amanakuni Home Page | なまえのない新聞ハーブ&アロマテラピー | 八丈島の部屋

国際平和巡礼

〜核のない未来をめざして〜

南オーストラリアのウラン鉱山、ロックスビーダウンズからヒロシマ・ナガサキへ!
11月から約9ヶ月間のピースウォークが始まります!


「地球のために、そして地球上に住むすべての命のために、引き続く核産業の破壊から聖なる大地を守らなければなりません…この環境破壊と虐殺を止めるために、世界の隅々から集い、つながりを広げなさい…古代の魂は、そう呼びかけています」

 ケビン バズコット、オーストラリア先住民アラバナ族の長老
 2002年「核のない未来」賞受賞者
 (国際平和巡礼へ寄せたメッセージより一部引用)


 ケビンと私たちとの出会いは、2000年にセイクレッドランがオーストラリアを訪れた時だった。ビデオで観たケビンは激しい運動家として私の目に映ったけれど、実際本人に会ってみると、二言目には冗談ばかり。一体どこまで本気で、どこまでユーモアか、とにかく楽しくて優しいおじさんといった雰囲気に、私はすっかり親しみをおぼえた。しかし冗談ばかり言っていつも周りを笑わせている彼も、南オーストラリア州でウランの採掘を続けるウェスタン・マイニング社(WMC)を相手取ったら、水と大地とそこに暮らす命あるもの達を守るために、先住民族のリーダーとして活躍する運動家である。
 南オーストラリアの首都アデレードから、砂漠を目指して北上すると、ほんの数時間でまるで別世界のように風景が移り変わっていくのがわかる。水の豊かな南海岸は、開発を生き残ったオットウェイなど、今では数少ない豊かな原生林を育んできた。そこから少し内陸に入っていくと、段々と背の低い木々が目立ち始め、緑も周りの空気に溶け込むようなやわらかさを持つ。そこで見惚れているヒマなく、あっという間に目の前には真っ赤な砂漠が広がるのである。砂漠と言っても、ここに何万年も人々は暮らしてきた。この厳しい環境の中で、水の道を知り、自然の与えてくれるだけの営みに感謝しながら生きてきたアボリジニ(英語で原住民)にとって、貴重な地下水を汲み上げてウランを精製している鉱山は、生活を破壊する怪物でしかないのである。
 それどころか、このウラン鉱山から西へおよそ600キロ離れた砂漠は、1950年代か
らイギリスが9回行なった核実験によって、今でも放射能に汚染されたままである。
いくら汚染された土を除去するといっても、それをどこへ持っていくのか?海に捨て
れば良いなんて、ヒドイ発言もあったけれど、今はとりあえず穴を掘って埋めてある
という。核実験による被爆、そして何とか生き延びて辿り着いたところでは、20年以
上もウラン鉱山と隣り合わせで暮らしてきたアボリジニの人々。それを駄目押しする
かのように、今年7月オーストラリア政府は、国内初の低レベル放射性廃棄物地下貯
蔵施設の予定地を、ウラン鉱山からそう遠くないアラクーナ牧羊地に決めたのであ
る。
 こうなったら孫たちのためにも黙ってはいられないと、立ち上がったのがクーパピ
ディというオパールの産地に暮らす先住民のおばあさん達で、この踏ん張りを陰で支
えているのがアデレードやメルボルン出身の若い白人女性のグループである。私は今
年7月、ブロークンヒルという町で開かれた集会に参加して、おばあさん達と彼女た
ちを支援する若い女の子数人と生活を共にするという、すばらしい機会に恵まれた。
特に、これまで入植してきたオーストラリア人が先住民族を抑圧し、文化や伝統を踏
みにじってきたのとは正反対に、先住民の文化や習慣に溶け込もうとする若い世代の
真剣な姿に、私はこの国の可能性を見た気がする。それは人類の生存という命運を賭
けた、体当たりの挑戦のようだと私には感じられた。
 南オーストラリアで掘られるウランも、原子炉用の燃料として日本は輸入してい
る。私達が生活の中で使う電気が作られるまでに、ウラン鉱山があり、転換工場があ
り、濃縮工場があり、そして原子炉で使われる燃料を作る工場がある。一体どれだけ
の環境が被ばくし、膨大に増え続ける廃棄物をどこへ持っていくのだろう?
 ここで掘り返されている「毒」は、決してウランだけに限らない。核兵器の開発に
虜になってしまい、いのちの大切さが見えなくなってしまった人間のおろかさ。それ
は戦争と暴力という文化を生み出し、ついには子供たちにも武器を持たせる社会を作
り上げてしまった。これを「毒」と呼ばずに、何と表現できるだろう。
 「国際平和巡礼」は、様々な国籍や社会的背景を持つ人々が、一歩ずつ歩き続ける
ピースウォークである。言い出しっぺはいたが、実際は縁があって関わる、数多くの
人の祈りによって実現している。自分がなにもできない人間だと落ち込んでいる人が
いるならば、もう一度考え直してみてほしい。一人一人の意識が未来を形作る、そん
な大切な時代に私たちは生きている。
 一歩でも、二歩でも、それぞれがその一歩を踏み出す事で、この地球上で何か大き
な動きを作り出していきたい。様々なかたちで多くの方と繋がりを持ちながら、来年
4月から4ヵ月半、巡礼は北海道から広島・長崎を目指して日本を歩く。巡礼を物心両
面で支えてくださる方々、そしてこれまで歩き続けてくださった先人たちへ心から感
謝を込めて、私なりに一歩ずつこれからの一年間を歩き通したい。
応援よろしくお願いします!

オーストラリアでの巡礼地図  日本での巡礼地図 

巡礼については下の連絡先まで、お気軽にお問い合わせください。
国際平和巡礼・日本事務局
〒300-3261
茨城県つくば市花畑1-5-9 サンライズ富田207号
電話 090-3654-4035
ファックス 029-864-8775
Email : inori-heiwa@jeans.ocn.ne.jp
URL: http://rainbow.or.tv/walk/kokusaiheiwajyunrei/

この巡礼をたくさんの方々と作り上げていくために、カンパをお願いしています。
カンパの送り先は;
郵便振替口座:00170-5-388603 名義:野川温子 備考:「国際平和巡礼へカン
パ」と明記してください。


毎日新聞のMainichi Interactive 10.27で取り上げられています。→こちら



No.121=2003年11・12月号

なまえのない新聞のHome Page

amanakuni Home Page