

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