最近出版された本「イラク攻撃」の著者でイラクへの元国連査察官だったスコット・リッター氏の来日が決まったそうだ。イラク問題をもっとも詳しく知る人とも言えるので、参加出来そうな人はぜひどうぞ!
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◆今村 和宏◆
■ブッシュ大統領に最も恐れられる男、緊急来日■
昨年、ブーメランVol.230【私たちが理想とする 勇気あるアメリカ人】でご紹
介したあのスコット・リッター氏の来日がとうとう実現することになりました。
1991年から98年まで7年間、イラクの査察現場でもっとも有能な米国人主
任査察官として活躍したのがリッター氏。「イラクの歴史と政治と潜在兵力につ
いて世界一くわしい人物の一人」といわれ、昨年来、NHKのBSワールド・ド
キュメンタリー・スペシャルやTBS報道特集など、イラク関係の番組にはかな
らず登場しています。
大量破壊兵器そのものだけでなく、製造設備や輸送システムのすべてをつきとめ
て廃棄する仕事に専心したリッター氏ですが、98年にはUNSCOM(国連大
量破壊兵器廃棄特別委員会)に対するアメリカ政府の介入が目にあまるとして抗
議のため辞任。イラクとUNSCOMはその後、アメリカのスパイ疑惑をめぐっ
て決裂し、査察の中断とともに、米英軍の大規模空爆「砂漠の狐作戦」へとエス
カレートしていきました。
それ以来、リッター氏はみずからの体験とデータにもとづいて、現在のイラクに
国際社会を脅かすような大量破壊兵器があるという主張の無理を指摘し、根拠も
なくイラク攻撃へと突き進むアメリカ政府を厳しく批判しつづけています。
リッター氏はCIA職員として旧ソ連の軍縮査察に携わったのち、海兵隊情報将
校として湾岸戦争に従軍。2000年大統領選ではブッシュを支持した生粋の共
和党員ですが、現在はブッシュ政権のイラク進攻計画を確かなデータにもとづい
て牽制する一番手ごわい論客に数えられるでしょう。
今回の来日は、イラク情勢と過去の査察実態を十分理解しないまま対米追従に甘
んじる日本の政府と世論に正しい情報を提供できればと、市民グループの招きに
応えたものです。来日中には記者会見、テレビ出演、シンポジウム出席など多数
予定しています。
最近ブッシュ政権には振り上げた拳の下ろしどころを探る動きもうかがえ、戦争
回避の可能性が見え隠れしています。この時期のリッター氏来日は、日本の方針
決定に大きな影響を与える可能性を秘めています
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■来日日程■
2月3日(月)成田着
4日(火)10:30〜 記者会見
11:30〜 院内集会(いずれも参議院議員会館)(テレビ出演)
5日(水)共同記者会見@外国人記者クラブ(午後、時間未定)(テレビ出演)
6日(木)18:00〜 講演とシンポジウム
東大駒場キャンパス13号館1313教室
(無料、逐次通訳あり、カンパあり)
【主催:東大駒場教官有志
共催:スコット・リッター招聘実行委員会】
7日(金)離日
本件に関するお問い合わせ:[スコット・リッター招聘実行委員会]
ritter@ribbon-project.jp
共同世話人 :池田香代子(翻訳家)、今村和宏(大学教員)
コーディネーター :室田元美、伊藤美好、星川淳(作家・翻訳家)
後援 :100人村基金
参考書籍 :『イラク戦争・ブッシュ政権が隠したい事実』
W・R・ピット+S・リッター(合同出版)
(OPEN-J BOOMERANG 286より)